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1 : 悪口が罪ですって?!
3*
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「むぅー、皆さん意地悪ですぅ...。」
「フェリス!大丈夫だよ。
この俺があんな雌狐なんてさっさと断罪してやるからな?!」
「ぜぇったいですよぉ?」
「お黙りなさい!
勝手に話すなと、何度も言わせないでちょうだい!
シルベルト第2王子は、早く詳細を説明なさい!」
「フェリスは怖がっているんですよ?!
貴女には慈悲も無いのか!!!」
「...ハァー、2人共不敬であるぞ?
その者は何度勝手に口を挟めば気が済むのだ?
そして、お前は、敬称を付けよと何度言われれば良いのだ?
その者がこの場が怖いというのなら、さっさと退廷させなさい。
その者がいると、話しが進まなくなる。」
浅はかにも丸わかりな泣き真似を始めた娼婦にコロッと騙されて、慰め出す第2王子さん?
本当に面倒なので...さっさとその断罪とやらをやってくれませんかね?
時間は有限ですのよ?
「この雌狐は、フェリスと私が愛し合っていることに嫉妬したのでしょう...こんなにも愛らしいフェリスを見て、
[まぁ、王立学園にいる筈の無い娼婦がおりますわ!
一体何処から紛れ込まれたのかしら...?
そこの方、大至急警備の者を呼んできて貰えるかしら?]
と、取り巻きと共に嘲笑ったのです!!」
「ほう?ユーティリカ嬢、反論はあるか?」
「人としての慈愛を持ち合わせないような雌狐の意見など!!
聞く必要はありません!!」
「黙れ。」
これは一方的な断罪ではなく公平に行われている裁判ですのに、私の意見すら聞かないだなんてこと、出来ると思っていたのでしょうね...類い稀なる阿呆ですもの。
とっとと説明いたしましょう。
「両陛下に確認いたします。
王立学園の女生徒用の制服は、貴族は濃紺で平民は深緑色の踝丈まである袖無しのワンピースに、同色の長袖のボレロを羽織ることと定められております。
これは、季節に関係無く生徒全員の着用が義務付けられている筈です。」
「えぇ、間違いありませんわ。
学園に通っていた頃は、私も同じ制服を着用しておりましたもの。」
「あぁ、違いない。
して、どういうことだ?」
「あちらの方は、膝の見える丈に改造された袖無しのワンピースのみで登校なさっておられましたの。
腕や胸元を隠す筈のボレロも羽織っておらず、とても学園の生徒であるとは思えませんでしたわ。
そう、まるで授業で習った下級娼婦の様でした。
私、そのような格好をされた方を初めて見ましたので、とても動揺してしまいましたの。
当時の私は、学園への不法侵入者を見付けたのだと思いましたわ。
それで、早く警備の者を呼ばなければと、偶々近くにいらっしゃった方の従者にお願い致しましたの。」
「ふむ...王立学園の制服云々の前に、女性が家族以外に無闇に身体を晒してはいけないだろう。
ユーティリカ嬢、娼婦の方々も妄りに身体を晒したりはしていないんだよ。」
「間違いなく、その場にいれば私もユーティリカ嬢と同じことを言うでしょうね。
陛下?陛下が仰られたのは高級娼婦に限ってのことですわ。
下級娼婦は肌を晒している方が殆どですのよ。」
ふぅ、先程の陛下の威圧が効いているのでしょうか?煩わしい横槍も特に入らず、楽に説明することが出来ましたわ。
現在のフェリスとやらは制服の時よりも露出度の高いドレスを着ておりますから、あの日よりも娼婦らしさが溢れ出ておりますわよね。
あら、陛下は肌を露出しまくりの下級娼婦について知らなかったのか、少し固まっておられますわね。
多分、思いもよらぬ王妃陛下のお言葉に、キョトンとされているのだと思うのですけれど...普段からあまり表情の変わらない方ですもの、やっぱり読めませんわ。
*
「フェリス!大丈夫だよ。
この俺があんな雌狐なんてさっさと断罪してやるからな?!」
「ぜぇったいですよぉ?」
「お黙りなさい!
勝手に話すなと、何度も言わせないでちょうだい!
シルベルト第2王子は、早く詳細を説明なさい!」
「フェリスは怖がっているんですよ?!
貴女には慈悲も無いのか!!!」
「...ハァー、2人共不敬であるぞ?
その者は何度勝手に口を挟めば気が済むのだ?
そして、お前は、敬称を付けよと何度言われれば良いのだ?
その者がこの場が怖いというのなら、さっさと退廷させなさい。
その者がいると、話しが進まなくなる。」
浅はかにも丸わかりな泣き真似を始めた娼婦にコロッと騙されて、慰め出す第2王子さん?
本当に面倒なので...さっさとその断罪とやらをやってくれませんかね?
時間は有限ですのよ?
「この雌狐は、フェリスと私が愛し合っていることに嫉妬したのでしょう...こんなにも愛らしいフェリスを見て、
[まぁ、王立学園にいる筈の無い娼婦がおりますわ!
一体何処から紛れ込まれたのかしら...?
そこの方、大至急警備の者を呼んできて貰えるかしら?]
と、取り巻きと共に嘲笑ったのです!!」
「ほう?ユーティリカ嬢、反論はあるか?」
「人としての慈愛を持ち合わせないような雌狐の意見など!!
聞く必要はありません!!」
「黙れ。」
これは一方的な断罪ではなく公平に行われている裁判ですのに、私の意見すら聞かないだなんてこと、出来ると思っていたのでしょうね...類い稀なる阿呆ですもの。
とっとと説明いたしましょう。
「両陛下に確認いたします。
王立学園の女生徒用の制服は、貴族は濃紺で平民は深緑色の踝丈まである袖無しのワンピースに、同色の長袖のボレロを羽織ることと定められております。
これは、季節に関係無く生徒全員の着用が義務付けられている筈です。」
「えぇ、間違いありませんわ。
学園に通っていた頃は、私も同じ制服を着用しておりましたもの。」
「あぁ、違いない。
して、どういうことだ?」
「あちらの方は、膝の見える丈に改造された袖無しのワンピースのみで登校なさっておられましたの。
腕や胸元を隠す筈のボレロも羽織っておらず、とても学園の生徒であるとは思えませんでしたわ。
そう、まるで授業で習った下級娼婦の様でした。
私、そのような格好をされた方を初めて見ましたので、とても動揺してしまいましたの。
当時の私は、学園への不法侵入者を見付けたのだと思いましたわ。
それで、早く警備の者を呼ばなければと、偶々近くにいらっしゃった方の従者にお願い致しましたの。」
「ふむ...王立学園の制服云々の前に、女性が家族以外に無闇に身体を晒してはいけないだろう。
ユーティリカ嬢、娼婦の方々も妄りに身体を晒したりはしていないんだよ。」
「間違いなく、その場にいれば私もユーティリカ嬢と同じことを言うでしょうね。
陛下?陛下が仰られたのは高級娼婦に限ってのことですわ。
下級娼婦は肌を晒している方が殆どですのよ。」
ふぅ、先程の陛下の威圧が効いているのでしょうか?煩わしい横槍も特に入らず、楽に説明することが出来ましたわ。
現在のフェリスとやらは制服の時よりも露出度の高いドレスを着ておりますから、あの日よりも娼婦らしさが溢れ出ておりますわよね。
あら、陛下は肌を露出しまくりの下級娼婦について知らなかったのか、少し固まっておられますわね。
多分、思いもよらぬ王妃陛下のお言葉に、キョトンとされているのだと思うのですけれど...普段からあまり表情の変わらない方ですもの、やっぱり読めませんわ。
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