思想で溢れたメモリー

やみくも

文字の大きさ
上 下
55 / 196
3章ー邪種編ー

55.違和感

しおりを挟む
 俺は建造物の中に入り、しばらく探索したが、至って普通のショッピングモール跡という感じであった。

曖人「……何だこの違和感は…。正常なはずなのに、邪力が漂っている…。」

 そんな異変を感じながら進んでいると、鶏の怪物と遭遇した。

鶏の「""""¡¿¡」

 鶏は火を吹いてきた。

曖人「剣術:風微塵」

 あっさり倒した。

曖人「…邪力が消えない……。生物の気配はこいつしか無かった。何がおかしい。」

 しかし、邪力が残っているという事なので、探索を続けた。






 海岸側の捜索をしていたサニイは、自分の部下と合流して、任務を進めていた。

サニイ「コード曰く、この辺りで遭遇したらしいが、邪力の濃度が流石に薄すぎる。どう思うエサラ?」

 すると、サニイの右腕枠の部下である「エサラ・ヘルス」という女が、質問に答えた。

エサラ「確かに薄いですね…。コードさんの部下が遭遇したようなので、長くは戦ってないのでしょう。」

サニイ「あいつは“部下”とわざわざ言っていた。マーリンやリューハ等の主力メンバーを指していないのだろう。」

 彼らはそう推測を話しながら歩いていると、タコの怪物に遭遇した。

 8体だ。

サニイ「多いな…。2体任せた。残りは俺が仕留める。」

エサラ「了解です。」

 サニイは槍を出現させ、エサラは魔力を纏った。

タコの怪物「·_··_·」

 タコは一斉に幻覚作用を起こさせる笑みを浮かべたが、二人は顔を伏せた。

 しかし、それが狙いだったようで、触手での攻撃にすぐ切り替えてきた。

 だが、サニイが一瞬で反応し、槍で振り払った。

タコの怪物「>_<>_<」

 しかし、一撃では仕留められなかった。

サニイ「前よりタフだ。しかもこいつ……。」

エサラ「間違い無く学習してますね…。」

 周辺の邪力濃度は、徐々に濃くなっていた。







 一方、俺は2階へと上がったが、邪力濃度があからさまに増えた事を実感している。

 なのに生物の気配を一切感じない。

曖人「気配を消すのが上手なのか、潜伏しているな…。」

 とりあいず、一度外へ出て、外部から邪力を検知しようと思い、玄関の方へ向かったが…。

曖人「嘘だろ…。扉に鍵が掛かっている…。最初来た時は無かった。これは何かいるな…。」

 そう仮説を考えていると、噴水の方から気配を感じ取ったので、すぐに、警戒態勢に入った。

 刹那、噴水から水が放射された。

 その水が掛かった場所は、凍っていた。

曖人「あの噴水が邪力を持っている…。」

 すると、真上にあった蛍光灯が、強い電気を帯びて、落下してきた。

 俺はそれを回避しきれないと判断したので、咄嗟に剣に炎を纏い、切断した。

???「ッッ!あっつ!」

 すると、施設内にある全ての物体が、ダメージを受けたように反応した。

曖人「あぁなるほど…。完全に理解した。何処に行っても生物の気配が無いのに、邪力だけが漂っている訳が!」

 そう大声を出すと、館内放送が流れ始めた。

???「流石英雄さん♡何でもお見通しですか!!」

曖人「誰だお前は!邪種の上位種だろ!」


溺「私なんて、あの方々のような凄い人ではありませんよ…。私は「溺(メロック)」。邪種の中でも知能が高く、強い意思を持つ者の1人。「心酔邪種」の異名を持ちます!」

曖人「アナウンス越しに喋っているが、遠隔では無いのも知っているからな。」

溺「そうですよね…。貴方は、近日一番の人間ですよ!リスクも高まりますが、絶対に廃人形として可愛がってあげますよ♡」

 そう言うと、電光掲示板が、強い光を発して、邪力でエネルギーを生成して、放ってきた。

曖人「剣術:乱れ斬ドレーク海風」

 だが、最初から戦闘態勢に入っていた俺は、難なく切り払った。

溺「流石です!やはり楽しい人間だ!でも、貴方は私から逃げられないよ。援軍すら呼べないよ。ただ、私の中で…息絶えてよ…♡」

曖人「そんな簡単に死んでたまるかよ。絶対お前から脱出してやるよ。」

 そうは言った物の、かなり相手が厄介だ。

 まず、室内で飛び回るには狭いし、相手はこの施設自体だ。

 周りにあるもの全てが、攻撃ユニットとなっている。

溺「お偉いさん方が計画を実行するまで、貴方を外に出させる気は無いよー。」






 サニイの方でも、タコの怪物を倒した後、何者かが姿を現していた。


???「現実ばかり見ていたらつまらないじゃん。君たちに体験させてあげるよ。理想を!」


 邪種動乱は、既に本格始動していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

おむつオナニーやりかた

rtokpr
エッセイ・ノンフィクション
おむつオナニーのやりかたです

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

処理中です...