葦のつぶやき

依独傍 懐疑

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譲歩なし

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権利など無い。お前に芸術の良し悪しを判断する権利も資格も、知識、知力もまるで足りていない。そもそも良とはなにか、悪とはなにか。全て独り相撲ではないか。独りよがり、線でも立体でも無い、点。行先を知らぬ、行先があることも知らぬ、選択肢の存在すらも知らぬ、無教養、不躾、品がない。その惰眠を貪る前に自己分析に時を費やせ、自己否定をする己を肯定せずにみえる景色など高が知れている。机の上にある蜜柑。お前は光が照らした部分しか見ていない、挙句、それこそが全てだと我が物顔で語り始めるのではないか。思いとどまれ、短慮に逃げるでない。お前の見る蜜柑の裏側、背面、秘部、そこにはただ、可能性だけがある。諸事万端、有と無が渾然一体となっている。つまり、観測を経なければ。何も無ければ、全てある。しかし確認の術なし。ならば思慮あるのみ、人ならば優柔不断であれ、それが人の優しさよ。疑心なくして人にあらず。お前は今、人ではない。賞賛以外は認めぬ。いやそれではいけない。いけない。承認せねば、それが門なのだ、私がくぐるべき第一の門。ただ受け入れよう、賛美も嘲罵も。あぁ怖い。気付きが怖い。嘲笑が怖い。失考が怖い。粗略も優しさも、洞観されるなど、尚怖い。ただ、私に揺らぎはない、呆然とここに居よう、気が変わるまでここに居ろう、気の済むまでここに置いて行こう。ウミネコが私の身体をつつくまで。あぁ!金も名声も全て欲しい。
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