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32、別れのとき
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「本当にいいんだな?」
翌朝。クライヴを前にしたフィリアは明るく「はい」と答えた。
「ダリル様が迎えに来てくれたんですから、やっぱり私は隣国に戻ります!」
「……あっそ。お前がいいんなら俺はそれでいい」
「で、考えたんですけどね。この魔力、ただ捨てるよりも何かに使えませんか?」
マジックアイテムに魔力を込めるように、フィリアの魔力もあらかじめ何かに込めるなりできないかと考えたのだ。
「それは俺も考えた。お前の魔力の量は膨大だから、多分全部は無理だ。一部くらいなら出来るんじゃないかと思って、貯蔵タンク型のマジックアイテムを作ってみてある」
「さすが師匠! で、それはどこに?」
「昨日のレーニスの墓に準備してある。魔力を捨てるにしてもこの研究所でやるわけにいかない。あの場所の方が魔法の親和性が高いしな」
まだ一人では立てないフィリアはクライヴに抱えられてウェントゥス・レーニスの墓へと向かう。既にダリルは到着しており、イレーネやロイドもその場にいた。
「ダリル様……」
昨夜のことを思い出して頬が赤くなるフィリアに対して、ダリルの方は表情を変えないが――その眼差しはほんの少し柔らかい気がする。
「昨日よりも顔色がいいな」
「はい! 大丈夫です」
クライヴがフィリアを芝生に下ろす。すぐ側に石碑が見え、昨日と同じく温かい魔力がフィリアを包んだ。
「ここでやる。俺がフィリアと装置とを仲介する」
「俺たちはどうすればいい?」
「一応下がっていてくれ。魔力が暴走しないとは限らない」
「わかった」
心配そうに見守るダリルに、フィリアはガッツポーズをしてみせた。
「師匠もいますし、大丈夫ですよ! 私が目覚めるまで――待ってて下さいね!」
「ああ。一緒に帰ろう」
「はい!」
笑うフィリアの手をクライヴが掴む。震える手は、ただの強がりだとクライヴにはバレているだろう。
それでも、ダリルの前でみっともない姿は見せたくない。たとえ強がりでも、ダリルの隣に並び立つに相応しい姿でありたいから。
「師匠、どうしたらいいんですか」
「昔と同じだ。目を閉じて、肌で魔力の流れを感じろ」
子供の頃、うまく制御できなかったやり方だ。フィリアにとっては、目で見て魔法を使うより難しい。
「今のお前なら大丈夫だ。魔力を放出するイメージで、身体を魔力の流れに任せてみろ」
「……やってみます」
ふうっと息を吐いたフィリアの手をクライヴが握る。長い間、いちばん近くで見守ってくれていた魔法使いだ。
「……師匠」
「なんだ」
「えへへ……今までありがとうございました」
目を閉じたフィリアは、身体に流れる魔力に意識を向ける。風、炎、水、雷。自然界に流れる魔力と、フィリアに流れる魔力が混ざりあい、とぷりと深い海の中に沈んでいくような感覚になる。
たゆたう魔力の行き先は、手を握るクライヴの元だ。ギリッとクライヴが歯を食い縛る音が聞こえる。
――さよなら。
水が流れ落ちるように、フィリアの身体から魔力が抜けていくのがわかる。長い友人との別れのように――さみしい。
代わりにフィリアの中を埋めていくのは温かな思い出だ。この先、魔法がなくても、この人たちと一緒に過ごせるのならそれでいい。
繋いだクライヴの手の感覚が段々となくなっていく。フィリアは再び眠りへと落ちた。
***
「いたぞ、そっちだ」
バタバタと夜の王宮に似つかわしくない足音が響く。
角に追い詰められているのは、ダリル・アッシュフィールド第五王子と、その婚約者であるオフィーリア・ウォーレン伯爵令嬢である。
「ダリル様、随分と人気が出ましたね。ここ数日はダリル様狙いが多くて困ります」
「人気があるのはお前の方じゃないのか、フィリア。昨日もどこぞの令嬢から毒物が送られてきたと聞いたが?」
「えっ、どうして知って……って、イレーネですね? バラしたの」
凶器を持った侵入者を前にしているとは思えないほど、二人の会話は続いている。
ダリル一人ではフィリアを守れないだろうと、3人の男が一斉に飛びかかってくる。その瞬間、ドカンと派手な音がして向かってきた男たちは後方へと吹っ飛んだ。
「魔法は使えないはずでは……!?」
突っ込んでこなかった残りの男たちは狼狽えたような声を上げる。
混乱の隙をついて、ダリルが華麗な剣捌きで男たちを切り伏せた。
「あまり壁を傷つけるなよ。スカイレッドがうるさい」
「あー…もうちょっと威力の調整が必要ですね。師匠に相談してみます」
小脇に抱えた筒状のマジックアイテムをさすりながら、フィリアは苦笑いした。クライヴと共同開発した空気砲だ。
*
フィリアがアルカディアにいた間、王宮の問題はすっかり片付いていた。
発火装置を作り、王宮中にばらまいた犯人とされる魔法使いは国内外で指名手配されることになった。
ブラントンや彼の臣下が仕組んだのではないかという疑いの声は上がったものの、ブラントンも犯人が作ったマジックアイテムで気絶していたこと、証拠としてサラとブラントンが同じマジックアイテムを持っていたことから、ブラントンは無関係であるとダリルが証言したそうだ。
だが、ブラントンは一連の騒ぎの責任をとるという形で、王位継承権を放棄すると正式に声明を出した。
本人の強い希望で、辺境の土地の領主として地方に赴くことが決定したという。
フィリアに会ったブラントンは「僕は王様にはならないけど、みんなのために住みやすい土地を作るんだ」と明るい表情で告げた。
秘密基地どころか、すごい街を作るから! と言うブラントンに、必ず遊びに行くと約束を交わした。
一方サラの方は、自分は騙されていたのだと強く主張した。
あのマジックアイテムが火事を引き起こすようなものだとは知らず、護身用として使ったのだと彼女の侍女も証言した。
だが、一連の騒ぎのきっかけになったこと、知らなかったとはいえ弟王子であるブラントンの命を危険に晒したことから、スカイレッドが非を認め、サラへの寛大な処分を求めた。
スカイレッドは幾つかの権限を失い、求心力も落ちてしまったものの、サラとの婚約破棄はしないという。
スカイレッド個人の財を使って、王宮の修理も行われている。
そして、王位に最も近いとされているのが第一王子・フォルセだが――
「おや、オフィーリア嬢。昨晩も大活躍だったそうだね」
「ええ。フォルセ様がお抱えの魔法使いたちを貸して下さっているおかげですわ」
廊下ですれ違ったフォルセににっこりと笑いかける。フォルセ付きの魔法使いの一人がぴくりと頬をひきつらせているのが見えた。
――全ての魔法を扱えたフィリアは、今では風の魔法ひとつ使えない。
クライヴが作ってくれた装置にはほんの一握りの魔力しか残らず、ほとんどがアルカディアの大地へと放出された。魔素にさらされた植物が一気に花開いたり、作物も例に見ないほど豊作だという報告も上がってきている。
代わりにフィリアは、クライヴと共にマジックアイテム作りに励み、魔法がなくても誰でも扱えるような便利な道具を開発中だ。
そのためには、他の魔法使いの協力が必要不可欠なのだが、なんと第一王子が抱えている魔法使いたちを協力させてくれることになったのだ。
フォルセ曰く、「王宮の安全も守られるし、多くの有効なマジックアイテムが生まれれば、協力した僕の評価も上がるからね」とのことだが、げっそりとした自分付きの魔法使いを見て苦笑していた。
「あまり僕の魔法使いをいじめないでやってくれるかな?」
「あら、いじめるなんて。王宮を守るためには必要なことです」
「……相変わらず頼もしい義妹殿だ」
近い将来、この国の王座はフォルセのものになるのだろう。未来の王と仲良くしておいて損はないとフィリアは考えている。
ダリルがこの王宮と兄弟を守りたいというのなら、フィリアはその力になりたいと思っている。
ダリルともども宜しく、という第一王子にフィリアはにこりと笑った。
「ええ。今夜も王宮の警備は万全ですわ!」
<fin>
本編ここまで。で、あと少し、その後の話が続きます。
翌朝。クライヴを前にしたフィリアは明るく「はい」と答えた。
「ダリル様が迎えに来てくれたんですから、やっぱり私は隣国に戻ります!」
「……あっそ。お前がいいんなら俺はそれでいい」
「で、考えたんですけどね。この魔力、ただ捨てるよりも何かに使えませんか?」
マジックアイテムに魔力を込めるように、フィリアの魔力もあらかじめ何かに込めるなりできないかと考えたのだ。
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まだ一人では立てないフィリアはクライヴに抱えられてウェントゥス・レーニスの墓へと向かう。既にダリルは到着しており、イレーネやロイドもその場にいた。
「ダリル様……」
昨夜のことを思い出して頬が赤くなるフィリアに対して、ダリルの方は表情を変えないが――その眼差しはほんの少し柔らかい気がする。
「昨日よりも顔色がいいな」
「はい! 大丈夫です」
クライヴがフィリアを芝生に下ろす。すぐ側に石碑が見え、昨日と同じく温かい魔力がフィリアを包んだ。
「ここでやる。俺がフィリアと装置とを仲介する」
「俺たちはどうすればいい?」
「一応下がっていてくれ。魔力が暴走しないとは限らない」
「わかった」
心配そうに見守るダリルに、フィリアはガッツポーズをしてみせた。
「師匠もいますし、大丈夫ですよ! 私が目覚めるまで――待ってて下さいね!」
「ああ。一緒に帰ろう」
「はい!」
笑うフィリアの手をクライヴが掴む。震える手は、ただの強がりだとクライヴにはバレているだろう。
それでも、ダリルの前でみっともない姿は見せたくない。たとえ強がりでも、ダリルの隣に並び立つに相応しい姿でありたいから。
「師匠、どうしたらいいんですか」
「昔と同じだ。目を閉じて、肌で魔力の流れを感じろ」
子供の頃、うまく制御できなかったやり方だ。フィリアにとっては、目で見て魔法を使うより難しい。
「今のお前なら大丈夫だ。魔力を放出するイメージで、身体を魔力の流れに任せてみろ」
「……やってみます」
ふうっと息を吐いたフィリアの手をクライヴが握る。長い間、いちばん近くで見守ってくれていた魔法使いだ。
「……師匠」
「なんだ」
「えへへ……今までありがとうございました」
目を閉じたフィリアは、身体に流れる魔力に意識を向ける。風、炎、水、雷。自然界に流れる魔力と、フィリアに流れる魔力が混ざりあい、とぷりと深い海の中に沈んでいくような感覚になる。
たゆたう魔力の行き先は、手を握るクライヴの元だ。ギリッとクライヴが歯を食い縛る音が聞こえる。
――さよなら。
水が流れ落ちるように、フィリアの身体から魔力が抜けていくのがわかる。長い友人との別れのように――さみしい。
代わりにフィリアの中を埋めていくのは温かな思い出だ。この先、魔法がなくても、この人たちと一緒に過ごせるのならそれでいい。
繋いだクライヴの手の感覚が段々となくなっていく。フィリアは再び眠りへと落ちた。
***
「いたぞ、そっちだ」
バタバタと夜の王宮に似つかわしくない足音が響く。
角に追い詰められているのは、ダリル・アッシュフィールド第五王子と、その婚約者であるオフィーリア・ウォーレン伯爵令嬢である。
「ダリル様、随分と人気が出ましたね。ここ数日はダリル様狙いが多くて困ります」
「人気があるのはお前の方じゃないのか、フィリア。昨日もどこぞの令嬢から毒物が送られてきたと聞いたが?」
「えっ、どうして知って……って、イレーネですね? バラしたの」
凶器を持った侵入者を前にしているとは思えないほど、二人の会話は続いている。
ダリル一人ではフィリアを守れないだろうと、3人の男が一斉に飛びかかってくる。その瞬間、ドカンと派手な音がして向かってきた男たちは後方へと吹っ飛んだ。
「魔法は使えないはずでは……!?」
突っ込んでこなかった残りの男たちは狼狽えたような声を上げる。
混乱の隙をついて、ダリルが華麗な剣捌きで男たちを切り伏せた。
「あまり壁を傷つけるなよ。スカイレッドがうるさい」
「あー…もうちょっと威力の調整が必要ですね。師匠に相談してみます」
小脇に抱えた筒状のマジックアイテムをさすりながら、フィリアは苦笑いした。クライヴと共同開発した空気砲だ。
*
フィリアがアルカディアにいた間、王宮の問題はすっかり片付いていた。
発火装置を作り、王宮中にばらまいた犯人とされる魔法使いは国内外で指名手配されることになった。
ブラントンや彼の臣下が仕組んだのではないかという疑いの声は上がったものの、ブラントンも犯人が作ったマジックアイテムで気絶していたこと、証拠としてサラとブラントンが同じマジックアイテムを持っていたことから、ブラントンは無関係であるとダリルが証言したそうだ。
だが、ブラントンは一連の騒ぎの責任をとるという形で、王位継承権を放棄すると正式に声明を出した。
本人の強い希望で、辺境の土地の領主として地方に赴くことが決定したという。
フィリアに会ったブラントンは「僕は王様にはならないけど、みんなのために住みやすい土地を作るんだ」と明るい表情で告げた。
秘密基地どころか、すごい街を作るから! と言うブラントンに、必ず遊びに行くと約束を交わした。
一方サラの方は、自分は騙されていたのだと強く主張した。
あのマジックアイテムが火事を引き起こすようなものだとは知らず、護身用として使ったのだと彼女の侍女も証言した。
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スカイレッドは幾つかの権限を失い、求心力も落ちてしまったものの、サラとの婚約破棄はしないという。
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そして、王位に最も近いとされているのが第一王子・フォルセだが――
「おや、オフィーリア嬢。昨晩も大活躍だったそうだね」
「ええ。フォルセ様がお抱えの魔法使いたちを貸して下さっているおかげですわ」
廊下ですれ違ったフォルセににっこりと笑いかける。フォルセ付きの魔法使いの一人がぴくりと頬をひきつらせているのが見えた。
――全ての魔法を扱えたフィリアは、今では風の魔法ひとつ使えない。
クライヴが作ってくれた装置にはほんの一握りの魔力しか残らず、ほとんどがアルカディアの大地へと放出された。魔素にさらされた植物が一気に花開いたり、作物も例に見ないほど豊作だという報告も上がってきている。
代わりにフィリアは、クライヴと共にマジックアイテム作りに励み、魔法がなくても誰でも扱えるような便利な道具を開発中だ。
そのためには、他の魔法使いの協力が必要不可欠なのだが、なんと第一王子が抱えている魔法使いたちを協力させてくれることになったのだ。
フォルセ曰く、「王宮の安全も守られるし、多くの有効なマジックアイテムが生まれれば、協力した僕の評価も上がるからね」とのことだが、げっそりとした自分付きの魔法使いを見て苦笑していた。
「あまり僕の魔法使いをいじめないでやってくれるかな?」
「あら、いじめるなんて。王宮を守るためには必要なことです」
「……相変わらず頼もしい義妹殿だ」
近い将来、この国の王座はフォルセのものになるのだろう。未来の王と仲良くしておいて損はないとフィリアは考えている。
ダリルがこの王宮と兄弟を守りたいというのなら、フィリアはその力になりたいと思っている。
ダリルともども宜しく、という第一王子にフィリアはにこりと笑った。
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