13 / 32
2:女のバトルと男のバトル
代官邸です。6
しおりを挟む
「ウール、この方はもう駄目かもしれないわ。」
「母さん、すみません。」
-ご両親は真面な人達だったし、娘がこんな馬鹿とは思わなかったんだよねー。
クリスちゃん、折角家族になれた日なのに...こっちの都合で不愉快な思いをさせちゃってごめんね?-
-んーん、だいじょうぶ!-
-ありがとう。-
なんでか分からないけど、ウールさんに姫担ぎされております。
え?その体勢はお姫様だっこじゃないかって?
いやいや、その言い方だとなんか恥ずかしいから、わざわざ言い換えてるんだよ?
ちなみに、横抱きも可。
「ウフフ、ミリアさん?
貴女、自分はもう学ぶ必要がないと思っているのよね?」
「えぇ、そうですわ。
私は、きちんと学んでおりますわ。」
2人の間で、バチバチと火花が散ってるように見えてるけども、ほらほら、2人の間だけのことだからね?怖くないよ?
だから、グリル君?君のお祖父さんの股間に顔を埋めるのは止めたげて?
ウールさん、声に出さずにケラケラと笑ってないで、自分の息子の奇行を止めなさいよー!
あー、そこでグリグリしたら駄目ー!
聞いただけだから多分だけど、痛いのよー?
父様、グリグリされてるのにどうして笑ってるのかな?
「あらあら、そう...では、半年の猶予を差し上げますから、中退した学園に復学なさい。
そして、受けられていない試験をきちんとした手順で受けて、正式な卒業資格を得てらっしゃい。
半年経っても卒業資格を得られない場合、貴女を嫁とは認められません。
ウールとは正式に離縁していただきますし、たとえ息子であるとしても...我が家の跡取りであるグリルにも会わせられませんわ。」
「...分かりましたわ。
半年で、卒業資格を取得しますわ。
私が卒業資格を取得いたしましたら、この本邸を明け渡してくださいませね?
主人やグリルの為にも、広くて美しいこちらに住めるのが1番ですもの!
あぁ、ご両親とそちらの小娘は、丁度別邸がありますからそちらにお住みくださいませ。」
うわぁ、旦那とか息子には、決して見せてはいけない顔をしてるよ?
ウールさんもグリル君もバッチリ見てるんだけど、大丈夫かな?
あ、ほら、グリル君ドン引きしてるじゃん。
それと、まだ代官の引き継ぎとかしてない筈なんだけど...そんな時に、本邸を明け渡すとか確約出来る筈ないよね?
しかも、そういう権限を持っている代官である父様じゃなくって、その妻で代官を補佐する代官夫人である母様に確約させようとかしてるけど、代官の一存で履行されなくても文句言えないよ?
多分、怒りでそんなことを口走ってるんだとは思うけど、本当に考えが足りない人なんだね。
貴族ってさ?私の中の勝手なイメージかもだけど、たとえ、ドロドロとしていようともその心の中を覆い隠して、言葉では何てことないように装うのが普通でしょ?
「あら、卒業資格すらまともに持っていない貴女が、条件を付けられるような立場ではありませんわよ?
ご自分の立場を弁えなさい。
そうねぇ?貴女が復学している半年で代官としての実務経験をきちんと積んで、主人も納得してウールに代官を引き継ぐのであれば考えても良いわ。
そうね、その場合、本当に貴女が無事に卒業資格を得られるのであれば、私達は王都のタウンハウスや領都にあるタウンハウスに移りますわ。」
「そのお言葉、お忘れなきように!!」
「えぇ、忘れませんわ。
そうだわ!貴女が建てさせた別邸は、そろそろ次男が結婚する予定ですので、その子達が住むかもしれないわ。
領主様のお声掛りでの婚約でしたけれど、2人共仲良くしているようで...安心しておりますの。
シュレイアーナさんが今年ご卒業されますから、近々こちらに戻ってくる予定ですのよ。
これからは、代官となる兄を支える為に、王国騎士団での経験を元に憲兵の指揮に当たりますのよ。
貴女が無事に夫人となられれば関係ありますもの...一応話しておきますわね?」
一応話しておきますわね?という言葉の裏に、嘲るような声音の副音声が聞こえました。
にっこりと微笑みながら怒ってる女の人って、本当に怖い。
*
「母さん、すみません。」
-ご両親は真面な人達だったし、娘がこんな馬鹿とは思わなかったんだよねー。
クリスちゃん、折角家族になれた日なのに...こっちの都合で不愉快な思いをさせちゃってごめんね?-
-んーん、だいじょうぶ!-
-ありがとう。-
なんでか分からないけど、ウールさんに姫担ぎされております。
え?その体勢はお姫様だっこじゃないかって?
いやいや、その言い方だとなんか恥ずかしいから、わざわざ言い換えてるんだよ?
ちなみに、横抱きも可。
「ウフフ、ミリアさん?
貴女、自分はもう学ぶ必要がないと思っているのよね?」
「えぇ、そうですわ。
私は、きちんと学んでおりますわ。」
2人の間で、バチバチと火花が散ってるように見えてるけども、ほらほら、2人の間だけのことだからね?怖くないよ?
だから、グリル君?君のお祖父さんの股間に顔を埋めるのは止めたげて?
ウールさん、声に出さずにケラケラと笑ってないで、自分の息子の奇行を止めなさいよー!
あー、そこでグリグリしたら駄目ー!
聞いただけだから多分だけど、痛いのよー?
父様、グリグリされてるのにどうして笑ってるのかな?
「あらあら、そう...では、半年の猶予を差し上げますから、中退した学園に復学なさい。
そして、受けられていない試験をきちんとした手順で受けて、正式な卒業資格を得てらっしゃい。
半年経っても卒業資格を得られない場合、貴女を嫁とは認められません。
ウールとは正式に離縁していただきますし、たとえ息子であるとしても...我が家の跡取りであるグリルにも会わせられませんわ。」
「...分かりましたわ。
半年で、卒業資格を取得しますわ。
私が卒業資格を取得いたしましたら、この本邸を明け渡してくださいませね?
主人やグリルの為にも、広くて美しいこちらに住めるのが1番ですもの!
あぁ、ご両親とそちらの小娘は、丁度別邸がありますからそちらにお住みくださいませ。」
うわぁ、旦那とか息子には、決して見せてはいけない顔をしてるよ?
ウールさんもグリル君もバッチリ見てるんだけど、大丈夫かな?
あ、ほら、グリル君ドン引きしてるじゃん。
それと、まだ代官の引き継ぎとかしてない筈なんだけど...そんな時に、本邸を明け渡すとか確約出来る筈ないよね?
しかも、そういう権限を持っている代官である父様じゃなくって、その妻で代官を補佐する代官夫人である母様に確約させようとかしてるけど、代官の一存で履行されなくても文句言えないよ?
多分、怒りでそんなことを口走ってるんだとは思うけど、本当に考えが足りない人なんだね。
貴族ってさ?私の中の勝手なイメージかもだけど、たとえ、ドロドロとしていようともその心の中を覆い隠して、言葉では何てことないように装うのが普通でしょ?
「あら、卒業資格すらまともに持っていない貴女が、条件を付けられるような立場ではありませんわよ?
ご自分の立場を弁えなさい。
そうねぇ?貴女が復学している半年で代官としての実務経験をきちんと積んで、主人も納得してウールに代官を引き継ぐのであれば考えても良いわ。
そうね、その場合、本当に貴女が無事に卒業資格を得られるのであれば、私達は王都のタウンハウスや領都にあるタウンハウスに移りますわ。」
「そのお言葉、お忘れなきように!!」
「えぇ、忘れませんわ。
そうだわ!貴女が建てさせた別邸は、そろそろ次男が結婚する予定ですので、その子達が住むかもしれないわ。
領主様のお声掛りでの婚約でしたけれど、2人共仲良くしているようで...安心しておりますの。
シュレイアーナさんが今年ご卒業されますから、近々こちらに戻ってくる予定ですのよ。
これからは、代官となる兄を支える為に、王国騎士団での経験を元に憲兵の指揮に当たりますのよ。
貴女が無事に夫人となられれば関係ありますもの...一応話しておきますわね?」
一応話しておきますわね?という言葉の裏に、嘲るような声音の副音声が聞こえました。
にっこりと微笑みながら怒ってる女の人って、本当に怖い。
*
1
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。
風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。
噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。
そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。
生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし──
「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」
一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。
そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる