アリスが死んだ不思議の国には神が住む

 十八回目の誕生日を迎えた日、私は“お母様”を殺すことにした。

「だからキミは、ワンダーランドに堕ちるんだよ」

 全ての始まりは、主人公が『母』を殺した夜。
 罪を犯した彼女を迎えに来たのは、真っ黒な“白ウサギ”だった。

 幼少期から憧れ続け、夢にまで見た不思議の国(ワンダーランド)。
 しかし、アリスを名乗る主人公を迎え入れた“そこ”は、『アリス』にとっての楽園などではなかった。

 犯した罪は決して許されず、思い込みが人を死へ追いやり、

「アリスくん。君は、赤の王に呪われてる」

 ――……この国には、『呪い』の力を持つ王が存在する。

 主人公にかけられた不死の呪いを解き、“普通”の少女に戻るための方法はただ一つ。
 赤の王の正体を暴き、殺す事。

「こんなお話、間違ってる」

「……“アリス”を返して」

 ――……私は絶対、脇役になんて戻らない。

「ワンダーランドは、地獄行き」

「では、裁判を始めよう」
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,556 位 / 193,556件 ホラー 6,815 位 / 6,815件

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

籠女 〜かごめ〜《呪染外伝》

風丘春稀
ホラー
かごめ かごめ 籠の中の鳥は いついつでやる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った うしろの正面だぁれ? ---------------------------------------------- 私の祖母が良くこんな話をしてくれた。 その昔、海に赤子が捨てられた。 村で間引かれた子供は、深い深い海の底にカゴに入れられて沈められちゃうんだって。 でもね、こんな言い伝えがあるの。 その子供の中に、たまに帰ってくる子がいるんだって。 海の『化け物』になって………… ※ この物語はフィクションです。登場人物、地名は一部架空のものがございます。 また、各物語の設定は現在の歴史的事実とは異なる場合がございます。ご了承ください。

都市伝説ガ ウマレマシタ

鞠目
ホラー
「ねえ、パトロール男って知ってる?」  夜の8時以降、スマホを見ながら歩いていると後ろから「歩きスマホは危ないよ」と声をかけられる。でも、不思議なことに振り向いても誰もいない。  声を無視してスマホを見ていると赤信号の横断歩道で後ろから誰かに突き飛ばされるという都市伝説、『パトロール男』。  どこにでもあるような都市伝説かと思われたが、その話を聞いた人の周りでは不可解な事件が後を絶たない……  これは新たな都市伝説が生まれる過程のお話。

お前に『幸福』は似合わない

アタラクシア
ホラー
2015年。梅雨の始まりが告げられる頃。  叢雲八重(むらくもやえ)は彼女――今は『妻』である青谷時雨(あおたにしぐれ)への誕生日プレゼントに悩んでいた。時雨の親友である有馬光(ありまてる)や八重の悪友である沖見弦之介(おきみげんのすけ)に相談し、四苦八苦しながらも、八重はプレゼント選びを楽しんでいた。  時雨の誕生日の3日前。2人は時雨の両親に結婚の了承を得に行っていた。最初はあまりいい顔をされていなかったが、父親からは認められ、母親からも信頼されていたことを知る。次に会うのは結婚式。4人は幸せそうに笑っていた。  そして――時雨の両親は謎の不審死を遂げた。  その日を境に時雨は自殺未遂を繰り返すようになってしまう。謎の言葉を呟く時雨に疑問に思いながらも介抱を続ける八重。そんな最中、八重は不思議な夢を見るようになる。  それは時雨が――実の両親を殺している夢。  あまりにも時雨の姿からかけ離れていた景色に疑問を抱いた八重は、弦之介と共に時雨の過去を調べ始める。時雨の家や関係者を辿っていくうちに、2人はとある『女』の情報を手にする――。

性奴隷を拒否したらバーの社畜になった話

タタミ
ホラー
須原幸太は借金まみれ。 金貸しの元で無償労働をしていたが、ある日高額報酬の愛人契約を持ちかけられる。 『死ぬまで性奴隷をやる代わりに借金は即刻チャラになる』 飲み込むしかない契約だったが、須原は気づけば拒否していた。 「はい」と言わせるための拷問が始まり、ここで死ぬのかと思った矢先、須原に別の労働条件が提示される。 それは『バーで24時間働け』というもので……?

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

ゾンビと戦う僕がボケると、左鎖骨さんがツッコんでくれる

風枝ちよ
ホラー
「いつかまた、桜の木の下で」 君は今だけを見た、屈託のない表情で言う。君は今しか見ていない。 「……うん」 未来を見てしまった僕は、少しだけ俯いて返事をする。未来は残酷だ。 君は僕に背を向け、歩いていく。 僕も、君に背を向けて歩き出す。 2人がこの先会うことはないと知りながら僕は、歩く。 その9年後の話、ではありません。 主人公は刑事。ゾンビを倒していきます。我が辞書に自衛隊という文字はありません。 基本ギャグなのでストーリー性はありません。 少しグロい描写もあります。 【読んだら負け】

「こんにちは」は夜だと思う

あっちゅまん
ホラー
主人公のレイは、突然の魔界の現出に巻き込まれ、様々な怪物たちと死闘を繰り広げることとなる。友人のフーリンと一緒にさまよう彼らの運命とは・・・!? 全世界に衝撃を与えたハロウィン・ナイトの惨劇『10・31事件』の全貌が明らかになる!!