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105話 バレッド取り返しがつかない程の罪を犯す

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バレッドは多数の一般市民や自分より弱い冒険者を殺して、挙句の果てには貴族まで殺して調子に乗っていた。



 「今俺は最強だ!! この力があれば全てが俺の思い通りだ!! はははっ!!」



 バレッドはもう引き返せない所まで来ていた。


 決して取り返しがつかない所まで。



 「いたぞ、手配書のバレッドだ」

 「よし捕縛するぞ」



 ある冒険者たちがバレッド捕縛に向けて対峙する。


 バレッドはそれを見て、下卑た笑いを浮かべた。



 「はははっ!! お前ら雑魚に俺が殺れるわけねえだろうが!!」



 バレッドは地面を蹴って自分を捕縛しようとした冒険者と戦う。


 右手に持っていた悪魔術が宿った銀の剣で冒険者の銀の剣を難なく折る。


 そして冒険者の首根っこを左手で強く掴む。



 「がはっ!!」

 「やめろおおおおおおおおお!!」



 もう一人の男が助けようとバレッドに攻撃を仕掛けてくる。


 しかし悪魔術で強化されたバレッドは右手に持っていた銀の剣で攻撃を仕掛けてきた冒険者の右目を貫いた。



 「ぐわあああああああああああああ!! 右目がああああああああああああ!! 目がああああああああああ!!」

 「はははははははっ!! 雑魚が!! 俺に逆らう奴は全員こうなるんだよ!!」



 バレッドは強く首を絞めて命を弄ぶ。



 「がはっ!! た、助け」

 「死ね雑魚が!!」

 「ぐはっ!!」

 「ちっ、もうくたばったか!!」



 首を絞めて殺すとその殺した冒険者の死体を地面に投げ飛ばした。


 そして右目を突き刺され痛みで蹲っているもう一人の冒険者に近づく。



 「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 「しねええええええええええええええええええ!!」

 「ごぼっ」

 「ははっ、雑魚が!!」



 バレッドは二人の冒険者を殺す。


 そして自分が最強だと思い込み高笑いする。



 「ははははっ!! 次はラークぅうううう、お前だああああああああああああ!!」



 バレッドはラークに復讐する為、屈辱を味わわせるため、ラーク達【ホワイトアリス】を探す。


 その道中で無理やり女を犯すなど最低な行為を繰り広げていた。


 最早バレッドは取り返しがつかない所まで来ていた。


 余りにも罪が重すぎたのだ。



 バレッドは後にラーク達【ホワイトアリス】に返り討ちされ、更に大きな屈辱を味わうのだが、まだ知らない。


 バレッドはそんな事一ミリも頭になかった。


 あるのは自分が全てで自分が最強だと思っている事だけである。



     ♦


 「ちっ、エレノアが殺されたか。使えねえなあの糞女は」



 ティーダはどこかの国の路地裏で買ったコーヒーを飲みながらそう一人呟いた。


 ティーダの周りには数人の男や女が死体となって転がっていた。


 無残な状態である。



 「バレッドは上手くやってるようだな。ははっ!! ラークを殺せるかどうか見ものだな」



 ティーダはコーヒーを飲み終わるとそのカップを床に投げつけた。


 そして死体を踏んで歩き出す。



 「結構寿命を奪ったな。これならあいつも喜ぶだろう」



 ティーダは黒い外套を身に纏ってそのまま何処かへ消えた。


 ラークと出会うのはもう少し先である。



    ♦

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