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王道のために暗躍する
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初日は簡単な自己紹介とタブレット端末を配られ、
明日からの授業の説明で終わった。
タブレットの中には教科書ファイルが入っていて、それを見て授業を進めるらしい。
もちろん提出物も端末から送信すれば良いのだ。
前にあるのも黒板ではなくホワイトボード。
プロジェクターで映し出された内容に教師が補足を書き足していく授業スタイル。
ちなみに、授業の内容は動画で復習できるようになっていて、授業免除されてもどこまで進んでるかは把握出来るようになっている。
でも、テストだけは筆記だけど。
ともかく、帰り支度を整える。
「みっつーは生徒会?」
「うん、取り敢えず顔合わせだって」
「部活はしないの?」
周防兄弟が後ろを振り返って話しかけてくる。
大体最初に喋るのが慶太だと思うけど、正直どっちがどっちか分かりにくい。
「まぁ、今のところはないかなぁ、そういうけーたんとゆーたんは部活どうするの?」
「俺は陸上!高飛びやろうかと!」
「俺は水泳部!」
「あれ、違う部活にするの?」
「「色々体験入部してから決めるつもり!」」
「なるほどねぇ」
色々な部活を体験して一番面白そうなのに決めるみたいだ。コイツらは中等部でも似たような事をしていた記憶がある。
「一通り回ってから決めるつもり」
「でも、弓道部は出禁くらったなー」
「うるせーって言われたな!」
ケラケラ笑ってるけど、出禁食らう程騒がしかったって一体どういう状況だったのだろうか。
哀れ、弓道部。
「じゃあまた明日ねぇ!」
「おー!明日!」
「風邪引くなよ!」
周防兄弟と別れた後、生徒会室に向かって歩いて行くと、目の前に黒髪ショート、ぷっくりした唇でくりくりの目をした可愛い男の子が立って道を塞いでいた。
「さ、斎賀 央蜜だな!」
「そうだけどー、君は?」
「僕は、後藤 稔様の親衛隊隊長の一ノ瀬 孝太だ!後藤様とつ、つ、付き合っているそうだが、そんなの認めないからな!」
おっと、親衛隊の隊長さん?
あれあれ、これは俗に言う親衛隊イベント?
まぁそうか、『俺に手を出すな』的な発言を稔がしたから、勘違いしちゃったのかな?
「あ、俺たち付き合ってないからねー」
「後藤様はお優しいからお前みたいなのがつけあがって、え?あれ?付き合ってない?いや、そんなはずないだろ!僕はラウンジでき、キスしてるのだって、後藤様が『恋人』だって言ってたのも聞いてたんだ!嘘つくなっ!」
顔を真っ赤にして怒る一ノ瀬くんってば可愛いー!
え、稔の親衛隊長ってなかなかレベル高くない?
一回くらいお相手願いたいんだけど。
「あー、当日に破局したから」
「なっ!そんなわけない!」
「今は、俺の返事待ち?」
「ご、後藤様を待たせるだなんて!」
「いやー、正直好きとか良く分からなくって~」
「ぐぬぬぬっ、僕は騙されないぞ!」
怒ったり、驚いたり、俺の言葉にコロコロと表情を変える一ノ瀬くんは可愛い。
身長も160cmくらいで低く、俺のことを見上げて声を張り上げている。
「うーん、一ノ瀬くんって今日時間ある?」
「はぁ?何言ってるんだよ、僕の話聞いてたわけ?!」
「聞いてたってー、もし良かったら今からお茶でもどう?」
「お、お茶?なんで僕がお前なんかと」
「別に良くない?」
「お前は僕の敵なんだからお茶なんか飲む訳ないだろ!」
「俺はイチノセ君のこと、敵だなんて思ってないよ」
一ノ瀬君の髪をそっと触る。
一ノ瀬君は警戒したのか体がピクリと動いたが、気にせず少し屈んで顔を近づけ、微笑んだ。
「お茶くらい、いいでしょ?」
明日からの授業の説明で終わった。
タブレットの中には教科書ファイルが入っていて、それを見て授業を進めるらしい。
もちろん提出物も端末から送信すれば良いのだ。
前にあるのも黒板ではなくホワイトボード。
プロジェクターで映し出された内容に教師が補足を書き足していく授業スタイル。
ちなみに、授業の内容は動画で復習できるようになっていて、授業免除されてもどこまで進んでるかは把握出来るようになっている。
でも、テストだけは筆記だけど。
ともかく、帰り支度を整える。
「みっつーは生徒会?」
「うん、取り敢えず顔合わせだって」
「部活はしないの?」
周防兄弟が後ろを振り返って話しかけてくる。
大体最初に喋るのが慶太だと思うけど、正直どっちがどっちか分かりにくい。
「まぁ、今のところはないかなぁ、そういうけーたんとゆーたんは部活どうするの?」
「俺は陸上!高飛びやろうかと!」
「俺は水泳部!」
「あれ、違う部活にするの?」
「「色々体験入部してから決めるつもり!」」
「なるほどねぇ」
色々な部活を体験して一番面白そうなのに決めるみたいだ。コイツらは中等部でも似たような事をしていた記憶がある。
「一通り回ってから決めるつもり」
「でも、弓道部は出禁くらったなー」
「うるせーって言われたな!」
ケラケラ笑ってるけど、出禁食らう程騒がしかったって一体どういう状況だったのだろうか。
哀れ、弓道部。
「じゃあまた明日ねぇ!」
「おー!明日!」
「風邪引くなよ!」
周防兄弟と別れた後、生徒会室に向かって歩いて行くと、目の前に黒髪ショート、ぷっくりした唇でくりくりの目をした可愛い男の子が立って道を塞いでいた。
「さ、斎賀 央蜜だな!」
「そうだけどー、君は?」
「僕は、後藤 稔様の親衛隊隊長の一ノ瀬 孝太だ!後藤様とつ、つ、付き合っているそうだが、そんなの認めないからな!」
おっと、親衛隊の隊長さん?
あれあれ、これは俗に言う親衛隊イベント?
まぁそうか、『俺に手を出すな』的な発言を稔がしたから、勘違いしちゃったのかな?
「あ、俺たち付き合ってないからねー」
「後藤様はお優しいからお前みたいなのがつけあがって、え?あれ?付き合ってない?いや、そんなはずないだろ!僕はラウンジでき、キスしてるのだって、後藤様が『恋人』だって言ってたのも聞いてたんだ!嘘つくなっ!」
顔を真っ赤にして怒る一ノ瀬くんってば可愛いー!
え、稔の親衛隊長ってなかなかレベル高くない?
一回くらいお相手願いたいんだけど。
「あー、当日に破局したから」
「なっ!そんなわけない!」
「今は、俺の返事待ち?」
「ご、後藤様を待たせるだなんて!」
「いやー、正直好きとか良く分からなくって~」
「ぐぬぬぬっ、僕は騙されないぞ!」
怒ったり、驚いたり、俺の言葉にコロコロと表情を変える一ノ瀬くんは可愛い。
身長も160cmくらいで低く、俺のことを見上げて声を張り上げている。
「うーん、一ノ瀬くんって今日時間ある?」
「はぁ?何言ってるんだよ、僕の話聞いてたわけ?!」
「聞いてたってー、もし良かったら今からお茶でもどう?」
「お、お茶?なんで僕がお前なんかと」
「別に良くない?」
「お前は僕の敵なんだからお茶なんか飲む訳ないだろ!」
「俺はイチノセ君のこと、敵だなんて思ってないよ」
一ノ瀬君の髪をそっと触る。
一ノ瀬君は警戒したのか体がピクリと動いたが、気にせず少し屈んで顔を近づけ、微笑んだ。
「お茶くらい、いいでしょ?」
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