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3:冒険者ギルド
拠点にて...。1
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起きたら知らない部屋でした。
あ、この状況は、あれを言うべきかな?
「しらないてんじょうだ...。」
人生で一度は言ってみたかったセリフ...言ってみた。
因みにだけども、多分ザイルさんのベッド。
ほらほら、お隣に寝てますのよー。
ワタシをがっちり確保してらっしゃるので、ピクリとしか動けないんだよね。
ザイルさん、離してくれませんか?
「...ザイルさん?
おもいからおきて!」
「んぅー...眠い。」
「ねむいのはわかったから、はなしてくれぃ!」
「ん、クリス...抱っこ。」
あらやだ、ザイルさんが寝惚けてるー!!
眠いのか目をショボショボさせながらワタシにスリスリと甘えてきてるのとか可愛いけど、そんなにしっかりと抱き込まれると暑いのー!
ザイルさんったら、大柄な上に筋肉ありまくりで...寝起きの筋肉って暑苦しいぃーーー!!!
「ザイルさーん?
もうご飯出来てますよー?
そろそろ起きないと、クリスちゃんにご飯食べさせられないですよー?
なんなら、私が食べさせちゃおうかなー?」
「ダメ!」
ビックリしたー...ザイルさんったら、急にカッ!!と目を見開くんだもん。
それに、大きな声でダメって言うし...あのさ?ワタシ、食べさせてもらわなくとも自分で食べられるよ?
「あら、起きてたの?
んー...どうやらまだ寝起きみたいねぇ。
まだ寝惚けてます?ん?」
部屋の扉を躊躇なく開け放ち、カーテンと窓を開けて換気をしてからこちらを振り向いた女の人は、ザイルさんの様子を顎に手を置いて観察すると、ザイルさんの頬に両手を拳にして宛がいグリグリと回す。
ザイルさんからは特に何の反応も無くて、こちらが心配になるくらいにポケーッとしてる。
本当に起きてたよね?
え、まさか、まだ寝てるの?!
「ん、クリス...ここの管理をしてくれてるリーレス。
俺らがいないときとかは、リーレスの言うことをちゃんと聞くんだよ?」
「はーい。」
起きてたみたいで一安心。
へぇ、リーレスさんっていうのね...まだ若いけど、多分もう女性って言った方が良いかな?って年齢に感じる。
そっか、冒険者として依頼とか受けてると家に長らく帰れないこともあるもんね。
管理してくれる人がいても不思議では無いか...。
「おはよう、私はリーレスよ!
3年くらい前に、違法奴隷として浚われて売り払われる前のところをザイルさん達に救われたの。
貴女がクリスちゃんでしょ?
昨日の夜に、リンダールさんから大まかにだけども事情を聞いたわ。
皆さんが依頼を受けている間は私と過ごすことになると思うから、よろしくね。」
「よろしくおたのみもうします。」
あらあら、違法奴隷ですか...リーレスさんの話し方的に、借金とか犯罪とか関係なく違法に浚われて奴隷にされたってことかな?
ふわっふわの赤茶色の癖っ毛に、キラキラと輝く蜂蜜色の瞳が美味しそうで...そして、陽に焼けてないのか真っ白な肌。
これだけ綺麗なんだもん。
3年前はさぞや可愛かったことでしょう。
「あら、随分と古風な言い回しをするのね。
ウフフ、とっても可愛いわ。
なんだか、妹が出来たみたいで嬉しい!」
「あ...」
「さ、お着替えしてからご飯にしましょう?
ザイルさんもちゃんと着替えてきてね?
クリスちゃんは、私と一緒にお着替えに行きましょうね。
昨日夫人から預かったワンピースとかを渡されたんだけど、こっちにあるクリスちゃんのお部屋に運んであるらしいから、案内するわ!」
*
あ、この状況は、あれを言うべきかな?
「しらないてんじょうだ...。」
人生で一度は言ってみたかったセリフ...言ってみた。
因みにだけども、多分ザイルさんのベッド。
ほらほら、お隣に寝てますのよー。
ワタシをがっちり確保してらっしゃるので、ピクリとしか動けないんだよね。
ザイルさん、離してくれませんか?
「...ザイルさん?
おもいからおきて!」
「んぅー...眠い。」
「ねむいのはわかったから、はなしてくれぃ!」
「ん、クリス...抱っこ。」
あらやだ、ザイルさんが寝惚けてるー!!
眠いのか目をショボショボさせながらワタシにスリスリと甘えてきてるのとか可愛いけど、そんなにしっかりと抱き込まれると暑いのー!
ザイルさんったら、大柄な上に筋肉ありまくりで...寝起きの筋肉って暑苦しいぃーーー!!!
「ザイルさーん?
もうご飯出来てますよー?
そろそろ起きないと、クリスちゃんにご飯食べさせられないですよー?
なんなら、私が食べさせちゃおうかなー?」
「ダメ!」
ビックリしたー...ザイルさんったら、急にカッ!!と目を見開くんだもん。
それに、大きな声でダメって言うし...あのさ?ワタシ、食べさせてもらわなくとも自分で食べられるよ?
「あら、起きてたの?
んー...どうやらまだ寝起きみたいねぇ。
まだ寝惚けてます?ん?」
部屋の扉を躊躇なく開け放ち、カーテンと窓を開けて換気をしてからこちらを振り向いた女の人は、ザイルさんの様子を顎に手を置いて観察すると、ザイルさんの頬に両手を拳にして宛がいグリグリと回す。
ザイルさんからは特に何の反応も無くて、こちらが心配になるくらいにポケーッとしてる。
本当に起きてたよね?
え、まさか、まだ寝てるの?!
「ん、クリス...ここの管理をしてくれてるリーレス。
俺らがいないときとかは、リーレスの言うことをちゃんと聞くんだよ?」
「はーい。」
起きてたみたいで一安心。
へぇ、リーレスさんっていうのね...まだ若いけど、多分もう女性って言った方が良いかな?って年齢に感じる。
そっか、冒険者として依頼とか受けてると家に長らく帰れないこともあるもんね。
管理してくれる人がいても不思議では無いか...。
「おはよう、私はリーレスよ!
3年くらい前に、違法奴隷として浚われて売り払われる前のところをザイルさん達に救われたの。
貴女がクリスちゃんでしょ?
昨日の夜に、リンダールさんから大まかにだけども事情を聞いたわ。
皆さんが依頼を受けている間は私と過ごすことになると思うから、よろしくね。」
「よろしくおたのみもうします。」
あらあら、違法奴隷ですか...リーレスさんの話し方的に、借金とか犯罪とか関係なく違法に浚われて奴隷にされたってことかな?
ふわっふわの赤茶色の癖っ毛に、キラキラと輝く蜂蜜色の瞳が美味しそうで...そして、陽に焼けてないのか真っ白な肌。
これだけ綺麗なんだもん。
3年前はさぞや可愛かったことでしょう。
「あら、随分と古風な言い回しをするのね。
ウフフ、とっても可愛いわ。
なんだか、妹が出来たみたいで嬉しい!」
「あ...」
「さ、お着替えしてからご飯にしましょう?
ザイルさんもちゃんと着替えてきてね?
クリスちゃんは、私と一緒にお着替えに行きましょうね。
昨日夫人から預かったワンピースとかを渡されたんだけど、こっちにあるクリスちゃんのお部屋に運んであるらしいから、案内するわ!」
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