上 下
161 / 182
1歳!行動範囲が拡がります!

白いもふぁもふぁ。(回想 マグレイン兄様side)19

しおりを挟む
「ハッハッハッ!!」

「マグレイン君、レイグルド君、お待たせー。
あー、その子は純粋培養のド天然だから大丈夫だよ。
人を見る目はあるしね。」

「おとうさま?!わらいすぎです!!」

「ん?いいのいいの!
マグレイン君もレイグルド君も、可愛い甥っ子みたいな子達だからね。
あー、久々の娘が可愛い。」

ニヤニヤしている領主様と、仕方無いという風に苦笑しているギルドマスター。
さっきから気配はしてたけど、やっと出てきたの?
あーあ、娘さん、頬を膨らませて怒ってるよー?
立っていた娘さんを抱き上げて、ソファに座った自分の膝に乗せると娘さんの頭に頬擦りしだす領主様。
なんか、変態っぽいからやめた方が良いんじゃない?

「娘を自由に可愛がれるのが嬉しいのは分かるけど、ちゃんと仕事してよね?」

それねー。
あ、ギルドマスターも座ってくださいね。
そこに1人がけの椅子があるでしょ?
それに座ってください...ね?
レイとの間に割り込もうとしないで!
もう!僕達を膝に乗せるとかさせないから!!
はい、椅子に座る!

「分かってるよ。
...さて、マグレイン君?レイグルド君?後で君達の両親にも話すけど、子供達だけで動くとか駄目でしょ?
ギルドマスターが一緒とか関係ないからね?
君達はまだ未成人なの。分かる?」

「分かってますよ?
だからこそ、領主様の娘さんから事情を聞くのは僕達が適任だと考えました。
領主様、まだ5歳の子供が大人に囲まれて話すのはとても難しいことです。
ですが、歳上であるとしても同じ子供である僕達ならば、心を開いてくれる可能性が高いのではありませんか?」

「そうかもしれないね?
そうだとしても、駄目なの。」

「ここは領主邸ですよ?
僕達に危険があるとお思いなのですか?」

「うーん、そういうことじゃなくってね?」

頭固いなぁ...。
娘さんの、あの領主夫人様の娘なのに、とても優しい子だって噂だけは聞いてたから、危険はないと判断したんだけど?
噂通りとても優しい子だったよ?
だからさ?悩まないでほしいなぁ。
僕達が悪いことしたみたいじゃない。

「グルッ!
[いたっ!]」

「...マッチャ?」

「あー、マッチャが迎えに来ちゃったの?」

「お兄様?レイ?私もおりますわよ?」

「フ、フローラ?!」

え、なんでフローラがいるの?!宿屋のお手伝いは??
マッチャなら単身でも乗り込んで来そうかな?って思ってたんだけどね?フローラは予想外だよ??

「お昼寝から覚めたリーンが、お兄様とレイがいないことに気付いて、泣いて泣いて大変でしたわ。
リーンが泣くからか、ディオもディアも泣き止まなくって...最後にはシラタマ君も泣き出してまいましたのよ?」

「え?」

「お父さんにもお母さんにもアナ叔母様にも、ルドルフお爺さんにもリーノお婆さんにも怒られることでしょうね?
2人共、甘んじて受けてくださいませね?
あぁ、勿論、私も怒っておりますからね?」

「はい...。」

「...姉さん、ごめんなさい。」

「グルゥ?グルッガゥウッ!!
[本当に反省してる?
今度またリーンを泣かせたら、蜂さんの麻痺毒飲ませてやるんだから!!]」

目を見開いて何かを言っているらしいマッチャが、かなり物騒なことを考えてそうで怖い。
マッチャが僕達に伝えたいことは分からないけど、それで良かったのかもしれない。
レイが拉致された時のことを思い出すと、意外と好戦的な性格なのかもね?

「マッチャ君?リーン達を泣かせたことで2人に怒っているとは思うけど、少し抑えてくれる?」

「がぅ?
[なんで?]」

「領主様の娘さんが、とても驚いているわ。」

「...グルッ!
[ハァー...仕方無いなぁ!]」

フローラに宥められて首を傾げてたマッチャは、目を見開いている娘さんを見ると渋々フローラの後ろに下がった。
うーん、後で熊パンチされるかな?
マッチャの腕、かなり太くなってきてるんだよねー。
あぁ、不安だ...。





*
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

今さら帰ってこいなんて言われても。~森に移住した追放聖女は快適で優雅に暮らす~

ケンノジ
ファンタジー
「もうお前は要らない女だ!」 聖女として国に奉仕し続けてきたシルヴィは、第一王子ヴィンセントに婚約破棄と国外追放を言い渡される。 その理由は、シルヴィより強い力を持つ公爵家のご令嬢が現れたからだという。 ヴィンセントは態度を一変させシルヴィを蔑んだ。 王子で婚約者だから、と態度も物言いも目に余るすべてに耐えてきたが、シルヴィは我慢の限界に達した。 「では、そう仰るならそう致しましょう」 だが、真の聖女不在の国に一大事が起きるとは誰も知るよしもなかった……。 言われた通り国外に追放されたシルヴィは、聖女の力を駆使し、 森の奥で出会った魔物や動物たちと静かで快適な移住生活を送りはじめる。 これは虐げられた聖女が移住先の森の奥で楽しく幸せな生活を送る物語。

異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です 病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。 ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。 「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」 異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。 「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」 ―――異世界と健康への不安が募りつつ 憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか? 魔法に魔物、お貴族様。 夢と現実の狭間のような日々の中で、 転生者サラが自身の夢を叶えるために 新ニコルとして我が道をつきすすむ! 『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』 ※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。 ※非現実色強めな内容です。 ※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

前世は大聖女でした。今世では普通の令嬢として泣き虫騎士と幸せな結婚をしたい!

月(ユエ)/久瀬まりか
ファンタジー
伯爵令嬢アイリス・ホールデンには前世の記憶があった。ロラン王国伝説の大聖女、アデリンだった記憶が。三歳の時にそれを思い出して以来、聖女のオーラを消して生きることに全力を注いでいた。だって、聖女だとバレたら恋も出来ない一生を再び送ることになるんだもの! 一目惚れしたエドガーと婚約を取り付け、あとは来年結婚式を挙げるだけ。そんな時、魔物討伐に出発するエドガーに加護を与えたことから聖女だということがバレてしまい、、、。 今度こそキスから先を知りたいアイリスの願いは叶うのだろうか? ※第14回ファンタジー大賞エントリー中。投票、よろしくお願いいたします!!

出来損ない王女(5歳)が、問題児部隊の隊長に就任しました

瑠美るみ子
ファンタジー
魔法至上主義のグラスター王国にて。 レクティタは王族にも関わらず魔力が無かったため、実の父である国王から虐げられていた。 そんな中、彼女は国境の王国魔法軍第七特殊部隊の隊長に任命される。 そこは、実力はあるものの、異教徒や平民の魔法使いばかり集まった部隊で、最近巷で有名になっている集団であった。 王国魔法のみが正当な魔法と信じる国王は、国民から英雄視される第七部隊が目障りだった。そのため、褒美としてレクティタを隊長に就任させ、彼女を生贄に部隊を潰そうとした……のだが。 「隊長~勉強頑張っているか~?」 「ひひひ……差し入れのお菓子です」 「あ、クッキー!!」 「この時間にお菓子をあげると夕飯が入らなくなるからやめなさいといつも言っているでしょう! 隊長もこっそり食べない! せめて一枚だけにしないさい!」 第七部隊の面々は、国王の思惑とは反対に、レクティタと交流していきどんどん仲良くなっていく。 そして、レクティタ自身もまた、変人だが魔法使いのエリートである彼らに囲まれて、英才教育を受けていくうちに己の才能を開花していく。 ほのぼのとコメディ七割、戦闘とシリアス三割ぐらいの、第七部隊の日常物語。 *小説家になろう・カクヨム様にても掲載しています。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!

神桜
ファンタジー
小学生の子を事故から救った華倉愛里。本当は死ぬ予定じゃなかった華倉愛里を神が転生させて、愛し子にし家族や精霊、神に愛されて楽しく過ごす話! 『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!』の番外編を『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!番外編』においています!良かったら見てください! 投稿は1日おきか、毎日更新です。不規則です!宜しくお願いします!

処理中です...