あたるくんの食事事情

よしゆき

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14 夏休み① (佐野・上原)

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 夏休み直前のある日のこと。
 真は麻雀部の部室に来ていた。今井と佐野と上原も揃っていて、他愛もない話をしていた。
 殆ど聞き役に徹していた真に、不意に佐野が言ったのだ。

「真ちゃん、夏休み、一緒に海に行こうよ」

 と。
 そして真は、佐野と上原と海に行くことになった。
 今井はバイトで来れないらしい。「テメー、わざと俺がバイトの日選んだだろッ」と怒る今井に、「ええー、まさかぁ、偶然だよ、偶然」と佐野はへらへら笑っていた。
「あんまり今井をからかうなよ」と呆れたように上原が言うが、佐野は悪びれた様子もなく「だって反応面白いんだもん」と。それに上原は「まあ確かに」と同意していた。
 そんなやり取りを見ながら、真は久々の海に思いを馳せて胸をドキドキさせていた。海は嫌いなわけではないが、泳げないし、自分からすすんで行こうとはしないので、かれこれ数年は海に入っていない。
 だから、とても楽しみに思っていた。





 夏休みがはじまって数日、佐野と上原と待ち合わせ、真は海にやって来た。
 更衣室で着替えを済ませると、同じように水着に着替えた上原に言われた。

「日焼け止め塗ってやる」
「え?」
「背中はちゃんと塗れてないだろ」
「俺も俺も、塗ってあげるー。真ちゃん肌白いし、塗り残しがないようにしっかり隅々まで塗らなきゃね」
「あ、あり、がとう……?」

 一応自分でも塗ったのだが、二人に挟まれ、断れず塗ってもらうことになった。二人の掌がバラバラの動きで肌の上を這い、擽ったさに真はびくびく震えてしまった。背中だけでなく、首から腕から胸元まで、念入りに塗り込まれる。変な声が漏れそうになって、真は顔を真っ赤にして唇を噛んだ。なんだかおかしな気分になってきたので、そろそろやめてほしい。

「ンッ……あ、あのっ……前は自分でちゃんと塗ったし……だから、もうそろそろ、大丈夫じゃないかな……ぁっ」
「ダメだ。真の白い肌が真っ赤に焼けたらどうする」
「そうそう。俺達、真ちゃんに痛い思いしてほしくないんだよ。だからもっとじーっくり塗ろうね」
「んっ、んんっ……」

 それからたっぷり時間をかけ、これでもかというほど日焼け止めを塗りたくられた。
 日焼け止めを塗られただけで海にもまだ入っていないのに、真はぐったりと疲れ果ててしまった。しかし、これから海に入るのだからと気合いを入れ直す。
 漸く更衣室から出て、しかし海に入る前に真には必要な物がある。

「僕、ちょっと浮き輪借りてくるね」
「俺もついていく」
「大丈夫だよ。すぐ戻るから、二人は海に入ってて」
「ほんとに一人で大丈夫?」

 真は二人と同い年で高校生なのだが、ただ少し傍を離れるだけでやたらと心配された。
 大丈夫だと押し切って、真は一人でその場から移動した。
 混んでいて少し時間はかかったが無事に浮き輪を手に入れ、二人のもとへ急いだ。
 すると、遠くに女の子二人組に声をかけられている佐野と上原の姿を見つける。
 真は思わず足を止めた。
 水着姿の女の子二人は、頬を紅潮させ笑顔で佐野と上原に話しかけている。遠目にも、とても可愛らしい女の子だとわかった。一緒に遊ぼうと誘っているようだ。
 逆ナンされているのだろう。無理もない。二人ともタイプは違うがそれはそれはイケメンなのだ。佐野はチャラい雰囲気の甘い風貌で、上原は硬派な雰囲気の精悍な顔立ち。しかも水着姿で、惜しげもなくその肉体を晒しているのだ。上原は長身に見合ったがっちりした体つきで、佐野は上原はほどではないが、しかし彼もしっかりと鍛えられた引き締まった体をしている。
 同性が羨むような男が二人で歩いていれば、それは女の子から声もかけられるだろう。
 真は踵を返し、浮き輪を持ってそこから離れた。
 合流することはできなかった。
 あそこで真が戻ってしまえば、変な空気になってしまいそうな気がした。佐野も上原も、真に気を遣って女の子の誘いを断らざるを得なくなってしまうかもしれない。それは申し訳なかった。佐野も上原も、真と遊ぶよりも可愛い女の子と遊んだ方がずっと楽しいに決まっているのだ。
 佐野に誘われるまま、のこのこ海に来てしまったが、遠慮しておいた方がよかったのではないか。二人と違い貧相で冴えない地味な真が一緒にいては、佐野も上原も女の子と遊びにくいだろう。たまたま真がその場にいたから、社交辞令で誘ってくれただけだったのかもしれない。それなのに、図々しくもついてきてしまった。
 なんだか無性に恥ずかしくなって、真は惨めな気持ちになりながら、あてどもなく砂浜を歩いた。
 このまま帰ろうか。でもせっかく水着に着替えたし浮き輪も借りたので、少しだけ海に浸かろうか。
 ふらふらと海に近づいていったとき、真の名前を呼ぶ声が聞こえた。振り返る前に、ぎゅうっと背中から抱き締められた。

「わっ……!?」
「真、よかった、無事だったか……」

 安堵の溜め息と、上原の声が耳にかかる。

「う、上原くん……」

 首だけ振り返ると、こちらに駆け寄ってくる佐野の姿も見えた。

「真ちゃん、大丈夫だった?」
「え? う、うん……?」
「遅いから心配したよ。なんかあったのかと思って……」

 二人の表情から、本当に真を心配してくれたのだと伝わってきた。

「ご、ごめんなさい……。二人が女の子と話してるのが見えて……それで、声かけづらくて……。あ、あの、なんなら、佐野くんと上原くんは女の子と遊んでも……」
「え? 嫌だよ。真ちゃんと来てるのに、なんで女の子と遊ばなきゃダメなの」
「俺は真と遊ぶために海に来たんだ。真と遊べないなら来た意味がない」

 上原はまだしも、いつも女の子と遊んでいるイメージの佐野にまで言われ、真は驚いた。
 ポカンとする真を見て、佐野は寂しそうな顔を見せる。

「それとも、真ちゃんはほんとは俺らと海来たくなかった?」
「ううん! そんなことないよ!」

 真は背後から上原に抱きつかれたまま、ぶんぶんと首を横に振る。

「僕、二人と海で遊ぶの、すごく楽しみにしてたよ……二人と来られて、嬉しい」
「そっかー。よかった」

 佐野はへにゃりと笑い、上原は真の頭に頬擦りする。
 二人は女の子と遊びたいと思っていると決めつけてしまったことを真は反省した。そしてそうではなかったことに安堵し、彼らの言葉をとても嬉しく思った。

「じゃ、行こっか」

 佐野に手を引かれ、上原を背中に張り付けたまま真は海に入った。





 三人で海ではしゃぎ、疲れたらかき氷や焼きそばを食べて一休みした。ゆっくり休んで、また海で遊ぶ。海も楽しかったのだが、真は二人と過ごす時間がなによりも楽しかった。
 その後も佐野と上原は何度か逆ナンされていたが、全部すぐに断っていた。真がいなければ、二人は女の子と一緒に遊んだのかもしれない。そう考えると申し訳なく思う反面、今日は真を優先してくれているのだと思うと嬉しかった。
 思う存分海で遊んだあと、三人でシャワールームに向かった。
 シャワーを浴びていると、なぜか一人用のシャワーブースに佐野と上原も入ってくる。

「えっ、ど、どうしたの、二人とも……」
「ほら、折角だから、真ちゃんの体、洗ってあげようと思って」
「折角だから!?」
「遠慮しなくていい」
「してなっ……んんっ」

 前から迫ってきた佐野にキスで口を塞がれる。後退りすると、背中に上原の胸板が当たった。前と後ろから挟まれて、真は逃げられなくなっていた。
 佐野の舌が、口内の気持ちいい箇所を丁寧になぞっていく。巧みな動きで口の中を愛撫され、真は甘いキスに蕩けていった。

「んっ、ふぁっんんっ」

 後ろの上原は、大きな掌で真の胸をむにむにと揉む。緩い快感が胸から生まれる。もどかしいようなその感覚に、真は無意識に胸を突き出した。そこを弄ってとねだるように、上原の掌に乳首を押し付ける。

「可愛い……」

 僅かに上擦る声で囁いて、上原は膨らみはじめた真の乳首をゆっくりと指で押し潰した。じんわりと指が食い込んでくる焦れったい感触に、真はぞくぞくと背筋を震わせる。
 甘い香りが充満し、それを吸い込んだ真は陶然となった。精気を求めて胎内が疼く。ここがどこなのかも意識の外に追いやられ、行為を求めるように二人の腕にしがみついた。
 すると、途端にキスが深まり、乳首を弄る上原の手の動きも大胆になる。

「んっふぅっ、んっ、はぁっんんっ」

 舌が絡まり、ちゅうっと吸い上げられる。
 乳首は摘ままれ、くりくりと指で転がされる。
 キスも、乳首への愛撫も気持ちよくて、もっと二人に触れてほしくて、それしか考えられなくなっていく。

「んはぁっ、あっ、はあっ……あんっあっあっ」
「真ちゃん、顔とろとろ。可愛いねー」
「真、こっち向け」

 上原に顎を取られ、後ろを向かされる。上から覆い被さるように、今度は上原にキスをされた。

「んっんっ、ふっ……」

 唇を食べられてしまうようなキスに、翻弄されながらも真は舌を伸ばして必死に応えた。流れ込んでくる唾液を嚥下し、差し込まれた舌に吸い付く。

「じゃあ、今度は俺が乳首可愛がってあげるねー」

 そう言って、佐野が上原の愛撫でぷくっと膨らんだ乳首に唇を寄せた。

「んっふうぅんっ、はっ、ぅんんっ」

 ねっとりと舌で舐め上げられ、ぞくぞくっと快感が走り抜ける。
 敏感な突起を、佐野の舌が転がすように舐め回し、ぐにぐにと押し潰した。

「ふっ、ふうっ、んっんっんっ」

 喘ぎ声は上原の口に飲み込まれ、乱れた息遣いだけが狭い空間に響いていた。
 上原は真の唇を貪り、するすると真の肌を撫でながら手を下肢へと移動させる。
 上原の手で水着をずらされると、既に頭を擡げたぺニスが現れた。そこはもう先走りの蜜を漏らしていた。
 上原は唇を離し、真の口から溢れた唾液を舐めとる。
 ぼんやりとした瞳で上原を見上げれば、「可愛い」と呟き、またちゅっとキスをされた。
 その間も佐野は乳首を弄り続けている。唇に含んでじゅうっと吸い上げられ、真は強い快感に身をくねらせた。

「んあぁっ、あっあっあぁんっ」
「可愛いな、真。佐野に乳首吸われて気持ちいいのか?」
「ひぅんっ、いいっ、きもちいいっ」
「あはっ、可愛いね、真ちゃん。じゃあこっちも吸ってあげる」
「ひああぁんっあっあっあぁっ」
「吸われるの好き?」
「あっあっ、好き、好きぃっ」
「じゃあ、指でこりこりされるのは?」
「ひぁっあっあっ、好き、こりこり、されるのも、好きっ、あぁっんんっ」
「いっぱい感じて、可愛いな、真」

 熱っぽく囁いて、上原は真のうなじを舐め上げる。

「ほんと、やらしくて可愛いね、真ちゃん」

 真を見上げ、佐野は目を細める。その表情はぞくりとするほど艶を帯びていて、真は視線だけで感じたように体を震わせた。
 震える背筋を、上原の舌が這う。

「ひっんんっ、だめ、背中、ぁあっあっ、擽った、あっあっひぁっ」
「擽ったいだけか?」
「ンあっあっ、きもちいっ」

 つう……と舌が背中から腰へと下がっていく。
 擽ったいようなぞくぞくした快感に、真はびくびくと身悶えた。
 涙目になり顔を真っ赤にする真を見て、佐野はクスクスと笑みを零す。

「ほんと感じやすいね、真ちゃん」
「アンッ」

 柔らかく乳首に歯を立てられ、痛いような鋭い刺激に襲われる。ピリッとして、けれど真の体はそれを快感として受け入れた。
 真の反応に、佐野は楽しそうに唇を歪める。

「噛まれるのも好き?」
「ひっうっ……す、好き」
「じゃああんまり痛くしないように、優しーく噛んであげるね」
「ンッ、あっあっあっあンッ」

 尖った乳首を歯で挟んでくにくにと甘噛みされ、じんじんとした甘い痛みに爪先まで痺れが走る。
 佐野の愛撫に悶えている間に、上原に水着を足首まで下ろされた。
 剥き出しになった臀部にぬるりとした感触が触れ、真はびくっとして目を見開く。

「アッ、ゃ、なに……っ」

 後ろに顔を向ければ、しゃがみこみ、真の双丘に顔を寄せる上原の姿が目に入った。

「ひっ、あっ、待っ、だめ、だめぇっ」

 慌てて離れようとするが後ろの上原にがっちり腰を掴まれ、前にいる佐野に挟まれた状態で、逃げることなどできなかった。
 蜜を漏らし収縮するアナルに、上原の舌が触れる。

「ンやあぁあっ、そこ、舐めちゃ、あっあっひんっ、やめ、やめて、上原くぅんっ」
「ここ、舐められるの好きだろう?」
「違っ、好きじゃな、のぉっ、汚い、から、だめ、あっひぁっあっあっ、舐めるのだめぇっ」
「嘘つけ。ほら、舌を入れてほしそうにひくひくしてるぞ」
「んんんあぁっ」

 ぴちゃぴちゃと舐め回され、綻んだ後孔に、つぷりと舌が差し込まれる。駄目だと言いながら、真のそこは上原の言葉を肯定するように彼の舌を悦んで飲み込み嬉しそうに締め付ける。つぽつぽと出し入れされると気持ちよくて、制止の言葉さえ紡げなくなる。

「おまんこ舐められて気持ち良さそうだね、真ちゃん。だったら俺は、こっち舐めてあげようか」
「ふぇっ……?」

 胸を弄っていた佐野が、おもむろにその場に膝をつく。そして、勃起している真のペニスを舐めた。

「ひぅっ……!?」

 強い快感が走り、真は肩を竦ませる。

「あっひっ、だめ、だめぇっ」

 ペニスとアナルを両方同時に舐められ、真は蕩けるような快楽に翻弄された。ぽろぽろと涙を零し、かぶりを振る。
 佐野はペニスを口に咥え先端に吸い付き、陰嚢をやわやわと揉みしだく。
 上原の舌が動くたびにぬるぬると肉襞に擦れる。分泌された体液が、上原の唾液と混ざってたらりと太股を伝っていった。
 気持ちいいけれど、そんなところを舐めてもらうのが申し訳なくて、やめてと訴えるが聞き入れてもらえない。
 快感が強ければ強いほど、体が精気を求めて疼く。早く胎内を満たしてほしくて、それだけで頭がいっぱいになる。

「ひぁっあっ、も、もう、お願い、入れてぇっ、中、おちんちんほしいのっ」

 羞恥は霞み、沸き上がる衝動のままはしたないおねだりを口にする。
 上原は後孔から舌を抜き、立ち上がった。刺激を求めてぱくぱくと開閉するそこに、ぬぷりと指を差し込む。

「んあぁんっ」
「ここに、欲しいのか?」
「うんっ、あっひっ、ほし、上原くんの、おちんち、んあっあっ、入れてぇっ」

 上原の熱の籠った問いかけに、がくがくと首を振って頷いた。
 ぐじゅっと指が出ていき、泥濘んだ肉孔に、男根を押し当てられる。
 望んでいたものを与えられる悦びに、真はだらしなく頬を緩ませた。
 そして次の瞬間、ぐぷんっと剛直を埋め込まれる。

「ひっ、──────ッ!」

 悲鳴は上原の掌に遮られた。
 立った状態で深く体を貫かれ、真は目を見開いて背中を仰け反らせる。

「はっ、ひっ、ひぅっ……」
「真ちゃん、大丈夫?」

 立ち上がった佐野が、真の顔を覗き込む。
 太くて硬い肉棒で胎内を満たされ、堪らない愉悦を感じた。
 頭がぼうっとして、真は蕩けた瞳で佐野を見上げた。

「んひっあっ、あっ、佐野くん……っ」
「うん?」
「きす、したいっ、佐野くぅっ、んんっ、きす、してぇっ」

 舌足らずな口調でねだれば、佐野は嬉しそうに笑った。

「かーわいい。いいよ、好きなだけしてあげる」
「はっんんっ、ふっ、ンッ」

 佐野はすぐにほしいものを与えてくれた。真は自分から舌を伸ばし、夢中になってキスを交わす。

「ズルい。俺も真とキスしたい。可愛くねだられたい」

 真の背後で、上原が拗ねたように言った。

「わがまま言わないのー。いいじゃん、上原はちんぽ突っ込んでんだから」

 僅かに唇を離して、佐野が返す。
 二人の会話を聞いていない真は、もっとキスがしたくて、自分から佐野に唇を寄せる。

「んっ、中断してごめんね、いっぱいちゅーしてあげるから」
「ぁンッ、んっんっ、ふぁ、んんっ」

 佐野は深く口づけ、舌を絡める。甘やかすように優しく真の舌を吸い、口腔内を舐め回す。
 佐野とキスをしながら、下半身は上原と繋がり、ぐちゅぐちゅと内部を掻き回される。とんとんと小刻みに奥を突かれ、肉筒は歓喜に蠢いた。上原の剛直をきつく締め付ければ腸壁が擦れ、更なる快楽に襲われる。気持ちよくて腰をくねらせてしまい、背後で上原が息を詰めるのがわかった。そしてまるで仕返しのように上原がぐるりと腰を回す。ぐちゅりと肉壁を抉るように擦られ、真はびくびくと体を震わせた。
 後ろからの刺激に悶えていると、先走りを垂らす真のペニスに硬いものが押し付けられる。

「ふぁっ……」

 目線を下へ向けると、真のペニスに取り出された佐野のそれがぴたりとくっつけられていた。佐野の男根も勃起していて、互いの裏筋が擦れる。

「んぁあっ、んっ」
「っ、真ちゃん、一緒にちんぽ擦って。俺も気持ちよくして」

 キスの合間に囁かれ、真は震える手を伸ばしてそこに触れる。先走りでぬるぬるになった二人の性器をくちゅくちゅと上下に擦った。

「あぁンッ、きもちいぃっ」
「ん、俺もいいよ」

 情欲に濡れた瞳で見つめられながら、真は佐野と舌を絡め合う。互いの漏らす熱い吐息を飲み込むように、キスを続けた。
 上からも、前からも後ろからも、卑猥な水音がぬちゅぬちゅと響いている。
 恥ずかしくて、頭がおかしくなりそうなほど気持ちいい。

「はっ、真、真、可愛い、真……気持ちいいか?」
「んぁっ、ぃいっ、お尻、うえはらく、にぃっ、ずんずんってぇっ、きもちい、のぉっ、はぁんんっ」
「可愛い」

 上原は真の頭にキスを落とし、腰を突き上げながら、真の胸をまさぐる。指で挟んで突き出した乳頭を、カリカリと爪で優しく引っ掻く。

「んあぁあんっ、ちくび、きもちいいっ」
「真ちゃん、ちんぽは? おちんぽぬるぬる擦れて気持ちいい?」
「あっあっあんっ、いいっ、ぬるぬるってぇっ、さのくんの、かたいのと擦れて、あっひぁっ、きもちぃっ」
「あはっ、いっぱい気持ちよくて嬉しいね?」
「ぅんっ、うれし、あっあぁっあっ、きす、きすもっ」
「真ちゃんキス好きだね。キスも気持ちいい?」
「すき、すきっ、きもちぃのっ、んっんんぁっんっ」

 口も前も後ろもぐちゃぐちゃに濡らし、真は与えられる快楽に耽溺した。
 足がガクガクして自分の体重を支えられない。けれど前と後ろから体を押さえられ、倒れることはなかった。
 殆ど力の入らない体は、されるがまま快感を享受する。

「んっふぁっ、いくっ、も、んっんんっ」
「っは、んっ、いいよ、イこ……っ」

 佐野は真の手に手を重ね、激しく二人の性器を扱き上げた。

「んっ、んっ、ん~~~~~~っ」

 深く唇を重ねながら、真は射精する。ほぼ同時に、佐野も精液を吐き出した。
 どろりと甘い佐野の精気を味わい、ぞくぞくと震えた真はきゅうっと後孔を締め付ける。
 搾り上げるような直腸の動きに促されるように、上原も吐精した。
 二人分の精気を浴び、真はくらくらするほどの悦楽に浸る。

「ん、はあっ、はっ、あっ……」

 ちゅっと音を立てて唇が離れていき、荒い呼吸を繰り返す真の火照った頬を佐野が優しく撫でる。
 上原は真の頭にぐりぐりと頬擦りしながら、名残惜しむようにゆっくりと陰茎を引き抜いた。
 快楽の余韻に暫くぼんやりとしていた真は、呼吸が落ち着いてから二人の腕にそっと触れる。

「真ちゃん?」
「どうした?」

 佐野と上原が真の顔を覗き込む。
 真は二人に微笑みかけた。

「あのね、今日、二人と遊べてすごく楽しかった……。一緒に海に来れてよかった……。あの……ありがとう」

 はにかんで礼を言えば、「可愛い」と上原にぎゅうっと抱き締められた。
 佐野は蕩けるような甘い笑みを浮かべて言う。

「こっちこそ、真ちゃんと遊べて楽しかったよ。また一緒に海に来ようね」
「うん」

 真は笑顔で頷いた。
 その日のことは夏休みの楽しい思い出として、しっかりと真の胸に刻まれた。




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 読んでくださってありがとうございます。



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