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4 : 成績が良いのは王子妃教育の賜物ですわ。

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陛下が休廷を宣言されましたので、皆様思い思いに過ごされておりますのね。
では、私も椅子に座ってお兄様やスリゼルとお話ししましょう。

「彼の姉君はお身体が弱いのですか?
それなら、身体を横にしていた方がよろしいですわね...そうですわ!
私が改良に改造を重ねた、振動を吸収出来るあの馬車ならば可能なのではありませんか?」

「あの馬車かい?
見た目がかなり武骨だが、ご令嬢を乗せても大丈夫だろうか?」

「お兄様にお見せした馬車は、衛兵隊の皆様が討伐任務などで負傷した際に使えるようにと、無駄な装飾などは全て無しにして、男性でも使いやすいように敢えて外観を武骨にしておりますの!
ちゃんと、女性が使えるように可愛らしい装飾を施したものも作っておりますわ!
...完成しているのはまだ1台だけですけれど、マリオさんの姉君とお母上だけならば充分でしょう?
あっ、マリオさんの姉君やお母上をお乗せする際には、治癒魔法の得意な侍女のメリーを同乗させますから安心なさって下さいね?」

「治癒術の盛んな土地に呼んでいただけるのは嬉しいですし、姉の為にと貴重な馬車をお借り出来るのも有り難いのですが...お2人の中では、私達が領地に行くことが決定していませんか?」

マリオさんが私達の会話を聞いて、困ったお顔で頭を抑えた状態で、いつ話しかけようか?と悩んでおられましたので、問いかけてみました。
なんだか、お疲れのようですね。
きっと、私達の両親や愚妹が極度の平民嫌いだから、そこを気にしていらっしゃるのよね?

「マリオさん、私達の両親や愚妹のことはどうかお気になさらないで?
昨日、お祖母様の肖像画を携えたお祖父様が来られて、3人とも絶縁されて多少の金品のみを持たせて家を追い出されましたの。
ですから、ここに両親ではなくお兄様がいらしておりますのよ?
お怒りになられたお祖父様は、家のお片付けをなさっておりますわ。」

「お祖母様の肖像画...ですか?」

「私とお兄様の髪や瞳の色は、両親も、愚妹も、お祖父様も、持っていない色ですの。
ですが、母の不貞などではありませんのよ?
この色は、父を産んで直ぐに亡くなられたお祖母様の色なのですもの。
先祖返りというものだと...お祖父様が丁寧に説明してくださいましたわ。」

「??ならば、何も問題無いのでは?」

そうなのよねー。
お祖父様の説明をきちんと聞けば理解できる筈なのですが、あの父は理解されませんでしたの。
お祖父様がリリスお祖母様と共に、何度も何度も、折に触れて説明したそうですけれど、どんな手を使ったのか知りませんけれど...公爵家当主の座をお祖父様から奪って、お祖父様とお身体を病まれたリリスお祖母様共々、リリスお祖母様の祖国に送られましたのよ。
2人にお手紙を出そうにも、届くのに1ヶ月以上、往復で2ヶ月半程かかりますのよね...届く頃には情勢が変わってしまいますわ。
リリスお祖母様のお身体のことを考えたら、普通なら祖国といえどあんなに遠いところには行かせられません。
それなのに、あの国の騎士達を含む迎えを寄越させるだなんて、あの愚父ったら...考えなしにも程がありますわ!!
当主が交替する場合、有事の際にフォロー出来るように先代は領地に隠居が通例でしてよ?





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