地球防衛チームテレストリアルガードの都合!? 10章

のどか

文字の大きさ
上 下
3 / 56
第10章 侵略者を撃つな!

侵略者を撃つな! 3

しおりを挟む
 路上。隊長が運転する4ドアセダンが左のウィンカーを出し、路肩に停止しました。
 車内。隊長はスマホを取り出し、寒川隊員を見て、
「ふ、ハンズフリー機能てやつを覚えないといけないかな、オレも?」
 隊長はスマホ(電話)に出ました。
「あ、もしもし、香川だ!」

 テレストリアルガード基地オペレーションルーム。上溝隊員が固定電話の受話器を握ってます。
「隊長。出動要請がありました!」
 4ドアセダン内、運転席の隊長。
「飛行機事故か?」
「はい!」
「わかった。橋本と倉見を派遣させてやってくれ!」
「了解!」
 隊長はスマホの電話を切ると、それをジャケットの腰のポケットに入れました。その隊長に寒川隊員が話しかけました
「すみません。こんな非常時にストリートライヴなんかやってしまって・・・」
「ふふ、何を言う。これは突発的な事故だ。ストリートライヴとはな~んの無関係もないだろ? むしろオレはあんたには感謝したい気分だよ」
 寒川隊員はびっくり。
「え?」
 隊長は横目で後部座席のすみれ隊員を見て、
「なんとしてもこいつを元の黒部すみれに戻してくれ。それが今のお前の任務だ!」
 寒川隊員は笑って、
「えへ、わかってますよ!」
 そして心の中でつぶやきました。
「ほんと隊長は、すみれがかわいいんだな」
 路上の4ドアセダンが走り出しました。

 夜の上空。クレイン号の機影が見えます。下は山間部のようですが、真っ暗で何も見えません。
 クレイン号コックピット。操縦席には橋本隊員と倉見隊員が座ってます。
 その背後、50人ほど座ることができる一般座席はほぼ満席。全員同じユニホーム。同じ装備品。実は彼らは警察のレスキュー部隊。飛行機墜落現場に向かってる途中です。
 クレイン号の行く先に炎が見えてきました。明らかに不自然な炎です。橋本隊員はそれを見て、
「む、あの火は?・・・ どうやらあそこが墜落現場のようだな?」
 そして号令。
「ライトオン!」
 倉見隊員が応えます。
「了解!」
 クレイン号の下部に投光器があり、それが強烈な光を放ちました。光で照らし出された山肌。飛行機と思われる部品が散乱してます。
 コックピットの橋本隊員。
「あ~あ、こりゃまた、ずいぶん激しく散乱してるなあ・・・」
 橋本隊員は倉見隊員を横目で見て、
「おい!」
「はい!」
 倉見隊員は5点式シートベルトを解き、レスキュー部隊の前に立ちました。
「みなさん、墜落現場に到着しました! みなさんにはこれから地上に降りてもらいますが、念のためにもう1度説明します!
 これから使用する光の昇降機は、一度に300kgキロが限界です。その範囲内で昇降してください!」
 レスキュー部隊の隊員が一斉に応えます。
「了解!」

 クレイン号が反重力エンジンを使ってゆっくり降下。そして地上50mくらいで静止。
 クレイン号の腹のハッチが1つ開き、そこから淡い光が地上へ放たれました。その光を使ってレスキュー部隊の隊員が降下していきます。
 基本3人ずつ、大きな装備や機械をもってるグループは2人か1人。ちなみに、ストーク号はこの光の昇降機が2つ付いてますが、クレイン号は1つだけです。
 降下が完全に完了すると次のグループが降り始めます。その中の1人の隊員が眼を丸くしてつぶやきました。
「ど、どういう原理なんだ、こりゃ?・・・」
 隊員たちは地上に降りると、それぞれ探索や救助を開始。それを橋本隊員と倉見隊員がコックピットのモニターで見てます。倉見隊員がつぶやきました。
「ひどいなあ、こいつは・・・」
 橋本隊員はそれに応えるように、
「こいつは生存者はいないんじゃないか?・・・」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

惨劇のアクター

鮫島
SF
2895年、第三次世界大戦が行われた後の地球 一度は絶滅まで追い込まれた人類だったが、とある理由で科学が大幅に飛躍、それにより打ち捨てられた都市は回復し、人類は進化した…それはある一つの技術 人々はそれを「マキナ(舞台装置)」呼ぶ、異次元の能力。 火を操り、水を生み出し、植物を思うように動かす…まさに「神の御業」そのもの 初めは全ての人が歓喜し、それを人類の発展へと役立てた…しかし、必ず大きな力にはそれの犠牲になった者達もいる これは、そんな神の御業で復讐をなすものを取り締まり、捕獲し、収容する… とある国家直属の特務機関13課「アクター(演者)」に所属する存在とアクターに戦争を仕掛ける、復讐者の復讐劇である

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

もうちょっとヒトシと一緒!

ねこにごはん
SF
ヒトシと一緒の続編

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...