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王道のために暗躍する
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翌朝、身支度を整えてメッセージを送る。
最近色々ありすぎて涼ちゃん不足。
一緒にご飯を食べる約束をして食堂に向かう。
挨拶を返しながら食堂まで到着すると、朝という事もあり人が多くいた。
空いている席を探すと、こちらに手を振る涼ちゃんの姿を見つけた。
窓際の席で、栗色の髪の毛がキラキラと光る涼ちゃんは可愛い。
思わず笑みが溢れるのも仕方のない事だろう。
可愛いは正義!
「おはよう」
「おはようございます、斎賀様」
涼ちゃんの笑顔に癒されながら朝食プレートを注文する。
「涼ちゃん今日は夜時間ある?」
「え?あ、うん、勿論!」
「なら、今日の夜俺の部屋に来てよ」
「じゃあ、18時頃に行くね」
涼ちゃんは顔を赤らめて頬に手を添える。
プレートはすぐに配膳された。
「斎賀様が、後藤様と付き合ってるって噂を聞いてから、もう僕なんて相手にされないと思ってた」
「そんなわけないでしょー?涼ちゃんは俺のお気に入りなんだから」
「ふふ、ありがとうございます」
一緒に食事をするだけで和む。
そっと涼ちゃんの髪に手を伸ばして、さらさらの髪に触れる。
「この前はご飯、ありがとう」
「いえいえ、美味しかった?」
「いや、あんまり?」
「えー、頑張ったんだけど!」
「でも涼ちゃんを近くに感じれて嬉しかったなぁ、また作ってよ」
「もー、仕方ないなぁ」
クスクスと笑みを浮かべる姿を見て、俺までつられて笑ってしまう。
このゆったりとした時間がずっと続けば良いのに。
しかし時間は有限で、学園に向かわなければならない。
食堂を出て一緒に登校する。
「涼ちゃんはAクラス?」
「いや、Bだよ、成績抜かされちゃった」
「そっかー、残念だったね」
「次の期末でAに返り咲くから見てて!」
「うん、焼き付ける。じゃあまた夜にねぇ」
手を振って涼ちゃんが行くのを見送ると、俺は夜を楽しみに自分のクラスへと向かった。
授業が始まってしまえばあっという間で、帰りは稔が教室まで迎えに来た。
「今日って生徒会あった?」
「いや、ない」
「えぇー、どーして来たの?」
「会いたかったからだ」
堂々と真っ直ぐ見つめられて俺思わずたじろぐ。
稔の綺麗な顔で、見つめられるとなんだか恥ずかしい。
緊張するのか心臓がバクバク音を立てる。
イケメンってそれだけでお得だよね。
「うぅ、そうですか」
「朝」
「ん?」
「朝は食堂で見かけた」
「あぁ、行ったからね」
稔は眉間にシワを寄せて目を細め、いつもより低い声で続きを話す。
「一緒に居たのは誰だ?」
「涼ちゃんのこと?俺の親衛隊の子だよ」
「ずいぶん楽しそうだったな」
「そうかな?でも、うん、楽しかったよ」
涼ちゃんの事を思い出すと意に反して顔がにやけてしまう。どうしてランキング上位に入っていないのか、不思議なのだけど。まぁ、涼ちゃんの可愛さは俺が分かってればいいよ。
「今日は俺の部屋に来い」
「それはムリ!今日はもう予定があるから」
「はぁ?!予定だぁ?」
「今日はもう約束があるの」
ぐっと力強く腕を掴まれる。
「痛いって」
「ヤんの?」
「はぁ?」
「誰かと、ヤるの?」
「それが何?!」
スッと手を離されたので、振り解いて稔を見れば、さっきとは違う、眉尻を下げた情け無い顔がそこにはあった。
今にも泣き出しそうな稔の顔を見ると、俺の胸は急激にズキズキと痛み始めた。
「俺のこと、真剣に考えろよ」
一言残して、稔は背を向けて行ってしまった。
最近色々ありすぎて涼ちゃん不足。
一緒にご飯を食べる約束をして食堂に向かう。
挨拶を返しながら食堂まで到着すると、朝という事もあり人が多くいた。
空いている席を探すと、こちらに手を振る涼ちゃんの姿を見つけた。
窓際の席で、栗色の髪の毛がキラキラと光る涼ちゃんは可愛い。
思わず笑みが溢れるのも仕方のない事だろう。
可愛いは正義!
「おはよう」
「おはようございます、斎賀様」
涼ちゃんの笑顔に癒されながら朝食プレートを注文する。
「涼ちゃん今日は夜時間ある?」
「え?あ、うん、勿論!」
「なら、今日の夜俺の部屋に来てよ」
「じゃあ、18時頃に行くね」
涼ちゃんは顔を赤らめて頬に手を添える。
プレートはすぐに配膳された。
「斎賀様が、後藤様と付き合ってるって噂を聞いてから、もう僕なんて相手にされないと思ってた」
「そんなわけないでしょー?涼ちゃんは俺のお気に入りなんだから」
「ふふ、ありがとうございます」
一緒に食事をするだけで和む。
そっと涼ちゃんの髪に手を伸ばして、さらさらの髪に触れる。
「この前はご飯、ありがとう」
「いえいえ、美味しかった?」
「いや、あんまり?」
「えー、頑張ったんだけど!」
「でも涼ちゃんを近くに感じれて嬉しかったなぁ、また作ってよ」
「もー、仕方ないなぁ」
クスクスと笑みを浮かべる姿を見て、俺までつられて笑ってしまう。
このゆったりとした時間がずっと続けば良いのに。
しかし時間は有限で、学園に向かわなければならない。
食堂を出て一緒に登校する。
「涼ちゃんはAクラス?」
「いや、Bだよ、成績抜かされちゃった」
「そっかー、残念だったね」
「次の期末でAに返り咲くから見てて!」
「うん、焼き付ける。じゃあまた夜にねぇ」
手を振って涼ちゃんが行くのを見送ると、俺は夜を楽しみに自分のクラスへと向かった。
授業が始まってしまえばあっという間で、帰りは稔が教室まで迎えに来た。
「今日って生徒会あった?」
「いや、ない」
「えぇー、どーして来たの?」
「会いたかったからだ」
堂々と真っ直ぐ見つめられて俺思わずたじろぐ。
稔の綺麗な顔で、見つめられるとなんだか恥ずかしい。
緊張するのか心臓がバクバク音を立てる。
イケメンってそれだけでお得だよね。
「うぅ、そうですか」
「朝」
「ん?」
「朝は食堂で見かけた」
「あぁ、行ったからね」
稔は眉間にシワを寄せて目を細め、いつもより低い声で続きを話す。
「一緒に居たのは誰だ?」
「涼ちゃんのこと?俺の親衛隊の子だよ」
「ずいぶん楽しそうだったな」
「そうかな?でも、うん、楽しかったよ」
涼ちゃんの事を思い出すと意に反して顔がにやけてしまう。どうしてランキング上位に入っていないのか、不思議なのだけど。まぁ、涼ちゃんの可愛さは俺が分かってればいいよ。
「今日は俺の部屋に来い」
「それはムリ!今日はもう予定があるから」
「はぁ?!予定だぁ?」
「今日はもう約束があるの」
ぐっと力強く腕を掴まれる。
「痛いって」
「ヤんの?」
「はぁ?」
「誰かと、ヤるの?」
「それが何?!」
スッと手を離されたので、振り解いて稔を見れば、さっきとは違う、眉尻を下げた情け無い顔がそこにはあった。
今にも泣き出しそうな稔の顔を見ると、俺の胸は急激にズキズキと痛み始めた。
「俺のこと、真剣に考えろよ」
一言残して、稔は背を向けて行ってしまった。
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