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妹の方が良いと婚約を破棄されました。え、本当に?!

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「マグナレーダ様は、どのようなご様子ですの?」

私は案内されて席に着いたばかりですのに、もう聞いてこられるのですね?
案内してくださった使用人の方からは、お茶会はまだ始まっていないと聞いておりましたけれど、このテーブルのご様子を見ますと、もう初めておられましたのね。
招待状に記載されていたお茶会の時間にはまだ少し余裕がございますし、招待客も揃ってはいないというのに、始めておられただなんて思いませんでしたわ。

「招待状に記載されていた時間よりも早いようですが...もうお茶会が始まっておられるとは知らず、遅くなりまして申し訳ございませんでした。」

まずは、遅くなってしまったことへの謝罪をいたしませんとね。
まだ私が来ていないことを分かっていて勝手に早められたのでしょうから、きちんと対応いたしませんと...母へと引き継ぐ前に疵を作ることになりますわ。

「あらまぁ、質問には答えてくださらないの?」

「いいえ、既にお茶会が始まっているご様子ですので、まずは謝罪をしなくてはと思いましたの。
招待状に記載されている時間よりも早く始められているとは思わなかったものですから、遅くなってしまいましたもの...。」

「そ、それは...」

「招待状に記載されている時間よりも10分前に着くように準備をしていたのですけれど、15分前に到着いたしましたので安堵いたしておりましたのよ?
けれど、皆様は既にお茶会を始めておられるご様子ですので、きっと私が遅れてしまったのでしょう?
まずは、謝罪をしなくてはなりませんでしょう?」

勝手に早めておいて、私の常識が無いのだという様な発言は控えていただきたいわ。
シレイヌ様は私よりも歳上ですのに、少々子供っぽい振る舞いをなさることがありますのよね。
私はマナーを守っているのだから、文句を言わないでほしいわ。

「いいえ、貴女が謝罪をする必要はないわよ。」

「記載されている時間よりも早めに始めたのは、主催であるシレイヌ様のご判断ですもの。
むしろ、先に始めてしまっていたことを謝罪すべきなのは、シレイヌ様の方よ?」

「ありがとうございます。
そのように仰っていただけますと、安心いたします。」

「...皆様は既に到着なされていたから、早めましたのよ。
ごめんなさいね?」

「もしかして、招待状に記載されている時間が違ったのでは?」

「あら、少々落ち着きのないシレイヌ様とは言え、そのような初歩的なミスをなさるでしょうか?」

「シレイヌ様が思っていた時間と招待状に記載した時間が違っていたのかもしれないわよね?
シレイヌ様のことですから、招待状の手配などは使用人に任せておられたのでしょうし、可能性はあると思いますわ。」

「...後で確認いたしますわ。」

「えぇ、このようなミスを二度と犯さないように、確認なさることをオススメいたしますわ。」

ウフフ、ミスをした可能性のある人に対して、皆様容赦がないわね。
けれど、そのように膨れた頬を見せては駄目でしょう。
不服なのかもしれませんけれど、ミスを犯したのはご自身でしょう?

「それで、マグナレーダ様のご様子はどうですの?」

「最近は、妹の夜泣きに困っておりますわ。
朝方までなかなか眠ることが出来ないのだそうで、お昼頃まで眠っておられますの。
お昼になると起きてこられて、お話しをしたりお茶をしたりしておりますわ。」

「あら、そう...乳母は雇っておられないの?」

「日中は乳母に任せておりますわ。
けれど、夜間は私のときと同じようにしたいと...自分も授乳やお世話をしたいのだと、母から希望されましたの。
夜泣きに困ってはおりますけれど、とても幸せそうにしておられますわ。」

「まぁ、そうでしたの...」

「夜泣きの対応もなさっていて、女主人としての執務の引き継ぎも行っておられますの?」

「えぇ、母とも話し合いまして、母が余裕のある時に、少しずつではありますけれど進めておりますわ。
ただ、妹のお披露目の準備もありますし、母の社交界復帰の準備もございますので、妹が3歳になるまでは引き継ぎを終えられ無いと思います。」

「まぁ、手放したくないのでしょうか?」

「強欲に過ぎませんこと?」

「お早く手放されればよろしいのに...分不相応ですわよね?」

あらあら、他家の事情に関しまして、勝手なことを言わないでいただきたいわ。





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