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布石編
三嶋の卒業論文
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ご近所の庭の藤の香りが岡本家の縁側にも漂うゴールデンウィーク。
いつもなら学校の授業を終えてから研究会に参加する京子は、今日は最初から参加している。
昼過ぎ三時頃から始まる研究会に、まず最初に岡本家に着いたのは、心配性の武士沢。続いてマイペースな江田。
最後にやってきた三嶋大成は、担いでいた黒いリュックをいつものように本棚の脇に置いた。だがいつもと違い、ドサッと音をさせて。
「……荷物。なんだか重そうですね」
いつもなら布の重さ分の音しかしない三嶋のリュック。なんのためにそんな大きなリュックが必要なのかと聞きたくなるくらい、リュックとしての存在感がない。
だが今日初めて聞く、リュックを置いた時の重量感ある音に、京子は思わず尋ねた。
すると心なしかやつれた様子の三嶋は遠い目をしてこう答えた。
「卒業論文が終わらない……」
「ああ。もしかして中身はノートパソコンですか?」
京子の問いに三嶋は力無くコクンと頷いた。
三嶋は都内の工科大学IT科でプログラミングについて学んでいる。
三嶋が入学した年に新設されたIT科のカリキュラムは、自作パソコンの作成から始まり、ホームページやアプリ作成を経由して最後は自作OSやAI、セキュリティまでと、プログラミングと名のつくもの全てを学ぶ。
現在日本棋院では棋譜の記録は全て手作業だ。院生や低段者が時には学校を休んで棋譜を付けている。当然、学校を休んだ分の勉強は遅れる。
記録係の仕事をするため何度か学校を休んだ経験のある三嶋は、その不平等を解消したいとこの大学を選び、『自動棋譜記録』アプリのプログラミングを作成しようと学んできた。
三嶋の「卒業論文」はその『自動棋譜記録』アプリだ。
余談だが、韓国ではすでに無人で棋譜記録を行っている。何故日本では出来ないのかというと、1日に一斉に何十局も打たれる数の多さに、機材費と維持費という、立て替え工事を行ったばかりの日本棋院本院には金銭的な余裕が無いのだ。
しかし三嶋は、今は金銭的理由で『棋譜記録』無人化は無理かもしれないが、将来タイトル戦本戦あたりから少しずつでも導入できたらと、必死で『棋譜記録』のプログラミングを作成してきた。
そして先日、完成したプログラムを、ウェブカメラを設置し、『埼玉研』で実際に対局を行い、問題無いと自慢気に京子に話したばかりだ。
「ついこの前、高笑いしながら「卒論?余裕余裕~♪楽勝~!」とか言ってたじゃないですか」
京子は三嶋の口真似をしながら言った。しかし、いつもならツッコむ三嶋が今日はツッコんでこない。
「バグが見つかった……。コウが5回以上続くとフリーズするんだ……」
三嶋の声に力が無いのも顔色も悪いのも、デバッグ作業のせいらしい。
「あらま。それは大変ですね」
「なんだよ、その言い方!他人事だと思って!」
「だって、他人事じゃないですか」
京子が岡本幸浩に弟子入りする前に、三嶋はすでに大学生だった。京子が三嶋を嗾けてIT科のある大学に行くよう唆したのなら怒鳴られても納得できるが、そうではないので非難される謂れはない。
「そうだけどさぁ……」
「どんなバグなんですか?」
「話を聞くってことは、手伝ってくれるのか?」
三嶋は京子が小さい頃から学習用スマホアプリを大量に作成しているのを知っている。実際にいくつかダウンロードしてその出来栄えを確認している。正直、大学で学んだ三嶋より、独学の京子のほうがアプリ作成に関しては上かもしれないと、三嶋は思っている。
「手伝いませんよ。誰かに話すことで、自分では気づかなかった事に気づくって、よくある話じゃないですか」
「でもお前のことだから、話を聞いたら修正したくなるんじゃないか?」
「なりません」
「……なあ。畠山京子さんよ」
「嫌です。さっきも言いましたけど、手伝いませんから」
「まだ何も言ってないだろ!」
「大体見当がつきますよ。いつも「おい」だの「お前」だの呼んでる人が、急に「さん」付けで呼べば。こんな時ばっかり調子良すぎです。第一、三嶋さんのためにならないし、手伝いませんよ」
「そう言わずに頼む!京子様!助けて下さい!」
三嶋は両手を合わせて拝むように京子に助けを求めた。
「たった今、嫌だと言いましたけど」
「今までの非礼は謝る!この通りだ!」
「やだぁ、カッコ悪ぅ。中学生に土下座なんかして、プライドは無いんですか。ていうか、こんな人が私の兄弟子とか、ありえないんですけど」
「今年度中に卒業したいんだよ!頼む!手伝ってくれ!」
三嶋は再び京子の目の前で土下座した。何度見ても格好悪い。しかも、土下座している三嶋の頭や背中の高さが、踏み台に丁度いい高さだ。
(踏んづけて蹂躙してみたい……!)
もしこの場に師匠や江田がいなければ踏んづけていたかもしれない。
でも。
京子は三嶋に恩がある。棋士の仕事をしながらでも大学に通えると教えてくれたのは他でも無い、今、目の前で土下座している三嶋だ。
底意地の悪い人間ならここで恩着せがましい事を言って、無理矢理にでも手伝わせるだろう。
だが三嶋はそうしない。土下座して頼んでいる。
京子としても、困ってる恩人を助けてやりたい。
が、どこまでが「助け」で、どこからが「甘やかし」になるのか、そのボーダーラインの見極めが今回は難しい。
対象は「論文」だからだ。
三嶋がこのプログラムについて、一から十まで説明できなければ、自分で作成したプログラムだと証明できない。証明できなければ卒業できない。
実は京子も三嶋が『棋譜記録』アプリを作成していると聞いて、自分でもこっそりと作成していた。ただし京子が作成したのは三嶋のようにプロの対局用ではなく、一般に向けたスマホアプリだ。スマホのカメラを用いて、棋譜ではなくアニメのような画像で残す方法だ。
いつか囲碁部で試してみようと思っていたが、出来上がった時点で満足してしまい、結局今までほったらかしにしている。
(さて、どうするかな……)
おそらくバグのほうはすぐ解決するだろう。
しかし京子としては、タダで手伝うつもりはない。いつもモラハラしてくる兄弟子に、貸しを作るまたとないチャンスだ。
京子は腕組みして頭の中の色々なパーツを組み合わせる。想像と違う絵になりそうなら、パーツを外し、また違うパーツを組み合わせる。
そうしてある一つの京子の理想とする絵が出来上がった。
「……わかりました。手伝いましょう」
「本当か?」
カエルのように土下座していた三嶋が勢いよく頭を上げた。
「はい。ただし『卒業論文』と同等の価値のあるもので対価を頂きます。どうでしょう?」
「おお!いいぞ!何がいい?焼肉か?それとも寿司か?」
「なんで食べ物なんですか。食べたら無くなるものじゃないですか」
「食べても無くならない食べ物がいいのか?そんな食べ物、無いぞ」
「だからなんで食べ物限定なんですか⁉︎私、そんなに食いしん坊だと思われてるんですか?」
「だって1日に米一升食う奴が……」
「やっぱり手伝うの、やめます」
京子はぶすくれて外方を向いた。
「あー!冗談!冗談だ!……で、対価ってなんだ?」
「ちなみに三嶋さん、大学を卒業されたら、なにかやりたいこととか考えてますか?」
「……卒業後?……いや、別にこれといって……。囲碁の仕事頑張る、くらい?」
ぶすくれていた京子は一転、ニヤリと笑って三嶋を見下ろした。
いつもなら学校の授業を終えてから研究会に参加する京子は、今日は最初から参加している。
昼過ぎ三時頃から始まる研究会に、まず最初に岡本家に着いたのは、心配性の武士沢。続いてマイペースな江田。
最後にやってきた三嶋大成は、担いでいた黒いリュックをいつものように本棚の脇に置いた。だがいつもと違い、ドサッと音をさせて。
「……荷物。なんだか重そうですね」
いつもなら布の重さ分の音しかしない三嶋のリュック。なんのためにそんな大きなリュックが必要なのかと聞きたくなるくらい、リュックとしての存在感がない。
だが今日初めて聞く、リュックを置いた時の重量感ある音に、京子は思わず尋ねた。
すると心なしかやつれた様子の三嶋は遠い目をしてこう答えた。
「卒業論文が終わらない……」
「ああ。もしかして中身はノートパソコンですか?」
京子の問いに三嶋は力無くコクンと頷いた。
三嶋は都内の工科大学IT科でプログラミングについて学んでいる。
三嶋が入学した年に新設されたIT科のカリキュラムは、自作パソコンの作成から始まり、ホームページやアプリ作成を経由して最後は自作OSやAI、セキュリティまでと、プログラミングと名のつくもの全てを学ぶ。
現在日本棋院では棋譜の記録は全て手作業だ。院生や低段者が時には学校を休んで棋譜を付けている。当然、学校を休んだ分の勉強は遅れる。
記録係の仕事をするため何度か学校を休んだ経験のある三嶋は、その不平等を解消したいとこの大学を選び、『自動棋譜記録』アプリのプログラミングを作成しようと学んできた。
三嶋の「卒業論文」はその『自動棋譜記録』アプリだ。
余談だが、韓国ではすでに無人で棋譜記録を行っている。何故日本では出来ないのかというと、1日に一斉に何十局も打たれる数の多さに、機材費と維持費という、立て替え工事を行ったばかりの日本棋院本院には金銭的な余裕が無いのだ。
しかし三嶋は、今は金銭的理由で『棋譜記録』無人化は無理かもしれないが、将来タイトル戦本戦あたりから少しずつでも導入できたらと、必死で『棋譜記録』のプログラミングを作成してきた。
そして先日、完成したプログラムを、ウェブカメラを設置し、『埼玉研』で実際に対局を行い、問題無いと自慢気に京子に話したばかりだ。
「ついこの前、高笑いしながら「卒論?余裕余裕~♪楽勝~!」とか言ってたじゃないですか」
京子は三嶋の口真似をしながら言った。しかし、いつもならツッコむ三嶋が今日はツッコんでこない。
「バグが見つかった……。コウが5回以上続くとフリーズするんだ……」
三嶋の声に力が無いのも顔色も悪いのも、デバッグ作業のせいらしい。
「あらま。それは大変ですね」
「なんだよ、その言い方!他人事だと思って!」
「だって、他人事じゃないですか」
京子が岡本幸浩に弟子入りする前に、三嶋はすでに大学生だった。京子が三嶋を嗾けてIT科のある大学に行くよう唆したのなら怒鳴られても納得できるが、そうではないので非難される謂れはない。
「そうだけどさぁ……」
「どんなバグなんですか?」
「話を聞くってことは、手伝ってくれるのか?」
三嶋は京子が小さい頃から学習用スマホアプリを大量に作成しているのを知っている。実際にいくつかダウンロードしてその出来栄えを確認している。正直、大学で学んだ三嶋より、独学の京子のほうがアプリ作成に関しては上かもしれないと、三嶋は思っている。
「手伝いませんよ。誰かに話すことで、自分では気づかなかった事に気づくって、よくある話じゃないですか」
「でもお前のことだから、話を聞いたら修正したくなるんじゃないか?」
「なりません」
「……なあ。畠山京子さんよ」
「嫌です。さっきも言いましたけど、手伝いませんから」
「まだ何も言ってないだろ!」
「大体見当がつきますよ。いつも「おい」だの「お前」だの呼んでる人が、急に「さん」付けで呼べば。こんな時ばっかり調子良すぎです。第一、三嶋さんのためにならないし、手伝いませんよ」
「そう言わずに頼む!京子様!助けて下さい!」
三嶋は両手を合わせて拝むように京子に助けを求めた。
「たった今、嫌だと言いましたけど」
「今までの非礼は謝る!この通りだ!」
「やだぁ、カッコ悪ぅ。中学生に土下座なんかして、プライドは無いんですか。ていうか、こんな人が私の兄弟子とか、ありえないんですけど」
「今年度中に卒業したいんだよ!頼む!手伝ってくれ!」
三嶋は再び京子の目の前で土下座した。何度見ても格好悪い。しかも、土下座している三嶋の頭や背中の高さが、踏み台に丁度いい高さだ。
(踏んづけて蹂躙してみたい……!)
もしこの場に師匠や江田がいなければ踏んづけていたかもしれない。
でも。
京子は三嶋に恩がある。棋士の仕事をしながらでも大学に通えると教えてくれたのは他でも無い、今、目の前で土下座している三嶋だ。
底意地の悪い人間ならここで恩着せがましい事を言って、無理矢理にでも手伝わせるだろう。
だが三嶋はそうしない。土下座して頼んでいる。
京子としても、困ってる恩人を助けてやりたい。
が、どこまでが「助け」で、どこからが「甘やかし」になるのか、そのボーダーラインの見極めが今回は難しい。
対象は「論文」だからだ。
三嶋がこのプログラムについて、一から十まで説明できなければ、自分で作成したプログラムだと証明できない。証明できなければ卒業できない。
実は京子も三嶋が『棋譜記録』アプリを作成していると聞いて、自分でもこっそりと作成していた。ただし京子が作成したのは三嶋のようにプロの対局用ではなく、一般に向けたスマホアプリだ。スマホのカメラを用いて、棋譜ではなくアニメのような画像で残す方法だ。
いつか囲碁部で試してみようと思っていたが、出来上がった時点で満足してしまい、結局今までほったらかしにしている。
(さて、どうするかな……)
おそらくバグのほうはすぐ解決するだろう。
しかし京子としては、タダで手伝うつもりはない。いつもモラハラしてくる兄弟子に、貸しを作るまたとないチャンスだ。
京子は腕組みして頭の中の色々なパーツを組み合わせる。想像と違う絵になりそうなら、パーツを外し、また違うパーツを組み合わせる。
そうしてある一つの京子の理想とする絵が出来上がった。
「……わかりました。手伝いましょう」
「本当か?」
カエルのように土下座していた三嶋が勢いよく頭を上げた。
「はい。ただし『卒業論文』と同等の価値のあるもので対価を頂きます。どうでしょう?」
「おお!いいぞ!何がいい?焼肉か?それとも寿司か?」
「なんで食べ物なんですか。食べたら無くなるものじゃないですか」
「食べても無くならない食べ物がいいのか?そんな食べ物、無いぞ」
「だからなんで食べ物限定なんですか⁉︎私、そんなに食いしん坊だと思われてるんですか?」
「だって1日に米一升食う奴が……」
「やっぱり手伝うの、やめます」
京子はぶすくれて外方を向いた。
「あー!冗談!冗談だ!……で、対価ってなんだ?」
「ちなみに三嶋さん、大学を卒業されたら、なにかやりたいこととか考えてますか?」
「……卒業後?……いや、別にこれといって……。囲碁の仕事頑張る、くらい?」
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