これがホントの第２の人生。

１歳！行動範囲が拡がります！

領主館へとぶちこみますの！8

｢あら、斯様に突然のお越し、どうなさいましたの？
先触れも無く訪ねられるなんて、平民はマナーがなっていませんわね。｣

｢あら、そちらが約束を守らない方が悪いのですわ。
それに、先触れを出さなかったからと、私達にマナーがなっていないと仰られますけれど、マナーをお忘れなのはそちらこそでしょう？
そちらは、私達の息子であるレイグルドを、親である私達の許可もなければ本人の許可もなく、護衛騎士を使って無理矢理に拉致して領主館へと連れて来られたのですから。
それに、こちらの...レイグルドの兄であるマグレインにまで怪我をさせましたわよね？
貴女方の護衛騎士様方は、レイグルドを堂々と拉致なさいましたから、目撃者も多数おりましたわ。
こちらが、学校の先生方がお書きになられた...憲兵への報告書の写しになりますわ。｣

｢.....私共は、拉致などしておりませんわ。
そちらのレイグルドは、護衛騎士によって丁重にお迎えいたしましたのよ？｣

｢子供の意識を奪って担ぎ上げて連れてくることが、丁重にお迎えしたこととなりますの？
まぁまぁ、領主夫人様は、頭にお花が咲いてらっしゃいますのね。
どうぞ、お早く摘み取りなさいませ。｣

うわぁ...始まったねぇ。
女同士の笑顔でのディスり合い。
お母さんも領主夫人様も、表面上はニコニコと笑顔で話しをしているのに、内容に棘がありまくりで...まぁ、頭に花が咲いてるんだなぁとは私も思ったけどね？
丁寧な言葉遣いなのに、蔑みまくってる...流石です！お母さん！

｢............な、なんと申されましたの？！
私が誰か！分かって仰っておられますの？！！｣

｢あら、領主夫人様は、お若いですのに...随分とお耳が遠くていらっしゃいますのね？｣

｢な！なっ！｣

｢それと、約束を持ちかけたのは領主夫人様ですのに、守ることが出来ないだなんて...程度が知れますわね。
あぁ、領主夫人様は、元々はお父様が一代で平民から成り上がられた男爵家のご令嬢ですものね？その男爵位も一代限りと聞いておりましたけれど、運良く伯爵様の妻となられたことで勘違いしてしまわれましたのね...。｣

うわぁ、案外化けの皮が剥がれるのが早く、ハンカチを噛み締めてヒステリックに叫びだしたわー。
そして、そんな領主夫人様を、可哀想な者を見る目で見てる...お母さん、相当怒ってますね。

｢実家のことは関係ございませんわ！！｣

｢あら、今回の領主夫人様のなさりようからは、きちんとした教育を受けていないことは明白ですわ。
本来、署名をしてのお約束を守らないなんてことはあり得ませんのよ？
どんな身分の方が相手であろうと、憲兵や神官によって適正に裁かれますわ。｣

｢ですから、執事を向かわせましたわ！｣

｢３日というお約束でしたわよね？
けれど、レイグルドを拉致なされてから昨日で１週間ですわ。
お約束の刻限を延長するにも、遅すぎますわ！
それと、レイグルドを学校に通わせておりませんわよね？
領主夫人様からの書状には、学校にはきちんと通わせると書いてございましたけれど...？｣

署名付きのお約束の重要性を、全然理解してないよねー。
というか、本当に強烈な臭いがするね...本人は臭くないのかな？不っ思議ー。





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