腐男子会計の王道計画！

王道のために暗躍する

海堂くんって、頼りになるよね

目が覚めると、目の前には稔の寝顔があった。
昨日は夜遅くまで漫画を読んだり王道について稔に語っていた。セックスもしないで人の部屋に泊まったのは初めてかも知れない。
怠い訳でもなく。寧ろスッキリ爽快で、グッと体を伸ばして稔の顔を見る。
この前まで俺の胸にあった、もやもやしたものもいつの間にか無くなっていて、本当に気持ちの良い朝だ。
ちゅっと軽く稔の唇に自分の唇を押し当ててキスをすると、ゆっくり開く整った目蓋。
稔と視線が絡まって自然と笑顔が溢れてしまう。

「おはよ」
「ひろ、みつ？おはよ」

体を弄ろうと伸ばす稔の腕を受け流し、体を起こす。

「制服に着替えるから、俺は部屋に戻るね」
「一緒にご飯は？」
「今日はやめとくよー」

しゅんと落ち込む稔。
もし稔に犬や猫の様な耳や尻尾があったのなら、きっと垂れ下がっているだろう。
ベッドから降りようとする俺の腕を掴まれる。

「今日は央蜜とセックスする」
「ははっ、朝からそれ？」
「昨日ヤりたくなったら呼べって言っただろ？」
「言ったねぇ。今日は生徒会あるの？」
「ある」
「じゃあ生徒会終わったらそのまま一緒に帰ろう？」
「分かった」
「じゃあまた後でね」

寝転がる稔の頭を撫でて、顔を近づけるとお互いに唇を合わせてキスをした。
すぐに終わるキスに、名残惜しい気持ちもあるが、俺は立ち上がって稔の部屋を後にする。

部屋に帰ったらPCのチェックして、着替えて、食堂かなぁ。
うーん、食堂まで面倒だから、もういっそのこと生徒会特別部屋に引っ越そうかなぁ。
一度、監査の事もあるから都築先輩に相談しよう。
スマホを確認すると都築先輩からメッセージが届いていた。なんてジャストタイミング。
内容は監査対象の人物プロフィールと概要が書かれていた。

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2-F 鳥居 誠とりい まこと

2-A 小鳥遊 司を暴行、強姦、恐喝している疑い有り。
他余罪等調査し、証拠を理事会に提出しろ。
引き渡しの可能性大
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わお、小鳥遊くんてこの前来た小鳥遊くんだよね？
引越しの相談している場合じゃなくなったかも。

ちなみに、監査委員は生徒会と風紀の監視だけではなく、一般生徒の素行調査も行われる。
風紀委員は基本的に現行犯を指導、報告するが、監査は現行犯を捕まえない。
証拠として抑えて提出する。
強姦とか、被害に遭った子からすると、どうして助けてくれなかったのかと嫌われる所以でもある。
しかし逆に、こうして監査に回ってくる生徒は確実に退学となり、場合によっては証拠もろとも警察に引き渡されることもある。

せっかく気持ちの良い朝だったのに。
気分は最悪。
萌え萌えしてる場合じゃなかったね。

俺は急いで登校の準備をするのだった。