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第5章 神の国を侵略した龍

神の国を侵略した龍 12

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 怪獣の身体は道路上をスライディングするように落ちました。怪獣は飛行するヘロン号を恨めしそうに見て、
「くっそーっ!」
 怪獣が口の中に炎を溜みます。そして思いっきり火焔を吐きました。
「喰らえーっ!」
 その火焔が高くそびえるビルに命中。その瞬間ヘロン号はそのビルの真後ろを飛んでました。火焔はビルを貫通。ヘロン号はその火焔を寸前で交わします。橋本隊員はびっくり。
「おおっと~!」
 その火焔ですが、やはりビルを次々と破壊していきます。数km先まで一直線に業火に包まれました。倉見隊員はそれを見て、唖然。
「くわーっ、なんて火焔なんだよ!」
 橋本隊員が応えました。
「くっそーっ、応戦したくても、残るミサイルはあと2発。上溝、早く来てくれ・・・」

 一方ストーク号ですが、ビルの陰で空中に静止してます。腹からは2本の光を地面に照射してます。エレベーターシャフト代わりの光です。
 その下では寒川隊員が女神隊員の身体を負ぶってます。その背後には隊長がいますが、立ってるだけでもきつそう。今再び転びました。寒川隊員は振り返り、
「隊長!」
「ばかやろーっ! 早く行けっ!」
「しかし・・・」
「早く行くんだよっ!」
 その怒声に促され、寒川隊員は光の中に入りました。隊長も足を引きずりながら、なんとか光の中に入り、浮上しました。

 ヘロン号はまだ怪獣の火焔から逃げ回ってました。と、その上空にストーク2号がぱっと出現しました。それを見て橋本隊員も倉見隊員も笑顔になりました。
「よーし、来たぞ!」

 ストーク2号のコックピット。副操縦席に座ってる海老名隊員が叫びます。
「ロックオン完了!」
 海老名隊員の隣りの席に座ってる上溝隊員が、海老名隊員に命令です。
「ジェイダム爆弾発射ーっ!」
「発射!」
 海老名隊員がコンソールのボタンの1つを押しました。

 ストーク2号の腹のハッチから4つの爆弾が同時に投下されました。それが怪獣の身体に全弾命中。ドカーン! 大きな火花が散り、怪獣が悲鳴を上げました。
「ぐわーっ!
 このーっ、ぶっ殺してやるーっ!」
 怪獣は口の中に炎を溜め込みます。ストーク2号を狙う気です。しかし、上溝隊員は実戦経験があまりありません。そのせいか、ストーク2号は逃げる様子がまったくありません。
 ヘロン号のコックピットの橋本隊員はそれに気づきました。
「ちっ! 上溝あいつ、逃げる気がないのかよ!?・・・」
 怪獣は火焔を吐く寸前に。橋本隊員は手元のボタンの1つを押しました。
「させるかーっ!」
 ヘロン号がミサイルを2発発射。それが怪獣のうなじに命中。ドバーン!
「うぐっ!」
 怪獣は火焔を吐くものの、それは足下にでした。怪獣はその反射熱を思いっきり浴びてしまいました。
「うわっ・・・ くっそーっ!」

 ストーク2号の上溝隊員が再び海老名隊員に命令します。
「バンカーバスター発射!」
「発射ーっ!」
 海老名隊員はコンソールのボタンを再び押しました。

 ストーク2号はまたもや爆弾を4発同時発射。そのすべてが怪獣の身体に突き刺さりました。ワンテンポ置いて大爆発。これはそうとう強烈だったらしく、怪獣は今までにない悲鳴を上げました。
「うぎゃーっ!」
 もうもうとした爆煙が晴れると、そこには怪獣の姿はありませんでした。それを見て橋本隊員は驚きました。
「き、消えた?・・・」

 女はゆっくり眼を醒ましました。怪獣に変身してた女です。今は人間体に戻ってます。
 女は身体のあちらこちらから出血してたようで、全身血だらけになってます。服もボロボロ。
 女はコンクリートのガレキの中に倒れてました。自分が壊した街のガレキです。
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