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天童寺 茜の章

お兄さんってすごく意地悪、嫌い

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 丈の短いスカートから、こんもりとした下着が覗く。それはやや光沢のある水色で、彼女自身を薄布で包んでいるものだ。

 もじっとこすり合せた太ももは真っ白で、触れると弾けるような若さを感じられる。吸いつくようで、ずっと触れていたいとも。
 同学年の子より発育している子だ。肉厚な恥丘と同様に、むちっとした太ももで、こうして間近で眺められる俺は幸せ者だ。

 息を吹きかけるだけで彼女は震え、スカートを硬く握りしめる。茜ちゃんが俺から見られていることを意識して、ほんのりピンク色に染めていくのが嬉しいんだ。

「さ、最低です。女の子にスカートをたくし上げさせるなんて! 変態! スケベおじさん!」
「うっ、茜ちゃんからおじさんと言われるのは傷つく」
「あ、ごめんなさい。その、徹さんは大学生みたいに見えますよ。服装をもっと明るくしたらですけど」

 本気で傷ついたら優しく言ってくれるんだな。
 善処しますと呟きながら、身をかがめる。フローリングに膝をつくと彼女の大事なところを見上げる姿勢になった。
 茜ちゃんの呼吸は普段よりずっと早い。これから性的なことをされると分かっていて、羞恥と期待でごちゃ混ぜになっていると思う。そう肌で感じながら、ぺたりと再び太ももに触れる。

 汗で湿っており、ぴく、ぴく、と肌が震える。薄い下着を挟み、俺の吐息が当たっているのは頼りなさを感じているのだと思う。
 とても静かな夜のおかげかもしれない。今夜は彼女のことがよく分かる。きっと静電気に包まれたよう肌がピリッとしていて、いつもより敏感なんだ。

 下着の内側に指を入れ、もうすぐ陰毛に触れてしまう場所を撫でるとビクッと腰が震えた。

 は、は、は、と呼吸は荒げる一方だ。
 羞恥によって頬は赤く染まり、汚らしい俺の欲望によって侮蔑の表情をし、だけど好奇心によって太ももを汗が伝う。

 聞いた話だと、今夜は関東全域で熱帯夜らしい。
 寝苦しく、たくさんの家庭で寝返りをうっている夜だ。
 そして俺はというと、スカートの奥に招き入れられて、その湿度の高さを肌で感じていた。そしてお尻を鷲掴みにすると、こちらも指を押し返すような弾む肌だった。下着と擦れて、きゅっと鳴る。

 ごく普通のリビングで、学生姿の少女が立っている。こんもりと人の頭くらいスカートを膨らませており、そこで何かがもぞもぞ動いてる。
 傍目からも卑猥な動きだと分かるだろう。すべすべの太ももを撫で回し、そして年に合わない肉づきの良いお尻を鷲掴みにしてゆくのだから。

 声を出さないよう唇を噛んでいる様子だったが、それは彼女の甘い香りをもっと嗅ごうと恥丘に鼻を押し当て、すううーっと吸うまでだった。

「おっ……!」

 腰全体が縦に揺れる。
 肺いっぱいに嗅がれていると気づき、羞恥だけじゃない感情によってスカートごと俺の頭を掴む。学生としてのモラルを守ろうとする彼女に、すべすべの太ももを撫でながら話しかけた。

「茜ちゃん、いい匂いがする」
「しっ、知り、ません……!」

「茜ちゃんの女の子の匂いだ。まだ大して触っていないのに、恥ずかしいシミができてきた。夢みたいだよ、もうすぐ直に舐められるなんて」

 最悪だ、という顔を彼女は浮かべた。
 ひとつだけ望みを叶えてお別れをすると言ったのは、多少なりとも彼を信用していたからだ。妹に優しく接していたし、心配性で過保護とさえ感じる人物像があった。

 だから最後に思い出づくりをして決別しようと考えていたのに……この社会人の男は骨の髄まで茜に惚れ込んでいて、今夜はきっと全身の気持ち良いところをすごく舐めまわされる。
 そんな表情で茜はスカートを握りしめた。

 ◆

 何かを感じたのかもしれない。
 ふと千夏が目覚めたのは深夜にさしかかろうという時刻だった。

 普段であればすやすや眠っている時間だ。その名の通り少女は夏生まれであり、熱帯夜もさほど苦ではない。むしろこの季節が一番好きだ。うだるような熱気にはエネルギーや躍動感が満ちているし、夏休みを控えた浮き足立つ雰囲気もたまらない。

 まだあどけなさを残す表情で、ベッド、そして床に敷かれた布団をぼんやりと眺め、それから身体を起こす。

 姉と徹の姿がない。
 トイレかなと最初は思った。でも二人ともいないのはおかしいし……などと考えながら布団から素足を覗かせて床に触れる。

 ぺたぺた歩いて部屋の外へ出ると、かすかに声が聞こえてくる。一瞬だけ聞こえたそれは猫に似た甲高い響きをしていて、そろそろと階下へ向かう。

 リビングには一番暗い明かりがついており、そこに姉の姿があった。なぜか制服を着ていて、ぼうっとした顔つきで立っている。

 一瞬、ホラーの類かと思ってゾッとした。真夏の夜に制服姿をしているのは、あまりに不自然過ぎた。ぺたんと階段の端に座り込んで、思わず手すりをぎゅっと握る。
 う、うう、とかすかに響く姉の呻き声も、なんだか分からない恐ろしさがあった。

 どきどきする胸を懸命に押さえていると、姉が何をしているのか薄々気づく。なぜかスカートがこんもりと膨らんでおり、不安定な姉が掴んでいたのだ。人の頭くらい盛り上がったその場所を。

 わずかに姉は上を向き、ふううーーと熱い熱い息を吐く。腰を落とし、少しだけ下品なガニ股の姿勢で。
 見上げたのは壁時計であり、冷静であろうとする意志を横顔から感じ取れた。

 もうひとつ見えたのは男性の手だった。
 まさぐるように姉の太もも、そしてお尻を撫で回しており、ピチャチャと今までになく大きな水音が響くと、ひくんっと姉の顔が歪む。

「あ、あーー……っ!」

 かくっかくっと腰を前後させ、己の意思とは関係なく円を描くその動き。スカートごと男の頭を抱え、はっはっという呼吸音を早めていく。
 それは身体から溢れる熱を感じさせる動きで、姉の大きな胸までゆさっと揺れる。だいぶ汗をかいており、胸の形がはっきり分かるくらいシャツを張りつかせていた。

 自然と脚はもっとガニ股になり、嫌々と頭を左右に振りながら前屈みになっていく。そして聞き慣れた声が耳に響いた。

「ここ、気持ちいい? 反応が凄いよ。一気に溢れてきてドロドロだ」
「ばっ、か! あ、だめ、あ、あ、だめぇ……!」
「充血してもうパンパンになってる。茜ちゃん、しゃぶってみようか」
「だっめ……はおウッ!」

 ごっくと喉が鳴るほどの反応だった。
 ああ、ああ、と姉は唇を指でふさいでこらえても官能的な声を漏らす。
 露わにされた太ももを震わせて、かすかに「指ぃ」と不思議なことを呟きながら、身体が斜めに傾げていく。倒れてしまいそうで踏ん張るその足が、かくかく大きく震えだす。

「ま、待って、待って、わっ、分かったから……わかっ……」

 うわごとのようにそう呟き、形の良い唇を「お」の形にして身悶える。
 大きなお尻を掴んで男は支え、そして片脚をゆっくりとあげさせていく。すると隠れているところが見えてきた。しとどに濡れた太ももには、くしゃっと下着を引っ掛けており、暗がりのなかを徹がむしゃぶりついていた。

 ぐちぐちと中指で刺激を与え、女性としてものすごく弱い場所に舌を当てている。
 傍目でも徹は執拗に見えた。姉の反応と声を聞き、やり方をすぐに変える。激しい刺激というよりは、身体が求めているものを探している風だった。
 その指と舌で挟むような愛撫を見せられて、ジンと腰から頭まで痺れる感覚を受けた。

「あ、だめ、あ、だめ……あ、あ、アッ! アッ!」

 声に合わせてピンと伸ばしたつま先が揺れる。びく、びく、と繰り返しており瞳を硬く閉じている。
 言葉で拒否はしていても、男の肩をがっしりと掴む姿は気持ち良さを受け入れている風だった。少なくとも千夏の目にはそう映る。

「――……っ!!」

 甲高い声を響かせて、びく、びく、と夏の制服姿が痙攣した。仰け反って、指が白くなるまで肩を掴んで、姉はその姿勢のまま痙攣を繰り返す。

「おっ、うふぅっ……!」

 フーフーという姉の鼻息が聞こえてくる。
 放心しているのか男から身体を支えられ、ソファーに腰掛けられても抵抗のひとつもしない。それでいてスカートの端を掴み、己から開いて見せる様子には再び喉が鳴る。

 M字に脚を開かれて、むちっとした太ももが乳房の左右に添えられる。その姿はもう学生のものではない。性的で官能的で、これまでに見たことのない顔だった。

 ふっふっと荒い呼吸を繰り返し、男からボタンをひとつずつ外されているあいだも表情は変わらない。それどころか熱した身体に外気が流れ込み心地良さそうな顔をする。
 徹もまた献身的だ。ほつれた髪を指先で整え、頭をなでなでして熱中症になっていないか様子をみる。

「もっとしても平気?」

 まだ荒い息をする彼女にそう聞くと、しばし徹の顔をじっと見て、姉は頷く。

「ン、平気……」

 そっけない言い方なのに妙な色気がある。
 瞳を潤ませた顔は赤く、じっと彼を見て離さない。それでいて脚をM字にさせた姿勢をまったく崩さないのは、受け入れている節がある。
 ゆさっと乳房が露わになった。下着をずらし、波打つそれの下を支えると、より官能的な光景は増す。お風呂で見たはずの乳房とは異なり、とても性的で大人だった。

 まっすぐの線を谷間に生み、ぱんぱんに張っているのか形をさほど崩さない。それでいて光沢のある乳首が鮮やかで目を離せない。
 そこを彼の指がコネくりまわす。
 くりくりと両の乳頭を優しく触り、たまらずソファーに背を預けるギシっという音が響く。
 そして露わとなった彼女自身のものに顔を埋めると、あううーと姉は仰け反らせて鳴く。

 真っ白い太ももに挟まれた乳房が波打ち、とがったあごを見せつけながら嫌々と首を振る。先ほどよりもっと気持ち良いのか、そのぶん声が大きくなった。

 既に姉は己から太ももを支えている。乳房からおへそまで露わにした状態で、しっかと抱えていたとき……どこか姉は雰囲気を変える。
 ぎゅっと瞳をつぶり、そして……。

「あッ、アッ、そこっ、そこ凄いっ! お、兄さんっ、そこが凄い……んんんーーっ!」

 ぴくぴくという下腹部の震えが見る間に激しくなっていく。弱点を教えてくれた姉に徹は嬉々として刺激を与えており、ぎっぎっとソファーが鳴り出した。
 痙攣は全身に伝わって、乳房を、太ももを波打たせる。そして茜は唾液に濡れた唇を開く。

「あ、あ、いく、いくぅ……もうっ、イキますっ、お兄さんっ、わたしっ……!」

 不安なのか姉は両手を伸ばし、すぐに徹は求められていることを悟る。強く二人の指が絡みあい、その途端に貧弱な姉らしからぬ大きな声、そしてビググと裸体を揺らす。
 よほどの衝動があったのかつま先をピンと伸ばしており、薄暗いなか艶めかしく下腹部が蠢く。びくん、びくんと。

 そして、ぜええーーっと大きく呼吸をしてからソファーに身を沈めた。ぱんぱんに張った両の乳房をさらけ出し、ここからも先端を尖らしている様子が分かった。
 だらしない姿を見ても軽蔑はしない。たったいま自分もそうなっているから。

 尚もシャツのあいだで裸体をヒクヒクさせる彼女に、徹は近づく。荒い息をする姉にボソボソと何かを囁くと、姉の両手が彼の首に絡みつき、そして抱き寄せてくる。気のせいか「もう満足したよ」と聞こえた気はしたが、その意味は分からない。

 かぽりと唇の密着する音が聞こえた。
 かすかに粘液に濡れた舌が見え、のるのると絡みあう。
 今のは徹の問いかけを姉が拒絶したように見えた。気持ちよくしてくれた徹への礼だと感じたが真偽は分からない。

 そしてかすかに「それはマズい」という徹の声が聞こえる。だがまたも姉は拒絶した。両足を持ち上げて胴体に絡めると、踵で彼の腰を押す。
 マズいという声がまたも聞こえる。だけど二人の身体は徐々に重ねられていき、のぶっと粘液の絡みあう音がした。

 フーーと茜は仰け反って息を吐き、そしてギッギッとソファーが鳴る。
 う、う、とくぐもった姉の声。朦朧とした頭でもっと気持ちよくなりたいと思ったのか両の太ももを腕で支え、ぐぐっとM字の形に整える。

「と、届くぅぅ……っ!」

 そんな声が聞こえた。お腹まで彼と密着して、ぬ゛っ、ぬ゛っと妙に艶かしい音がして、意味が分からずとも身体の中心に熱が灯るのを感じた。カッと熱が高まって、四肢の感覚が異様なまでに頼りない。決して立ち上がれないと分かるほどに。

 なぜか姉が求めていることが分かる。
 唇を突き出すのは先ほどのキスがとろけそうだったからだ。唇を密着しあい、フーフーと鼻息をしながら舌を舐められる。こんなの気持ちいいに決まっているし、もう一度したくなる。

 彼が太ももを支えてくれると、姉の両手が自由になる。その両手で何をしたい?
 昼間したように、姉は徹を撫でた。なでなでと後頭部に触れ、そして首に絡めて固定する。

「覚えちゃったよ、茜ちゃん。ここがいいんだ。入り口から奥まで、天井をぬるっと擦るのがいいんだ」
「ばっ、ばか……! お兄さんってすごく意地悪。嫌い」

 甘えるような声でそう言いながらも絡む両手は離れない。唇を重ねる音をひとつして、べちっと柔肌が鳴る。

「そっ……こっ……! すご、いぃ……っ!」

 ゆっくりした動きなのに、姉の声がかすれており快楽の高さを物語る。
 ぬっこ、ぬっこ、と卑猥な音が響き始めた。先ほどと違う。これまで徹は愛を囁くような動きだったのに、ここから先は姉が欲しいものを全て与えるような動きだった。

 膣は円形に開き、彼のペニスをみっちりと咥えている。唇と似た厚みがあって、そこをたくましいものが出入りする。
 どっと玉のような汗が流れ始めた。姉と妹の双方に。
 入り口から奥までしつこく同じ場所に刺激を与えてきて、ここが一番気持ちいいんだねと囁いてくる。知ってるくせにと睨むことしかできやしない。

 思わず千夏が下腹部を押さえてみると、ぬるうっと下着に粘液が溢れ出した。これまで体温と同じで気づかなかったが、いつの間にか下着がべったり濡れていた。

「ね、触って。硬くなった乳首を自分の指でクリクリして。ほら、君にならできるから」

 そんなふしだらなことはできないと懸命に首を振る。でも彼は気持ち良い動きを止めてしまい、もう一度同じことを囁いてくる。
 ずるいと思いながら両手を持ち上げて、くりっとつまむ。

 びくんと身体が跳ねた。
 茜と千夏の二人が。
 知らない。こんなことになったことがない。下着の中に指を入れると硬いものがあって、それを触るとビビッと電気に似たものが走る。こんなのビクッとしないわけがない。

 はーー、と息をする姉妹に「ほらね」と徹が囁いてくる。背徳的で官能的で、腰が痺れるような声。
 そして千夏は少しだけ知りたくなる。階段に腰をおろしたまま、ゆっくりと両脚を持ち上げる。そう、今の姉と全く同じ姿勢だ。

 この格好になって気づいたが、下着はしとどに濡れていた。指で触れると、ぢゅっと音がするほどに。

 こんなの……知らない……。

 ふううと息をひとつ吐いてみると、姉と同じ湯気立つような熱を孕んでいた。
 同時にリビングから、ビュッとほとばしるような音がする。ビュッビュッという音はなおも続き、真っ白い粘液を姉の乳房に撒き散らす。

 ぬらぬらと姉の指が塗りたくり、むあ、と乳房から卑猥な匂いがする。男性的で動物的で腰が痺れるような匂いが。たまらず姉は「ふううー」と息を吐いた。

 またそれが千夏の見た初めてのセックスだ。
 己の感度が数十倍に高まってしまい、少女はしばらく起き上がれなかった。
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