38 / 63
6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
36*
しおりを挟む
「そうだね...お祖父様は、いつまでも僕の憧れの人だよ。」
お兄様のみならず、私もお祖父様のことが大好きですもの...早く帰って久しぶりのお祖父様を堪能いたしませんと!
かれこれ...7年振りの再会ですのよ?
リリスお祖母様とお祖父様のいらっしゃらない7年は、とても長かったですわ。
あの阿呆様方が...分不相応な望みを持って、後先考えずに余計なことをするから、お兄様が無駄な労力を強いられて......。
お祖父様によって平民に落とされましたけれど、3人仲良く助け合えているのかしら?
我が家に悪影響が無ければ良いのですけれど...監視は付けておりますもの、大丈夫ですよね?
「ティリー様、グレイシオ様、いつでも出られますよー。」
スリゼル...そういえば、最後まで気付かなかったのね?貴方。
尻尾はブンブン、耳はぺたぺた、忙しなく動いてますわね!可愛いわ!
「スリゼル...いつ言おうかなーって思ってたんだけど、裁判で証言した辺りから人化が解けてきてるよ?
僕としては可愛いからそのままでも良いんだけど。」
「...?!..........。」
お兄様が、スリゼルのお耳をモフモフしながら言っちゃいましたわね。
ショックを受けて、完全に獣化してしまいましたわねぇ...可愛いわ!
この様子なら、直ぐには復活しないでしょうから...私が抱っこしても文句は言われないでしょう?
お兄様、スリゼルを頂戴な?
「ん?ティリーが抱っこするの?はい。」
「ありがとうございます。
スリゼル?お家に帰りましょうね!」
「ギルノさん、馬車を出してください。」
「はいよっ!」
スリゼルは、普通の狐さんよりも2倍くらいは大きいので、安全のために椅子ではなく床に直接座りましょう。
こんなこともあるかな?と、馬車の床にはクッション性の良い絨毯を敷き詰めて、もちもちのクッションも大量に準備してありますのよ。
スリゼルのモフモフな毛皮に顔を埋めて、横たわった身体に抱き付いて、至福のリラックスタイムを堪能いたしましょう。
今は、お臍を曲げて拗ねてしまっているので、可愛らしく前足で顔を隠しておりますけれど、その仕草が余計に可愛さを増しているということに、まだ気付いておりませんのね。
「スリゼル!卒業記念のパーティで、私のエスコートをしてくれるのでしょう?」
「う、うん......する。」
「ティリー、エスコートは僕じゃ駄目なの?
ティリーは、お兄様のことが嫌いかい?」
「何を言っているの?
お兄様には、シェリーお姉様がいらっしゃるじゃない。
今度のパーティは、4人で出られるまたとない機会ですのよ?」
「ティリーとパーティ...嬉しい。
グレイシオもシェリーもいるんだよね?」
あら、やっと頭が上がったわね!
そうよ!卒業記念のパーティには、お兄様もシェリーお姉様を伴って一緒に参加する予定なのよ。
折角疎ましい婚約が無くなるのですもの、卒業記念のパーティーでは楽しく過ごしたいですわ。
お祖父様は、リリスお祖母様がお体を病まれてから、リリスお祖母様を伴えないのならパーティーには出席しないと仰いましたのよね...。
私のデビュタントはお祖父様がエスコートしてくださる予定でしたけれど、その前にリリスお祖母様の祖国に送られてしまいましたから、お兄様がエスコートしてくださいましたわ。
「ティリーもシェリーも綺麗だろうなぁー。
グレイシオ...皆で参加するの、駄目なの?」
くっ!こてんって...狐さんの姿でこてんってするの可愛いわ!
「くっ!スリゼルの可愛さに免じて、4人で出ようか...。
分かっててやってるだろ...反則だよ?それ。」
「わーい!!ティリー!皆で出れるってー!!」
「良かったわ!皆一緒が良いものねー!!」
「うん!皆一緒ぉー!!」
お兄様、スリゼルにエスコートのお願いをしていたのを知っておられましたのに、話しを合わせてくださってありがとうございました。
落ち込む狐さんのスリゼルも可愛らしいですけれど、楽しそうにしている方がもっと可愛いですものね。
*
お兄様のみならず、私もお祖父様のことが大好きですもの...早く帰って久しぶりのお祖父様を堪能いたしませんと!
かれこれ...7年振りの再会ですのよ?
リリスお祖母様とお祖父様のいらっしゃらない7年は、とても長かったですわ。
あの阿呆様方が...分不相応な望みを持って、後先考えずに余計なことをするから、お兄様が無駄な労力を強いられて......。
お祖父様によって平民に落とされましたけれど、3人仲良く助け合えているのかしら?
我が家に悪影響が無ければ良いのですけれど...監視は付けておりますもの、大丈夫ですよね?
「ティリー様、グレイシオ様、いつでも出られますよー。」
スリゼル...そういえば、最後まで気付かなかったのね?貴方。
尻尾はブンブン、耳はぺたぺた、忙しなく動いてますわね!可愛いわ!
「スリゼル...いつ言おうかなーって思ってたんだけど、裁判で証言した辺りから人化が解けてきてるよ?
僕としては可愛いからそのままでも良いんだけど。」
「...?!..........。」
お兄様が、スリゼルのお耳をモフモフしながら言っちゃいましたわね。
ショックを受けて、完全に獣化してしまいましたわねぇ...可愛いわ!
この様子なら、直ぐには復活しないでしょうから...私が抱っこしても文句は言われないでしょう?
お兄様、スリゼルを頂戴な?
「ん?ティリーが抱っこするの?はい。」
「ありがとうございます。
スリゼル?お家に帰りましょうね!」
「ギルノさん、馬車を出してください。」
「はいよっ!」
スリゼルは、普通の狐さんよりも2倍くらいは大きいので、安全のために椅子ではなく床に直接座りましょう。
こんなこともあるかな?と、馬車の床にはクッション性の良い絨毯を敷き詰めて、もちもちのクッションも大量に準備してありますのよ。
スリゼルのモフモフな毛皮に顔を埋めて、横たわった身体に抱き付いて、至福のリラックスタイムを堪能いたしましょう。
今は、お臍を曲げて拗ねてしまっているので、可愛らしく前足で顔を隠しておりますけれど、その仕草が余計に可愛さを増しているということに、まだ気付いておりませんのね。
「スリゼル!卒業記念のパーティで、私のエスコートをしてくれるのでしょう?」
「う、うん......する。」
「ティリー、エスコートは僕じゃ駄目なの?
ティリーは、お兄様のことが嫌いかい?」
「何を言っているの?
お兄様には、シェリーお姉様がいらっしゃるじゃない。
今度のパーティは、4人で出られるまたとない機会ですのよ?」
「ティリーとパーティ...嬉しい。
グレイシオもシェリーもいるんだよね?」
あら、やっと頭が上がったわね!
そうよ!卒業記念のパーティには、お兄様もシェリーお姉様を伴って一緒に参加する予定なのよ。
折角疎ましい婚約が無くなるのですもの、卒業記念のパーティーでは楽しく過ごしたいですわ。
お祖父様は、リリスお祖母様がお体を病まれてから、リリスお祖母様を伴えないのならパーティーには出席しないと仰いましたのよね...。
私のデビュタントはお祖父様がエスコートしてくださる予定でしたけれど、その前にリリスお祖母様の祖国に送られてしまいましたから、お兄様がエスコートしてくださいましたわ。
「ティリーもシェリーも綺麗だろうなぁー。
グレイシオ...皆で参加するの、駄目なの?」
くっ!こてんって...狐さんの姿でこてんってするの可愛いわ!
「くっ!スリゼルの可愛さに免じて、4人で出ようか...。
分かっててやってるだろ...反則だよ?それ。」
「わーい!!ティリー!皆で出れるってー!!」
「良かったわ!皆一緒が良いものねー!!」
「うん!皆一緒ぉー!!」
お兄様、スリゼルにエスコートのお願いをしていたのを知っておられましたのに、話しを合わせてくださってありがとうございました。
落ち込む狐さんのスリゼルも可愛らしいですけれど、楽しそうにしている方がもっと可愛いですものね。
*
0
お気に入りに追加
478
あなたにおすすめの小説
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。
もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる