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1:はじまりはじまりー!

出会いました。1

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「こんな危ない森で幼女が1人、何をしている?」

──────────
強面に話しかけられた。

戦う
答える←ポチッ
踊る
逃げる
──────────

なんか変なのが見えた気がする...ゲームとかでよく見るコマンドだったような?
いや、今は放置で!
取り敢えず、質問には真面目に答えておこうと思います。

怪訝そうに眉を寄せた目の前の強面は、所々が鈍い銀色の金属で補強されている革鎧?っていうのかな?...まぁ、冒険者っぽい格好をしていて、身長は2メートルはありそうかな?
身体はゴリマッチョでも細マッチョでもなくて、その中間くらいの一番丁度良い感じ。
堅そうな茶髪を無造作に後頭部で1つに纏めていて、なんだか尻尾みたいで引っ張りたくなるんだよね。
凶悪そうに見える三白眼の緑の目が、こちらを心配してるって言ってる気がするのは気のせいかな?

「...しらん!ねてて、おきたら、ここにおった!
ようじょだと?!くわしいことは、ワタシのほうがしりたい!」

「...取り敢えず、俺が保護するから街に行こう。
体は痛くないか?歩けるか?」

街?!行けるんなら行きたいけど、今はお腹が空いてて力が出ないのよー。
あ、そうだ!
どうか、これで食べられるものを作ってくれい!!
さっき偶然が重なって仕留められたこのうさぎを、どうにか食べられる状態に!
出来れば、こんがりと焼いてほしい!
生焼けだけは嫌よ?
レアとかワタシは無理だから!
ウェルダンにしてね!

「からだはいたくないが、いまはむりだ!
はらがへったのでな。
こわもては、これを、たべられるじょうたいにできるか?
ワタシには、むりだった。」

「...一応、出来るが......こわもて?ではない。
俺は、リジュー村のガルドールという。」

「ガルドォル?」

「ガルドールだ。
言いにくいのであれば、ガルドと呼べ。」

「それでは、ガルドだな。
ありがとう。
ワタシはクリスという。
うまれたむらの、ななどはわからん。」

ほうほう、村の名が苗字の代わりなのか...RPGではド定番だな!
ちょっとワクワクしてきた。

では、私の{来栖 栗栖くるす くりす}という両親の遊び心満載の名前はそのままでは使えんということか...よし、クリスにしよう!!そうしよう!!

「そうか、鑑定が使える者がクリスを見れば分かるかもしれないな。」

「ん?いま、どうやって、ひをつけたんだ??」

鑑定で分かるかもだと?!そんな!プライバシーの侵害よ!
ん?心の中でふざけてる間に火が着いているぞ??!いつの間に!!
魔法か?!魔法なのか?!異世界半端ねえ!!
ハッ!テンション高すぎてごめんなさい。

「ん?これは誰でも使える生活魔法だが?
小さな火種を出せるだけの魔法だ。
少しの飲み水を出すものや身体や服を綺麗にするものもある。
これも知らないのか?」

「しらん。
せいかつまほうか...あぶなくないのならば、ワタシにもつかえるのか?
ガルド、ワタシもやってみたい!」

「駄目だ。
クリスはまだ3歳くらいだろ?
5歳までは身体に大きな負担がかかるから、大人の仕事だ。
5歳を過ぎたら教えてやろう。」

「やった!あと2ねんなのだな?
ながいが、がまんしよう。」

あと2年も不便な生活が待っているのか...ま、いづれは魔法を使えるのだから良しとしよう。

「ん、出来たぞ?」

「おぉ!ありがとう!
こうばしく、やかれたにくだな。」

「今は手持ちに塩しか無いんだ...許せ。」

「?こちらが、むりにたのんだのだ、かまわない。
しおも、きちょうなしげん。
あじがなくても、しかたないとおもっていた。
ありがたくいただこう。」

「...それよりも、何故生肉を持っていたんだ?」

「こう、このあたりに、つのがあるうさぎが、おそってきたのだ。
とっさに、よこににげたら、うしろにあったそこのきに、つきささったんだ。
そこに、あながあるだろ?
うさぎのつのを、ぬいたからな。

それで、ちかくにおちていたいしで、たたいてころした。
ワタシがころしたいのちは、ワタシがきちんとありがたくいただくのが、こころえだろうと...おもう。
ひとつのいのちを、いきるためにと、うばったのだからな!
このこころえは、とてもたいせつなことだ。

だから、そこの、ちょっととがってるいしで、なんとかさばいたんだが、ひがなかったのだ。
ワタシは、なまにくはくえん。」

伝わるだろうか?

「案外しっかりしているな。
クリスが殺したのは、ホーンラビという魔物だ。
普通のうさぎが、魔力を吸収して魔物と化したんだ。
生で食べていなくて良かったよ。
もしも食べていたら腹を壊す。」

「ごちそうさまでした。」

「ん、行こうか。」

「べたべたするから、てをあらってくる。
しばしまっててくれ。」

「ん。」

「それではまいろうか。」

ちょいと、待たせてすまん。

というか、喋りにくいなこの口は...。
敬語とかは無理そうだ。
心の中ならばタメ口でも構わないだろうけど、やはり、目上の人には敬語で話したい衝動に刈られる。
ゆっくりと話しても難しい...タメ口しか無理だなんて、日本人としてはかなり精神的にダメージが!くぅ!ガルドさん、許しておくれ...。





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