【完結】月夜のお茶会

佐倉穂波

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プロローグ

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 昼をべる太陽の国と、夜を統べる月の国。
 二つの国は、親交をはかるため数年に一度式典がもよおされていました。
 今回の開催かいさい国は、月の国です。

 太陽の国のお姫様ひめさまルルは、ほかの式典参加者にまぎれて歩きながら、考えます。
(どうしてわたしに招待状が届いたのかしら……)
 月の国から届けられた招待状は、王様夫妻──つまり、両親てとは別に、ルル個人にも招待状が届いたのです。

 ルルは人見知りです。
 特に知らない場所や、大勢の人が居る場所は苦手でした。

 なので、末のひめであるルルに式典参加は強制されていないので、今回も参加しないはずでした。
(でも、名指しで招待状を頂いてしまったから)
 よほどの理由がなければ、欠席することは失礼にあたるだろうと、ルルはやむ無く式典におもむいたのでした。
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