上 下
7 / 32
1:はじまりはじまりー!

ギルドでーす!2

しおりを挟む
「ほらほらぁー、お父様のところにおいで?」
-クリスちゃん、聞こえてるかな?-

「ん?おとうさんじゃないぞ?」
-き..こえてるけど...?-

「うん、たしかに実のお父様じゃないけど...クリスちゃんは、うちの一族の子だよね?ね?そうだよね?
よしよし、1人で森をさ迷っていたなんて、寂しい思いをしたねぇ。」
-クルス一族の人間は、今は方々にかなり散らばってるんだよね。
あ、今はクルスク家になってるんだけどね?
遥か昔の転生者の、来栖クルス 久連クレンが祖先なんだ。-

「あまりきおくにないから、さびしくはないぞ?
こら、おなかやおしりを、なでるでない!
こしょばい!!」
-くるす くれん?...ワタシの、ははのあにと、おなじなまえだ!
ただ、ワタシがうまれるまえに、しっそうしたんだ。
だから、ちょくせつはしらない。-

ザイルさんのお父さんにさわさわと全身を撫で回されながら(セクハラよー!)、衝撃の事実が知らされたんだけど!
あのさ?それ、かなりこしょばいんだよねー...そろそろ止めてくれませんかね?

「ガルドール君が見付けたってことは大丈夫だと思うんだけど...怪我が心配なの。
確認してるだけだから、今は我慢しなさい。
うん、どうやら筋肉痛だけみたいだね、良かった。」
-そっかぁ、もしかしたらその人かもしれないね。
うん、これからは、一族の人間としてずっとうちにいればいいよ。-

あ、はい、ご心配おかけしました。
それと、住むとこゲット!

「自分で歩くと主張されたので、クリスが疲れたと言うまでは歩かせましたから...。」

うん、ワタシの我が儘を聞いてくれてありがとう!
そして、ガルドさんが敬語を話しているのに違和感が!
まぁ、パーティメンバーであるザイルさんのお父さんだけど、代官様だからね...敬語で話すよね。
でも、やっぱり違和感があるの。

「うん、それが良いよ。
さ、妻も楽しみに待ってるんだ!
皆で代官邸に行こうか。」
-妻はクルス一族の人間じゃないから、これ出来ないからね?-

-はーい。-

そっか、クルスク一族の力的なヤツなんだね...了解です!

「あれ?シュレン君は?」

「クリス用の服や食器、後は当分依頼を受けませんので食材などを調達に行ってます。」

「あらら、ん?ルーザちゃんもいないね?」

「任務で汗をかいたので、代官邸へ向かう前に流しに行っていますよ。」

「そっかぁ、妻が2人にも会えるのを楽しみにしてたんだけど...仕方ないか。」

「そうですね...。」

うん、シュレンさんもルーザさんも、いつの間にか消えてたな。
シュレンさんは代官の奥様から逃げたみたいなんだけど、ま、言わなくても良いのかな?
知らぬが仏ってヤツ?だよね?

「..........ん。」
-母は、1人くらいは女の子が欲しかったらしいから、ルーザとシュレンは着せ替え人形のように扱われる。
シュレンは細身だからか女装させられるから、いつも逃げてる。-

-シュレンさんのじょそう、みてみたい。-

-やめてやれ。泣くぞ?-

-え、なくの?......なかしてみたい、かも?きっとかわいい。うん。-

「......ん。」
-やめてやれ。-

うーん、シュレンさんは中性的な容姿をしているから、女装、一度くらい見てみたかったのになぁ...。
ザイルさんに、可愛らしい困り眉でめっちゃ真剣に止められた。
うん...ワタシのほっぺをふにふにと撫でられながら止められた。
はいはい、やめときますよー。
エヘヘ.........今はね?

「クリスちゃんは、お洋服をお着替えしないとね。
お洋服は妻が用意してるから、楽しみにしててね?」

え...?!もしかして、私も着せ替え人形化するの?!
ちょ!止めてけれ!あぁ!容赦なく運ばないでぇーー!

「うーん、今のクリスちゃんは筋肉痛が酷そうだし...被るだけのワンピースが楽かな?
あぁ、でも!あの短いズボンも可愛いんだよなぁ...ま、今日は着るの大変かもだから、やっぱり被るだけのワンピースだね。」

うん、ワンピースなら頭から被るだけだから比較的楽かな?
あれ?でもさ?え、3歳児サイズの女の子用の服とかなんで持ってるの?!
男の子しかいないんじゃなかったの?
まさか!ザイルさんとかも幼い頃に着せられてたりする?
うわ、見てみたかったなぁ......。
あ、目を反らした!させられてたんだー...見たかったなぁ。





*
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話

Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」 「よっしゃー!! ありがとうございます!!」 婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。 果たして国王との賭けの内容とは――

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。

風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。 噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。 そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。 生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし── 「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」 一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。 そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

学園長からのお話です

ラララキヲ
ファンタジー
 学園長の声が学園に響く。 『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』  昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。  学園長の話はまだまだ続く…… ◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない) ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

処理中です...