8 / 26
詫び石8つ目【不具合補填の地図をBOXに送りました】
しおりを挟む
「な、なんだってー!?」
「わざとらしいなクソ……ッ!」
俺の称号が『魔王』……? どうしてそんなことに……?
そう問えば、強おじは眉間のシワを濃くして「俺にもわからねぇ」と首を振った。
「俺の仕事は文字通り、ただ神に託された称号を与えるだけだ」
「強面の顔なのに神様を信じてるってギャップがいいですね!」
「さすがご主人様! どんな相手でも長所を見つけられるなんて素敵です……っ!!」
「うるせぇ!!」
強おじは顔を赤くしたまま、俺がぐっと立てた親指を握ってくる。
「どうすれば『勇者』の称号を貰えますか?」
「そうだな……」
目線を逸らし何か考える素振りをしていた強おじは、俺から手を離すと人差し指を立てて空中に緩やかな円を描いた。
すると、何も無かったはずの場所に地図のようなものが現れる。
おそらく、投影魔法の類だろう。
「ここから南へ10m向かった先に、二階建ての建物がある。そこがギルドだ。まずはここに行ってみるといい」
「出た! ギルド! ルロちゃん、ギルドに入れるぞ!」
「さすがご主人様!」
「黙って聞け!! 入れるかどうかは“お前たち”次第だ!! いや、話はそこじゃねぇ!!」
俺だけ頭を強めに小突かれたので、ルロちゃんと一緒に大人しくその場に正座し、たんこぶを撫でながら強おじの話に耳を傾ける。
「ギルドの依頼をこなせ。魔獣討伐でも、人助けでも何でもいい。ただし、Aランク以上の依頼だ」
「Aランク以上……?」
「えーらんく……?」
「そうだ。『冒険者』の称号ならBランクで事足りるが、『勇者』を目指すならそうはいかねぇ」
「冒険者……」
「ぼーけんしゃ……」
また俺だけ小突かれてたんこぶが2段になった。
「Aランク以上の依頼をこなし、大勢の役に立てば、神にも『勇者』として認められるかもしれねぇ」
「なるほど……」
「本当はSランクに挑めと言いたいところだが……まあ、それはギルドの先住者が許さないだろうな。万が一にでも新参者にクリアされたとあれば、先輩方の面目丸潰れだ……どうしても挑むというなら、それをどう説き伏せるかはお前次第だ」
「わかりました!!」
一時はどうすればいいのだろうかと思ったが、これからの目的や成すべき事がはっきりとした今、落ち込んでいる場合じゃない。
ルロちゃんと手を繋いで勢い良く立ち上がり、強おじに頭を下げる。
「色々教えてくれてありがとうございます! まずはギルドに向かってみます!!」
「おう、頑張れよ。地図はさっき見せた通りだ」
「……ところで……南ってここからどっち向きですか? 右? 左?」
「左右がわかるなんてさすがご主人様!!」
「大丈夫かコイツら……」
「わざとらしいなクソ……ッ!」
俺の称号が『魔王』……? どうしてそんなことに……?
そう問えば、強おじは眉間のシワを濃くして「俺にもわからねぇ」と首を振った。
「俺の仕事は文字通り、ただ神に託された称号を与えるだけだ」
「強面の顔なのに神様を信じてるってギャップがいいですね!」
「さすがご主人様! どんな相手でも長所を見つけられるなんて素敵です……っ!!」
「うるせぇ!!」
強おじは顔を赤くしたまま、俺がぐっと立てた親指を握ってくる。
「どうすれば『勇者』の称号を貰えますか?」
「そうだな……」
目線を逸らし何か考える素振りをしていた強おじは、俺から手を離すと人差し指を立てて空中に緩やかな円を描いた。
すると、何も無かったはずの場所に地図のようなものが現れる。
おそらく、投影魔法の類だろう。
「ここから南へ10m向かった先に、二階建ての建物がある。そこがギルドだ。まずはここに行ってみるといい」
「出た! ギルド! ルロちゃん、ギルドに入れるぞ!」
「さすがご主人様!」
「黙って聞け!! 入れるかどうかは“お前たち”次第だ!! いや、話はそこじゃねぇ!!」
俺だけ頭を強めに小突かれたので、ルロちゃんと一緒に大人しくその場に正座し、たんこぶを撫でながら強おじの話に耳を傾ける。
「ギルドの依頼をこなせ。魔獣討伐でも、人助けでも何でもいい。ただし、Aランク以上の依頼だ」
「Aランク以上……?」
「えーらんく……?」
「そうだ。『冒険者』の称号ならBランクで事足りるが、『勇者』を目指すならそうはいかねぇ」
「冒険者……」
「ぼーけんしゃ……」
また俺だけ小突かれてたんこぶが2段になった。
「Aランク以上の依頼をこなし、大勢の役に立てば、神にも『勇者』として認められるかもしれねぇ」
「なるほど……」
「本当はSランクに挑めと言いたいところだが……まあ、それはギルドの先住者が許さないだろうな。万が一にでも新参者にクリアされたとあれば、先輩方の面目丸潰れだ……どうしても挑むというなら、それをどう説き伏せるかはお前次第だ」
「わかりました!!」
一時はどうすればいいのだろうかと思ったが、これからの目的や成すべき事がはっきりとした今、落ち込んでいる場合じゃない。
ルロちゃんと手を繋いで勢い良く立ち上がり、強おじに頭を下げる。
「色々教えてくれてありがとうございます! まずはギルドに向かってみます!!」
「おう、頑張れよ。地図はさっき見せた通りだ」
「……ところで……南ってここからどっち向きですか? 右? 左?」
「左右がわかるなんてさすがご主人様!!」
「大丈夫かコイツら……」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる