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1:はじまりはじまりー!
出会いました。2
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「討伐対象を捜索中の仲間が近くにいるだろうから、合流する。」
「わかった。」
「...やはり、抱き上げるが良いか?」
「む、すまぬ...ガルドよりもあしがみじかくてな、あゆみはかなりおそいぞ!」
申し訳ない...無念。
一応は歩けているのだけど、この幼児体型だと、頭が重くて足が短いのでかなりゆっくりになってしまう。
うーん、仕方ないんだろうけど、ガルドさんに抱っこしてもらうと、どうしても申し訳ないって気持ちにしかならない。
多分だけど、3~4歳だよね?
若返ったのか、新しく幼女として作られたのか...。
考えても分からないから...今は脳の片隅にでも置いておこう。
ふむ、ガルドさん、良い筋肉をしておりますなぁ。
強面に似合わず抱き方が優しい所もプラスポイントですぞ。
なんて、ガルドさんの筋肉を存分に堪能していたんだけど、体感的には1時間は歩いていると思う。
うん、森の中は時間が分からんのよねぇ。
ガルドさんは殆ど喋らないし、お仲間さんにもまだ遭遇しない。
「ん、仲間は討伐対象を見付けて戦闘中みたいだ。
俺達はここらで野営の準備をしよう。」
「ん?うん。てつだう。」
「助かる、少しここで待っていてくれ。
荷物からテントや諸々を出す。」
「テント...。」
唐突に話しかけられ、倒木の上に降ろされました。
いやいや、ワタシも手伝うよーと倒木から降りて近付いてみたら、即抱っこされてまた倒木に座らされたので諦めて、ガルドさんが持っていても大きい巾着を漁っているのを見てるの。
え、でかくない?それ、もう既に組み立てられてるみたいなんだけど、何処から出したのさ?......あぁ、その巾着ですよね。
あ、インベントリ的なものが存在するの?
いや、巾着なんだからマジックバックかな?
「これは、収納袋だ。
見た目はただの背負い袋なのだが容量がかなりでかくて、重宝している。
食べ物を入れてしまうと、通常と同じ結末だ。」
「くさるの?」
「ん、時間経過のない収納袋も存在するらしいが、かなり希少だ。
これは、ダンジョンにて出土したもので、冒険者になると決めたときに貰った。
冒険者をしていた父からの餞別だな。」
「ほぇー、それ、おもい?」
「ん?重さはあまり感じないな。」
ほぇ、便利だ!ガルドさん、後で持たせて!重さがどれくらいなのかが気になるんだ!
収納袋に感動しながら、野営の準備をするガルドさんをお手伝い。
ま、ガルドさんが収納袋から出した物(軽いやつだけね?)を受け取って、指示された所に並べるだけの簡単なお手伝いです。
ほうほう、これがお塩なの...こっちでも白いのね。
それにしても、半透明のガラス瓶だぁー。
なんだか割れそうで怖いな。
「あぁ!!可愛い子がいるーー!!
初めまして、私はこのパーティで魔法使いをしている、マサラ街のルーザンナだよ!!
ルーザって呼んでね!!よろしくね!!
あ、ガルドールさん、ただいまー!!」
「ルーザ、クリスが怯えるから離れろ。」
「えぇー!可愛いんだもん!!」
「クリス、こちらに...。」
「ガルド!」
この人、勢いありすぎで怖ーい!
見た目は全体的にピンクな感じの可愛らしい人なんだけど、私グイグイくる人苦手なのよ...。
涙目でガルドさんの背中に抱き付いて、避難避難。
はぁ、ここは安心、落ち着く。
頼れるガルドさんの背中は大きいねぇ......頬をガルドさんの背中にスリスリとするとなんでか落ち着くー。
「ルーザ...初対面の人と接するときは、距離を詰めすぎるな!
特に幼子は要注意だ!良いか?」
「ぶぅー!ま、仕方無いか。」
「ワタシはクリス...ルーザ、よろしく。」
「かんわぃいーーー!!」
ガルドさんに叱られて?距離を詰めるのを諦めてくれたみたい?良かった。
一応挨拶を返すと、小声で叫ぶというなかなかに器用なことをしてる。
あれ?さっき、パーティって言ってたんだけど、ルーザだけなのかな?
「...ガルド、いくら子供に懐かれにくい君に懐いたとしても、誘拐は良くないぞ?
この子が元いた所に返しに行こう。
大丈夫、親御さんには俺も共に謝ろう。」
「リーダー、先程念話で伝えた筈ですが?」
「...ん?森の奥で保護したって話しか?」
「えぇ、そうです。」
「...こんな奥地にこんなに幼い子供がいるなんてな...。
もう少し大きいと思っていたんだ、すまない。」
「ワタシはクリス。」
「...おぉ、忘れていた。
俺はリンダール・ミッドルドという。
君はクリスというのだな。
可愛らしい良き名だ。」
うわぁ、ほの暗い目をしているなぁ...でも、リーダーって呼ばれてたし、この人は苗字があるよね?
貴族とかのお偉いさん?
そんな風には見えないけど、三男とかなら冒険者やっててもおかしくないのかな?
三男なのかは知らんけど。
*
「わかった。」
「...やはり、抱き上げるが良いか?」
「む、すまぬ...ガルドよりもあしがみじかくてな、あゆみはかなりおそいぞ!」
申し訳ない...無念。
一応は歩けているのだけど、この幼児体型だと、頭が重くて足が短いのでかなりゆっくりになってしまう。
うーん、仕方ないんだろうけど、ガルドさんに抱っこしてもらうと、どうしても申し訳ないって気持ちにしかならない。
多分だけど、3~4歳だよね?
若返ったのか、新しく幼女として作られたのか...。
考えても分からないから...今は脳の片隅にでも置いておこう。
ふむ、ガルドさん、良い筋肉をしておりますなぁ。
強面に似合わず抱き方が優しい所もプラスポイントですぞ。
なんて、ガルドさんの筋肉を存分に堪能していたんだけど、体感的には1時間は歩いていると思う。
うん、森の中は時間が分からんのよねぇ。
ガルドさんは殆ど喋らないし、お仲間さんにもまだ遭遇しない。
「ん、仲間は討伐対象を見付けて戦闘中みたいだ。
俺達はここらで野営の準備をしよう。」
「ん?うん。てつだう。」
「助かる、少しここで待っていてくれ。
荷物からテントや諸々を出す。」
「テント...。」
唐突に話しかけられ、倒木の上に降ろされました。
いやいや、ワタシも手伝うよーと倒木から降りて近付いてみたら、即抱っこされてまた倒木に座らされたので諦めて、ガルドさんが持っていても大きい巾着を漁っているのを見てるの。
え、でかくない?それ、もう既に組み立てられてるみたいなんだけど、何処から出したのさ?......あぁ、その巾着ですよね。
あ、インベントリ的なものが存在するの?
いや、巾着なんだからマジックバックかな?
「これは、収納袋だ。
見た目はただの背負い袋なのだが容量がかなりでかくて、重宝している。
食べ物を入れてしまうと、通常と同じ結末だ。」
「くさるの?」
「ん、時間経過のない収納袋も存在するらしいが、かなり希少だ。
これは、ダンジョンにて出土したもので、冒険者になると決めたときに貰った。
冒険者をしていた父からの餞別だな。」
「ほぇー、それ、おもい?」
「ん?重さはあまり感じないな。」
ほぇ、便利だ!ガルドさん、後で持たせて!重さがどれくらいなのかが気になるんだ!
収納袋に感動しながら、野営の準備をするガルドさんをお手伝い。
ま、ガルドさんが収納袋から出した物(軽いやつだけね?)を受け取って、指示された所に並べるだけの簡単なお手伝いです。
ほうほう、これがお塩なの...こっちでも白いのね。
それにしても、半透明のガラス瓶だぁー。
なんだか割れそうで怖いな。
「あぁ!!可愛い子がいるーー!!
初めまして、私はこのパーティで魔法使いをしている、マサラ街のルーザンナだよ!!
ルーザって呼んでね!!よろしくね!!
あ、ガルドールさん、ただいまー!!」
「ルーザ、クリスが怯えるから離れろ。」
「えぇー!可愛いんだもん!!」
「クリス、こちらに...。」
「ガルド!」
この人、勢いありすぎで怖ーい!
見た目は全体的にピンクな感じの可愛らしい人なんだけど、私グイグイくる人苦手なのよ...。
涙目でガルドさんの背中に抱き付いて、避難避難。
はぁ、ここは安心、落ち着く。
頼れるガルドさんの背中は大きいねぇ......頬をガルドさんの背中にスリスリとするとなんでか落ち着くー。
「ルーザ...初対面の人と接するときは、距離を詰めすぎるな!
特に幼子は要注意だ!良いか?」
「ぶぅー!ま、仕方無いか。」
「ワタシはクリス...ルーザ、よろしく。」
「かんわぃいーーー!!」
ガルドさんに叱られて?距離を詰めるのを諦めてくれたみたい?良かった。
一応挨拶を返すと、小声で叫ぶというなかなかに器用なことをしてる。
あれ?さっき、パーティって言ってたんだけど、ルーザだけなのかな?
「...ガルド、いくら子供に懐かれにくい君に懐いたとしても、誘拐は良くないぞ?
この子が元いた所に返しに行こう。
大丈夫、親御さんには俺も共に謝ろう。」
「リーダー、先程念話で伝えた筈ですが?」
「...ん?森の奥で保護したって話しか?」
「えぇ、そうです。」
「...こんな奥地にこんなに幼い子供がいるなんてな...。
もう少し大きいと思っていたんだ、すまない。」
「ワタシはクリス。」
「...おぉ、忘れていた。
俺はリンダール・ミッドルドという。
君はクリスというのだな。
可愛らしい良き名だ。」
うわぁ、ほの暗い目をしているなぁ...でも、リーダーって呼ばれてたし、この人は苗字があるよね?
貴族とかのお偉いさん?
そんな風には見えないけど、三男とかなら冒険者やっててもおかしくないのかな?
三男なのかは知らんけど。
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