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4 : 成績が良いのは王子妃教育の賜物ですわ。

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「あの父は筋金入りのお馬鹿さんなのですわ。
父の産みの母であるお祖母様が亡くなられて半年程経ってから、お祖父様は当時の国王陛下に命じられて、少し離れた友好国の公爵令嬢と結婚されましたの。
それが、リリスお祖母様ですわ。
リリスお祖母様はとても優しい方で、前妻の子である父のことを実の子供のように育ててくださったそうですわ。
学園に入るときと学園を卒業するとき、そして父が婚約するときと結婚するときに、お祖父様とリリスお祖母様から丁寧にご説明されましたのに...未だに、リリスお祖母様を自分の実の母親だと勘違いしておりますの。」

「......自分の父親と継母と自分と自分の妻から産まれる筈のない色を持っているから、お2人が自分の子供ではない...と?」

「えぇ、そうですわ。
お祖母様の色を持って産まれた私達に反して、愚妹は両親の色だけを持っておりますから、大層可愛がっておりますの。
父は、私達を立て続けに産んだ母に対して暴力を振るっておりましたから、母は特別に愚妹の存在に依存しているのでしょうね。」

「...先代様は何故今になって帰って来られたのでしょうか?」

「リリスお祖母様の祖国へと強制的に送られた際に、リリスお祖母様のお身体を気遣って...あちらに滞在することを選んだのですわ。
15歳という若さでお祖父様の後妻として嫁がれたリリスお祖母様は、祖国に頼れるご家族がいらっしゃいませんの。
頼れる家族もいない、体調の優れぬ妻の側を離れられませんでしたのよ。」

「マリオ、お祖父様もリリスお祖母様も、ここからは少し遠い友好国に送られていても、いつも我々のことを気にかけてくれていたんだよ。
手紙を送って現状の説明やこちらへの気遣いなどをしてくれていたし、国王陛下にも僕達のことを頼むと共に説明もしてくれていたから...自分の子ではないと思い込んでいる父により、2人共廃嫡されずに済んだんだ。
半年程前にリリスお祖母様が亡くなられたから、葬儀などを終えて、馬鹿息子達に怒りをぶつけに殴り込みに来たんだ。
お祖母様の肖像画はこれまでも何度となく見せていたけれど、成長して綺麗になった今のティリーと瓜二つだからね。
誰も言い逃れ出来なくて、両親と愚妹についていた使用人も全員解雇されたから、すっきり爽快!!
今回のことで、王家とティリーの婚約も無くなるだろうから今まで悩んできた面倒なしがらみも無くなるな...。
我が家の憂いごとは、万事解決だ!!」

「それなら、母も安心してくれるでしょう。」

「良かったわ!」

自分で言うのも可笑しいですけれど、自分の子ではないと思い込んでいたとは言え、優秀な子供達を廃嫡して愚鈍な娘を残すだなんて、正気の沙汰ではございませんよね。
下らない選民思想に塗り固められていた3人を、不当に奪われていた公爵としての実権を正当に奪い返したお祖父様が廃嫡してくださいましたから、私達も領民も安心ですわね!
ご臨終の間際、リリスお祖母様のお側にいられなかったのは寂しい限りですけれど...。
リリスお祖母様がご危篤という知らせが隣国から来た時には、もう葬儀など諸々終わっておりましたものね。
......そういえば、お祖父様が前触れ無しに帰って来られてからずっとバタバタとしておりましたから聞けておりませんけれど、リリスお祖母様のお墓はどうなさるのかしら?
あちらに埋葬?...いえ、お祖父様ならご遺骨を持ち帰って来そうな気が.....?
あっ!お祖父様が大事そうに首に提げている、白い百合の描かれた妙に大きい黒い巾着だわ!!
あの中に、リリスお祖母様の骨壺が入っているのかもしれないわね。
それならば、リリスお祖母様に相応しい可愛らしいお墓を建てないといけないわ!
そうね、お祖母様とリリスお祖母様で、お祖父様を挟む位置になるように配置しましょう。
ウフフ、領地に帰ったら忙しいですわね!!





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