1 / 39
第一話 夢占い
しおりを挟む
「ワンダーランドは、地獄行き」
(ああ、まただわ)
二年前。十六回目の誕生日を迎えた日から、毎晩同じ夢を見る。
赤の生地に、黒でダマスク柄の描かれた壁紙。アンティーク調の部屋は、初めは何も無い簡素な空間だった。窓も灯りもない、静かな闇に包まれているはずの室内を視認できたのは、夢特有のご都合主義だったのだろうと解釈している。
部屋の真ん中に立ちすくむだけの私は、ただ呆然と『誰か』を待っていた。ような、気がする。
(……誰を?)
夢の中で一つ目の変化が起きたのは、その場所へ来るようになってから約三ヶ月後。
(灯りが、ついてる)
昨夜までは無かったはずのシャンデリアが、さも当たり前のような顔をして天井からぶら下がり、室内を仄かに照らしていた。
風もないのにゆらゆら揺れる、私の瞳と同じ、淡黄色の光。
なぜなのか。夢の中の私はその時、「ああ、やっぱり来てくれるんだ」と淡い期待を抱いたのだ。誰を待っているのかも、ここがどこなのかも分からないというのに。
そして更に三ヶ月後、二つ目の変化が起きる。
(……時計?)
カチコチ、カチコチ。壁に一つ飾られた振り子時計が揺れるたび、言い知れぬ焦燥感が微かに胸をざわつかせた。まるで、「早く、早く」と急かされているかのよう。
それからは三日おきに一つずつ時計が増え、狭い室内の壁を埋めていった。
いいや、それだけではない。もう以前の変化からどれくらいの間隔が空いているのか、遡って日付を数えるのも煩わしいのだが、部屋の中は少しずつ変わっていった。
突如、部屋の真ん中にぽつんと現れた椅子も変化の一つ。私の髪と同じ、薄く赤みを帯びたココア色。誰に促されたわけでもないのに、自然と「これは私のために用意されたものね」と理解し腰掛ける。
カチコチと主張するたくさんの時計の声に耳を傾けながら、その日も『誰か』を待っていた。
そして、今から約三ヶ月前に起きたのが一番大きな変化。
「アリス……」
今まで私しか居なかった夢の中の部屋に、ロリーナ姉さんが現れたのだ。
(姉さん……!)
彼女は、私の自慢の姉。
とても穏やかな人で、常に笑顔を絶やさず、怒りのままに声を荒げる事など滅多にない。いつでも相談に乗ってくれるし、頭だって撫でてくれて、毎晩「おやすみなさい」の前に力いっぱい抱き締めてくれる。暴力なんてものとは当然、無縁で……本当に優しくて、あたたかくて、お母様とは正反対の人。
私は、そんなロリーナ姉さんの事が大好きだ。
(夢の中に現れる姉は、夢占いではたしか……自分の分身って意味だったかしら?)
あまり詳しくないけれど、人間関係への警告夢という意味もあったかもしれない。
そんな事を考えながら立ち上がろうとして、気付かされた。
(え……? 立て、ない)
まるで、両手首は肘掛に紐でくくりつけられ、胴は背もたれにベルトで固定されているかのように、体を動かす事がままならない。
そういえば、先ほどから私の声帯は、音の出し方を忘れてしまっているのではないだろうか?
(姉さん! ロリーナ姉さん……!)
何度呼びかけても、開いた口からはただ空気が吐き出されていくだけで、彼女の鼓膜を揺らすのは困難だった。
行動が制限され声も出せないなんて、夢占いではろくな結果が出ないでしょうね。なんて悪態を心の中で呟くと同時に、
「助けて」
ロリーナ姉さんがぽつりとこぼしたのは、そんな言葉だった。
けれど、目の前に立ちすくむ彼女の瞳はすぐ側に居るはずの私を映しておらず、どこか虚空を見つめながら姉さんは繰り返す。
「お願い、助けて」
(ねぇ、ロリーナ姉さん。誰を、助けたらいいの? 教えて)
「助けて……」
ロリーナ姉さんはゆっくりとした動作で俯いたかと思えば、ついには両手で顔を覆いわんわんと泣き始めてしまった。
落ち着いてよく見ると、その体はあちこちに酷い怪我を負っているらしく、身につけている服は何か強い力で切り裂かれたかのような破れ方をしている。
(事故に、遭ったの?)
けれど、いつ?
姉さんがここに現れた時、彼女の肌は白く透き通っていて怪我の一つも見えていなかったし、服も見慣れた綺麗な空色のワンピースだった。その上に付けているミルク色のエプロンだって、どこにも傷は見当たらなかったように記憶している。
それじゃあ、なんで?
姉さんは、夢を介して私に何か伝えようとしているのだろうか。
いったい、何を?
「あなたのせいでしょう!?」
「―─!!」
その日は、そこで目が覚めた。
ロリーナ姉さんの怒声を耳にしたのは後にも先にも『あれ』が初めてで、意識が覚醒してからもあの時の顔と声が何度も脳裏で鮮明に蘇り、心臓がばくばくと嫌な音を立て続ける。
私のせい。それはいったい、どういう意味?
「そのままの意味さ」
先月、夢の中に初めて面識のない人物が現れた。
いわゆる、天然パーマと呼ばれる類だろうか。無造作に跳ねた黒髪から天に向かって真っ直ぐ伸びるのは、どこからどう見てもウサギの耳だ。
カチューシャにしてはやけにリアルね、と思いかけた私の心を覗き見でもしたかのように、男の頭から生えた二本の黒い兎耳は意思を持ちぴょこりと動いて見せる。
緩やかな弧を口元に描き、真っ直ぐに私を見据える赤い瞳を細めてウサギ男はもう一度呟いた。
「どういう意味か。それは、そのままの意味だよ」
不思議と、そのウサギ男への恐怖心は湧いてこない。まるで『私』は知っているかのようだ。
彼が、
「いいや。まだ、ボクの迎えに行く時間じゃない」
それよりも、と言いながらウサギ男の指差した先にあったのは、ウェディングドレスを身に纏うロリーナ姉さんの姿。とても、綺麗だ。どんな花よりも美しくて、宝石の輝きすら霞んでしまうほど眩しい。
夢の中ではあるが、ロリーナ姉さんの嫁入り姿が見られてよかったと歓喜する私とは対照的に、彼女はひどく暗い表情をしていた。
(ロリーナ、姉さん?)
どうして、そんな顔をするの?
「……助けて、」
何度目かになる、ロリーナ姉さんの懇望。私が口を開くよりも早く、その切なる願いに言葉を返したのは、
「ごめんね。ボクには、もう……どうにもできない。間に合わないんだ」
ウサギ男だった。
そして、その意味を問う前に、朝を迎えて目が覚める。
私はいつまでも『知る』事ができない。姉さんが助けを求めている理由も、ウサギ男の正体も、あの言葉の意味も。
肩を落として落胆するべきだと分かってはいるが、気持ちが昂って仕方がない。ああ……いいえ、違うわ。
(だって、だって……!)
やっと迎えに来た!本能がそう告げているせいで、私の心はこんなにも踊っている。
もうすぐだ。もうすぐ、私は。
「……ふふっ!」
そして、私が十八を迎える誕生日の前日。昨夜に見たのが、一番新しい夢だ。
室内にいるメンバーは先日と同じで、私と姉さん、それから……ウサギ男の三人。ここ暫く、家具などに関する変化は起きていなかったように記憶しているのだが、今日は私が腰掛けている椅子の目の前に、空席の玉座が置かれていた。
「……っ!!」
赤を基調とし、金で縁取られたその玉座を目にした瞬間、言い知れぬ恐怖が背筋を這い全身が粟立つ。カタ、と微かに震え始めた自分の体を両手で抱きしめると、ウサギ男は壁にもたれかかりつつ喉を鳴らして笑った。
「怖い? ああ、うん。怖いだろうね、当たり前さ。キミが『それ』を怖がるのは、当然の事だ」
どういうこと?と問う前に、鈴を転がすような声が耳に届く。
「たすけて」
声のした方へ目をやれば、そこにいたのは一人の幼い少女。顔の面影とブロンドの髪から、辛うじて姉さんであるという事だけは認識できたが、夢の中で突然文字通りの幼児退行してしまった姉の姿に戸惑いが隠せない。
先ほどまで楽しげに笑っていたウサギ男は、幼児化した姉さんを見るなり閉口し、静かに腕を組み眉間に深いしわを刻んだ。
「ねぇ、たすけて」
幼い姉さんは私ではなく、ウサギ男をその目に映している。空天色の二つのビー玉から、一つ、また一つと静かに零れ落ちる雨。
どうして、姉さんは私を見てくれないのだろう?
「おねがい、たすけて……」
ウサギ男はゆっくりとした足取りで姉さんの元へ歩み寄ると、目線の高さを合わせるようにその場で膝をついた。
そして、今もなお頬を伝い落ち続ける姉さんの涙を指先で優しく拭うなり、両腕の中に閉じ込めて力いっぱい抱きしめる。
「……ごめん、ごめんね。結局ボクは、キミを助けてあげられなかった。でも、」
ワンダーランドが『アリス』を迎えてくれるから、大丈夫だよ。
(ああ、まただわ)
二年前。十六回目の誕生日を迎えた日から、毎晩同じ夢を見る。
赤の生地に、黒でダマスク柄の描かれた壁紙。アンティーク調の部屋は、初めは何も無い簡素な空間だった。窓も灯りもない、静かな闇に包まれているはずの室内を視認できたのは、夢特有のご都合主義だったのだろうと解釈している。
部屋の真ん中に立ちすくむだけの私は、ただ呆然と『誰か』を待っていた。ような、気がする。
(……誰を?)
夢の中で一つ目の変化が起きたのは、その場所へ来るようになってから約三ヶ月後。
(灯りが、ついてる)
昨夜までは無かったはずのシャンデリアが、さも当たり前のような顔をして天井からぶら下がり、室内を仄かに照らしていた。
風もないのにゆらゆら揺れる、私の瞳と同じ、淡黄色の光。
なぜなのか。夢の中の私はその時、「ああ、やっぱり来てくれるんだ」と淡い期待を抱いたのだ。誰を待っているのかも、ここがどこなのかも分からないというのに。
そして更に三ヶ月後、二つ目の変化が起きる。
(……時計?)
カチコチ、カチコチ。壁に一つ飾られた振り子時計が揺れるたび、言い知れぬ焦燥感が微かに胸をざわつかせた。まるで、「早く、早く」と急かされているかのよう。
それからは三日おきに一つずつ時計が増え、狭い室内の壁を埋めていった。
いいや、それだけではない。もう以前の変化からどれくらいの間隔が空いているのか、遡って日付を数えるのも煩わしいのだが、部屋の中は少しずつ変わっていった。
突如、部屋の真ん中にぽつんと現れた椅子も変化の一つ。私の髪と同じ、薄く赤みを帯びたココア色。誰に促されたわけでもないのに、自然と「これは私のために用意されたものね」と理解し腰掛ける。
カチコチと主張するたくさんの時計の声に耳を傾けながら、その日も『誰か』を待っていた。
そして、今から約三ヶ月前に起きたのが一番大きな変化。
「アリス……」
今まで私しか居なかった夢の中の部屋に、ロリーナ姉さんが現れたのだ。
(姉さん……!)
彼女は、私の自慢の姉。
とても穏やかな人で、常に笑顔を絶やさず、怒りのままに声を荒げる事など滅多にない。いつでも相談に乗ってくれるし、頭だって撫でてくれて、毎晩「おやすみなさい」の前に力いっぱい抱き締めてくれる。暴力なんてものとは当然、無縁で……本当に優しくて、あたたかくて、お母様とは正反対の人。
私は、そんなロリーナ姉さんの事が大好きだ。
(夢の中に現れる姉は、夢占いではたしか……自分の分身って意味だったかしら?)
あまり詳しくないけれど、人間関係への警告夢という意味もあったかもしれない。
そんな事を考えながら立ち上がろうとして、気付かされた。
(え……? 立て、ない)
まるで、両手首は肘掛に紐でくくりつけられ、胴は背もたれにベルトで固定されているかのように、体を動かす事がままならない。
そういえば、先ほどから私の声帯は、音の出し方を忘れてしまっているのではないだろうか?
(姉さん! ロリーナ姉さん……!)
何度呼びかけても、開いた口からはただ空気が吐き出されていくだけで、彼女の鼓膜を揺らすのは困難だった。
行動が制限され声も出せないなんて、夢占いではろくな結果が出ないでしょうね。なんて悪態を心の中で呟くと同時に、
「助けて」
ロリーナ姉さんがぽつりとこぼしたのは、そんな言葉だった。
けれど、目の前に立ちすくむ彼女の瞳はすぐ側に居るはずの私を映しておらず、どこか虚空を見つめながら姉さんは繰り返す。
「お願い、助けて」
(ねぇ、ロリーナ姉さん。誰を、助けたらいいの? 教えて)
「助けて……」
ロリーナ姉さんはゆっくりとした動作で俯いたかと思えば、ついには両手で顔を覆いわんわんと泣き始めてしまった。
落ち着いてよく見ると、その体はあちこちに酷い怪我を負っているらしく、身につけている服は何か強い力で切り裂かれたかのような破れ方をしている。
(事故に、遭ったの?)
けれど、いつ?
姉さんがここに現れた時、彼女の肌は白く透き通っていて怪我の一つも見えていなかったし、服も見慣れた綺麗な空色のワンピースだった。その上に付けているミルク色のエプロンだって、どこにも傷は見当たらなかったように記憶している。
それじゃあ、なんで?
姉さんは、夢を介して私に何か伝えようとしているのだろうか。
いったい、何を?
「あなたのせいでしょう!?」
「―─!!」
その日は、そこで目が覚めた。
ロリーナ姉さんの怒声を耳にしたのは後にも先にも『あれ』が初めてで、意識が覚醒してからもあの時の顔と声が何度も脳裏で鮮明に蘇り、心臓がばくばくと嫌な音を立て続ける。
私のせい。それはいったい、どういう意味?
「そのままの意味さ」
先月、夢の中に初めて面識のない人物が現れた。
いわゆる、天然パーマと呼ばれる類だろうか。無造作に跳ねた黒髪から天に向かって真っ直ぐ伸びるのは、どこからどう見てもウサギの耳だ。
カチューシャにしてはやけにリアルね、と思いかけた私の心を覗き見でもしたかのように、男の頭から生えた二本の黒い兎耳は意思を持ちぴょこりと動いて見せる。
緩やかな弧を口元に描き、真っ直ぐに私を見据える赤い瞳を細めてウサギ男はもう一度呟いた。
「どういう意味か。それは、そのままの意味だよ」
不思議と、そのウサギ男への恐怖心は湧いてこない。まるで『私』は知っているかのようだ。
彼が、
「いいや。まだ、ボクの迎えに行く時間じゃない」
それよりも、と言いながらウサギ男の指差した先にあったのは、ウェディングドレスを身に纏うロリーナ姉さんの姿。とても、綺麗だ。どんな花よりも美しくて、宝石の輝きすら霞んでしまうほど眩しい。
夢の中ではあるが、ロリーナ姉さんの嫁入り姿が見られてよかったと歓喜する私とは対照的に、彼女はひどく暗い表情をしていた。
(ロリーナ、姉さん?)
どうして、そんな顔をするの?
「……助けて、」
何度目かになる、ロリーナ姉さんの懇望。私が口を開くよりも早く、その切なる願いに言葉を返したのは、
「ごめんね。ボクには、もう……どうにもできない。間に合わないんだ」
ウサギ男だった。
そして、その意味を問う前に、朝を迎えて目が覚める。
私はいつまでも『知る』事ができない。姉さんが助けを求めている理由も、ウサギ男の正体も、あの言葉の意味も。
肩を落として落胆するべきだと分かってはいるが、気持ちが昂って仕方がない。ああ……いいえ、違うわ。
(だって、だって……!)
やっと迎えに来た!本能がそう告げているせいで、私の心はこんなにも踊っている。
もうすぐだ。もうすぐ、私は。
「……ふふっ!」
そして、私が十八を迎える誕生日の前日。昨夜に見たのが、一番新しい夢だ。
室内にいるメンバーは先日と同じで、私と姉さん、それから……ウサギ男の三人。ここ暫く、家具などに関する変化は起きていなかったように記憶しているのだが、今日は私が腰掛けている椅子の目の前に、空席の玉座が置かれていた。
「……っ!!」
赤を基調とし、金で縁取られたその玉座を目にした瞬間、言い知れぬ恐怖が背筋を這い全身が粟立つ。カタ、と微かに震え始めた自分の体を両手で抱きしめると、ウサギ男は壁にもたれかかりつつ喉を鳴らして笑った。
「怖い? ああ、うん。怖いだろうね、当たり前さ。キミが『それ』を怖がるのは、当然の事だ」
どういうこと?と問う前に、鈴を転がすような声が耳に届く。
「たすけて」
声のした方へ目をやれば、そこにいたのは一人の幼い少女。顔の面影とブロンドの髪から、辛うじて姉さんであるという事だけは認識できたが、夢の中で突然文字通りの幼児退行してしまった姉の姿に戸惑いが隠せない。
先ほどまで楽しげに笑っていたウサギ男は、幼児化した姉さんを見るなり閉口し、静かに腕を組み眉間に深いしわを刻んだ。
「ねぇ、たすけて」
幼い姉さんは私ではなく、ウサギ男をその目に映している。空天色の二つのビー玉から、一つ、また一つと静かに零れ落ちる雨。
どうして、姉さんは私を見てくれないのだろう?
「おねがい、たすけて……」
ウサギ男はゆっくりとした足取りで姉さんの元へ歩み寄ると、目線の高さを合わせるようにその場で膝をついた。
そして、今もなお頬を伝い落ち続ける姉さんの涙を指先で優しく拭うなり、両腕の中に閉じ込めて力いっぱい抱きしめる。
「……ごめん、ごめんね。結局ボクは、キミを助けてあげられなかった。でも、」
ワンダーランドが『アリス』を迎えてくれるから、大丈夫だよ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
花の檻
蒼琉璃
ホラー
東京で連続して起きる、通称『連続種死殺人事件』は人々を恐怖のどん底に落としていた。
それが明るみになったのは、桜井鳴海の死が白昼堂々渋谷のスクランブル交差点で公開処刑されたからだ。
唯一の身内を、心身とも殺された高階葵(たかしなあおい)による、異能復讐物語。
刑事鬼頭と犯罪心理学者佐伯との攻防の末にある、葵の未来とは………。
Illustrator がんそん様 Suico様
※ホラーミステリー大賞作品。
※グロテスク・スプラッター要素あり。
※シリアス。
※ホラーミステリー。
※犯罪描写などがありますが、それらは悪として書いています。
浮気の代償の清算は、ご自身でどうぞ。私は執行する側です。
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
ホラー
第6回ホラー・ミステリー小説大賞 読者賞受賞作品。
一話完結のオムニバス形式
どの話から読んでも、楽しめます。
浮気をした相手とその旦那にざまぁの仕返しを。
サイコパスホラーな作品です。
一話目は、結婚三年目。
美男美女カップル。ハイスペックな旦那様を捕まえたね。
そんな賛辞など意味もないほど、旦那はクズだった。婚約前からも浮気を繰り返し、それは結婚してからも変わらなかった。
そのたびに意味不明な理論を言いだし、悪いのは自分のせいではないと言い張る。
離婚しないのはせめてもの意地であり、彼に後悔してもらうため。
そう。浮気をしたのだから、その代償は払っていただかないと。彼にも、その彼を誘惑した女にも。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
風の音
月(ユエ)/久瀬まりか
ホラー
赤ん坊の頃に母と死に別れたレイラ。トマスとシモーヌ夫婦に引き取られたが、使用人としてこき使われている。
唯一の心の支えは母の形見のペンダントだ。ところがそのペンダントが行方不明の王女の証だとわかり、トマスとシモーヌはレイラと同い年の娘ミラを王女にするため、レイラのペンダントを取り上げてしまう。
血などの描写があります。苦手な方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる