上 下
6 / 182
神様との遭遇

神様の気紛れ?!3

しおりを挟む
「...そうね。鈴ちゃん、貴女は死んだわ。
それがね、偶々ワタシが気紛れに
〈転生とかやってみたいわー〉
って思ってた時だったから、貴女をこの部屋に呼んだのよ!!
貴女可愛いかったし、フェンリルにも飽きてきてたし、愛でれて一石二鳥!!みたいな?

あぁ、貴女を殺した犯人達ならね?
物音に驚いて駆け付けた大家さん一家に取り押さえられて、通報されてね?
警察っていう組織に捕まって、取り調べを受けたらしいわ。

で、警察の人達が、証言の裏付けの為にって調べに入った貴女の部屋にあった平たくて四角い魔道具みたいなのの中に面白い記録を見付けて、沢山の人が捕まったらしいの。
それで、正義感の塊みたいな...気持ちの悪い男がいたでしょ?
そいつの悪行についても公表したらしいわよ。
あぁ、そうそう...あの男、貴女が好きだったみたいよ?」

気紛れ...って、神様?!
フェンリルにも飽きてきてたって、神様?!

「じゃあ、フェンちゃん貰っても良い?!」

「......!!此処から出れるのか?」

「?フェンリルが欲しいの?良いわよ?
え?......でも、気になるのそこなの?
もっと気にするところあるでしょ?」

「わーい!!フェンちゃんと一緒なら大丈夫だと思う。
で、どんな所に転生するの?」

「.....それは、我も気になる。」

「だ・か・ら!少しは気にしなさい!」

「えぇーーー!!私はもう死んだんだし、あいつらが捕まって警察が諸々公表したならもういいよ?
これからのことの方が大事でしょ?」

正直に言うと、面倒臭いの...もう関係ない人達だからね。

「ハー、一応、地球の神様である鬼子母神様から、説明するようにって頼まれているの。聞いてね?」

「「はーい!」」

「2人共、良いお返事だこと...。

貴女の両親は、それぞれが不倫していたみたいなの。
で、それを知ったあの女共に脅されていたのね...ま、馬鹿よねぇ...。
不倫していたことよりも、何の罪もない娘を自分達の都合の為に切り捨てたことの方が非道なことなのに...それが分からないなんてね?
弁護士のくせに...。」

「あぁ、私のことは、一夜の過ちによって出来たとか言ってたので...。」

「それよ!一夜の過ち?!なによ!!
そういう行為は、諸々の覚悟を決めてからにしなさいよね!!
しかも、それを自分の娘に言うなんて、自分達の所為なのに...まるで生まれた娘が悪いかのように...ホントーに不愉快だわ!!!」

まぁ、事実だとしても、自分の娘に話さなくても良いことだよね。
育児もお互いに仕事が大事だからって言って押し付けあってたし、愛情なんて求めてはいなかったけど...せめて、謝らなければならないような悪いことをしてないってことは信じてほしかったかな?

「あ、でね?
非道なことはしていたけど一応は貴女を養っていた訳で、捕まりはしなかったんだけど...そんなことが明るみに出てしまうと信頼なんて無くなるでしょ?
で、弁護士を続けられないことになって、お互いに責任転嫁してドロドロに争った上で離婚したみたい。
不倫相手にはお金が無いからって理由で捨てられて、それぞれの実家からも縁を切られているわね。

貴女の両方の祖父母は、元々、可愛い孫に会わせてくれないことを不満に思っていたらしいから...殆ど会えないまま貴女が亡くなってしまったことを、凄く凄く悲しんでいたらしいわ。
鬼子母神様に、
『残り少ないのかもしれないけれど、自分達の残りの人生を捧げるから次の生ではあの子を幸せにしてやってほしい。』
と、お願いに来たそうよ。
あぁ、祖父母の方々は死んだりはしていないわよ?」

あ、死んでいないのなら良かった...。
てか、私に祖父母とかいたんだ...初めて知ったんだけど?会ったことないし、もう死んでるんだと思ってた。
怒ってくれてありがとう?
うーん、感謝の気持ち、あんまり湧かないなぁ...。

「あとは...あ、貴女の遺骨は父方の祖父母と母方の祖父母の家それぞれが分骨したの。
だから、お墓が2つあるわ。
なんだか贅沢よねぇ...。」

うん。贅沢?...だね。





*
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

お飾り王妃の受難〜陛下からの溺愛?!ちょっと意味がわからないのですが〜

湊未来
恋愛
 王に見捨てられた王妃。それが、貴族社会の認識だった。  二脚並べられた玉座に座る王と王妃は、微笑み合う事も、会話を交わす事もなければ、目を合わす事すらしない。そんな二人の様子に王妃ティアナは、いつしか『お飾り王妃』と呼ばれるようになっていた。  そんな中、暗躍する貴族達。彼らの行動は徐々にエスカレートして行き、王妃が参加する夜会であろうとお構いなしに娘を王に、けしかける。  王の周りに沢山の美しい蝶が群がる様子を見つめ、ティアナは考えていた。 『よっしゃ‼︎ お飾り王妃なら、何したって良いわよね。だって、私の存在は空気みたいなものだから………』  1年後……  王宮で働く侍女達の間で囁かれるある噂。 『王妃の間には恋のキューピッドがいる』  王妃付き侍女の間に届けられる大量の手紙を前に侍女頭は頭を抱えていた。 「ティアナ様!この手紙の山どうするんですか⁈ 流石に、さばききれませんよ‼︎」 「まぁまぁ。そんなに怒らないの。皆様、色々とお悩みがあるようだし、昔も今も恋愛事は有益な情報を得る糧よ。あと、ここでは王妃ティアナではなく新人侍女ティナでしょ」 ……あら?   この筆跡、陛下のものではなくって?  まさかね……  一通の手紙から始まる恋物語。いや、違う……  お飾り王妃による無自覚プチざまぁが始まる。  愛しい王妃を前にすると無口になってしまう王と、お飾り王妃と勘違いしたティアナのすれ違いラブコメディ&ミステリー

処理中です...