45 / 63
6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
43*
しおりを挟む
じぃやが来てくださらなかったら、スリゼルの服がズボンだけになるところでしたわ。
じぃやに撫でられて嬉しそうに尻尾をフリフリとしながら、自分の身体をじぃやにスリスリしている姿が、可愛いわね。
スリゼルの周りの空気がほんわかとしていて、本当に和むわ。
「まだズボン1着しか決まってませんものね。
まずは、あのズボンに合うシャツを決めなければなりませんわ。」
「ねぇ、服ってさ?僕、1人で着れるのかな?」
「...あ、その問題があるわね。
スリゼルのお兄さん達はどうしてますの?」
「えっと、獣化しているときの着替えは、人化した奥さんが手伝ってたよ。」
「それなら、貴方に奥様が出来るまでは、お兄様や私、じぃやを含めた使用人達が手伝いますわ。
女性である私やメイドさんのお手伝いでは恥ずかしいかしら?」
「うん、やっぱり女の人はちょっと恥ずかしいから、グレイシオとかユークリスさんに手伝ってもらう!」
「はい、私もお手伝いいたしますね。」
「えへへ、ユークリス、ありがとう。」
スリゼル...そうよね、狐さんが自分で服を着るなんて難しいですわよね。
肉球がプニプニしている貴方の手では、きっとボタンが止められないわ。
やっぱり、お兄さん達も家族の手伝いが必要なのね。
スリゼルも男の子ですもの...私やメイドさんでは嫌よね。
ここは、同じ男性のお兄様やじぃやにお願いするのが一番ですわね。
「あ、これ、動きやすそう。」
「シンプルですし、普段使いに良さそうね。」
「そうですね。
こちらのベストを合わせれば、外に出掛けることも出来ますよ?」
「まぁ、そのベスト!とっても格好良いわ!
ベストの色は、ズボンと合わせましょう。
シャツの色は、白と生成りのどちらが良いかしら?」
「うーん、白は眩しいから、生成りが良いな。」
「それなら、生成りにしましょう。」
モフモフの可愛らしい手で、1つのデザイン画をポムポムと叩くスリゼルの目が輝いております。
肩回りに複数のタックが入っていて、前側よりも広くなっておりますのね...他のものよりもボタンが多くて小さめですけれど、着替えはお兄様やじぃやが手伝われるのですから、きっと大丈夫ですわね。
ただ、外出するにはジャケットなどの羽織ものが必要なのですが、ジャケットって肩回りが動きにくくなりそうですから悩むわよねぇ。
えっと?......ねぇ、じぃや?そのベストって、お兄様のデザイン画ではありませんこと?
まさか、お兄様もスリゼルの服をデザインなさっておりましたの?
お兄様って、色々と多才すぎてなんだか憎たらしいですわね。
でも、とっても格好良いのよねぇ。
きっと、スリゼルに似合うと思うわ!
うん、お祖父様とお兄様、誰のものでも構わないわよね。
スリゼルが格好良くなるのですもの。
...お揃いのジャケットをお兄様用に仕立てたら、もっと喜んでくださるかもしれないわよね?
じぃや、もしかして、このベストとお揃いの人用のジャケットのデザイン画がありませんか?
あぁ、やっぱり...お兄様ったら、こっそりとお揃いのデザインをされてましたのね?
もう、お兄様のジャケットとスリゼルのベストをお揃いで作らないといけませんわね。
とても格好いいし可愛いから良いけれど、少し妬けますわ。
*
じぃやに撫でられて嬉しそうに尻尾をフリフリとしながら、自分の身体をじぃやにスリスリしている姿が、可愛いわね。
スリゼルの周りの空気がほんわかとしていて、本当に和むわ。
「まだズボン1着しか決まってませんものね。
まずは、あのズボンに合うシャツを決めなければなりませんわ。」
「ねぇ、服ってさ?僕、1人で着れるのかな?」
「...あ、その問題があるわね。
スリゼルのお兄さん達はどうしてますの?」
「えっと、獣化しているときの着替えは、人化した奥さんが手伝ってたよ。」
「それなら、貴方に奥様が出来るまでは、お兄様や私、じぃやを含めた使用人達が手伝いますわ。
女性である私やメイドさんのお手伝いでは恥ずかしいかしら?」
「うん、やっぱり女の人はちょっと恥ずかしいから、グレイシオとかユークリスさんに手伝ってもらう!」
「はい、私もお手伝いいたしますね。」
「えへへ、ユークリス、ありがとう。」
スリゼル...そうよね、狐さんが自分で服を着るなんて難しいですわよね。
肉球がプニプニしている貴方の手では、きっとボタンが止められないわ。
やっぱり、お兄さん達も家族の手伝いが必要なのね。
スリゼルも男の子ですもの...私やメイドさんでは嫌よね。
ここは、同じ男性のお兄様やじぃやにお願いするのが一番ですわね。
「あ、これ、動きやすそう。」
「シンプルですし、普段使いに良さそうね。」
「そうですね。
こちらのベストを合わせれば、外に出掛けることも出来ますよ?」
「まぁ、そのベスト!とっても格好良いわ!
ベストの色は、ズボンと合わせましょう。
シャツの色は、白と生成りのどちらが良いかしら?」
「うーん、白は眩しいから、生成りが良いな。」
「それなら、生成りにしましょう。」
モフモフの可愛らしい手で、1つのデザイン画をポムポムと叩くスリゼルの目が輝いております。
肩回りに複数のタックが入っていて、前側よりも広くなっておりますのね...他のものよりもボタンが多くて小さめですけれど、着替えはお兄様やじぃやが手伝われるのですから、きっと大丈夫ですわね。
ただ、外出するにはジャケットなどの羽織ものが必要なのですが、ジャケットって肩回りが動きにくくなりそうですから悩むわよねぇ。
えっと?......ねぇ、じぃや?そのベストって、お兄様のデザイン画ではありませんこと?
まさか、お兄様もスリゼルの服をデザインなさっておりましたの?
お兄様って、色々と多才すぎてなんだか憎たらしいですわね。
でも、とっても格好良いのよねぇ。
きっと、スリゼルに似合うと思うわ!
うん、お祖父様とお兄様、誰のものでも構わないわよね。
スリゼルが格好良くなるのですもの。
...お揃いのジャケットをお兄様用に仕立てたら、もっと喜んでくださるかもしれないわよね?
じぃや、もしかして、このベストとお揃いの人用のジャケットのデザイン画がありませんか?
あぁ、やっぱり...お兄様ったら、こっそりとお揃いのデザインをされてましたのね?
もう、お兄様のジャケットとスリゼルのベストをお揃いで作らないといけませんわね。
とても格好いいし可愛いから良いけれど、少し妬けますわ。
*
0
お気に入りに追加
479
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
連帯責任って知ってる?
よもぎ
ファンタジー
第一王子は本来の婚約者とは別の令嬢を愛し、彼女と結ばれんとしてとある夜会で婚約破棄を宣言した。その宣言は大騒動となり、王子は王子宮へ謹慎の身となる。そんな彼に同じ乳母に育てられた、乳母の本来の娘が訪ねてきて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる