エメラルドハニー

いなかぼっこ

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第2話 セクハラ上司をやっつけろ! ミラクルショット炸裂!!

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 相原愛は令和商事に務める26歳の女の子。今日も会社に巻き起こる問題を解決する事となるのだ。今日の話はセクハラ問題である。愛は前の会社では類い稀なルックスやナイスバディからセクハラされたことも多いがさらりと躱してきた。今回はそんなセクハラをやっつける方法を愛が実践する。

 愛「今日は暑いですねぇ?」
 田中「そうだね。これだけ暑いと外回りはキツイだろうな」

 そんな会話を遮るように暑苦しい軍団がやって来た。

 君子「愛ちゃんおはよう!」
 愛「どうしたの皆して、工事用のヘルメット何か被って」
 舞子「これからは私達社内風紀見廻り隊を結成したの」
 祥子「社内の悪事は私達がやっつけるわ」
 説子「愛ちゃんもたまには手伝ってね」
 君子「何か問題を抱える社員がいたらこの目安箱に悩みを投稿してもらえればすぐに駆けつけることにしたの、凄いでしょ?」
 愛「君ちゃんやるじゃない」
 君子「愛ちゃんにはこの前の事で迷惑かけたから御免ね。でも、こういう活動してたら愛ちゃんに少しは近づけるかなと思ってね」
 3人「その通り!」
 愛「頑張ってね!」
 そういうと彼女達は何処かへ去って行った。愛は今日の仕事に取り掛かるのだった。

 一方、君子達はとある噂を聞き、経理課へと赴いていた。すると通路の所で2人の先輩社員が1人の後輩社員を怒っている場面に出くわした。

 柿崎「だから~棚橋さんはさ~使えないのよ。仕事でミスが多いしね」
 前田「そうそう。だからいっそ辞めた方が良いって言ったのよ。悪い?ホントの事言って」
 棚橋「仕事でミスしたのは柿崎さんと前田さんが大量の仕事押し付けたからじゃないですか。仕事辞めたくはないんです。他に行く充てないですから」
 柿崎「そんな事言われても知らないわよ」
 前田「そうよ。それに仕事押し付けたのは先輩としての優しさでしょ?後輩想いよね私達」

 そこまで話を聞きつけた君子達はやって来ていきなりかました。

 君子「ピィピィ~!はい貴方達、数の優位性使ったねぇ」
 舞子「使ってます。完全に使ってますねぇ」
 柿崎「何なの!貴方達どうしたの?何よ数の優位性って」
 祥子「そんな事も知らないの。このお局OLがぁ~」
 説子「言っとくけど誰かのマネじゃないからね」
 前田「話の邪魔しないで。だいたいお局はそっちでしょうが!」
 棚橋「聞いて下さい!私2人から苛められているんです」
 君子「知ってるわよ。だからあなたを助けに来たのよ」

 君子は自分達の後ろに棚橋を隠すと言い放った。

 君子「私達はこの会社の風紀を乱すものを取り締まる、君子軍団よ。覚えときなさい」
 柿崎「何よ変なヘルメット被って婆が何してんのよ」
 君子「ふっ、私は皮肉も笑顔で買い取る君子ちゃんですよ。そんな暴言なんてOUT OF 眼中だわ」
 3人「いいぞ君子」
 君子「あんた達噂で聞いたのよ。棚橋さんが若くて仕事できるからってやっかんで、無理な仕事押し付けたり、重い物運ばせたり、しまいにはさっき言ってたように辞めさせようとしたり最低ね」
 柿崎「そんな事、しっ、知らないわよ!」
 前田「ただの噂でしょう!」
 君子「しらばっくれんなよ。この我こらぁぁぁぁぁ!!」
 2人「すっ、すいませんでした。覚えとけよ棚橋」

 君子達は満足そうに棚橋に話しかけた。

 君子「もう大丈夫よ。あれだけ怒鳴り散らしてやったから」
 説子「大船に乗ったつもりで居てね」
 棚橋「有難う御座います。これで私大丈夫ですよね?」
 君子「心配ないわ。またなんかあったら言いなさい」

 そうして君子達は総務課に意気揚揚と帰ってきた。しかしながら、上司からすぐに呼び出しを喰らった君子達は憤慨しながら愛の元へやって来た。

 愛「どうしたの君ちゃん。浮かない顔してさ」
 君子「どうやら私達凄くヤバい事しちゃったみたいでさ」
 愛「というと?」
 君子「私達は給湯室での噂を聞いて、経理課の棚橋さんって子がいじめに合ってるって知ったの」
 愛「ほうほう。それで?」
 君子「それで私達いじめてた柿崎と前田って女子社員に文句言ってやったの。そしたら、どうやらそれがムカついたらしくて、経理課の課長にチクったらしいのよ。さっきうちの課長の所に電話があってさそういう活動は辞めさせろってさ。それでさっき課長に呼び出し喰らって怒られたって訳」
 愛「何か匂うねその話」
 君子「匂うってその子達が上司に告げ口をして」
 愛「いいや、多分それは違うよ君ちゃん。その課長は何故、自分の所の経理の棚橋さんがいじめられていることを知ったのにその事には触れないの。おかしくない?それはその課長も今回の一件に関わっているからじゃなかな?ってね。思ってみたりして」
 君子「愛ちゃんなんか探偵みたいだね。カッコいい」
 愛「君ちゃん達は動けないから私と優ちゃんで調べてみるよ」
 君子「頼んだよ愛ちゃん」
 愛「任せて!」

 愛はお昼休みに優を連れて屋上へ出てみた。屋上ではご飯を食べたり、バレーボールで遊んでいる女子社員達がいた。その中に柿崎と前田の2人を見つけた愛と優は、そっと2人に話を聞かれる距離に行き話を始めた。

 愛「あの経理の棚橋って女超ムカつくよね」
 優「そうですね。なんか辛気臭いっていうか暗いですもんね」
 愛「ちょっと仕事ができるからって調子乗り過ぎだし」

 すると話を聞いていた柿崎と前田が話しかけてきた。

 ___よっしゃ、話に乗ってきたぜ

 柿崎「あんた達は何処の課なの?」
 愛「えっ、なんですか?」
 前田「いやうちの嫌われ女子社員の話してたんで話しかけたのよ」
 優「私達、棚橋さんって子が嫌いなんです。偉そうだから」
 愛「経理の方ですか?」
 柿崎「そうよ。何かウチらと話し合いそうじゃない」
 愛「そうですね。棚橋さんってどんな子ですか?」
 柿崎「そうねぇ。まぁ大学時代は優秀だったんじゃない。でも、年上に刃向ったりしたり、仕事が出来る事を男性社員にアピールしたりしているからウチら経理課の女性社員からはめっちゃ嫌われているけどね」
 優「うわぁ~私そういう人苦手だなぁ~」
 愛「何かうちの総務課の課長とデキてるって噂ですよ」
 前田「えっ、総務課の課長とも噂あるの?へぇ~それは知らなかった。隅に置けないなぁ」
 愛「えっ、ともって経理課の課長とも噂あるんですか?」
 柿崎「えっと、それはオフレコでしょ。でも聞かれたし、あんた達言わないだろうから言うとあの子うちの進崎課長に言い寄られて断ったらしいの。でも、進崎ってしつこい奴だから今でも狙ってるって訳。分かった?」
 愛「よ~く分かりましたよ。先輩達貴方達が如何にゴミ社員って事がね」
 前田「ゴミ社員?何言ってんの?」
 柿崎「くそっ。ハメられた。さっき来た変な連中の仲間だな。あんた等」
 愛「さっさと自分の悪事白状しなさい。はい、優ちゃん一点突破の法則!!」
 優「はい、ええと。前田さんあなたが悪いです。あなた1人だけが悪いです。本当です」
 前田「何よ。なんで私だけが悪いのよ。柿崎さんだって、あっ」
 愛「柿崎さんだって何?」
 前田「うえ~ん。柿崎さ~ん」
 柿崎「ったく。しょうがない。じゃあ教えてやるよ。私は会社の金を少し横領しているのを進崎にバレていいなりになってるって事、前田は私の盗みを手伝ってただけよ。私達、進崎の犬ってわけ」
 愛「そのままでいいの?何だったら私が解決してあげよっか?」
 前田「ほっ、本当に」
 柿崎「いいのかよ。でも横領の件が…」
 愛「間違いは誰だってあるわ。今回は伏せといてあげる。いい?」
 優「愛さん行きましょう。後、棚橋さんの件は嘘ですから」

 2人と分かれた後、愛は何かを調べに行った。そしてその後、愛と優は進崎課長を応接室へ呼び出した。いよいよ、黒幕の正体を突き止めた愛と優は進崎の到着を待った。

 進崎「遅れてすまない。私が課長の進崎だ。君達は誰だい?」
 愛「申し遅れました。私、総務課の相原愛です」
 優「同じく、総務課の池田優です」
 進崎「その総務課の美人さん達がいったい私に何の用かね」
 愛「単刀直入に参りますよ。進崎さんあなたは棚橋さんに言い寄ってますね」
 進崎「言い寄っているとは?」
 愛「男女の交際を言い寄っているという事ですよ。しかもあなたは奥さんがいるそうで」
 進崎「そんな事は噂に過ぎない。大体証拠がないではないか、証拠が」
 優「そうですね。証拠はありますよ」
 進崎「なんだね」
 優「経理課の柿崎さんと前田さんが言ったんです。あなたに横領がバレてそれをもみ消す代わりにあなたは2人を使って棚橋さんに嫌がらせをしたんです」
 進崎「だから言っている、証拠は何処だと。わはは、これは傑作だ。証拠も無しに上司を疑うなど言語道断。すぐに総務課課長に連絡する。君らは終わりだ」
 君子達「ちょっと待ったぁ~!」
 愛「君ちゃん遅いよ」
 君子「ふふん。課長さっきはどうもお叱り頂き有難う御座いました」
 進崎「まったく、次から次へと」
 君子「これを見てください」

 その紙切れには進崎が過去にもみ消した会社の必要経費の一覧だった。

 進崎「それがどうしたかね」
 君子「これは進崎さん貴方の過去の会社での必要経費をまとめたものですが、何故か出された書類とこの書類は記載している数字が一致しないんです」
 進崎「どういう事かね」
 愛「つまり、これは貴方は会社の金を横領しているという証拠になるんですよ。貴方は強情な棚橋さんにこの事がバレてしまうこと恐れて、本当は言い寄っていたんですね。もちろん既成事実を作れば良かったですが、棚橋さんには相手にされなかった。だから、あの2人を使って徹底的にイジめてこの会社から排除しようと画策したんですよね。どうです?」
 進崎「あいつ、書類捨ててなかったのか、くそぉ!」
 君子「とっくに棚橋さんにはバレてましたけどね。一応黙ってたみたいですよ。分かったら、棚橋さんに土下座しなさいよ」
 君子軍団「そうよそうよ」
 進崎「知らんとにかく私は知らん」
 愛「何なら今からこの紙燃やします?」
 進崎「おぉ、話が分かるじゃないか。それに君は実に美しいぞ」
 君子「愛ちゃんどうして?そんな」
 君子軍団「愛ちゃんの白状もん!!」
 愛「さぁ、こちらへいらしゃってください」
 進崎「ああ、じゃあ遠慮なく。んふふふ」
 愛「それでは参ります。ミ・ラ・ク・ル」

 ___ショットじゃわぁい~

 進崎「いでぇ!!」
 愛「愛ちゃんの正義の必殺ビンタはいかがかしら」
 進崎「すいませんでした!!!」
 君子軍団「愛ちゃ~ん」
 優「愛さん」

 こうして棚橋はイジメられることもなくなり、愛たちもすっきりとした形で問題は解決したのだった。因みにお優しいことに進崎課長は50%の減給処分で済んだらしい。なんでも棚橋が誰かに言われてそうしてあげて欲しいとお願いされたからだそうだ。家族があるから勘弁してあげて!とその人は言っていたそうだ。

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