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やみくも

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2章ー英雄編ー(巨龍)

36.ラビルの悪魔たち

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 ファーマ、フュエル、ゼディの3人は事件の仮の顔として操られていたチェインの様子を見に、医者の都ヒールビレッジに顔を出した。

フュエル「チェイン。調子は?」

 すると、チェインは起き上がった。

チェイン「激しい戦闘も来週位からできるらしい。迷惑を掛けてすまないな。」

ゼディ「全然大丈夫ですよ。私達には貴方が必要ですから……。」

 ファーマは早速本題について尋ねた。

ファーマ「巨龍の件は参加可能か?無理はするなよ。」

チェイン「やれる。しっかり安静にして数日過ごしたが、戦線離脱してまだ4日程度。俺の経験はそう簡単には衰えない。」

 そして、もう1つの本題についても尋ねた。

ファーマ「グレインの件についてどう思う?」

チェイン「あいつは信頼できる奴だった。まさか裏切るとは思ってなかった。」

ファーマ「グレインは精霊の洗脳を喰らっていたみたいだぞ。アルフィティによる乗っ取りだ。」

チェイン「アルフィティ?あの邪神か。邪神は封印されたんじゃなかったのか?それが宗教組織一斉崩壊事件の真相だろ?」

 ずっと黙って話を聞いていたフュエルが参戦してきた。

フュエル「アルフィティは邪神ぶっちぎりの最弱として有名だからな。封印したのが別の宗教組織ともなれば、平和の為に封印した線は無い。舐めてたんだろ。」

 一理ある。

 いくら最弱の邪神とは言え、脅威であることには変わりない。

 その弱さを実感できるのなんて上位1パーセントとかの高度能力者位だ。

 実際、曖人は1対1でも勝てた。

 上位高度能力者なら瞬殺も可能だろうし、まず相手にされない。

 だが、邪神復活は気まぐれでありえなくもないが、巨龍の復活は異常だ。

 過去のラビリンスの英雄は巨龍を強固な魔力で封印した。

 ドラゴンじゃ解けない。

 しかし、外部からと考えるとありえる話だ。

ファーマ「巨龍含め、事件に繋がりがあるのか……?」

ゼディ「何か言った?」

ファーマ「いや?何も………。」

 ボソッと呟いたが確証を得られていないので、しらをきった。

フュエル「ところで、グレインがエレメン廃工業区域に出向いたときに身体を乗っ取られたんだろ?その前からチェインは度々おかしくなっていたが、グレインがそそのかしたのか?」

チェイン「え?俺はいつも通り動いていたが……。」

 矛盾が生じた。

 ファーマもフュエルもチェインの異変に気づいたのはグレイン訪問前だ。

 チェインの本音かもしれないと思ったが、
考えられなかった。

ファーマ「部下は手駒やらなんやら言っていたのは本音なのか?」

チェイン「ん?そんな出来事知らないな。」

 やはり矛盾が生じる。

 フュエルの話によるとアルフィティ入りのグレインは謎の人物に関与しているらしいし、やはりまだ別に黒幕がいる可能性がある。

 ただ、情報が少なすぎるし、どうせすぐまた騒ぎを起こすだろうから、一旦放置することにした。

フュエル「おっと時間だ。巨龍の件については情報が確定次第すぐに連絡する。じゃあお先!」

チェイン「ああ。わざわざ出向いてくれてありがとうな。」

 フュエルは情報収集を再開し始めた。




  ーラビリンスフォレストビレッジー

深雅「今帰った。」

 地質調査に行っていた深雅が帰って来た。

曖人「結果は?」

深雅「未知数。わからない事だらけだ。
巨龍の件に一度シフトすることにした。」

曖人「滞在報告だけしとくな。」

深雅「任せた。」

 そう話していると、フュエルが戻ってきた。

曖人「フュエル。情報は掴めたか?」

フュエル「ああ。現在巨龍の目撃情報はないが、龍の巣がラビリンス大陸上空を飛行中に小惑星で見つかったとの事だ。後、チェインも参加してくれる気みたいだぜ。」

 この世界の外に龍の巣があることが判明した。

 だが、問題が1つある。

曖人「その小惑星にどうやって行くつもりだ?大気圏外に能力だけで出られるのか?酸素はどうするつもりだ?」

リダクテッド「それなら1つだけ宛がある。」

 話を聞いていたリダクテッドさんが顔を出した。

リダクテッド「わしのかつての仲間の孫が技術者じゃ。彼女の元を訪ねてみるのはどうだ?」

 その人がどれくらいの技術力を持っているかはわからないが、一応会ってみることにした。

 リダクテッドさんに言われた、隣のサイサリン列島の首都「サイサリンドーム」へと向かった。



 何気にラビリンス大陸から出るのは始めてだ。

 飛行能力を持っているので大陸内での移動は楽だったが、海を渡るとなると、流石に長旅となった。

 俺は28時間ほぼぶっ通しで移動し、サイサリンドームの圏内に入った。


    ーサイサリンドームー
     最先端の科学都市


 ラビリンスフォレストビレッジとは真逆で、
東京とは比べ物にならない位ビル、巨大建造物、ビル、ビル、ビルといった大都市だった。
空はエネルギーで作られたドームに覆われていて、防御力が半端なかった。

 リダクテッドさんが発券してくれた通行許可証を使い、俺はホテルに宿泊し、一夜を過ごした。




 次の日、朝食を食って早々に仲間の孫の技術者がいる研究所へと向かった。

 15分程度バスで移動し、研究所に着いた。

 飛行した方が早いのだが、俺が一般人でないことがバレると、面倒そうなので、“あえて”バスで移動したのである。



曖人「こんにちは。少し用があってきました。」

 そう言うと、奥の部屋から人が来た。

???「どなたですか?来訪者さん。」
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