あたるくんの食事事情

よしゆき

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19 (今井・上原)

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 その日の放課後、日直だった真は担任に雑用を頼まれた。

「この資料、準備室まで運んでくれ」
「わかりました」

 これから職員会議があるという担任に高く積み重なった資料を渡され、真は科学準備室へと向かう。
 重いので落とさないよう慎重に廊下を歩いていると、上原と遭遇した。

「どこまで運ぶんだ? 手伝うぞ」
「えっ、あっ、ありがとう……」

 上原にひょいっと半分以上資料を取り上げられる。

「上原くん、そんなに持たなくていいよ? 僕の仕事なのに……。重くない? 大丈夫?」
「ああ。気にするな。俺が真に重いものを持たせたくないだけだから」
「あっ、ありがとう……」

 恥ずかしさで声が上擦る。
 そういうセリフは真ではなく女の子に言ってほしい。冗談ではなく真顔で言ってくるのだから、余計にどぎまぎしてしまう。
 上原と連れ立って科学室へとやって来た。
 科学室を通って準備室に入り、持ってきた資料を机に置く。

「手伝ってくれてありがとう、上原くん」
「ああ」

 準備室から科学室へ戻る。ドアに向かって足を進める途中、並んだ机の間になにかが見えた気がした。ふと歩みを止めてそちらへ顔を向けると、そこにあったのは二本の足だった。

「んひゃあ!?」

 真は飛び上がり、傍にいた上原に抱きつく。

「どうした、真?」
「ううう上原くん! あそこにし、しし、したぃ……」
「うるっせ……なんだよ……」

 足の方から声が聞こえてきた。しかもとても聞き覚えのある声だ。

「い、今井くん……?」

 机の影から姿を見せたのは今井だった。あくびをしながら立ち上がる彼の様子から、どうやら寝ていたようだ。

「教室にいないと思ったら、ここでサボってたのか?」
「ここ鍵壊れてるから、授業ないときは好きに入れるだろ」

 上原の言葉に答えながら、今井が近づいてくる。
 真はバクバクする心臓を宥めた。死体が転がっているのかと思ったのだ。
 胸を撫で下ろす真を見て、今井は不機嫌そうに眉を顰めた。

「てか真、お前なんで上原に抱きついてんだよ」
「えっ、あっ、ご、ごめん……っ」

 指摘され、自分ががっつり正面から上原に抱きついていることに気づいた。
 慌てて離れようとするが、それを上原に止められる。

「離れなくていい。可愛いから、そのまま抱きついてろ」
「ええっ、あっ、うぅ……」

 ぎゅうっと上原に抱き締められ、真は頬を紅潮させる。

「う、上原く……」
「嫌か?」
「ぃ、嫌じゃ、ない、けど……っ」

 もっとすごいことを散々してきたのだが、正気の状態でこんなことをされるとどうしていいかわからず狼狽えてしまう。心臓が高鳴り、顔に熱が上っていく。

「顔、真っ赤だな」
「あ、う……」
「可愛い」

 うっとりとした双眸で見下ろされると、ドキドキして、変な気持ちになってくる。

「なにしてんだ、上原ッ」
「真を抱き締めてる」
「放せよッ」
「やだ」

 今井に怒鳴られても上原は意に介さず、真を抱き締め頬擦りする。

「上原くん、は、恥ずかしいよ……」
「ああ。可愛いな」

 会話は噛み合わず、頬に手を添えられ上向かされる。
 抵抗する間もなくキスをされた。唇が触れ合う感触に、更に心臓が鼓動を速める。
 唇を食まれ、ぬるりと舌を這わされると、真は無意識に口を開いていた。隙間から上原の舌が侵入してくる。

「んっ、ふぅん……っ」

 動き回る上原の舌に口の中を明け渡すように、真の体から力が抜けていく。
 徐々に甘い香りが漂いはじめる。
 その精気の甘い匂いに酔ったように瞳がとろんと潤んだ。
 もっと味わいたくて、真は自分からも舌を伸ばし上原とのキスに夢中になっていると。

「おいこらお前らッ」

 突然後ろから襟首を引っ張られた。

「邪魔するなよ、今井」
「うるせーッ、俺の存在無視してイチャついてんなよッ」

 イライラとした様子で喚く今井は、キスでぼうっとなっていた真の顔を自分の方へと向けさせる。

「今井、く……」
「上原にキスされて、ンな顔しやがって」
「ンンッ……」

 噛みつく勢いで今井に唇を塞がれる。実際軽くだが歯を立てられた。
 甘やかすような上原のキスとは違う、貪るような今井のキスにくらくらする。音を立てて舌を吸われ、呼吸すら奪われる。

「んっふぁっ、んっんんぅっ」

 くぐもった声を漏らし、激しい口づけに必死に応える。
 ぶるぶると足が震え、そんな真を机に腰をかけた上原が支えた。

「んっんっ、はぁっ、ぁっ、はあぁっ……」
「ははっ、スゲー顔」

 唇を離され、真は荒い呼吸を繰り返す。
 頬を赤らめ、だらしなく開いた唇は唾液でべとべとだ。そんな真の顔を、情欲を帯びた今井の双眸が見つめている。
 どんどん甘い匂いが濃くなり、真の理性は溶けていく。

「そんなに気持ちよかったのか?」
「ん……きす、きもちい……」

 揶揄うように尋ねられ、真は素直に頷く。
 すると再び上原に抱き締められキスをされた。

「可愛い、真……」
「んむっ、んんっ……」
「おいこら、上原ッ」

 今井の怒声など無視し、上原は真の唇を味わうようにキスを繰り返す。

「気持ちいいか、真?」
「んっ、きもちぃ、ンッ、は、んーっ」

 上原の舌に口腔内を舐め回され、真はうっとりとキスに酔いしれる。

「くそ……ッ」

 悪態を吐き、後ろから今井が手を伸ばしてきた。シャツの裾から手を入れられ、直接肌をまさぐられる。
 キスだけで感じて、ぷくりと膨らみかけていた乳首を指が掠め、真はビクッと肩を竦めた。

「ンッ、ふぁっんっうぅんっ……」
「っは、少し弄っただけでコリコリにしやがって」
「んっんっんっ、ぁっ、ん~~っ」

 びくっびくっと跳ねる真の反応を楽しむように、今井の指が胸の突起を嬲る。根元をすりすりと撫で回し、つんと尖った乳頭をくりくりと捏ね、弾く。
 与えられる快楽に溢れる嬌声はキスに飲み込まれた。

「はっ、ぁっ、ンッ、うっんっんんっ」
「気持ちいいのかよ? なぁ、真?」

 赤く染まった耳をねぶりながら、今井が囁く。熱い吐息が吹き込まれ、ぞくぞくっと背筋が震えた。
 上原と舌を絡め合い、今井に耳を舐め上げられ乳首を弄り回される。

「ふっ、んっんっんっ、ん゛ううぅぅんっ」

 快感が背筋を駆け上がり、大きく胴震いする。

「真、お前今、軽くイッたのか?」
「ンッ、はっ、ぁンッんっ」

 胸を弄っていた今井の手が、するりと下へ下がっていく。下腹を撫でられ、それだけでびくびくっと過敏に反応してしまう。
 ズボンと下着を下ろされると、濡れそぼったぺニスが露になった。

「はは、ぐちょぐちょじゃねーか」
「んんぅっ」
「こっちも、濡れてヒクヒクしてるし」
「はんっ……んうぅっ」

 蜜を漏らす後孔をなぞられると、くちゅりと濡れた音が鳴った。そこは刺激を求めくぱくぱと浅ましく口を開閉させ、今井の指を咥え込もうとしていた。

「ほんとエロいな。自分から、俺の指入れようとしてんじゃねーか」

 興奮に上擦る今井の声が耳にかかり、真もまた気持ちを昂らせた。
 催促するように腰が動いてしまう。入れて、入れて、とねだるように。

「っは……そんな、ほしいのかよ」
「んっんっぅんんっ」

 キスで口を塞がれながら、必死に肯定する。
 すると、ぐちゅぅっと指を挿入された。

「ンッ、んーっ」
「すげ……ぬるぬるだな」

 肉筒がちゅうちゅうと今井の指にしゃぶりついた。
 ぬちゅぬちゅと卑猥な音を立て、敏感な箇所を擦られる。

「んんーっ、ぁっ、はっ、ぁうんっんっんんっ」
「一本じゃ全然足りねーって感じだな」
「ぅんんんぅうっ、んんっんっ、ンンッ」
「どんどん入ってく……。中の締め付けヤベ……」
「ふぅうっんっんっんっんっ、はんぅっ」

 指を増やされ、中を掻き回される。
 後孔への刺激に意識を向けていると、上原にぢゅるぢゅると舌を吸われた。今度は上原の手がシャツの中に滑り込み、じんじんと熱を持つ乳首を柔らかく押し潰される。

「んっ、ふっ、ンンッ、ん────っ」

 ぬるぬると舌を擦り合わせ、乳首をカリカリと優しく引っ掛かれる。
 耳の中に舌を差し込まれ、後孔に埋め込まれた三本の指で前立腺をぐりゅぐりゅと捏ねるように擦られて。
 快楽に目の前がチカチカした。
 耐えることもできず、真は絶頂を迎える。

「イッたのか? 中、スゲー痙攣してんぞ」
「んっ、はっあっ、ぁんっ、んっ」

 気持ちいいけれど、真の体は快感を得るだけでは満足できない。
 充満する甘い匂いに陶酔し、真は後孔をぎゅうぎゅうと締め付けた。もっと奥まで、いっぱいに満たしてほしいと体が求めていた。

「指じゃ足りねーって? だよな、お前はチンコ欲しいんだよな?」
「ぅんっ、んっんっ」
「はは、ぎゅうぎゅう締め付けやがって……。欲しいんなら緩めろよ。指抜けねーだろ」
「んっふっ、うううぅんっ」

 ずりずりと内壁を擦りながら、指が引き抜かれていく。
 くぱりと口を開け、物欲しげにひくつく後孔にぐりぐりと熱塊が押し付けられた。

「んっんっ、ぁんんっんっんぅっ」
「腰振って、チンコ媚びてんのかよ。ほんと、エロいよな、お前……っ」
「はんっ、ンッ、うっ、んうぅ~~~~っ」
「っ、力、抜けって、入んねー、だ、ろッ」
「んぐっうっ、ん────っ」

 きゅうきゅうと絡み付く肉壁を掻き分け、ずぶんっと剛直が突き入れられる。前立腺を擦り上げ内奥を抉られ、真は全身を駆け抜ける快楽に身悶えた。

「く、ふぅうんっんっ、ンンッ」
「はっ……中どろどろだな……。熱くて、キツ……チンコにめちゃくちゃ絡み付いてくる……っ」
「ぁンッ、んっんっはぁぅんんんんっ」
「っ、っ、つーか上原ッ、テメーいつまでキスしてんだ!?」

 今井が痺れを切らしたように怒声を上げた。
 声が腹に響いて、真は中を締め付けながら身を震わせる。
 うるさく文句を言われ、上原は渋々といった様子で唇を離した。
 ずっとキスをされていたせいで、真の唇は腫れたように赤く染まっていた。唾液に濡れ卑猥に光る真の唇を、名残惜しむように上原がねぶる。

「上原ッ」
「羨ましいのか、今井?」
「はああ!? ンなわけねーだろッ」
「なら邪魔するなよ」
「目の前でいつまでもキスされたら不愉快なんだよ!」
「見なければいいだろう」
「目に入るんだっつーのッ」

 二人が言い合っている間に、真の上半身がずるずると下がっていった。真の顔が、机に腰をかける上原の股間にくる。
 そこはズボンの上からでもわかるほどに膨らんでいた。真はとろんと瞳を潤ませ、上原の陰茎に頬擦りする。すりすりと頬を擦り寄せ、すんすんと匂いを嗅ぐ。
 上原はそれを止めることなく、真の頭を優しく撫でた。

「可愛いな、真。犬みたいだ。可愛い。すごく可愛い」

 真顔で、熱を帯びた上原の瞳がじっと真を見下ろしてくる。
 どっと甘い匂いが濃くなり、真の思考は蕩けた。

「上原く……ほし、ほしいの、上原くんの、おちんちん、口に、入れたい……」

 ちゅうちゅうと後孔に咥え込んだ剛直をしゃぶりながら、真はねだった。
 両手でぐっと腰を掴んだ今井が、ずんっと最奥を突き上げる。

「んひぁああぁ……」
「お、まえっ、俺のチンコじゃ足りないっつーのかよッ、ああっ?」
「ひアッあっあっああぁっ、ごめ、なひゃぃっ、いっぱい、おちんち、ほしがってぇっ、あっあっひっひうぅっ、い、いんらんでごめ、なさぁっぁああっ、あっあっあンンッ」
「謝る必要ないぞ、真。俺は今のままのお前が可愛い。好きなだけ欲しがっていいからな」
「甘やかすな、上原ッ」
「今井のことは無視しろよ、真。……ほら、口に入れていいぞ」

 上原は取り出した性器をだらしなく開いた真の口へと近づける。
 上原に頭を撫でられながら、真は好物にしゃぶりつくようにそれを口に含んだ。
 今井に怒られ、上原に甘やかされ、快楽に揉みくちゃにされる。
 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅっと後孔に挿入された剛直を、何度も激しく出し入れされた。ごりごりと、雁で前立腺を押し潰すように擦られる。
 強烈な快感に、真のぺニスからぴゅっぴゅっと精液が飛散する。
 絶頂を迎えては更なる快楽に襲われ、終わらない快楽の責め苦に真は耽溺した。
 胎内を奥深くまで犯されながら、真は上原の陰茎を口いっぱいに頬張る。
 口の粘膜を硬い肉棒に擦られる快感に夢中になり、ちゅぱちゅぱと吸い付きぺろぺろと舌を這わせて存分に味わう。

「はあっ……可愛いな。そんなにいっぱい口に咥えて……。美味しいか?」
「ぅンッ、んっんっふっぅううんっ」
「真は、俺のチンコの方が好きだろっ、ほら、奥まで突っ込まれて、ぎゅうぎゅう締め付けやがって……っ」
「んぐっ、うっ、んんんんーっ」
「っ、一生懸命吸い付いてくるな、真……。俺の精液欲しいのか?」
「んっんっんっんうぅっ」
「欲しいのは、俺のだろッ、めちゃくちゃ俺のチンコ扱いてッ……奥に、出してほしいんだろ……ッ」
「っ~~~~、ンッ、ぅんんんっんっ」

 堪らなく気持ちよくて、精気の甘い匂いに酔わされ、頭がくらくらした。
 今井にごちゅっごちゅっと亀頭で最奥を貫かれ、肉筒が蠕動し剛直に絡み付く。激しい律動に肉のぶつかる音と真の漏らした蜜の粘着音が結合部から響いた。
 後孔で今井のものをきつく締め付けながら、口に咥えた上原の陰茎を喉の奥まで迎え入れる。ごきゅっと喉を鳴らして亀頭を扱き、口を窄めて吸い上げる。
 興奮の滲む手付きで、上原が真の頭や頬を撫で回した。

「んくぅっ、ふうぅっンッンッんんっ」
「っく、そ、出る……ッ」
「んっんっんっううぅう~~~~っ」

 一際激しく揺さぶられ、ぐぽっと最奥を抉った剛直が精液を吐き出した。どぷどぷどぷっと体液を注がれ、真は精気の美味しさと快楽に陶然となる。
 ぎゅうぅっと直腸を締め付けながら、真もまた絶頂を迎えた。
 頭がぽわぽわして、口に含んだ上原の陰茎を上手く刺激できなくなる。
 真は一度口から出して、唾液に濡れたそれに頬を擦り寄せた。

「んはぁっ、ンッ、上原くん、おねがい、口に出して、僕の口の中に、出してぇ……」
「可愛い。真のおねだりは可愛いな」

 上原は真顔で真の頬を掻き撫でる。

「上原く……」
「わかった。ほら、真の口で扱かせて」
「あンッ、んっ」

 口を開けば肉棒を差し込まれた。
 頭を押さえられ、前後に動かされる。じゅぼっじゅぼっと剛直が出し入れされ、口の中を犯される快感に真はぶるりと震えた。
 唇でぢゅうぢゅうと吸い付き、舌で括れや裏筋を擦る。

「っ……気持ちいいよ、真」
「ふぅっンッ、んんっ、んぅっ」
「っは……出そう、だ……出すぞ、真……っ」
「ンンッ、んっんっんっんっ────っ」

 ぐっと頭を掴まれ、口の中で上原の熱が弾けた。
 びゅっびゅっと吐き出されるそれを、真は嬉々として喉に流し込む。鈴口にちゅうちゅうと吸い付き、最後の一滴まで味わい尽くした。

「ふぁっ、はっ、はぁっ……あ、ありがとぉ……」

 ふにゃりと頬を緩めれば、上原にぐいっと上半身を引き寄せられた。

「う、上原く……?」
「可愛い。その顔、すごく可愛い」
「へぁ? あ、ンンッ、んっんっんーっ」

 ぼうっとしていると、再び唇を塞がれた。舌を引き出され、ちゅぱちゅぱと上原の唇で扱かれる。

「上原、てめ、いい加減にしろっつのッ」
「ンぁ……っ」

 甘く濃厚なキスにとろんとしていると、今井に強引に引き剥がされた。

「真、お前も簡単にキスさせてんなッ」
「は、はひ……?」

 顎を掴まれ今井の方へ顔を向けさせられる。
 不機嫌をあらわにした彼の顔が近づいてくる。
 唇が触れそうになったところで、上原が言った。

「いいのか、今井」
「ああ?」
「真、今、俺の咥えてたんだぞ」
「っ……」
「精液も飲んだぞ」
「っ、っ……」

 葛藤するように今井の顔が歪む。そして葛藤の末、

「知るかンなことッ」
「んむぅっ」

 ぶつかるような勢いで唇を重ねられた。侵入してきた舌が、上原の匂いを上書きするかのように口腔内を蹂躙する。

「んっんっんっんんーっ」

 口の中を舌でぐちゃぐちゃに犯される。
 流し込まれる唾液を、真は夢中になって啜った。
 埋め込まれたままの今井の剛直が、徐々に体積を増していく。
 気持ちよくて美味しくて、もっともっと欲しくなる。
 糸を引きながら離れていく唇を、名残惜しく追いかけてしまう。

「ぁっ、んっ……いまいく……もっと……っ」
「っ……」

 今井がごくりと喉を鳴らした瞬間。

「可愛い」

 上原がぎゅううぅっと真を抱き締めた。

「上原ッ、なに割り込んできてんだよッ」
「お前も邪魔しただろ。それに、今のは真が可愛いから仕方ない」
「放せよッ」
「やだ」

 時折そんな言い合いを聞きながら、二人から競い合うようにこれでもかと快楽を与えられることになった。




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