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翌日、連れて行ってくれたのは鉱山を見下ろすことの出来る山の上だった。
元首邸から直通の転移装置があり、山の上の小さな神殿は驚くほど美しく清浄に保たれている。中にご神体が納まるだけの大きさしかなく、常駐する者もないとのことだったが、毎日人が来て清掃をしているらしかった。
両開きの扉には魔法の鍵がかかっており、開けられる者は直系の元首一族のみであるという。
「ここは…?」
「我が国が、君の国を除いて唯一魔虹石を産出していることは知っているかい?」
扉に手をかざし、鍵を開けるべく魔力を流しながらリオンに問われ、エレミアは頷いた。
「九割我が国、一割この国、と聞いているわね」
「三百年前、ここで魔虹石を見つけた先祖が商業国家ファーガスを興したと言われている。…君の所の建国記に似ていると思わないか?」
「…そうね、そう言われればそうかもしれないわね」
「ところで魔虹石は何から出来ていると思う?」
「え?…何から…?」
「開いた。さ、中を見てごらん」
「……」
観音開きの扉の中には、広さにして六畳程の白い空間の真ん中に、各国の結界の儀式で見たのと同じような祭壇があり、やはり大きな魔虹石が輝いていた。
驚きに目を瞠るエレミアを横目で見やり、リオンはにやりと笑む。
「これに魔力を流し込む儀式は、百年に一度程度だな。…君の国の祭壇に魔力を流し込む儀式は?」
「…王宮にあるという祭壇のこと?それなら…公爵家の四代に一度、だいたい百年前後かしら?」
「似ていると思わないか?」
「ええ…リオン兄様、何か知っているの?」
「エレミア、実はここの儀式は君にやって欲しいと思ってるんだ」
「わたくしに?」
「俺の魔力は今回、出来れば温存しておきたくてな」
「どういうことかしら?」
首を傾げるエレミアに笑みを向け、リオンは魔虹石へと視線を移す。
「魔虹石は元々、この大陸にいた魔王が、自分の魔力を効率良く使う為に創り出した物でな」
「…そうなの…?初めて聞いた…」
「魔王はこの大陸を治める為、神に創られた」
「え…っ」
「この大陸にとっての神は、いわば魔王というわけだ。魔王は勤勉だったが、働けど働けど自分の仕事は楽にならない。仕事をさせる為に創った魔族は親に逆らいこそしないものの、自分勝手に生きている。魔獣はそこらに跋扈していて、ダンジョンという仕組みを作るまでは試行錯誤を繰り返した」
「…リオン兄様…?」
今、この世界に関わる重大な情報を聞いている。
エレミアは知らず背筋を伸ばした。
「何らかの器に魔力を貯め、結界装置として使おうと考えたのは名案だった。それまでは維持管理の為に毎日ダンジョンを回り、大陸中を回り、魔族の脅威になりそうな魔獣を退治して回っていた。そんな毎日に疲れ果て、魔虹石を創ろうと思い至ったわけだ」
「…魔王って、苦労人だったのね…」
「そう思うだろう?」
「でもどうしてそんなことを知っているの?」
問うてみるが、リオンはただ静かに笑うのみだった。
祭壇の魔虹石はまだ光り輝いており、すぐに儀式が必要な様子はない。
目を細めてそれを眺めながら、リオンは再び口を開く。
「ただ魔王が創り出した物だ、魔王がいなくなってしまえば、誰も創ることが出来なくなる。仮に誰かが見つけたとしても、埋蔵量などたかが知れている。あっという間に取り尽くされて終わるだろう。だが消えないよう、維持し続けることを可能にしたのが、君のご先祖様さ」
「…初代の…龍?」
「そう。魔虹石自体を媒介にして、特別な魔力を流すことで魔王と同じ、魔虹石を創ることを可能にした」
「…それって…」
「四代に一度、王宮で行う儀式とは、そういう意味があった」
「……」
エレミアは絶句するしかない。
ならば、儀式を行わないあの国の魔虹石は。
そして、この国の魔虹石を維持する魔力は。
リオンを見れば、美しくも妖しい笑みを浮かべてただエレミアを見つめている。
「…リオン兄様、その話はどこから…?」
どこか得体の知れない存在のように見えたのは一瞬で、すぐに男はいつも通りに優しく笑んだ。
「という話を、信じるか?」
かくりと首を傾げて問われ、エレミアは目を瞬かせた。
「……」
「魔王云々の話はさておき、百年に一度程度儀式が必要だというのは本当さ。ここの魔虹石に魔力を注ぐのは、俺がやるつもり…ではあったんだが、エレミアが婚約破棄するだろうと思っていたからな」
「…どういうこと?」
「王家に嫁がないならその魔力をこちらに使ってもらおうと思っていたが、万が一のこともあるからな。いや、危なかった。時間的にはギリギリだったな。卒業と同時に婚姻と聞いていたからどうしようかと。もしそのまま嫁いでしまったら、俺がやるつもりだった」
「…わたくしが婚約破棄を希望するかもしれないって、思っていたの?」
「俺だけじゃないぞ。君の家族はずっと様子を窺っていた」
「そうなの?」
「エレミアの本心が、王太子を愛していると言うのなら、公爵家はエレミアの為に王国での権威を取り戻そうと決めていた。だがもし愛していない、結婚をやめたいと言うのなら、あの国を捨てようと」
「…そんな素振り、一度も…」
「言っただろう?時間的にギリギリだったと。そろそろ動かなければ、と言っていた矢先だった。エレミアが先に切り出してくれて、良かったと言っていたぞ」
「…そんなの、知らなかったわ…」
自分の気持ちを言っていいなんて。
結婚したくないと、言って良かったなんて。
全て諦めてしまっていたから、思いつきもしなかった。
問われていたらおそらく、今ある結果は同じにはなっていただろうけれども、あの日前世の記憶を思い出していなかったら、ここまで割り切った気持ちでいられただろうか。
後ろ髪を引かれるような思いと、解放されたという思いを抱え、清々しさとは縁遠い生活を送っていたかも知れない。
「エレミアの家族を含め、俺達は賭けに勝ったというやつだな」
再び扉を閉め、魔法で鍵をかけながらリオンは呟いた。
「初代からの呪いのようで申し訳ないんだが、まだこの世界に魔虹石は必要なんだ。百年前…先代の虹の瞳の令嬢の件以来、公爵家はずっと機会を窺っていた。魔虹石がなくとも回る世界を作ろうと努力し、各国も協力してきたが、まだ不要とまではなっていない。君が嫌でなければ、この国の魔虹石創りに協力して欲しいんだ」
「…それはもちろん、構わないわ。元々あの国でやることだったのだし、わたくしの力が必要だと言うのなら喜んで」
「ありがとう」
「…でもこの国の魔虹石は、どうして…?」
「ここは元々、誰も来ない山の中だろう?」
「ええ、そうね」
「魔王が最初に魔虹石を創ったのはここなのさ」
「えっ」
「使える形になったから、魔王城の近くに本格的な鉱山を作った。それだけの話だ」
「……」
今日は驚くことばかりだと思う。
何故そんなことを知っているのだろうと思うし、その話を知っているのはどこまでの親族なのだろうとも思う。
呆然とするエレミアの手を取り、リオンは踵を返して歩き出す。
「ここは冷えるだろう。屋敷に戻ろう」
「…ええ…」
「そうそう、俺の魔力はこの国のダンジョンの維持管理に使ったり」
思い出したような呟きに視線をやると、こちらを向いて微笑んだ。
今までに見たことのない、熱く何かを訴えるような視線だった。
「エレミアの憂いを断つ為に使うつもりだ」
「……」
憂いを断つ、とは何をするつもりなのだろう。
そして彼の言う「魔力」とは、おそらく魔法を使う為の力ではなく、「魂の力」とでも呼ぶべき、生命力を削るものであろうと推測する。
それは本来エレミアも、王太子と結婚をした暁には、儀式で注ぎ込むはずだった力と同じものだろうと推測できた。
エレミアの膨大な魔力は、注ぎ込む力を魔力で補う為の物である。
四代に一度の儀式は、リオンが解き明かしたように魔虹石を創り出す物なのだとしたら、そりゃぁ初代の加護を受けた者でなければ無理だろう、と納得する。
並の人間に、魔王や龍と同じことが出来るはずがないのだった。
隣でエスコートしてくれる男を見上げれば、視線が返る。
ではこの国で儀式を行う予定だったというこの男は、一体何者なのだろう。
「午後からは、映写機に興味を持ってくれている劇場に行こうか」
「ええ、楽しみね」
聞いていいものか、迷う。
「またいくつか試作品を見て欲しいとマークから連絡が来ていたぞ」
「それも楽しみね。公爵家に集まるのでいいのかしら」
「あそこが一番気楽に集まれるからな。明日にでも、と連絡しておくか」
「ええ」
いつかタイミングを見て、聞いてみたいと思うのだった。
元首邸から直通の転移装置があり、山の上の小さな神殿は驚くほど美しく清浄に保たれている。中にご神体が納まるだけの大きさしかなく、常駐する者もないとのことだったが、毎日人が来て清掃をしているらしかった。
両開きの扉には魔法の鍵がかかっており、開けられる者は直系の元首一族のみであるという。
「ここは…?」
「我が国が、君の国を除いて唯一魔虹石を産出していることは知っているかい?」
扉に手をかざし、鍵を開けるべく魔力を流しながらリオンに問われ、エレミアは頷いた。
「九割我が国、一割この国、と聞いているわね」
「三百年前、ここで魔虹石を見つけた先祖が商業国家ファーガスを興したと言われている。…君の所の建国記に似ていると思わないか?」
「…そうね、そう言われればそうかもしれないわね」
「ところで魔虹石は何から出来ていると思う?」
「え?…何から…?」
「開いた。さ、中を見てごらん」
「……」
観音開きの扉の中には、広さにして六畳程の白い空間の真ん中に、各国の結界の儀式で見たのと同じような祭壇があり、やはり大きな魔虹石が輝いていた。
驚きに目を瞠るエレミアを横目で見やり、リオンはにやりと笑む。
「これに魔力を流し込む儀式は、百年に一度程度だな。…君の国の祭壇に魔力を流し込む儀式は?」
「…王宮にあるという祭壇のこと?それなら…公爵家の四代に一度、だいたい百年前後かしら?」
「似ていると思わないか?」
「ええ…リオン兄様、何か知っているの?」
「エレミア、実はここの儀式は君にやって欲しいと思ってるんだ」
「わたくしに?」
「俺の魔力は今回、出来れば温存しておきたくてな」
「どういうことかしら?」
首を傾げるエレミアに笑みを向け、リオンは魔虹石へと視線を移す。
「魔虹石は元々、この大陸にいた魔王が、自分の魔力を効率良く使う為に創り出した物でな」
「…そうなの…?初めて聞いた…」
「魔王はこの大陸を治める為、神に創られた」
「え…っ」
「この大陸にとっての神は、いわば魔王というわけだ。魔王は勤勉だったが、働けど働けど自分の仕事は楽にならない。仕事をさせる為に創った魔族は親に逆らいこそしないものの、自分勝手に生きている。魔獣はそこらに跋扈していて、ダンジョンという仕組みを作るまでは試行錯誤を繰り返した」
「…リオン兄様…?」
今、この世界に関わる重大な情報を聞いている。
エレミアは知らず背筋を伸ばした。
「何らかの器に魔力を貯め、結界装置として使おうと考えたのは名案だった。それまでは維持管理の為に毎日ダンジョンを回り、大陸中を回り、魔族の脅威になりそうな魔獣を退治して回っていた。そんな毎日に疲れ果て、魔虹石を創ろうと思い至ったわけだ」
「…魔王って、苦労人だったのね…」
「そう思うだろう?」
「でもどうしてそんなことを知っているの?」
問うてみるが、リオンはただ静かに笑うのみだった。
祭壇の魔虹石はまだ光り輝いており、すぐに儀式が必要な様子はない。
目を細めてそれを眺めながら、リオンは再び口を開く。
「ただ魔王が創り出した物だ、魔王がいなくなってしまえば、誰も創ることが出来なくなる。仮に誰かが見つけたとしても、埋蔵量などたかが知れている。あっという間に取り尽くされて終わるだろう。だが消えないよう、維持し続けることを可能にしたのが、君のご先祖様さ」
「…初代の…龍?」
「そう。魔虹石自体を媒介にして、特別な魔力を流すことで魔王と同じ、魔虹石を創ることを可能にした」
「…それって…」
「四代に一度、王宮で行う儀式とは、そういう意味があった」
「……」
エレミアは絶句するしかない。
ならば、儀式を行わないあの国の魔虹石は。
そして、この国の魔虹石を維持する魔力は。
リオンを見れば、美しくも妖しい笑みを浮かべてただエレミアを見つめている。
「…リオン兄様、その話はどこから…?」
どこか得体の知れない存在のように見えたのは一瞬で、すぐに男はいつも通りに優しく笑んだ。
「という話を、信じるか?」
かくりと首を傾げて問われ、エレミアは目を瞬かせた。
「……」
「魔王云々の話はさておき、百年に一度程度儀式が必要だというのは本当さ。ここの魔虹石に魔力を注ぐのは、俺がやるつもり…ではあったんだが、エレミアが婚約破棄するだろうと思っていたからな」
「…どういうこと?」
「王家に嫁がないならその魔力をこちらに使ってもらおうと思っていたが、万が一のこともあるからな。いや、危なかった。時間的にはギリギリだったな。卒業と同時に婚姻と聞いていたからどうしようかと。もしそのまま嫁いでしまったら、俺がやるつもりだった」
「…わたくしが婚約破棄を希望するかもしれないって、思っていたの?」
「俺だけじゃないぞ。君の家族はずっと様子を窺っていた」
「そうなの?」
「エレミアの本心が、王太子を愛していると言うのなら、公爵家はエレミアの為に王国での権威を取り戻そうと決めていた。だがもし愛していない、結婚をやめたいと言うのなら、あの国を捨てようと」
「…そんな素振り、一度も…」
「言っただろう?時間的にギリギリだったと。そろそろ動かなければ、と言っていた矢先だった。エレミアが先に切り出してくれて、良かったと言っていたぞ」
「…そんなの、知らなかったわ…」
自分の気持ちを言っていいなんて。
結婚したくないと、言って良かったなんて。
全て諦めてしまっていたから、思いつきもしなかった。
問われていたらおそらく、今ある結果は同じにはなっていただろうけれども、あの日前世の記憶を思い出していなかったら、ここまで割り切った気持ちでいられただろうか。
後ろ髪を引かれるような思いと、解放されたという思いを抱え、清々しさとは縁遠い生活を送っていたかも知れない。
「エレミアの家族を含め、俺達は賭けに勝ったというやつだな」
再び扉を閉め、魔法で鍵をかけながらリオンは呟いた。
「初代からの呪いのようで申し訳ないんだが、まだこの世界に魔虹石は必要なんだ。百年前…先代の虹の瞳の令嬢の件以来、公爵家はずっと機会を窺っていた。魔虹石がなくとも回る世界を作ろうと努力し、各国も協力してきたが、まだ不要とまではなっていない。君が嫌でなければ、この国の魔虹石創りに協力して欲しいんだ」
「…それはもちろん、構わないわ。元々あの国でやることだったのだし、わたくしの力が必要だと言うのなら喜んで」
「ありがとう」
「…でもこの国の魔虹石は、どうして…?」
「ここは元々、誰も来ない山の中だろう?」
「ええ、そうね」
「魔王が最初に魔虹石を創ったのはここなのさ」
「えっ」
「使える形になったから、魔王城の近くに本格的な鉱山を作った。それだけの話だ」
「……」
今日は驚くことばかりだと思う。
何故そんなことを知っているのだろうと思うし、その話を知っているのはどこまでの親族なのだろうとも思う。
呆然とするエレミアの手を取り、リオンは踵を返して歩き出す。
「ここは冷えるだろう。屋敷に戻ろう」
「…ええ…」
「そうそう、俺の魔力はこの国のダンジョンの維持管理に使ったり」
思い出したような呟きに視線をやると、こちらを向いて微笑んだ。
今までに見たことのない、熱く何かを訴えるような視線だった。
「エレミアの憂いを断つ為に使うつもりだ」
「……」
憂いを断つ、とは何をするつもりなのだろう。
そして彼の言う「魔力」とは、おそらく魔法を使う為の力ではなく、「魂の力」とでも呼ぶべき、生命力を削るものであろうと推測する。
それは本来エレミアも、王太子と結婚をした暁には、儀式で注ぎ込むはずだった力と同じものだろうと推測できた。
エレミアの膨大な魔力は、注ぎ込む力を魔力で補う為の物である。
四代に一度の儀式は、リオンが解き明かしたように魔虹石を創り出す物なのだとしたら、そりゃぁ初代の加護を受けた者でなければ無理だろう、と納得する。
並の人間に、魔王や龍と同じことが出来るはずがないのだった。
隣でエスコートしてくれる男を見上げれば、視線が返る。
ではこの国で儀式を行う予定だったというこの男は、一体何者なのだろう。
「午後からは、映写機に興味を持ってくれている劇場に行こうか」
「ええ、楽しみね」
聞いていいものか、迷う。
「またいくつか試作品を見て欲しいとマークから連絡が来ていたぞ」
「それも楽しみね。公爵家に集まるのでいいのかしら」
「あそこが一番気楽に集まれるからな。明日にでも、と連絡しておくか」
「ええ」
いつかタイミングを見て、聞いてみたいと思うのだった。
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