1 / 32
1:はじまりはじまりー!
出会いました。1
しおりを挟む
「こんな危ない森で幼女が1人、何をしている?」
──────────
強面に話しかけられた。
戦う
答える←ポチッ
踊る
逃げる
──────────
なんか変なのが見えた気がする...ゲームとかでよく見るコマンドだったような?
いや、今は放置で!
取り敢えず、質問には真面目に答えておこうと思います。
怪訝そうに眉を寄せた目の前の強面は、所々が鈍い銀色の金属で補強されている革鎧?っていうのかな?...まぁ、冒険者っぽい格好をしていて、身長は2メートルはありそうかな?
身体はゴリマッチョでも細マッチョでもなくて、その中間くらいの一番丁度良い感じ。
堅そうな茶髪を無造作に後頭部で1つに纏めていて、なんだか尻尾みたいで引っ張りたくなるんだよね。
凶悪そうに見える三白眼の緑の目が、こちらを心配してるって言ってる気がするのは気のせいかな?
「...しらん!ねてて、おきたら、ここにおった!
ようじょだと?!くわしいことは、ワタシのほうがしりたい!」
「...取り敢えず、俺が保護するから街に行こう。
体は痛くないか?歩けるか?」
街?!行けるんなら行きたいけど、今はお腹が空いてて力が出ないのよー。
あ、そうだ!
どうか、これで食べられるものを作ってくれい!!
さっき偶然が重なって仕留められたこのうさぎを、どうにか食べられる状態に!
出来れば、こんがりと焼いてほしい!
生焼けだけは嫌よ?
レアとかワタシは無理だから!
ウェルダンにしてね!
「からだはいたくないが、いまはむりだ!
はらがへったのでな。
こわもては、これを、たべられるじょうたいにできるか?
ワタシには、むりだった。」
「...一応、出来るが......こわもて?ではない。
俺は、リジュー村のガルドールという。」
「ガルドォル?」
「ガルドールだ。
言い難いのであれば、ガルドと呼べ。」
「それでは、ガルドだな。
ありがとう。
ワタシはクリスという。
うまれたむらの、ななどはわからん。」
ほうほう、村の名が苗字の代わりなのか...RPGではド定番だな!
ちょっとワクワクしてきた。
では、私の{来栖 栗栖}という両親の遊び心満載の名前はそのままでは使えんということか...よし、クリスにしよう!!そうしよう!!
「そうか、鑑定が使える者がクリスを見れば分かるかもしれないな。」
「ん?いま、どうやって、ひをつけたんだ??」
鑑定で分かるかもだと?!そんな!プライバシーの侵害よ!
ん?心の中でふざけてる間に火が着いているぞ??!いつの間に!!
魔法か?!魔法なのか?!異世界半端ねえ!!
ハッ!テンション高すぎてごめんなさい。
「ん?これは誰でも使える生活魔法だが?
小さな火種を出せるだけの魔法だ。
少しの飲み水を出すものや身体や服を綺麗にするものもある。
これも知らないのか?」
「しらん。
せいかつまほうか...あぶなくないのならば、ワタシにもつかえるのか?
ガルド、ワタシもやってみたい!」
「駄目だ。
クリスはまだ3歳くらいだろ?
5歳までは身体に大きな負担がかかるから、大人の仕事だ。
5歳を過ぎたら教えてやろう。」
「やった!あと2ねんなのだな?
ながいが、がまんしよう。」
あと2年も不便な生活が待っているのか...ま、いづれは魔法を使えるのだから良しとしよう。
「ん、出来たぞ?」
「おぉ!ありがとう!
こうばしく、やかれたにくだな。」
「今は手持ちに塩しか無いんだ...許せ。」
「?こちらが、むりにたのんだのだ、かまわない。
しおも、きちょうなしげん。
あじがなくても、しかたないとおもっていた。
ありがたくいただこう。」
「...それよりも、何故生肉を持っていたんだ?」
「こう、このあたりに、つのがあるうさぎが、おそってきたのだ。
とっさに、よこににげたら、うしろにあったそこのきに、つきささったんだ。
そこに、あながあるだろ?
うさぎのつのを、ぬいたからな。
それで、ちかくにおちていたいしで、たたいてころした。
ワタシがころしたいのちは、ワタシがきちんとありがたくいただくのが、こころえだろうと...おもう。
ひとつのいのちを、いきるためにと、うばったのだからな!
このこころえは、とてもたいせつなことだ。
だから、そこの、ちょっととがってるいしで、なんとかさばいたんだが、ひがなかったのだ。
ワタシは、なまにくはくえん。」
伝わるだろうか?
「案外しっかりしているな。
クリスが殺したのは、ホーンラビという魔物だ。
普通のうさぎが、魔力を吸収して魔物と化したんだ。
生で食べていなくて良かったよ。
もしも食べていたら腹を壊す。」
「ごちそうさまでした。」
「ん、行こうか。」
「べたべたするから、てをあらってくる。
しばしまっててくれ。」
「ん。」
「それではまいろうか。」
ちょいと、待たせてすまん。
というか、喋りにくいなこの口は...。
敬語とかは無理そうだ。
心の中ならばタメ口でも構わないだろうけど、やはり、目上の人には敬語で話したい衝動に刈られる。
ゆっくりと話しても難しい...タメ口しか無理だなんて、日本人としてはかなり精神的にダメージが!くぅ!ガルドさん、許しておくれ...。
*
──────────
強面に話しかけられた。
戦う
答える←ポチッ
踊る
逃げる
──────────
なんか変なのが見えた気がする...ゲームとかでよく見るコマンドだったような?
いや、今は放置で!
取り敢えず、質問には真面目に答えておこうと思います。
怪訝そうに眉を寄せた目の前の強面は、所々が鈍い銀色の金属で補強されている革鎧?っていうのかな?...まぁ、冒険者っぽい格好をしていて、身長は2メートルはありそうかな?
身体はゴリマッチョでも細マッチョでもなくて、その中間くらいの一番丁度良い感じ。
堅そうな茶髪を無造作に後頭部で1つに纏めていて、なんだか尻尾みたいで引っ張りたくなるんだよね。
凶悪そうに見える三白眼の緑の目が、こちらを心配してるって言ってる気がするのは気のせいかな?
「...しらん!ねてて、おきたら、ここにおった!
ようじょだと?!くわしいことは、ワタシのほうがしりたい!」
「...取り敢えず、俺が保護するから街に行こう。
体は痛くないか?歩けるか?」
街?!行けるんなら行きたいけど、今はお腹が空いてて力が出ないのよー。
あ、そうだ!
どうか、これで食べられるものを作ってくれい!!
さっき偶然が重なって仕留められたこのうさぎを、どうにか食べられる状態に!
出来れば、こんがりと焼いてほしい!
生焼けだけは嫌よ?
レアとかワタシは無理だから!
ウェルダンにしてね!
「からだはいたくないが、いまはむりだ!
はらがへったのでな。
こわもては、これを、たべられるじょうたいにできるか?
ワタシには、むりだった。」
「...一応、出来るが......こわもて?ではない。
俺は、リジュー村のガルドールという。」
「ガルドォル?」
「ガルドールだ。
言い難いのであれば、ガルドと呼べ。」
「それでは、ガルドだな。
ありがとう。
ワタシはクリスという。
うまれたむらの、ななどはわからん。」
ほうほう、村の名が苗字の代わりなのか...RPGではド定番だな!
ちょっとワクワクしてきた。
では、私の{来栖 栗栖}という両親の遊び心満載の名前はそのままでは使えんということか...よし、クリスにしよう!!そうしよう!!
「そうか、鑑定が使える者がクリスを見れば分かるかもしれないな。」
「ん?いま、どうやって、ひをつけたんだ??」
鑑定で分かるかもだと?!そんな!プライバシーの侵害よ!
ん?心の中でふざけてる間に火が着いているぞ??!いつの間に!!
魔法か?!魔法なのか?!異世界半端ねえ!!
ハッ!テンション高すぎてごめんなさい。
「ん?これは誰でも使える生活魔法だが?
小さな火種を出せるだけの魔法だ。
少しの飲み水を出すものや身体や服を綺麗にするものもある。
これも知らないのか?」
「しらん。
せいかつまほうか...あぶなくないのならば、ワタシにもつかえるのか?
ガルド、ワタシもやってみたい!」
「駄目だ。
クリスはまだ3歳くらいだろ?
5歳までは身体に大きな負担がかかるから、大人の仕事だ。
5歳を過ぎたら教えてやろう。」
「やった!あと2ねんなのだな?
ながいが、がまんしよう。」
あと2年も不便な生活が待っているのか...ま、いづれは魔法を使えるのだから良しとしよう。
「ん、出来たぞ?」
「おぉ!ありがとう!
こうばしく、やかれたにくだな。」
「今は手持ちに塩しか無いんだ...許せ。」
「?こちらが、むりにたのんだのだ、かまわない。
しおも、きちょうなしげん。
あじがなくても、しかたないとおもっていた。
ありがたくいただこう。」
「...それよりも、何故生肉を持っていたんだ?」
「こう、このあたりに、つのがあるうさぎが、おそってきたのだ。
とっさに、よこににげたら、うしろにあったそこのきに、つきささったんだ。
そこに、あながあるだろ?
うさぎのつのを、ぬいたからな。
それで、ちかくにおちていたいしで、たたいてころした。
ワタシがころしたいのちは、ワタシがきちんとありがたくいただくのが、こころえだろうと...おもう。
ひとつのいのちを、いきるためにと、うばったのだからな!
このこころえは、とてもたいせつなことだ。
だから、そこの、ちょっととがってるいしで、なんとかさばいたんだが、ひがなかったのだ。
ワタシは、なまにくはくえん。」
伝わるだろうか?
「案外しっかりしているな。
クリスが殺したのは、ホーンラビという魔物だ。
普通のうさぎが、魔力を吸収して魔物と化したんだ。
生で食べていなくて良かったよ。
もしも食べていたら腹を壊す。」
「ごちそうさまでした。」
「ん、行こうか。」
「べたべたするから、てをあらってくる。
しばしまっててくれ。」
「ん。」
「それではまいろうか。」
ちょいと、待たせてすまん。
というか、喋りにくいなこの口は...。
敬語とかは無理そうだ。
心の中ならばタメ口でも構わないだろうけど、やはり、目上の人には敬語で話したい衝動に刈られる。
ゆっくりと話しても難しい...タメ口しか無理だなんて、日本人としてはかなり精神的にダメージが!くぅ!ガルドさん、許しておくれ...。
*
1
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。
風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。
噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。
そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。
生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし──
「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」
一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。
そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる