アリスが死んだ不思議の国には神が住む

 十八回目の誕生日を迎えた日、私は“お母様”を殺すことにした。

「だからキミは、ワンダーランドに堕ちるんだよ」

 全ての始まりは、主人公が『母』を殺した夜。
 罪を犯した彼女を迎えに来たのは、真っ黒な“白ウサギ”だった。

 幼少期から憧れ続け、夢にまで見た不思議の国(ワンダーランド)。
 しかし、アリスを名乗る主人公を迎え入れた“そこ”は、『アリス』にとっての楽園などではなかった。

 犯した罪は決して許されず、思い込みが人を死へ追いやり、

「アリスくん。君は、赤の王に呪われてる」

 ――……この国には、『呪い』の力を持つ王が存在する。

 主人公にかけられた不死の呪いを解き、“普通”の少女に戻るための方法はただ一つ。
 赤の王の正体を暴き、殺す事。

「こんなお話、間違ってる」

「……“アリス”を返して」

 ――……私は絶対、脇役になんて戻らない。

「ワンダーランドは、地獄行き」

「では、裁判を始めよう」
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