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第一章『ミナト転生』
第19話:入学試験
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『いよいよだな』
俺は、朝早くに大きな門の前に立ち尽くしていた。とても大きな建物だ。ここで学ぶことを考えると少し気持ちが高ぶる。
門をくぐるとそこには大きく”入学試験”と書かれていた。周りには受験生であろう者達がたくさんいる。
ミナトは入学する前にアルドベルド国王と話をしていたのだ。
国賓のミナトなら入学試験を受けずとも入学させることが出来ると。
ミナトはそれを丁重に断った。リムリア王国にやってきたその日からの溜め込んだ知識を活かしたいと。そのため試験に受けてみたいと。
アルドベルド国王は同意し、試験を受けることが決定した。
大きな建物の中へ進む。すると同じ感覚で机と椅子が置かれてある。
『試験を受ける者は、前から順に着席するように。着席した者は支持が出るまでその場から動かないようにしなさい』
試験監督と思われる男性が大きな声で人数を捌いていく。
辺りを見ると周りの受験生は浮かない顔をしている。緊張しているのか・・・。
周りの空気に少し飲まれミナトも緊張してきた。
ミナトは席に座る。机の右上には番号が書いてある。
”252”
前には251人も人がいるのだろうか。
また後ろの席はどんどん埋まっていき、後ろを確認すると見えないくらい大勢いる。
しばらくすると試験監督が紙をペンを順次一人一人の机の上に配り始めていく。
すると試験監督が大きな声で話始めた。
『ここに居る者は、この学院に入り学び卒業出来た者は相応の地位につけることであろう。君達と親はこの学院を卒業しその身に相応しい職につき君達を育ててきた。この学院は入学し、卒業した者の将来を約束しよう。入学した者の衣食住は国が保証し、設備等の金もかからない。私たちが欲しいのは素晴らしき人材なのだ。君たちの入学を期待している』
つまり、貴族であろうと貧しい者だろうと卒業出来れば将来が約束されるという意味だ。
『それでは、今から試験を始める。不正をした者は即刻出て行ってもらう。では始め!!』
受験生は一斉に受け取った紙をめくり問題を解き始める。
紙の上にはこう書かれていた。
《試験は今から30分間。30分後に試験監督が実技試験会場に受験生を連れていく。それまでにこの問いに答えよ。ちなみに配布されたペンは受験生の魔力を一定に吸い付くす。吸い付くされ気絶した者は即失格となる。
問:
探索中に豚魔と遭遇。味方は周りにいない。どうすれば良いか答案に書け。》
え・・・。
このペンは魔力を奪うのか。なんか嫌だな。そっと触れてみるが・・・。
なんともならない。辺りを見渡すと既に気絶した者がいたらしく試験監督が動き回っていた。
気にしないでおこう。
なんて書くか。
ただ殺すじゃダメだろう。
どう殺すか書いてみるか。
とりあえず、豚魔と言うんだから醜い人型の豚なのだろう。その土手っ腹に穴を開けるとか、醜い顔を消滅させてみるとか。
あれこれ考えているうちに30分経ったようだ。
試験監督が『止め!!』と大きな声を出す。
この試験に何の意味があったのか正直わからない。
『それでは、番号が呼ばれた受験生は私の横の扉を通り実技試験会場へ向かいなさい。会場は他の監督が案内をする』
周りには気絶した受験生が数多くの見られ、大勢の試験監督が気絶者を運んでいく。気絶していない受験生もフラついている者が多い。
『それでは言い渡す!
"252”番の受験生前に出ろ』
・・・俺?
俺は、朝早くに大きな門の前に立ち尽くしていた。とても大きな建物だ。ここで学ぶことを考えると少し気持ちが高ぶる。
門をくぐるとそこには大きく”入学試験”と書かれていた。周りには受験生であろう者達がたくさんいる。
ミナトは入学する前にアルドベルド国王と話をしていたのだ。
国賓のミナトなら入学試験を受けずとも入学させることが出来ると。
ミナトはそれを丁重に断った。リムリア王国にやってきたその日からの溜め込んだ知識を活かしたいと。そのため試験に受けてみたいと。
アルドベルド国王は同意し、試験を受けることが決定した。
大きな建物の中へ進む。すると同じ感覚で机と椅子が置かれてある。
『試験を受ける者は、前から順に着席するように。着席した者は支持が出るまでその場から動かないようにしなさい』
試験監督と思われる男性が大きな声で人数を捌いていく。
辺りを見ると周りの受験生は浮かない顔をしている。緊張しているのか・・・。
周りの空気に少し飲まれミナトも緊張してきた。
ミナトは席に座る。机の右上には番号が書いてある。
”252”
前には251人も人がいるのだろうか。
また後ろの席はどんどん埋まっていき、後ろを確認すると見えないくらい大勢いる。
しばらくすると試験監督が紙をペンを順次一人一人の机の上に配り始めていく。
すると試験監督が大きな声で話始めた。
『ここに居る者は、この学院に入り学び卒業出来た者は相応の地位につけることであろう。君達と親はこの学院を卒業しその身に相応しい職につき君達を育ててきた。この学院は入学し、卒業した者の将来を約束しよう。入学した者の衣食住は国が保証し、設備等の金もかからない。私たちが欲しいのは素晴らしき人材なのだ。君たちの入学を期待している』
つまり、貴族であろうと貧しい者だろうと卒業出来れば将来が約束されるという意味だ。
『それでは、今から試験を始める。不正をした者は即刻出て行ってもらう。では始め!!』
受験生は一斉に受け取った紙をめくり問題を解き始める。
紙の上にはこう書かれていた。
《試験は今から30分間。30分後に試験監督が実技試験会場に受験生を連れていく。それまでにこの問いに答えよ。ちなみに配布されたペンは受験生の魔力を一定に吸い付くす。吸い付くされ気絶した者は即失格となる。
問:
探索中に豚魔と遭遇。味方は周りにいない。どうすれば良いか答案に書け。》
え・・・。
このペンは魔力を奪うのか。なんか嫌だな。そっと触れてみるが・・・。
なんともならない。辺りを見渡すと既に気絶した者がいたらしく試験監督が動き回っていた。
気にしないでおこう。
なんて書くか。
ただ殺すじゃダメだろう。
どう殺すか書いてみるか。
とりあえず、豚魔と言うんだから醜い人型の豚なのだろう。その土手っ腹に穴を開けるとか、醜い顔を消滅させてみるとか。
あれこれ考えているうちに30分経ったようだ。
試験監督が『止め!!』と大きな声を出す。
この試験に何の意味があったのか正直わからない。
『それでは、番号が呼ばれた受験生は私の横の扉を通り実技試験会場へ向かいなさい。会場は他の監督が案内をする』
周りには気絶した受験生が数多くの見られ、大勢の試験監督が気絶者を運んでいく。気絶していない受験生もフラついている者が多い。
『それでは言い渡す!
"252”番の受験生前に出ろ』
・・・俺?
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