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7 : 王家との話し合い...どうなるのかしら?
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「申し訳ございません、お待たせいたしました。」
外では、なんやかんやてんやわんやと騒いでらっしゃる方が複数おられますのね。
ハァー...このような場で騒がれるだなんて、どこの誰かしらね?
従者の方がユリウス王子達を連れて戻って参りましたけれど、なんだかお疲れのご様子ね。
まだ騒いでらっしゃるみたいですし、あの方々は飽きないのね。
「陛下、お呼びと聞いたので参りました。」
「失礼いたしますわ。
私にも関わりのあることとお聞きいたしましたので、私も共に参りましたわ。」
「ああ、突然呼び出してすまなかったな。
リリーシャ姫も一緒で構わないよ。
2人はそこに掛けてくれ。」
「「失礼します。」」
リリーシャ様...そのお姿は態とですわね?
とても可愛らしいドレスを纏ってらっしゃいますけれど、獣化した状態でユリウス王子に抱っこされた状態で来られたのは、王妃陛下への当て擦りでしょう?
チラッと、こちらに意味ありげな微笑みを寄越したリリーシャ様が、澄ましたお顔でユリウス王子のお膝に座ってらっしゃるのを、王妃陛下が憎々しげに睨み付けてらっしゃいますものね。
「ユリウス、お前が第3ではなく第2王子であったと判明したわけだが、第2王子の婚約者であるユーティリカ嬢と婚約する気はあるか?」
「...え?私は、リリーと結婚して大公となり市生に下ることとなっております。
何故、ユーティリカ様との婚約という話しに?」
「ユリウス、貴方何を言ってますの?
あの者が偽者であったのだから、ユリウスが第2王子となりますのよ?
ユーティリカ嬢との婚約は、真の第2王子である貴方との婚約となりますの。」
「...陛下方は、通例に無いことを、当事者への報告や相談も無くお決めになられたのですか?」
「王族は、国の為に存在するのですよ?
そんなこと当然でしょう。」
王妃陛下的には、私を手放したくないし気に食わないリリーシャ様を排除出来るしで、一石二鳥とか考えてらっしゃいますのよね?
普段のリリーシャ様に対しての態度で、ユリウス王子は怒りを貯めてらっしゃるのではありませんか?
まさか、リリーシャ様やスリゼルを見る際に、嫌悪感がお顔に出てしまっていることに気付いておりませんの?
「ユーティリカ様、貴女の意見を聞いてもよろしいですか?」
「私は、元々王家との婚約を無かったこととしていただくつもりでしたの。
暫くは領地に帰って、領民と様々な発明をしたり、帝国にいるスリゼルのご家族に会いに行ったり、のんびりとやりたいことをしようと家族で話しておりましたのよ。
あの方が第2王子ではなかったと言われましても、既にご婚約者のいらっしゃるユリウス王子との婚約は無理ですわ。」
「まぁ、ユーティリカ様は帝国に来られますの?
それはとても楽しみですわ!」
「リリーシャ様、相変わらず可愛らしいですわね。」
リリーシャ様の獣化したお姿は、普通の猫サイズの小さいライオンさんですの。
珍しいピンク色の体毛を持つ、子ライオンみたいにクリクリの目をした可愛らしい獣人さんですの。
そのリリーシャ様が、私達が帝国へ行きたいと考えていると話した瞬間、私のお膝にピョンッと乗ってこられて、私のお腹に頭をグリグリと擦り付けてこられましたのよ。
あぁ、可愛いらしい...もにもにと撫で繰り回したいですけれど、今は我慢いたしますわ。
...後で堪能させていただきましょう。
「ユリウスと、帝国でお待ちしておりますわね。」
「えぇ、家族皆でお伺いいたしますわ。」
「約束ですよ?」
「えぇ、約束ですわ。」
尻尾をピンッと立てたリリーシャ様は、満足そうに私のお膝で少しグデッと寝転がると、ピョンッと降りてユリウス王子のお膝に乗りました。
ふわっと尻尾をユリウス王子のお顔に擦り付けてるのは、王子のご機嫌取りかしらね?
あまりイチャついてると、王妃陛下が面倒臭いですわよー。
*
外では、なんやかんやてんやわんやと騒いでらっしゃる方が複数おられますのね。
ハァー...このような場で騒がれるだなんて、どこの誰かしらね?
従者の方がユリウス王子達を連れて戻って参りましたけれど、なんだかお疲れのご様子ね。
まだ騒いでらっしゃるみたいですし、あの方々は飽きないのね。
「陛下、お呼びと聞いたので参りました。」
「失礼いたしますわ。
私にも関わりのあることとお聞きいたしましたので、私も共に参りましたわ。」
「ああ、突然呼び出してすまなかったな。
リリーシャ姫も一緒で構わないよ。
2人はそこに掛けてくれ。」
「「失礼します。」」
リリーシャ様...そのお姿は態とですわね?
とても可愛らしいドレスを纏ってらっしゃいますけれど、獣化した状態でユリウス王子に抱っこされた状態で来られたのは、王妃陛下への当て擦りでしょう?
チラッと、こちらに意味ありげな微笑みを寄越したリリーシャ様が、澄ましたお顔でユリウス王子のお膝に座ってらっしゃるのを、王妃陛下が憎々しげに睨み付けてらっしゃいますものね。
「ユリウス、お前が第3ではなく第2王子であったと判明したわけだが、第2王子の婚約者であるユーティリカ嬢と婚約する気はあるか?」
「...え?私は、リリーと結婚して大公となり市生に下ることとなっております。
何故、ユーティリカ様との婚約という話しに?」
「ユリウス、貴方何を言ってますの?
あの者が偽者であったのだから、ユリウスが第2王子となりますのよ?
ユーティリカ嬢との婚約は、真の第2王子である貴方との婚約となりますの。」
「...陛下方は、通例に無いことを、当事者への報告や相談も無くお決めになられたのですか?」
「王族は、国の為に存在するのですよ?
そんなこと当然でしょう。」
王妃陛下的には、私を手放したくないし気に食わないリリーシャ様を排除出来るしで、一石二鳥とか考えてらっしゃいますのよね?
普段のリリーシャ様に対しての態度で、ユリウス王子は怒りを貯めてらっしゃるのではありませんか?
まさか、リリーシャ様やスリゼルを見る際に、嫌悪感がお顔に出てしまっていることに気付いておりませんの?
「ユーティリカ様、貴女の意見を聞いてもよろしいですか?」
「私は、元々王家との婚約を無かったこととしていただくつもりでしたの。
暫くは領地に帰って、領民と様々な発明をしたり、帝国にいるスリゼルのご家族に会いに行ったり、のんびりとやりたいことをしようと家族で話しておりましたのよ。
あの方が第2王子ではなかったと言われましても、既にご婚約者のいらっしゃるユリウス王子との婚約は無理ですわ。」
「まぁ、ユーティリカ様は帝国に来られますの?
それはとても楽しみですわ!」
「リリーシャ様、相変わらず可愛らしいですわね。」
リリーシャ様の獣化したお姿は、普通の猫サイズの小さいライオンさんですの。
珍しいピンク色の体毛を持つ、子ライオンみたいにクリクリの目をした可愛らしい獣人さんですの。
そのリリーシャ様が、私達が帝国へ行きたいと考えていると話した瞬間、私のお膝にピョンッと乗ってこられて、私のお腹に頭をグリグリと擦り付けてこられましたのよ。
あぁ、可愛いらしい...もにもにと撫で繰り回したいですけれど、今は我慢いたしますわ。
...後で堪能させていただきましょう。
「ユリウスと、帝国でお待ちしておりますわね。」
「えぇ、家族皆でお伺いいたしますわ。」
「約束ですよ?」
「えぇ、約束ですわ。」
尻尾をピンッと立てたリリーシャ様は、満足そうに私のお膝で少しグデッと寝転がると、ピョンッと降りてユリウス王子のお膝に乗りました。
ふわっと尻尾をユリウス王子のお顔に擦り付けてるのは、王子のご機嫌取りかしらね?
あまりイチャついてると、王妃陛下が面倒臭いですわよー。
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