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12.ミミック

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うん、この塔ダンジョンとして欠陥すぎるダンジョンだ。毎回ゴブリンが生息していて、代わり映えのない景色である。

 この世界には経験値は存在しないのだろうか? 俺はレベルカンストだから経験値稼ぎなどする必要はないのだが、アフィアやミラそれにラミルもレベル上げを行ったほうがいいだろう。

 よしここは駄女神マリアに聞くとするか。

 「マリア聞きたいことがあるんだが今いいか?」

 「うう……感動しました」

 は!? いきなり何だ!? またアニメでも見て泣いていたのか。

 「今度は何のアニメを見ていた?」

 「主人公とヒロインの人格が入れ替わるアニメです。最後は凄く凄く感動しました」

 「もしかして興行収入が物凄いアニメ映画か?」

 「よくご存知ですね。イズモさんも前世で見ていたんですか?」

 「あ、ああ」

 「嬉しいです。朝まで語り合いましょう」

 うん!? 語り合うだと? 確かにオタクの血が騒ぐが……ってそんな語り合うためにマリアと会話してるんじゃねーんだよ。

 「いや語り合うのはまた今度だ。それよりこの世界に経験値は存在するのか?」

 「残念です語り合えないなんて。ええと経験値は数値化されませんね、モンスターを倒せば倒すほどレベルが上がる仕組みです。レベルカンストのイズモさんには経験値など不要でしょう」

 いや確かにそうなんだが、仲間がね、レベルが低すぎて。少しでもレベル上げを行いたい。まあ俺が守ればいいのだが。いやむしろ好感度MAXまで上げるべきか。

 「因みに好感度は数値化されているか?」
 
 「ギャルゲーのような好感度の数値化はされていませんね。そもそも人間の感情は数値化なんてできませんよイズモさん」

 「何名言っぽく言ってるんだよ。絶対ドヤ顔で言ってただろうがこの駄女神が」

 「ドヤ顔は人生において一度はやってみたいランキング常連じゃないですか」

 聞いたこともねえよそんなランキング。いや確かにドヤ顔は快感だけどね。でもドヤ顔は絶対嫌われる。

 それ以前にお前人間じゃねえだろ、女神じゃねえか。人生じゃなくて女神生? 考えるのをやめよう、馬鹿らしい。

 「もう聞くことは取り敢えずない、また用があれば連絡する」

 「はいはい分かりました。私はこれからソシャゲをプレイします。ジャブジャブ課金します」

 廃課金者じゃねーか。女神は随分金持ちだな。前世の俺はブラック企業で安月給だったのにな。

 「死ね駄女神が」

 
 経験値は数値化されていなくても、モンスターを倒せばレベルは上がるようだ。そして一つ気づいたことがある。

 パーティーシステムなるものが存在することを。ステータスボードを見ていると突然パーティーシステムの項目が追加されていた。

 「ステータスオープン」


 ステータス
 レベル:∞
 名前:イズモ・リゼル・アルフォード
 種族:人族
 武器:鋼の剣
 防具:布の服
 職業:チーター

 攻撃力:∞
 防御力:∞
 魔法力:∞
 俊敏性:∞
 幸運 :1

 パーティーメンバー:イズモ
          :ラミル
          :アフィア
          :ミラ

 ※パーティーメンバーは経験値を共有できます。


 ノーマルスキル:基本属性魔法スキル

 スキル説明:基本五属性の魔法を扱える

 ノーマルスキル:落雷

 スキル説明:視認した対象に雷を落とす

 ノーマルスキル:エネルギーチャージ

 スキル説明:体力全回復

 ノーマルスキル:生産スキル

 スキル説明:素材から生産可能な物質を生産することができる。

 ノーマルスキル:鑑定スキル

 スキル説明:この世界のあらゆる物質を鑑定することができる。

 レアスキル:錬金術

 スキル説明:素材の合成や分離などができる

 エクストラスキル:ダンジョンマスター

 スキル説明:ダンジョンの管理者権限が与えられる

 エクストラスキル:魔獣使い

 スキル説明:魔界から魔獣を召喚できる。

 ユニークスキル:視認強奪ストック

 スキル説明:視認した対象の能力を奪うことができる。無限ストック。

 アイテムボックス:巨大グレムリンの肉
         :ゴブリンの肉×10
         :ノコギリ
         :斧
         :光石×5
         :燃料石×15
         :金属石×10
         :魔法石×2
         :身分証明書(パスポート)

 所持金50000ゴールド


 おおこれは便利すぎるぞ。昔国民的RPGポ○モンで某装置を持たせて経験値稼ぎをしていたのを思い出す。

 これなら俺がモンスターを倒しても仲間に経験値が入る。経験値は数値化されていなくても経験値自体は存在しているらしく、レベルは上がるだろう。

 AIか駄女神マリアのどちらかが俺のステータスボードをアップデートしてくれたな。感謝しか無い。

 
 こうして俺たちはダンジョン探索して確実に塔の頂上を目指していく。

 「イズモさんここに宝箱がありますよ? 開けますか?」

 いやそれ絶対罠だろ。こんな広い間に宝箱がポツンと一つだけ置かれている。宝箱の色は赤色の宝箱で、いかにもレアアイテムが眠っていると思わせられる。

 「いや俺が開ける。皆は俺の後ろに」

 絶対罠だけど、人間の心理なのか、開けたくなる。さて開けるとするか、俺はレベルカンストだ問題ないだろう。

 何せ病気や怪我は一切しないらしいからな。

 俺は宝箱を慎重に開ける。

 「グワアアアアアアアアアアアアア」

 ああやっぱり罠だ。てかこいつミミックじゃねーか。

 某国民的RPGでは結構な強モンスターだぞ。

 「スキル発動、鑑定スキル」

 『畏まりました。何を鑑定なさいますか』

 「ミミックだ」

 『畏まりました。ミミックですね。ステータスボードに反映致します』


 ================

 ステータス
 レベル:10000
 名前:なし
 種族:魔族
 武器:なし
 防具:宝箱
 職業:なし

 攻撃力:20000
 防御力:2000
 魔法力:5000
 俊敏性:400
 幸運 :300

 スキル:毒吐き
    :即死攻撃ワンキル
 ※即死攻撃ワンキルは20%の割合で相手を抹殺できる。但しレベルがスキル使用者より低い事が条件

 =================


 ええええ!? やばすぎだろこいつ。俺は問題ないが、アフィアとミラが危ない。殺されてしまっては、大変だ。

 ラミルも鑑定したことないがレベルは大丈夫なのか? よしミミックは速攻倒そう。

 あ? その前にスキル奪うか。

 「スキル発動、視認強奪ストック

 『どのスキルを奪いますか』


 ===============

 奪取可能スキル

 ノーマルスキル

 毒吐き

 レアスキル

 即死攻撃ワンキル

 
 ================

 こんなの一択に決まってるだろ。毒吐きなんかいらねえよ。

 「即死攻撃ワンキルを奪う」

 『畏まりました。では奪取したスキルをステータスボードで確認してください』

 俺は相も変わらずかっこつけてステータスボードを開く。

 「ステータスオープン」

 
 ステータス
 レベル:∞
 名前:イズモ・リゼル・アルフォード
 種族:人族
 武器:鋼の剣
 防具:布の服
 職業:チーター

 攻撃力:∞
 防御力:∞
 魔法力:∞
 俊敏性:∞
 幸運 :1

 パーティーメンバー:イズモ
          :ラミル
          :アフィア
          :ミラ

 ※パーティーメンバーは経験値を共有できます。


 ノーマルスキル:基本属性魔法スキル

 スキル説明:基本五属性の魔法を扱える

 ノーマルスキル:落雷

 スキル説明:視認した対象に雷を落とす

 ノーマルスキル:エネルギーチャージ

 スキル説明:体力全回復

 ノーマルスキル:生産スキル

 スキル説明:素材から生産可能な物質を生産することができる。

 ノーマルスキル:鑑定スキル

 スキル説明:この世界のあらゆる物質を鑑定することができる。

 レアスキル:即死攻撃ワンキル

 スキル説明:20%の割合で相手を抹殺できる。但しレベルがスキル使用者より低い事が条件

 レアスキル:錬金術

 スキル説明:素材の合成や分離などができる

 エクストラスキル:ダンジョンマスター

 スキル説明:ダンジョンの管理者権限が与えられる

 エクストラスキル:魔獣使い

 スキル説明:魔界から魔獣を召喚できる。

 ユニークスキル:視認強奪ストック

 スキル説明:視認した対象の能力を奪うことができる。無限ストック。

 アイテムボックス:巨大グレムリンの肉
         :ゴブリンの肉×10
         :ノコギリ
         :斧
         :光石×5
         :燃料石×15
         :金属石×10
         :魔法石×2
         :身分証明書(パスポート)

 所持金50000ゴールド


 よしこれでもうミミックに用はない。それからスキルが多すぎてステータスボードが見づらいので、スキル落雷を消去することにした。

 「スキル落雷を消去したい」

 『畏まりました。スキル落雷の消去を行います。本当に消去して構いませんね?』

 「ああ構わない」

 『スキル落雷の消去が完了いたしました。では後にステータスボードの確認をお願いします』


 さてミミック退治といくか。俺は折角なので奪ったスキル即死攻撃ワンキルをミミックに使用した。ユニークスキルを媒介したスキルは幸運値が関係しないので、20%の確率で倒せるはずだ。

 「スキル発動、即死攻撃ワンキル

 さて頼むぞ、ミミック死んでくれ。

 俺の願いが通じたのか、俺は幸運値1なのに20%の確率を無事引き当てた。ミミックを倒して仲間のレベルが上ったのを鑑定スキルで確認した。そしてミミックからアイテムがドロップした。

 『ポーションを拾得しますか?』

 ポーション!? 俺は必要ないが、何かに使えるかもしれない。頂こう。

 俺はポーションを獲得した。

 「イズモやるじゃない。ありがとう」

 「イズモさんは変態ですけど、今回は格好いいです」

 「イズモ様流石です。私の尊敬する男です」

 どうやらミミックのおかげで俺の好感度は上がったようだ。
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