14 / 14
君に囁いて
しおりを挟む
俺のお嫁さんは、とっても可愛い。
小さくて、笑顔が……いや、笑顔『も』素敵で、ふわふわしていて、素直でまっすぐで頑張り屋さんで、お料理も上手。
とっても大好きな、可愛い可愛い、世界に一人だけの俺のお嫁さん。
(ふふ。二人とも、よく寝てる)
今日もいつも通りお仕事を終え、お店を閉めて家に帰ってみれば、ベビーベッドで眠る美花子と、そのそばでうたた寝をしているみーちゃんがいた。
何よりも大切な、宝物の二人。
(可愛い)
美しく咲く花のような子に、なりますように。
そんな願いを込めて、美花子という名前にした。
すやすや眠るその小さな頬に手を伸ばし、ぷにぷにとつっついてみる。
(……起きない)
小さく小さく、くつくつと笑ってからみーちゃんの頭を撫でた。
「……みい、お疲れ様」
さらさらの髪の毛を指ですき、口づけを落とす。
「いつもありがとう、みい」
「……えへへ……」
ぽつり。
耳に届いたみーちゃんの呟きに、起こしてしまっただろうかと慌てて顔を覗き見た。
けれどその瞼は閉じられたままで、
(みーちゃん、まつ毛長い……可愛いなあ……)
もう一度、頭を優しく撫でる。
それから、起こしてしまわないように気をつけながらみーちゃんの体を抱き上げた。
いわゆる、お姫様抱っこ。
「軽いなぁ、みーちゃん」
小さいし、軽いし、やわらかい。
その体を寝室まで運び、ベッドの上にそっとおろした。
(……可愛い)
再度、穴があく勢いでまじまじと愛しい彼女の顔を見る。
何度見ても飽きない。可愛い可愛い、俺だけのお嫁さん。
みーちゃんの体に毛布をかけて、
「おやすみ、みい」
額にキスをし、
「……愛してるよ」
囁きを夢の中へ落とす。
彼女の髪から匂ってきた薔薇の匂い。
これは、新しいシャンプーだろうか。
「……明日、飾っておこうかな」
赤い薔薇。
ベタすぎてくさいかもしれないけれど。
そんなことを考えながら、明日の朝のためのお米を研いだ。
◇
私の旦那さまは、
俺のお嫁さんは、
へたれで、甘えん坊。
小さくて、可愛い。
明日も明後日も、来年も再来年も。きっと、
私は、
俺は、
あの人のことが、世界で一番愛しくてたまらないんだと思う。
「……私も、愛してるよ。あっくん」
ーおわりー
小さくて、笑顔が……いや、笑顔『も』素敵で、ふわふわしていて、素直でまっすぐで頑張り屋さんで、お料理も上手。
とっても大好きな、可愛い可愛い、世界に一人だけの俺のお嫁さん。
(ふふ。二人とも、よく寝てる)
今日もいつも通りお仕事を終え、お店を閉めて家に帰ってみれば、ベビーベッドで眠る美花子と、そのそばでうたた寝をしているみーちゃんがいた。
何よりも大切な、宝物の二人。
(可愛い)
美しく咲く花のような子に、なりますように。
そんな願いを込めて、美花子という名前にした。
すやすや眠るその小さな頬に手を伸ばし、ぷにぷにとつっついてみる。
(……起きない)
小さく小さく、くつくつと笑ってからみーちゃんの頭を撫でた。
「……みい、お疲れ様」
さらさらの髪の毛を指ですき、口づけを落とす。
「いつもありがとう、みい」
「……えへへ……」
ぽつり。
耳に届いたみーちゃんの呟きに、起こしてしまっただろうかと慌てて顔を覗き見た。
けれどその瞼は閉じられたままで、
(みーちゃん、まつ毛長い……可愛いなあ……)
もう一度、頭を優しく撫でる。
それから、起こしてしまわないように気をつけながらみーちゃんの体を抱き上げた。
いわゆる、お姫様抱っこ。
「軽いなぁ、みーちゃん」
小さいし、軽いし、やわらかい。
その体を寝室まで運び、ベッドの上にそっとおろした。
(……可愛い)
再度、穴があく勢いでまじまじと愛しい彼女の顔を見る。
何度見ても飽きない。可愛い可愛い、俺だけのお嫁さん。
みーちゃんの体に毛布をかけて、
「おやすみ、みい」
額にキスをし、
「……愛してるよ」
囁きを夢の中へ落とす。
彼女の髪から匂ってきた薔薇の匂い。
これは、新しいシャンプーだろうか。
「……明日、飾っておこうかな」
赤い薔薇。
ベタすぎてくさいかもしれないけれど。
そんなことを考えながら、明日の朝のためのお米を研いだ。
◇
私の旦那さまは、
俺のお嫁さんは、
へたれで、甘えん坊。
小さくて、可愛い。
明日も明後日も、来年も再来年も。きっと、
私は、
俺は、
あの人のことが、世界で一番愛しくてたまらないんだと思う。
「……私も、愛してるよ。あっくん」
ーおわりー
0
お気に入りに追加
13
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編
タニマリ
恋愛
野獣のような男と付き合い始めてから早5年。そんな彼からプロポーズをされ同棲生活を始めた。
私の仕事が忙しくて結婚式と入籍は保留になっていたのだが……
予定にはなかった大問題が起こってしまった。
本作品はシリーズの第二弾の作品ですが、この作品だけでもお読み頂けます。
15分あれば読めると思います。
この作品の続編あります♪
『ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編』
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。
大切だった友達に媚薬を盛ったら、怖いくらい溺愛されています。彼が勧めてくれたお茶からも同じ香りがしていたのは気のせいかな。
下菊みこと
恋愛
媚薬を盛ったらとんでもなく愛されたお話。
マルスリーヌは友人、エルキュールに媚薬を盛る。エルキュールと結婚して、多額の結納金を実家に納めてもらうためだ。けれど肝心のエルキュールは、媚薬を入れた紅茶の香りを嗅いだだけで飲んでないのに媚薬が効いてしまった。マルスリーヌは困惑するも開き直るしかなかった。
小説家になろう様でも投稿しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】旦那様! 私と愛し合いましょう!
I.Y
恋愛
「私、前世の記憶を思い出したの?」
ベルガー帝国名門エルヴァンクロー公爵家夫人サナ・ド・エルヴァンクローは、前世の記憶を思い出す。
そして自分が恋愛小説〝レオンに恋して〟の悪役であったこと、既に悪役としての役目を終えたあとの人生を歩んでいることを知る。
サナは、悪役として〝レオンに恋して〟の主人公たちの純愛を見届けたあと、ベルガー帝国の南部の地、リーユニアを統治する名門エルヴァンクロー公爵家に嫁いでいたのだ。
エルヴァンクロー公爵である夫アルベルクとの結婚生活が上手くいっていないことに悩みを抱いていたサナは、せめて結婚してしまう前に前世の記憶を思い出したかったと落胆していた。
しかし、とある些細なことがきっかけで、ふたりの距離は徐々に縮まっていく。
(好き。どうしようもなく、好き……)
これは、アルベルクへの本気の恋を自覚した元悪役のサナと、不器用ながらに優しさを発揮し、無自覚にサナを誑し込むアルベルクの結婚生活の物語である。
✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✿.•¨•.¸¸
―必読―
◆当作品はフィクションです。現実の人物、団体などとは関係ありません。
◆当作品は恋愛小説です。
◆R18に該当する直接的な表現はありませんが、今後直接的な表現を使用する場合は、R15からR18に変更させていただきます。
◆ 作者並びに作品(登場人物等)に対する〝度の過ぎた〟ご指摘、〝明らかな誹謗中傷〟は受け付けません。
⇒現在、感想欄を閉鎖中です。
◆ 作品の転載、明らかな盗作等に関しては、一切禁止しております。
◆ ムーンライトノベルズ様・カクヨム様にも掲載中です。
以上、自衛をよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる