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やみくも

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5章ー天界編ー

104.サファイアの精鋭

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 俺はラビリンスの力を剣に宿し、風を纏った。

曖人「剣術:龍巻斬」

 迫る8人程のドライ教徒は吹き飛び、ダウンした。

エンデス「使えない物だ。」

 エンデスは機械のような翼を羽ばたかせ、宮殿の方へと逃亡した。

曖人「逃がすか!」

 脚に魔力を込めて、俺も宮殿の方へと飛び上がった。









 
 各地で交戦が本格化していた頃、ミィル達回復部隊が残る門前では、多くの負傷兵が運びこまれていた。

ミィル「ラピスラズリもドルフィオンも天使もバタバタと倒れてきている……。いいや、私達は救う事に専念しよう!」

 護衛部隊の一部とゼディは、先程助けを呼びに来た心明と一緒に深雅の元へ向かっており、現在は少人数の護衛部隊が常駐している。

 周囲の安全も確認されており、避難場所のような状態に現在なっている。










 一方チェイン達の方では、ゾンビの対処に追われながらカナデの猛攻を回避しており、じわじわと体力とエネルギーを消耗していた。

カナデ「弱いですね。ここまで生き残ってるのが不自然ですよ。」

チェイン「黙れ。魔術:命散の鎖文字」

 チェインは蒼炎の鎖で取り囲むゾンビを払い、跳び上がって紫炎の鎖に変換して、カナデの方に構えた。

チェイン「魔術:虚悪化す紫暁」

カナデ「魔術:朽ちた旋律~腐敗者~」

 紫炎の鎖をねじらせて高速で伸ばしたが、カナデがハーモニカを吹くと、金色の霊体が飛び出し、鎖を押し戻した。

チェイン「くっ!重い。」

カナデ「まだまだ序の口。朽ちた旋律よ、1つの音としてこの楽園を破壊するのです。」

 チェインにダメージを入れた金色の霊体は上空へと舞い上がり、エネルギーを放出させると、霊体は周囲のゾンビを吸収して、一体となった。

萌愛「……比にならない位エネルギー値が跳ね上がっている。」

カナデ「金色の旋律「腐敗音・ニルン」の前に壊れなさい。そして、ニルンの召喚に伴って私の能力は完全なものとなった。より広い範囲にこの音を奏でられるのよ。」

 ニルンが咆哮を放つと、金色の音の流れが上空に拡がり、門前から郊外までの空を覆い尽くした。

チェイン「ファーマ…。何処で何してるんだ!信号弾は放った。信じて待つぞ…。」

 チェイン、萌愛、李樹朱の3人は、それぞれのエネルギーを練り直し、ニルンへと飛び掛かった。











ファーマ「鬱陶しいな!倒しても倒しても無限に湧いてきやがる。進路的にチェインが交戦してるであろう奴の能力で創られたのか?彼が押されてるのか?」

 ファーマは矢をゾンビに一発ずつ正確に撃ち込んでいるが、中々進めずにいた。

 遠方ではニルンが召喚されてチェインの鎖や李樹朱が跳び上がって殴り掛かっているのが見えるが、その場所に辿り着けない状況が続いていた。

 矢を装填しようとしたが、どうやら魔力が切れたようだ。

ファーマ「ここまでか…!アンデットに対する特攻は魔力が無ければ適応されない。使いすぎたな。」

 抵抗出来ないファーマに無慈悲にもゾンビは迫っていた。しかし、神秘的な爆発がファーマの目の前で起こり、何十と居たゾンビは爆ぜた。

ファーマ「……何が起きた。」

???「ラピスラズリのメンバーで間違い無いか?」

 爆発弾が飛ばされてきた方向から、天使が声を掛けてきた。

ファーマ「あ、ああ。ラピスラズリ副司令ファーマだ。」

イラセフュ「紹介感謝する。私はサファイア防衛機構精鋭支部副隊長イラセフュだ。我々は避難場所の防衛を行う。私とお前はあの巨大な霊体の元へ向かう。それでいいな?」

ファーマ「了解。」

 臨戦態勢を整え、彼らはニルンの元へ飛び上がった。









 避難場所となり、多くの非戦闘員や負傷兵が滞在する門前は、ゾンビが大量発生し、防衛部隊の半分とエースが居なくなってしまった影響で、まさに混沌を極めていた。

負傷兵A「くっ…!俺達はまだ戦えるレベルだ!無理してでも止めるぞ!」

 傷の浅い負傷兵達は回復部隊の指示を無視してゾンビの大群に飛び込んでいくが、断末魔と共に帰らぬ人となった。

負傷兵B「ふぁぁぁ!」

負傷兵A「皆!まずい、まだ死にたくない!ラビリンスの英雄の手下に恥じぬ活躍をせずに死ぬわけには……!」

 ゾンビに囲まれており、生き残れる状況では無かった。しかし、一筋の光が負傷兵を囲むゾンビを殲滅した。

負傷兵A「あれ……俺、生きて……。」

???A「全く馬鹿な人間ね。自分の力量を少しは見極めたら?」

???B「まぁまぁ、ルリンちゃん落ち着いて……。」

 そこには2人の女天使の姿があった。

ミィル「天使さん?仲間を助けてくださってありがとうございます!」

 様子を見に顔を見せたミィルに2人の天使は近づいて声を掛けた。

ルリン「あんたがラピスラズリの回復部隊長?うちはルリン。こっちは…。」

ネロン「私はネロンです。私達はサファイア防衛機構精鋭支部のメンバーです。隊長のご友人様の指示で派遣されました。外の様子は気になさらず治療に専念してくださって。」

ルリン「そうそう。それがあんた達回復部隊の役割でしょ?」

 そう言って、2人は臨戦態勢に入り、ゾンビの方へと立ち向かった。











コード「これで全ての脅威を抑えられるフォーメーションになったな。よし、そろそろ俺も加わるか…。首洗って待ってろよドライ教祖。」

 上空で偵察をしていたコードは、宮殿の方で宙を舞うエンデスの元に光の速度で飛び上がった。

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