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一章
妹と喋ってみよう 3
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「は?」
ダリアの信じられない提案を聞いて初めて声を発したのはローザだった。
金色の猫目をいっぱいに開き、驚いた表情を見せた。
「まあ!!声まで美しいのね!!!素敵だわ!!!」
そう言って、ダリアはローザに抱きつこうとした。
「やめて!!!!」
決して狭くはない部屋にリリーの声が響き渡った。
今度はダリアがびっくりする番だった。ダリアはローザから離れ動きをピタリと止めて、リリーの方を恐る恐る見つめた。
リリーはよろよろとベッドから立ち上がりローザの前に立ちはだかってダリアを睨みあげた。
「お願いだから・・・私からローザまで奪わないで・・・・・・・・・」
声は尻すぼみになりながらも力強かったが、リリーの顔色はますます悪くなっていき、過呼吸を起こしかけている。
ダリアはこんな脆弱な姉に一瞬でも気圧された事実を悟り、怒りで顔を真っ赤にさせた。
「──────っっ何よ!?今のお姉様にはいったい何が出来るって言うの!!?
一日中、ベッドから動けないボロ人形の癖に!!!!」
「私はっ!!『お姉様はお母様が亡くなっただけで何をそんなにウジウジしてるの!?前王妃は政に介入するどころかパーティーにも出れなかったオンボロじゃない!!!!』」
「──────黙れ・・・」
「あら?お怒りなのかしら?だって事実でしょう?」
「お母様を侮辱するのは誰であっても許さない!!!」
──────パキンっ
ベッドサイドテーブルにおいてあったティーカップが割れて、紅茶が漏れた。
リリーは真っ赤な紅茶が血に見えた。
(嗚呼、本当は気付いてたのよ・・・。お母様は先が長くないって・・・でも、それでも・・・気付きたくなかった)
ストンとリリーの心の奥底にある事実が落っこちた気がした。
そうだ、お母様はもういない。どこにもいない。
『永遠の愛』は消えてしまった。
やっと、リリーは母の死を認めれた気がしたのだ。
─────────────────ごぉぉおおおおお!!!!
凄まじい音が鳴り響いたかと思うと、部屋の壁紙が剥がれ、窓ガラスは粉々に砕け散った。
タンスやベッドは宙に浮きぐるぐると部屋を舞い、地響きがしてはビキビキと音を立て床や天井にヒビが入る。
後宮の一角が今まさに、崩れ落ちようとしていた。
「フェネア!!出てこい!!魔力の暴走だ!!!!」
────────────────────────────────✍︎
めっちゃ遅れました。
ごめんなさい“〇| ̄|_
明日も更新できそうですので、頑張ります。
┏○))ペコリ
ダリアの信じられない提案を聞いて初めて声を発したのはローザだった。
金色の猫目をいっぱいに開き、驚いた表情を見せた。
「まあ!!声まで美しいのね!!!素敵だわ!!!」
そう言って、ダリアはローザに抱きつこうとした。
「やめて!!!!」
決して狭くはない部屋にリリーの声が響き渡った。
今度はダリアがびっくりする番だった。ダリアはローザから離れ動きをピタリと止めて、リリーの方を恐る恐る見つめた。
リリーはよろよろとベッドから立ち上がりローザの前に立ちはだかってダリアを睨みあげた。
「お願いだから・・・私からローザまで奪わないで・・・・・・・・・」
声は尻すぼみになりながらも力強かったが、リリーの顔色はますます悪くなっていき、過呼吸を起こしかけている。
ダリアはこんな脆弱な姉に一瞬でも気圧された事実を悟り、怒りで顔を真っ赤にさせた。
「──────っっ何よ!?今のお姉様にはいったい何が出来るって言うの!!?
一日中、ベッドから動けないボロ人形の癖に!!!!」
「私はっ!!『お姉様はお母様が亡くなっただけで何をそんなにウジウジしてるの!?前王妃は政に介入するどころかパーティーにも出れなかったオンボロじゃない!!!!』」
「──────黙れ・・・」
「あら?お怒りなのかしら?だって事実でしょう?」
「お母様を侮辱するのは誰であっても許さない!!!」
──────パキンっ
ベッドサイドテーブルにおいてあったティーカップが割れて、紅茶が漏れた。
リリーは真っ赤な紅茶が血に見えた。
(嗚呼、本当は気付いてたのよ・・・。お母様は先が長くないって・・・でも、それでも・・・気付きたくなかった)
ストンとリリーの心の奥底にある事実が落っこちた気がした。
そうだ、お母様はもういない。どこにもいない。
『永遠の愛』は消えてしまった。
やっと、リリーは母の死を認めれた気がしたのだ。
─────────────────ごぉぉおおおおお!!!!
凄まじい音が鳴り響いたかと思うと、部屋の壁紙が剥がれ、窓ガラスは粉々に砕け散った。
タンスやベッドは宙に浮きぐるぐると部屋を舞い、地響きがしてはビキビキと音を立て床や天井にヒビが入る。
後宮の一角が今まさに、崩れ落ちようとしていた。
「フェネア!!出てこい!!魔力の暴走だ!!!!」
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めっちゃ遅れました。
ごめんなさい“〇| ̄|_
明日も更新できそうですので、頑張ります。
┏○))ペコリ
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