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可及的速やかに、離婚したい。

4 (従兄弟side)

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王命により突然婚約させられて、気付いたら15も離れた従妹と婚姻していたのだが...婚約期間3日は早すぎないか?
国王陛下伯父曰く、
『婚姻式に関しては3年前から準備してたことだから問題ない。』
とか言ってたけど、従妹は最近無理矢理婚姻させられてそれが無効となったばかりだったよな?
そして、傷心中の筈なのに、私の膝の上で嬉しそうに微笑んでいるのは何故だ?

「さて、で?
まさかとは思うけど、私に嫁ぐために、嫌々ながらも一度婚姻したのよーとか、言わないよね?」

「あら、やはり優秀ですのね!
概ねその通りですわ!」

頬を薔薇色に染めた従妹は、大正解っとでも言いたげに満面の笑みで答えてくる...何故頬にキスする必要があるんだ?
まぁ、満足そうにニコニコとしている従妹が可愛いから許すんだけど。

「対応を間違えて、手を出されたりしてたらどうするのさ?!」

「王妃様がこちらの魔道具をくださっておりましたし、王家の影が...正確にはわかりませんけれども、最低でも6人はついておりましたわ。
婚姻式には姉もおりましたし、特には心配などいたしておりませんでしたの。」

伯父上も義伯母上も、従妹に甘くありませんかね?
6人とか言ってるけど、あの2人のことだから式場関係者全員が影だったんだろうし、この魔道具って登録されていない魔力の持ち主が触れると死なない程度の電気が流れてきて、火傷することもあるっていう結構危険な代物でしょ?
あの男って、エスコートはおろか誓いのキスすら出来てないんじゃない?
花嫁に一切触らないで行われた式なんて、婚姻が認められないよね?

「あのねぇ?」

「うふふふふ、そんな風に呆れないでくださいませ。
あの方々、様々にやらかされておられまして...けれどもそれらがあまりにも程度の低いものばかりで、もう1つばかり処罰する理由も欲しかったところでしたの。
これで、今まで被害にあってこられた方々への弁済なども出来ますわ。」

「ハァー、本当にお転婆だよね......。」

「あら、私、今回はあの方々を張り倒したりはしておりませんわよ?
きちんと法に則って処理いたしましたもの。
王妃様も誉めてくださいましたわ!」

ある日、暴れる馬の前にしれっと出てきて、
『死にたくないのなら落ち着きなさい!』
と一喝したり、
『あらあら、やっぱり少女らしくて可愛らしい瞳をしているわね。
貴女は何に驚いたのかしら?
大丈夫よ?貴女の憂いは全てこの私が取り除いて差し上げますわ!
ノブレスオブリージュと言うのですわ!』
と、突然現れた幼女に驚いたのか暴れるのをやめた馬の脚を撫でて労ったり、
『でもね?嫌なことがあるからと暴れてはいけないわ。
暴れ続ければ毒でもって殺されるかもしれないし、脚が折れてしまえば生きていくことも難しくなるのよ?』
と、優しく撫でながらもしっかりと言い聞かせていたりもして、お転婆娘と呼ばれても嫌がらずに照れる従妹は可愛かった。
知らない馬の筈なのに性別を言い当てたのは偶然なのか...はどうでも良いか。

自分のメイドを拐った盗賊の根城を吹き飛ばしたこともあったな...。
『私の可愛いメイド所有している者に手を出すなんて、そんなにも死に急ぐことはありませんのに...どこから磨り潰されたいのかしら?』
と、土魔法で威嚇する様は可愛らしかった...メイドを必死に守ろうとする姿が愛くるしくて、確保してからの拷問がかなり捗ったっけ?
『私の側から離れてはいけないと言ったのに、罰として1週間抱き枕の刑に処して差し上げますわ!』
なんて、メイドに抱き付きながら瞳を潤ませていたのも可愛らしかったけどね。

あぁ、そうそう、孤児院のやんちゃな子供達と手合わせしてコテンパンに伸して姐御とか呼ばれてたりもしたよね。
『ここは、これからは私の孤児院ですのよ?
きちんと、実力身の程を分からせておかなければなりませんわ。
属する子供達にも雇われの院長にも舐められてはいけませんの。』
って、ボコボコの子供達と院長の目の前で優雅にお辞儀してたけど、あれ、大人は皆引いてたんだよね。
まぁ、従妹が管理するようになってからは極端な飢えも無くなり、教育も行き渡って王城に勤められるようなスキルを持つメイドとなった子供もいた筈だけど。





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