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嘘をついたら彼女にされた 5
しおりを挟む江崎海斗に本命の彼女ができた。
という噂が広まり数週間が過ぎた。
もちろん鈴音のことではない。
相手は転校生だ。なんでも小学校のとき、海斗と同じクラスだったらしい。
初恋相手の幼馴染みと運命の再会。二人は当然のように惹かれ合い、恋人となった。
という憶測混じりの噂が、知りたくもないのに鈴音の耳にも入ってきた。
その転校生は誰もが認める美少女で、海斗と並んでも見劣りしない。美男美女のお似合いのカップルだとそこかしこで囁かれている。
噂はきっと本当なのだろう。
だって、海斗からの連絡が一切なくなった。
校内の空き教室に呼び出されることもなく、毎週のように繰り返されていた週末のデートの誘いもない。当然、彼に抱かれることもなくなった。抱かれる度につけられていた噛み痕も、もう全部消えた。消える間もないほど頻繁に抱かれていたのが嘘のように。
漸く鈴音は解放されたのだ。
このときをずっと待ち望んでいた。
これでもう、海斗に抱かれることはない。
やっぱり。
わかってはいたけれど、やっぱり鈴音はただの暇潰し。あの告白も全部嘘で、鈴音に対して好意なんて一切抱いてないのだ。
彼の遊びに付き合わされ、処女を奪われ、散々抱かれてきたのかと思うと腹が立つ。デートだなんて言って外にまで連れ回し、散々振り回しておいて、一言の挨拶もなくあっさり鈴音を手放した。
彼にとって鈴音はその程度の存在だったのだ。
もちろん、わかっていたけれど。
そんな風に、気づけば毎日海斗のことを考えている。
それが嫌で、鈴音は意識的に彼の存在を頭の中から追い出すということを何度も繰り返していた。
折角解放されたというのに、これでは彼に縛られたままではないか。
鈴音ばかりが引きずって、彼はもう鈴音のことなど考えもしていないだろうに。
あまりにも惨めだ。
だから、海斗に付きまとわれるようになってからのことなんて、もう綺麗さっぱり忘れてしまえばいい。
あんなの、犬に噛まれたとでも思えばいい。だとするとすごく凶暴な、すごく牙の鋭い犬に痕が残るくらい強く噛まれたレベルだけれど。
今は、漸く訪れたこの平穏をただ喜べばいいのだ。
いつ呼び出されるかソワソワして、二人きりで会っていることがいつ誰にバレるかとヒヤヒヤすることもない。逆らえばなにをされるのかと怯え、気を遣うこともない。
鈴音の平和で平凡な日常が戻ってきたのだから。
笑い転げて舞い踊ってもいいくらいの喜びだ。
喜ばなくてはおかしいのだ。
そう思い込み、鈴音はここ数日無意識に明るく振る舞っていた。
そんなときだった。
海斗からメッセージが届いた。
放課後、いつも使っていた空き教室に来てほしいという内容だった。
まさか、今更別れ話でもするつもりなのか。
鈴音に噂の彼女を紹介して、お前みたいな地味女彼女にするわけないだろまさか本気で俺に好かれてるとでも思ってたのかバカじゃねーのハハハハハハ、なんて言って笑い者にするつもりだろうか。
想像してイラッとした。
そんなのわかってたし。微塵も本気になんてしてないし。こっちだってあんなチャラ男に絡まれて迷惑してたんだから、別れられて清々する。
そう文句を言ってやりたい。
そうだ。今まで散々色々理不尽な目に遭わされてきたのだから、これが最後なら恨み言の一つでも言ってやりたい。そうしなければ気が済まなくなっていた。
鈴音は海斗のことを忘れると決めたことを忘れ、放課後久しぶりに空き教室に足を踏み入れた。
海斗はまだ来ていなくて、とりあえず椅子に座って彼がやって来るのを待った。
しかし、彼はなかなかやって来なかった。メッセージには放課後としか書いてなくて、明確な時間は指定されていなかった。最後の授業が終わってからそろそろ一時間くらいになる。
鈴音はハッとした。
あのメッセージはただの悪戯だったのではないか。それに騙されのこのこ現れた鈴音に待ちぼうけを食らわせようという嫌がらせなのでは。
最早、そうとしか思えなかった。
ムカムカして、鈴音は苛立ちのままに立ち上がる。
とっとと帰ってしまおうとドアに向かって足を進めると、そのドアがガラリと大きく開いた。
びっくりして足を止める鈴音の視界に、息を切らせて現れた海斗の姿が映る。
「遅くなってごめん、すずちゃん!」
「えっ、ぁ、えっ……?」
海斗は後ろ手にドアを閉め、しっかりと鍵をかける。それから一気に距離を詰め、鈴音を抱き締めた。
「ひっ……!?」
「すずちゃん、会いたかったぁ!」
「やっ、な、あっ、は、はなっしっ……」
「すずちゃん、久しぶりのすずちゃん、すずちゃんすずちゃんすずちゃんっ」
「やめ、やっ、ちょっ」
ぎゅうぎゅうと抱き締められ、すーはーすーはー匂いを嗅がれながら、鈴音は彼の腕の中で懸命にもがく。
一体どういうつもりなのだろう。転校生と付き合っているくせに、まだ鈴音にちょっかいをかけてくるつもりなのか。なんてチャラくてだらしなくてふしだらで軽くて不誠実な男なのだろう。わかっていたけれど。
これ以上、こんな不埒な男に好き勝手されてたまるものか。
「離して……!」
強く胸を突き飛ばそうとしたのだが、抱き締める力が強すぎてびくともしない。
「すずちゃんすずちゃんすずちゃんっ」
そして海斗は鈴音の言葉など聞いていない様子で、すりすりと頭に頬擦りしながら匂いを嗅ぐことに夢中になっている。
体を引き剥がそうと必死に暴れてみるが、全く効果はない。
腹が立って、鈴音は目の前の彼の首にがぶっと噛みついた。海斗は制服を着崩していて首元をだらしなく開けている。剥き出しになった肌に、強めに歯を立てた。
はすはすしていた海斗がピタリと止まる。
これで離してもらえると思ったのに、なぜか更に強く抱き締められた。
「すずちゃん!」
「ぐぇっ……」
「嬉しい、すずちゃんの方から噛んでくれるなんて!」
結構思い切り噛んでやったのに、痛がる様子はなく寧ろ喜んでいる。
ぐりぐり頬を押し付けてきて、興奮したように言ってくる。
「もっと噛んでいいよ。いっぱい噛んで。すずちゃんが積極的にこんなことしてくれるなんて、すずちゃんも俺に会えて嬉しくなっちゃった?」
「ち、がっ、ぅぐっ……」
「全然連絡できなくてごめんね。すずちゃんに会えなくてマジでしんどかった、発狂するかと思った」
「は、離し……っ」
「あいつのせいで、ほんと最悪」
海斗は吐き捨てるようにそう言った。
鈴音はピタリと動きを止める。
胸に押し付けられていた顔を上げ、海斗を見上げた。
「あいつ……?」
「そう。あの女。転校してきたの、すずちゃん知ってる?」
「転校生のことは、知ってる、けど……。江崎くんと、幼馴染みだって……」
「そう、そいつ。幼馴染みとか言ってるけど、実際は小学校のとき一年だけ同じクラスになったことあるだけだし。俺の方は全然覚えてないのに、久しぶりとか会いたかったとか、馴れ馴れしく絡んできて……」
「え……?」
「やめてっつってもわざと人前で腕組んでくるし、べたべた触ってくるし、こっちの迷惑考えないでしつこく話しかけてくるし、勝手に人のスマホ見るし、どこに行くにもついてくるし、家にまでついてきて休みの日は家に来るし、マジでストレスで倒れそう。あいつのせいですずちゃんにも連絡とれないし会えないしホントしんどかった」
「…………」
「あいつ撒くのに時間かかって、来るの遅れてごめんね。すずちゃんと会ってるところ見られでもしたらなにされるかわかんないし、ちゃんと撒いておかないと俺のこと捜し回ってここまで来そうだったから」
低い声でつらつらと語られる海斗の恨み言を、鈴音は呆然と聞いていた。表情を見る限り本当のように思える。
鈴音が耳にした噂とはまるで違う。海斗は転校生の存在を迷惑にしか思っていない様子だ。
「江崎くん、転校生と付き合ってるんじゃないの……?」
「…………は?」
海斗の纏う空気の温度がぐっと下がる。
笑顔だけど笑っていない彼の表情を見て、鈴音は自分の失言に気づいた。
「へー、すずちゃん、俺があいつと付き合ってるって思ってたんだ?」
「あっ、い、いや、その……」
「俺はすずちゃんと付き合ってるのに?」
「え、えっと……」
「まあ、ずっと連絡できずにいた俺も悪いけどさ。俺のこと、すずちゃんっていう彼女がいるのに他の女とも付き合うような不誠実な男だと思ってたわけだ?」
その通りだった。そんなことない、と咄嗟に嘘がつけなかった。肯定はしなかったが、けれど鈴音の表情からそれを読み取った海斗は笑みを深めた。
「へええぇー、そうなんだ、俺のことそんな男だと思ってたんだー」
「ち、が、っんん……」
噛みつくようにキスをされ、鈴音の言い訳は遮られた。
彼の機嫌を損ねてしまったら、なにをされるかわからない。言い訳をさせてほしくて唇を開けば、ぬるりと舌が入り込んできてそのまま口内を蹂躙される。
一旦キスをやめてほしくて身動ぐけれど、後頭部を押さえられ腰に腕を回されて、ぴったり重なる体は離れない。後退れば海斗もついてくる。背中に壁が当たり、逃げ場のなくなった鈴音は思う様唇を貪られた。
「んぁっ……んっ、ふぁっ……」
ぬるーっと舌の腹が上顎を這い、ぞくぞくっと背筋が震えた。久しぶりのキスに、鈴音はどうすればいいのかわからずただ翻弄される。されるがまま、口の中を舐め回された。
「はっ、ぁっ、んっ、んっ……」
口元をべたべたに汚す鈴音を見て、海斗が笑う。
「どうしたの、すずちゃん。キスのし方、忘れちゃった?」
「ぁ、って、ずっと、してなかったから、んっ、んんぅっ……」
再び唇を重ねられ、啄まれる。
ちゅっ、ちゅっと唇を食んでから、海斗は唇を僅かに離して鈴音の頬を両手で撫でた。
「あー、ほんと可愛い。癒される」
「ぁっ、はっ……ふっ……」
「ほら、忘れたならまた教えてあげるから、舌出して?」
「ん……」
鈴音は無意識に海斗の言葉に従っていた。そういう風に刷り込まれてしまっていた。
伸ばした舌に、海斗の舌が絡み付く。ぬるりと粘膜が触れ合う感触が気持ちいい。気づけば鈴音は自分から舌を動かし、舌の腹を擦れ合わせていた。
「んっ、あ、んっ、んっ……」
「上手にできてるよ、すずちゃん。俺とのキスのし方、思い出してきた?」
「んんっ……ふぅっ、んっ」
舌を海斗の口腔内へ引き込まれ、じゅるっと音を立てて吸われる。
じわりと快感が全身に広がっていく。背中がむずむずして、下腹がじんじんと熱を持つ。
下に下りていった海斗の手が、スカートの中に差し込まれた。
するりと太股を撫で上げられ、緩い快感が這い上がる。止めようとして海斗の手首を掴めば、咎めるように舌を甘噛みされ、更に強く吸い上げられた。
激しいキスに体から力が抜け、抵抗などできなくなってしまう。
ぷるぷる震える内腿を、海斗の指がつう……っと辿る。
びくんっと肩が跳ね、上がった声はキスに飲み込まれた。
深く唇を重ねながら、海斗は脚の付け根を指で撫でる。
脚を閉じようとするけれどうまくできなくて、海斗の手を止めることができない。
下着の隙間から指が侵入し、花弁に触れた。
くちゅりと濡れた音が聞こえてきて、鈴音は羞恥に泣きたくなった。
唇を離し、海斗はクスリと笑みを零す。
「っあは、すずちゃんのおまんこびしょびしょ……キスでこんなにしちゃったの?」
「っ、っ、ひさしぶり、に、した、から……っ」
「……すずちゃんわかってないだろうけど、その発言って俺を煽るだけだからね」
「んひっ……!?」
濡れた指でこりゅんっとクリトリスを擦られ、痺れるような快感が走り抜けた。
「ひっ、あっ、あっ、ま、待ってっ、あっ、あんっ、そこ、だめっ」
「ダメじゃなくて、気持ちいい、だよ。ここ、コリコリされるの好きでしょ」
「ひぁっ、あっ、待ってぇっ」
久しぶりに与えられる強烈な快楽に鈴音は戸惑い、けれど体は素直に感じて蜜を零し続ける。
狼狽え怯える鈴音を見て、海斗は唇の端を吊り上げた。
「すずちゃん、俺と会わない間オナニーしてなかったの?」
「はっ、えぇっ……!?」
「オナニー大好き淫乱すずちゃんなのに? ずっとしてないの?」
「あ、ぅ……」
またその嘘を引っ張り出され、鈴音は言葉に詰まる。まだ覚えていたのか。
鈴音は自慰なんてできない。海斗に散々快楽を教え込まれたせいで下肢がむずむずすることがあっても、自分で触る勇気はない。してはいけない、とも思ってしまう。一度でもしてしまえば、自分が本当に淫乱になってしまうような気がして。
海斗との行為は一方的に彼に快感を与えられているだけ。好きで彼に抱かれているわけではない。それなのに自分から快楽を求めてはいけない。自分は気持ちいいことが好きなわけではないのだから。
だから、鈴音は自慰をしない。
正直にしていないと言ったら矛盾してしまう。しかし、した、と嘘をつくことに躊躇いを覚えた。嘘をついたせいで、とんでもないことになってしまったのだ。ここで嘘を重ねたら、また取り返しのつかないことになってしまうのではと不安を感じた。
うろうろと視線をさ迷わせる鈴音に、海斗は楽しそうに唇を歪める。
「こんなにやらしー体してるのに、オナニーしないで我慢できたの?」
「あっ、あぁっ、だ、めっ、あんっ」
「クリ弄られるの大好きだよね。指で挟んで、こうやって……」
耳元で囁き、こりゅこりゅと肉粒を扱く。
「あっ、あっ、あーっ」
「あはっ、甘イキしちゃった?」
クリトリスを刺激され、脚の間からとめどなく蜜が溢れる。
濡れそぼった蜜口に、ぬぷりと指が差し込まれた。
「ひあぁっ」
「あー、久々のすずちゃんの中……。指だけでも気持ちいい。ぬるっぬるだけど、やっぱ狭くなってるね」
「あっ、あっ、あっ、やっ、ゆび、動かしちゃ、あっ、ひんっ」
「すーずちゃん、まだ質問に答えてないよ。オナニー、したの、してないの?」
「あっ、あんっ、ま、待って、あぁっ、ひっ」
海斗の指が、敏感な部分をくちゅくちゅと小刻みに擦り上げる。
気持ちよくて、快感に支配されてなにも考えられなくなってしまう。
「ほら、答えて」
「んひあぁっ」
中を擦られ、クリトリスを押し潰され、鈴音は一際高い嬌声を上げ絶頂に達した。
いったばかりの敏感な体を休む間もなく刺激され続ける。
「あっ、ひっ、ああぁっ、だ、めぇっ、あっ、まって、あっ、あっ、ひあぁっ」
「じゃあ、答えてよ。オナニー、した?」
「し、てな、あっ、あっ、してなぃ、いっ、あっ、んあぁっ」
「なんでしなかったの?」
「できな、からぁっ、あっ、あんっ、できな、江崎く、にぃっ、してもらわなきゃ、あっ、ひあっ、ひとりじゃ、できな、んっ、あっ、あっ、あーっ」
「俺じゃないと気持ちよくなれない?」
「んっ、うんっ、えざきく、ぅあっ、あっ、ひんっ、えざきく、じゃないとぉ、んっ、ひぁっ」
耳の内側をねっとりとねぶられ、わけもわからぬまま鈴音は頷く。
「あーもー、かぁわいい……。じゃあ、俺といっぱい気持ちよくなろーね」
「んあぁぁんっ」
じゅぷぷ……っと二本目の指が蜜口に入ってくる。
膣内をぐちゅぐちゅと掻き回され、久しぶりに味わう感覚に鈴音は声を上げて身悶えた。海斗にしがみつき、震える体を支える。
「ひっ、うぅっ、んぁっ、あぁっ、なか、ひろがっちゃ、あんっ」
「うんうん。俺専用おまんこ、きつきつになっちゃったから広げようね」
「あっ、ああぁっ」
徐々に緩んできたそこへ、三本目の指が沈み込む。抜き差しを繰り返し、じっくりと解されていく。
蜜を滴らせながら、肉壁はきゅんきゅんと海斗のゆびに絡み付いた。教え込まれた快楽を思い出し、それを求めて胎内が疼く。
「んっ、んっ、んんっ、あっ、きもち、ぃっ」
鈴音はうわ言のようにその言葉を口にした。
それを耳にして、海斗は笑みを深める。
「可愛いなー、ほんと。あー、ダメだ、もう俺が我慢できないや」
「ひぁんっ」
にゅぽんっと指を引き抜かれ、その感覚に鈴音は甲高い声を漏らした。
膣内が、物足りないと訴えるように収縮する。
「そんな物欲しそうな顔しちゃって……。大丈夫、すーぐ入れてあげるから……っ」
「あっ、やっ……」
片脚を抱えられ、脚を開かれる。
下着をずらされ、露になった蜜口にピタリと肉塊が押し当てられた。避妊具に包まれたそれが、ぬぐ……っとめり込んでくる。
「んっ、ひっ、あっ、あっ、あああぁっ」
ぬかるんだ膣内に、剛直がずぶずぶと埋め込まれていく。
海斗は感嘆の溜め息を零した。
「っあー、久しぶりの鈴音ん中、気持ちいっ……」
「やっ、あっ、あっ、あっ、ひあっ」
ずっ、ずっ、と、下から緩く突き上げられながら、中をいっぱいに満たされていく。
海斗の荒く乱れた呼吸が耳を擽る。
「きっつ……奥ぎゅうぎゅう……やっば、久しぶり過ぎて、めちゃくちゃ気持ちいい……っ」
「んぁっ、やっ、やあぁっ」
体を揺さぶられ、一番奥までみっちりと陰茎を嵌め込まれ、頭のてっぺんから爪先まで快楽に犯されているような感覚に鈴音は怯えた。
震える手で、海斗の腕に縋りつく。
「んっ、ひぃっ、んんっ、待って、やあっ、こわいっ、立ったまま、なのっ……深くまで、入って、あっ、ひぅっ」
「立ったままなの嫌?」
「やっ、こわ、こわいぃっ、あっ、あっ、奥まで……おなか、いっぱい、やあぁっ」
「そっかー。でも気持ちよすぎて怖がっちゃうすずちゃん可愛いからこのままね」
「ひぃんっ、やっ、あっ、あっ、ずんずん、ってぇ、しないで、やあっ、あっ、こわいぃっ」
「ははっ、そんな蕩けた顔して怖いとか言われると興奮するっ……。きゅんきゅんまんこ締め付けて美味そうにちんぽ咥え込んで嫌とか、俺のこと煽ってんのっ?」
嗜虐に瞳を輝かせながら、海斗は鈴音を快楽で蹂躙する。
情欲を孕んだ彼の視線に晒され、ぞくぞくっと震えが走った。連動して内部がうねり、それを受けて更に激しく攻め立てられる。
何度も最奥を突き上げられ、強すぎる快感をただ享受することしかできない。
ふと、海斗は動きを弱めた。緩く腰を回しながら、スカートを捲り上げ結合部を露にする。
「あっ、やっ、なに、やだっ」
「見られんの恥ずかしいの? もう何回も見てんのに?」
「やぁっ、はずかし、からぁっ、あんっ」
「ねー、ハメ撮りしていい?」
「はっ? えっ、な、あっ、なに、なにをっ、あっ、あぁっ」
「ちんぽずっぽりおまんこで食べてるすずちゃんを、写真に撮っていい?」
一瞬なにを言われたのかわからず、意味を理解して、鈴音はぶんぶんと首を左右に振り立てた。
「だめっ、だめだめだめだめっ、絶対だめっ」
写真なんて撮られた日には、拡散され晒し者にされてしまう。友達に見せたりしてクスクス笑い合って、鈴音を馬鹿にするつもりに違いない。
鈴音の反応からなにを考えているのか察したらしい海斗が笑う。
「別に、俺が個人で楽しむだけなのに。ダメなの?」
「だだだめっ、絶対っ」
「じゃあ、土曜日すずちゃんの家に行っていい?」
「なんでっ、だっ、だめ……っ」
鈴音は再び首を振って拒否する。
海斗の家には何度も行ったことがあるが、彼を鈴音の家に招いたことはない。これまでも行きたいと言われたことはあったが断っていた。自分の家の自分の部屋でいかがわしい行為をされるのは嫌だった。あとから海斗とのことを思い出したりしたら、居たたまれない気持ちになるだろうから。
今までは断ればすんなり引いてくれたのに、今日はそうはならなかった。
「なら写真撮らせてよ」
「だめっ、絶対っ」
「じゃあすずちゃんの家行く」
「なんでっ……」
「だってあいつのせいで週末すずちゃんに会えないんだよ? せめて写真がないと寂しくて死んじゃう」
「んっ、っ、しゃ、しんは、だめっ、やだっ」
「じゃあ、家行っていい?」
「っ……」
「…………」
海斗が無言でポケットからスマホを取り出したのを見て、鈴音は慌てて口を開いた。
「いいっ、家、来て、いいからっ」
「ほんと?」
鈴音はこくこくと頷く。写真を撮られるのは怖い。それなら家に来られる方がいい。
「やった、ありがと、すずちゃんっ」
「んっ、ひっ……」
ぎゅうっと抱き締められ、太い楔にぐりゅんっと胎内を抉られる。
「あっ、~~~~~~っ」
「っ、すげ、吸い上げられてる……っ」
「あっ、んっ、ひっ……」
「はっ、イッちゃった? すずちゃんの痙攣おまんこすごく気持ちいいよ……」
「っ、てる、のに、あっ、あっ、うごいちゃ、あぁっ、ひぅんっ」
「イッてるおまんこ、じゅぽじゅぽされんの気持ちいい? 奥、ぐりぐりーってすると、中、うねってっ……ははっ、何回もイッちゃって……気持ちいいの止まんないんだ……?」
「んひっ、ひっ、ああぁっ、だ、めぇっ、おく、やあぁっ」
「嫌じゃなくて気持ちいいって言うんだよ、鈴音」
「ああぅっ」
襟元を寛げられ、首の根元に噛みつかれる。
じわりと伝わる痛みに、思考はぼやけていく。
「あっ、あっ、きもちぃっ」
「俺のちんぽで、おまんこ穿られんの気持ちいいよね?」
「いいっ、あっ、ひぃんっ、きもちいいっ、えざきく、にっ、されるの、あっ、あっ、えざきくっ」
「あー、かわい」
わけもわからぬまま目の前の体にしがみつけば、激しく内奥を突き上げられる。
久しぶりに与えられる快楽に体は歓喜し、触れる温もりを逃すまいと両腕で縋りつく。
キスをされ、舌で口腔内を深く犯されながら、同じように膣内を蹂躙される。
「んっ、ふぁっ、んんっ、ぃっ、あっ、また、いっちゃ……っ」
「んっ……はあっ……俺もイきそ、一緒にイこ、鈴音……っ」
「ひぁっ、あっ、あっ、あっ、ああぁっ」
一層強く最奥を穿たれ、鈴音は絶頂へと追い上げられる。
「んっ、んっ、んん~~~~~~っ」
「っく……」
鈴音が達し、ほぼ同時に海斗も射精する。
収縮する胎内で、びくびくと陰茎が脈打つのがわかった。
「っ、久々、だから、すげ、出る……っ」
「ふあぁっ、あっ……んっ」
海斗の荒い呼吸が首元にかかり、背筋が震える。
自分の体の中で大量の精液が吐き出されているのを感じ、鈴音は知らずに恍惚とした表情を浮かべていた。
「じゃあ、土曜日行くからね」
体を離し衣服の乱れを整えてたあと、海斗はそう言った。
言われた鈴音はおずおずと問いかける。
「えっと……ほんとに来るの……?」
「行かないわけないよね?」
「……ですよね」
「それとも今からハメ撮りさせてくれるの?」
「いえ、お断りします……」
潔く諦めるしかなさそうだ。
「で、でも、その転校生、江崎くんの家に来るんだよね? あとつけられるんじゃ……」
「あいつが来る前に……朝の四時頃に家出るから大丈夫。さすがにその時間には来ないだろうから」
「えっ……」
「あ、心配しないでね。どっかで適当に時間潰して、すずちゃんの家には昼頃に行くから」
「…………」
微笑む海斗をじっと見つめ、それから視線を外し、鈴音は口を開いた。
「朝、早く来てもいいよ……」
「え、でもそんな早朝に来られたら迷惑でしょ? すずちゃんの両親いるのに」
「お父さんとお母さん、有給とって旅行してて、月曜日まで、帰ってこないから……家にいるの私だけだし、だから別に、来てもいいよ……」
「ほんと!? それってつまりお泊まりしていいってことだよね!」
「えっ、違っ、違うっ、言ってない、そんなこと……!」
鈴音は左右に首を振って否定するけれど、海斗に無視された。
「ありがと、すずちゃん! じゃあ泊まりの準備して行くね!」
「違うからっ、泊まりじゃなくて……っ」
「あいつがどこにいるかわかんないから、俺が先に出るね。土曜日、楽しみにしてるよ、またね、すずちゃん!」
「ま、待って……!」
呼び止める声は届かず、満面の笑みを浮かべ海斗は颯爽と去っていった。
鈴音は別にそんなつもりで言ったわけではないのだ。海斗がストーカーじみた行為をされて精神的に辛そうだったから。外で時間を潰すよりも鈴音の家の方がゆっくり過ごせるのではないかと、そういう親切心で言っただけなのだ。決してお泊まりのお誘いではなかったのだ。
しかしもう遅い。
自分の浅はかな発言を反省し、鈴音はガクリと肩を落とした。
そして土曜日。海斗は早朝五時前に鈴音の家にやって来た。
「おはよー、すずちゃん」
「おはよう」
「お邪魔しまーす」
「どうぞ……」
お互い若干眠そうな顔で挨拶を交わし、鈴音は海斗を中へ迎え入れた。
「お昼ご飯、俺に作らせてね。昨日材料買っといて持ってきたから」
「えっ、いいのに、そんな……」
「こんな朝早くお邪魔しちゃったんだから、それくらいさせてよ。材料、冷蔵庫に入れてもいい?」
鈴音は海斗をキッチンへ案内する。
海斗は意外にも料理上手なのだ。彼の家に招かれ、何度も手料理を振る舞ってもらった。鈴音も料理はするが、レシピを見てきっちりレシピ通りにしか作れない。遊びがない鈴音と違い、海斗は有り物でパパッと作ってしまう。性格の違いが料理に表れていた。
とりあえず、二人とも眠いので一旦寝ようということになった。
「客間に布団敷こうか?」
「ソファでいいよ。借りていい?」
「なら背凭れ倒してベッドにして。私、毛布取ってくる」
鈴音は毛布を持ってリビングに戻ってくる。
「これ使って」
「ありがと、すずちゃん。ね、すずちゃんもここで一緒に寝よ」
「えっ、わ、私は自分の部屋で……あっ!?」
腕を引っ張られ、ベッドの広さになったソファに倒れ込む。
すぐに起き上がろうとするが、その前に抱き締められ毛布でくるまれてしまった。
「え、江崎くん、離して……!」
「はー、すずちゃんの匂い落ち着く……。あったかくて柔らかいし……気持ちよく眠れそ……」
声を上げるが無視され、がっちりと体に腕を回され逃げられない。
それでも懸命にもがいている間に、やがて海斗の寝息が聞こえてきた。
本当にこのまま眠ってしまったようだ。
寝ている海斗を暴れて起こすのも申し訳なく思ってしまい、鈴音は動きを止めた。
こんなにあっさり眠ってしまうなんて、ストーカー紛いの行為を受け、やはり精神的に疲れていたのだろうか。
仕方なく彼の腕に収まっていた鈴音も、いつの間にか眠りに落ちていた。
目を覚ますと既に海斗は起きていて、バッチリと目が合って鈴音は慌てて体を起こした。時計を見ると、もう昼に近い時間だった。
「起こしてよ……っ」
「だってすずちゃんの寝顔かわいーんだもん」
「見ないでよっ」
「写真撮るの我慢したんだから、それくらい許してよ」
へらへら笑って海斗も体を起こす。
きっと間抜けな寝顔だと嘲笑っていたに違いない。
「すずちゃんってばホント、俺の『可愛い』を信じないよね」
心を読んだかのように海斗は苦笑を浮かべる。
信じられるわけがない。海斗の周りにいるのは、鈴音よりもずっと可愛くて綺麗で華やかな女子ばかりなのだから。
仕方なさそうに笑い、海斗は立ち上がった。
「お腹空いたよね? ご飯作るよ。キッチン借りるね」
そう言って彼はキッチンへ歩いていく。
海斗が作ってくれたパスタを二人で食べ、そのあとは一緒に映画を観ることになった。海斗と映画を観ると、彼は必ずホラー映画を選ぶ。
「またホラーなの……!?」
「だって、びくびく怯えてる可愛いすずちゃんが見たいから」
悪びれもなくそう言ってくる海斗をじっとりと睨めつける。
すすんで観ようとは思わないが、別に絶対観れないほど苦手でもない。有名な人気のタイトルであれば鈴音も気になってしまい、海斗はそういうのを選んでくる。自分一人では観れないけれど、誰かに観ようと誘われれば観たいと思ってしまうようなやつを。怖いけれど観たいので、結局鈴音は海斗と一緒に観てしまうのだ。
「絶対、驚かせたりしないでね」
「しないって。大人しくすずちゃんが怯えてる顔眺めてるから」
「映画を観てよ……」
ソファに並んで座り、映画を再生する。すると、海斗が鈴音の手を握ってきた。びっくりして、海斗へ顔を向ける。
「怖かったら、俺の手、ぎゅってしていいからね」
蕩けるような笑顔を浮かべた海斗に甘い声で囁かれ、不意打ちを食らったように心臓が跳ねた。
頬が赤くなるのがわかって、鈴音はぷいっと顔を逸らしテレビへ視線を戻す。けれど、手を離そうとはしなかった。
人気作だけあって、映画がはじまれば鈴音はすぐに引き込まれる。やっぱり怖くて、鈴音は無意識に何度も海斗の手を握っていた。観終わる頃には手汗でべっちょりだった。
怖かったけれど謎解きあり感動ありのとても見応えのある映画で、とても楽しめた。
「はー、びくびくしてるすずちゃんめっちゃ可愛かった~」
海斗も海斗で満足そうな満面の笑みを浮かべていた。
そのあとは口直し的にコメディ映画を観て、一緒に作った夕食を食べ、海斗に先にお風呂を使ってもらった。彼が上がったあとに鈴音も入れ違いでお風呂に入り、色々して、さぁ寝ようという段階になったとき。
「すずちゃんのベッドで一緒に寝たい!」
客間に布団を敷こうとした鈴音に海斗がそう言った。
「そ、それはダメ!」
「なんで?」
「な、なんでって……っ」
自分のベッドであんなことやそんなことをされたくないからだ。思い出して、落ち着いて寝られなくなってしまうかもしれない。
「すずちゃんのベッドで寝かせてくれないなら、今ここで襲っちゃうから」
「なんで……!?」
「家族で使うソファの上とか、キッチンとかでめちゃくちゃエッチなことしちゃうから」
「いいい、嫌だよ、やめてっ」
じりじり詰め寄られて、鈴音は後退る。
海斗の目が本気だ。悪い笑顔を浮かべて迫り来る海斗に、鈴音は青ざめた。そんな場所でそんなことをされたら、それこそ居たたまれなくて両親と顔を合わせられなくなる。
「すずちゃんのベッドで寝かせてくれるなら、エッチなことしないで大人しく寝るから」
「…………ほんと?」
「ほんとほんと」
「…………絶対?」
「すずちゃんに誘われたらしちゃうけど」
「さそっ……なんて、そ、そんなことしないっ」
「じゃあしないよ。さっきソファで一緒に寝たときと同じ。眠るだけだから」
「…………」
鈴音は海斗の瞳をじっと見つめる。どうしても彼の笑顔は胡散臭く見えてしまうが、嘘かどうかは判断がつかない。
しかしここで断れば、本当にリビングやキッチンで襲われてしまうだろう。
ならばそもそも鈴音には断ることなんてできなかった。
「わかっ……た……」
激しく躊躇いながらも頷けば、海斗は「やったー!」と子供のように喜んではしゃいでいた。
渋々鈴音の部屋へ連れていく。中に入った途端、海斗は大きく息を吸った。
「はーっ、すずちゃんの匂いで満たされてる。いーな、一生ここで過ごしたい」
「ちょっ、や、やめてよっ」
部屋の匂いを嗅がれ、鈴音は羞恥に泣きたくなった。
「匂い嗅ぐの禁止!」
「えー」
「『えー』じゃなくて! もう寝るならさっさと寝てよ!」
「じゃあすずちゃんも。一緒に寝よ」
海斗に手を引かれ、ベッドへと導かれる。
明かりを消した暗い室内で、同じベッドの上に海斗と二人。抱き締められて彼の温もりに包まれ、物凄く落ち着かない状況だ。
「あー、すずちゃんのベッドですずちゃんの布団の中で眠れるとか最高だなー。もうここから出たくない。すずちゃん抱き締めたままここで一生を終えたい」
「へっ、ん、なこと、言わないで……っ」
海斗が喋る度に耳を吐息が掠め、鈴音は擽ったさに肩を竦めた。
もちろん本気ではなく、鈴音をからかうための冗談として言っているのだろう。しかしその内容は、やはり転校生の異常な行動に参っているから出てきたものに思えた。
彼には散々な目に遭わされてきたけれど、もし辛い思いをしているのだとしたら、手を差しのべたくなる。突き放してざまぁみろ、なんて思えない。
海斗にされたことを考えれば、それはおかしなことなのかもしれないけれど。
「ありがとね、すずちゃん。大好き」
「は、えっ……!?」
「おやすみ……」
「え、あ、えっ……!?」
鈴音が挨拶を返す前に、海斗は眠ってしまった。
本当に、なにもするつもりはなかったようだ。
海斗に抱き締められながら、鈴音は不思議な気持ちになった。
少し前までは、完全に海斗は鈴音から興味を失くし、もう二度と関わってくることなどないと思っていたのに。鈴音のことなど微塵も思い出すことなく、新しい彼女と仲睦まじく過ごしているのだと、そう思っていたのに。
こんな風に家に招いて、ご飯を作ってもらったり一緒に作ったり、映画を観て和やかな時間を過ごし、そしてこうして同じベッドで寝ている。まるで恋人同士のように。一応、恋人同士ということにはなっているけれど。
また、こうして彼と一緒に過ごすことになるなんて。
漸く解放されたと思っていたのに。それは鈴音の早とちりだった。
けれどそれを、残念に思えないのだ。がっかりして、深く落ち込んでもおかしくないのに。
鈴音の心は寧ろ、解放されたと勘違いしていたときより落ち着いていた。
今回は違ったけれど、いずれ必ず飽きられる日が来るというのに。
こんな状態では、そのときが来たら自分はどうなってしまうのだろう。
いや、大丈夫だ。自分は海斗を好きなわけではない。一緒に過ごす時間が長いから、一緒に過ごすことが当たり前のように錯覚してしまっているだけだ。
過ごす時間が長ければ、情だって湧く。恋人だとは思っていない。友達だとも思えない。それでもそれなりに深く関わってきたのだ。鈴音にとって海斗は、他人以上友達未満な存在なのだ。だから関わりがなくなれば、寂しいと感じるのはおかしなことではない。
海斗の胸に顔を埋め、そう自分の心に言い訳した。
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