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3:冒険者ギルド

拠点にて...。5

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プリプリと怒りながら部屋を出ていったけれど、仄かに頬を赤くしていたリーレスさん...わぁ!照れてるんだー、可愛い。

「ガルドさん、クリスちゃんってどこにも怪我はしてなかったんだよね?」

「あぁ、してない。」

「母さんも、筋肉痛はあるみたいだけど、怪我はないって言ってたから、大丈夫だ。」

「うん、怪我してないのは嬉しいんだけどさ?
護衛を失敗したってことは護衛対象が死んだってことでしょ?
クリスちゃんが殺されかけたりしたのかな?って、そこが心配になったんだよね。」

「きおくにございません。」

なんとなくだけど、国会にてふてぶてしく宣う議員風にしてみた。
護衛失敗ってことは、護衛を頼まなければならないようなヤバイ状況だったのかな?
全くもって記憶に無いんだけど...私、殺されかけたんかね?

「何故に汚職を疑われている役人風?
そっか、覚えてないか...置き去りにしただけなら、まぁ...いやいや、良くはないけどトラウマにはなるかもだしやっぱり許せないなぁ。」

「殺されかけてないなら、少しだけ許してあげなくもないってとこだね。
実際に殺そうとしてたら遠慮なく殺すんだけど...。」

「んー、さつじんみすいはしけいなのか?」

「普通の殺人未遂ならば強制労働を20年が最高刑だけど、護衛対象に対する殺人未遂は死刑だよ。」

おぅ...思ったよりはちゃんとしてた。
まさか、殺人関連は全て死刑っ!て感じなのかと疑っちゃったよ。
それにしても、どうして死んだことにしたかったのかが謎だよねー。
お金が欲しいなら普通に達成すれば良いのに、どうして護衛対象が死んだことにして報酬を得ようと思ったんだろう?
不思議だなぁー...思い出せたら良いんだけど、気合い入れたら思い出せるかな?

「ふーん、きあいをいれて、おもいだしてみよう。」

「無理に思い出すと色々と危険だから、自然と思い出したら教えてね?」

「きあいをいれればおもいだせるかもしれないぞ?」

「うん、入れなくて良いから。」

「わかった。
きにしないことにする。」

「うん、そうして。」

いつも通りのあまり感情の読めない顔を少しだけ苦笑いに変えながら近付き、頭をナデナデしてくるリーダーさん曰く気合いは入れなくてもいいらしい。
気になるっちゃあ気になるけど、まぁ、しなくていいならしないけどねー。

「はい、これで最後。
お口の周りを拭いて、うがいしに行こうか。」

「はーい。」

「よいしょっと、こっちだよ。」

最後のひと口を食べ終わると優しく口の周りを拭われて、抱っこで椅子から降ろしてもらう。
腰を落とした微妙な体勢で手を繋いで、きっと歩きづらいだろうに案内してくれる。
うーん、ズボンを握るのじゃ駄目なんだろうか?
1回提案してみる?どうするか?

「ほら、ここでうがいしようね。
この踏み台に乗ってくれる?
うん、じゃあ、ここを捻ると水が出るでしょ?
で、ここにコップがあるからこれに汲んで、はい、これが磨き粉だよ。
磨き粉をこのスプーンで一杯だけ口に入れたら水を口に含んで、ブクブクーッてほっぺの中で水を動かすの。
こんな説明で出来るかな?」

「ブクブクブクブクブクブク、ブェ!
こんなかんじ?」

「クリスは上手だね!
磨き粉、不味くなかった?」

「ん?スースーする。」

「それだけ?舌が痺れるとかはない?」

「ない!」

「それなら良かった。
スースーが苦手な子もいるから心配だったんだけど、大丈夫ならこれを使おうか。」

「うん!」

管の上に半円状のボウルみたいなのが付いてるけど、まだまだ小さい体ではよく見えない。
抱っこされるかなと思ってたら、隅に置いてあった踏み台を設置してくれて、それに乗るとボウルみたいなのの真ん中辺りが穴空いてて管と繋がってるのがよく見える。
ボウルの上の壁に水色の丸い石が嵌まってて、捻ると水が出てきて、石の横に引っかけてた取っ手付きのコップに水を汲んでくれた。
あ、これ蛇口だったんだ...ってことは、鏡はないけどここは洗面台なんだね。
蛇口代わりの石よりも上にある棚に色違いのビンが2つあって、茶色い方を見せられる。
コルクっぽい軽そうな蓋をキュポッと開けると、中には薄い黄緑色の粉が入っててミントっぽい清涼感のある匂いがしてきた。
これでブクブクとしてうがいをするの?
この粉って、マウスウォッシュじゃないですかね?
お試ししてみたら、味もミント系で好きな感じでした。





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