思想で溢れたメモリー

やみくも

文字の大きさ
上 下
7 / 207
1章ー精霊編ー

7.ー精霊試練IIー 水 ー

しおりを挟む
 風の大精霊ストームと契約を結び、俺はストームの助言を受け、ラピスラズリ海岸へと向かった。

    ーラピスラズリ海岸ー

曖人「ここがラピスラズリ海岸か…」

 俺はこの場所に不思議な感覚を抱いた。

 浜辺に点在する貝類はあの森と同じように
地球では見かけたことのない種類だ。

 おそらくエネルギーにより独自の進化を遂げた動植物が存在することはこれまでの戦いで明らかになったようなものだ。

 そう色々考えながら歩いていると祠へと着いた。

???「英雄の器の持ち主がようやく現れたな。もう何百年眠ったことか…」

 祠からストームの時と同じように幻が現れた。

フルークトス「フルークトスよ。水の大精霊。ストームからテレパシーで話は回ってるわ。私からの試練はスペルココナッツの採取よ。」

曖人「スペルココナッツとは?」

フルークトス「スペルココナッツは飲むと魔力を回復させることができるの。私は寝起きで契約できる程の魔力が残ってないの。だからよろしく。」

 意外と簡単じゃないかと俺は思った。

フルークトス「簡単じゃないわよ。」

曖人「えっ心読まれた?」

 フルークトスの能力は心を読めるらしい。

曖人「わかりました。挑戦させてください。」

フルークトス「スペルココナッツは海岸の主が守ってるわ。後、試練とは別なんだけどあなたの事を狙ってる連中がいるらしいから気をつけてね」

 俺は早速スペルココナッツを探しに行った。

      ー2時間後ー


 探し回ると洞穴を発見した。俺はその場所へと入って行った。

 するとヤドカリの群れが姿を現した。

 ヤドカリは白い粒子を1箇所に集めて、光弾を放った。

ビュン(光弾が地面を焼いた。)

 俺は狭い空間だったため少しかすった。

曖人「痛っ…この海岸の生物基本おとなしいから油断してたっ。」

 ここじゃ狭すぎて剣が出せないので俺は全速力で逃亡した。

 こうしてヤドカリを振り切りながら、洞穴の最深部へと着いた。

 そこには青く輝くココナッツが1つだけ実っていた。

曖人「これがスペルココナッツか?発見できた。後はこれをどう運ぶか…」

ボーン(天井が崩落した。)

 最深部の少し広い空間の天井が崩落し、巨大なヤドカリが現れた。

曖人「こいつが主か?」

ヤドカリオヤブン「シェェェㇽ」

 主は青く粒子をハサミに纏いこちらに攻撃を仕掛けた。俺はそれを躱した。

ボーン(壁が破壊された。)

曖人「おいおいこいつ…早く決着つけないと洞穴が崩壊しちまうぞ!」

 俺は剣を抜き、風のオーラを纏わせた。

曖人「最初からトドメをささせてもらう…。剣術:龍巻斬」俺は回転斬りの派生として風の力を利用した。通常の回転斬りより、スピンがかかり圧力が大きくなった。

ザキンッ

 しかし主の殻に隠れて攻撃を受けきった。

 硬直した俺は主に投げ飛ばされた。

ボーン(曖人が壁に激突した。)

曖人「クッ…」

 俺は大ダメージを負った。

曖人「あいつの殻が硬すぎる…それに早く倒さないと洞穴に押しつぶされる…」

 俺はこのままでは勝機がないと感じたため一旦洞穴から脱出した。


曖人「試練一発クリアならずか…。期限は設けられてない。まず情報を整理しよう。」

???「隊長が言ってた奴発見。」

 崖の上から1人の男が現れた。悪魔だ。

???「隊長の指示で貴様を排除しに来た。試練で疲弊しきっている所を見つけられるとは…俺…豪運だな!」

 言い終えると悪魔はクロスボウを取り出し、新緑のオーラで矢を生成した。

???「魔術:流樹液」

 悪魔は矢をこちらに放った。

 俺はそれを躱すが、矢は着弾することなく俺をホーミングして命中した。

曖人「グハッ」

 ???「悪いな完全体になる前に倒せって命令だ。ヤドカリに負けなければ俺に勝つ術はあったのにな(笑)」

 悪魔はニヤリと笑った。

曖人「後で相手になってやるから待ってな!」

 俺は風の力を利用して洞穴へと戻っていった。

???「……ヤドカリを倒しても祠まで辿り着けなかったら意味ないがな。」

 悪魔は姿を消した。


 そして俺は再びココナッツのある最深部へと着いた。

曖人「主の攻略法かがわかった。これで終わりだ!」

ヤドカリオヤブン「シェェェル!」

 主はまたハサミに力を溜めてこちらに向かってきたが、俺は剣で受け止めた。

曖人「殻に閉じこもれなくしてやるよ!
剣術:風微塵」

 剣に風のオーラを纏い、鋭く細かい斬撃で身を削った。

ヤドカリオヤブン「シェェェェ!」

 主は怯んで身体を出した。

曖人「今だ!剣術:這い上がる濁光」

ジャキン

ヤドカリオヤブン「シェェェーィィィ」

バタン

曖人「ココナッツは頂いてくぞ。」

 そして俺はスペルココナッツを持って祠へと帰還した。

       ー水の祠ー


フルークトス「どうやらココナッツを入手したようね。約束通り力を与えてあげる。剣を掲げて。」

 そして俺が剣を掲げようとした瞬間…

???「逃がす訳ないだろっ!」

 悪魔が現れた。

曖人「さっきからなんなんだお前は?!」

ファーマ「俺はファーマ・フォレイゼル。チェイン隊長の手駒と言ったらわかるか?!」

 面倒な事になった。

フルークトス「契約の儀式には空虚さが大事よ。まずは降り掛かった火の粉を払うのが先決よ。」

曖人「もちろんさ。風の力だけでもファーマを退けるには十分だ。」

ファーマ「隊長を一度退けたからって思い上がるなよ?俺は中衛のエースだ。その言葉…後悔させてやるっ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

神の種《レイズアレイク》 〜 剣聖と5人の超人 〜

南祥太郎
ファンタジー
生まれながらに2つの特性を備え、幼少の頃に出会った「神さま」から2つの能力を授かり、努力に努力を重ねて、剣と魔法の超絶技能『修羅剣技』を習得し、『剣聖』の称号を得た、ちょっと女好きな青年マッツ・オーウェン。 ランディア王国の守備隊長である彼は、片田舎のラシカ地区で起きた『モンスター発生』という小さな事件に取り組んでいた。 やがてその事件をきっかけに、彼を密かに慕う高位魔術師リディア・ベルネット、彼を公に慕う大弓使いアデリナ・ズーハーなどの仲間達と共に数多の国を旅する事になる。 ランディア国王直々の任務を遂行するため、個人、家族、集団、時には国家レベルの問題を解決し、更に心身共に強く成長していく。 何故か老化が止まった美女や美少年、東方の凄腕暗殺者達、未知のモンスター、伝説の魔神、そして全ての次元を超越する『超人』達と出会い、助け合い、戦い、笑い、そして、鼻の下を伸ばしながら ――― ※「小説家になろう」で掲載したものを全話加筆、修正、時々《おまけ》話を追加していきます。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

処理中です...