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王道のために暗躍する
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部屋から出ると、1階のロビーラウンジへ向かう。
高等部東棟と西棟は3階迄は共有スペースなのだ。
ここは決まった飲み物や軽食を提供してくれるので、宿題や課題などをするのに利用する人は多い。
ちなみに、2階に談話室があるが、そこはもっとカルチャー要素が強い。談話室というよりは遊戯場に近いかも知れない。
カフェオレとスコーンを注文して、エントランスが見渡せる位置に座ると、鞄からノートPCを取り出して起動する。
メールチェックすると『FAVO®️iTE』関係の返答があったので、新作に対する意見をまとめることにした。
エントランスを出入りする人は意外と多くて、目当ての原石ちゃんたちの実際の姿を確認するのに中々良い場所だと思う。
と、早速書記候補の西野 敬史が歩いている。
中等部までは弓道部に所属していて、地区大会で優勝している。多分高等部でも弓道部に入るだろう。
凄く良い姿勢で、歩き方にも品がある。
ワンコ属性ではないけど、クール系で中々の逸材!
放っておいても生徒会に入ってただろうな。
他には…
「おぉ、いたいた!斎賀、ちょっといいか」
原石くんの観察をしていると後ろから声を掛けられた。振り向けば金に近い茶色の髪を緩くセットした、精悍な顔つきで、思わず見惚れてしまう、抱かれたい男No.1に君臨する生徒会長、後藤 稔先輩がいた。
薄らと弧を描く口元、嬉しそうに細められた瞳、半袖のシャツから見える筋肉のしなやかさ。
全身からフェロモン垂れ流ししてる。
182cmという高身長で、後藤グループの会長の御子息、加えて頭もすこぶる良い。
欠点なんて欠片も無いようなパーフェクト超人。
「はい、ゴトー先輩ですよね?」
「あぁ、こうして話すのは初めてだな。後藤 稔だ。さっそくだが、斎賀に生徒会に入らないかと勧誘に来たんだが」
「入ります」
「だよなぁ、田口からも勧誘されてるみたいだし、無理にとは…って、え?入るって言った?」
「はい、ただし『会計』としてですけど」
「会計?なんで会計なんだ?副会長をお願いしようかと思ってたんだが」
「会計じゃなかったら、入りません」
「会計?うーん、まぁ、それでもいいか。でもそうなると…」
「副会長は海堂先輩で良いんじゃないですか?」
「海堂?まぁ、別に役名なんて何でもいいか」
丁度その時、支給員がカフェオレとスコーンを届けに来てくれた。
後藤会長は自然な仕草で隣の席に腰掛けて、支給員に『同じものを』と、注文している。
てっきり話が終わったらすぐに帰ると思っていたのに、隣に座られるとは思わなかった。
「ところで、斎賀はこんな所で何やってるんだ?」
「え?そうですねぇ、お茶をしながら片手間に趣味兼手伝い?あとは~、好みの子が居ないかチェックですかねぇ」
「へぇ、来るもの拒まずじゃないんだ?」
「そりゃあ俺にだって好みはありますよー?」
「どんな子がタイプなの?」
「うーん、綺麗系より可愛い系?でも頼られっぱなしは無理だから引っ張ってくれる子で、ちょっと意地悪で、男らしさも欲しいかなぁ」
「そんな奴いねぇって、それとももう心に決めた人でもいるの?」
「あっははぁー、まさか!」
「じゃあ、俺が狙っても良いってことだよな」
高等部東棟と西棟は3階迄は共有スペースなのだ。
ここは決まった飲み物や軽食を提供してくれるので、宿題や課題などをするのに利用する人は多い。
ちなみに、2階に談話室があるが、そこはもっとカルチャー要素が強い。談話室というよりは遊戯場に近いかも知れない。
カフェオレとスコーンを注文して、エントランスが見渡せる位置に座ると、鞄からノートPCを取り出して起動する。
メールチェックすると『FAVO®️iTE』関係の返答があったので、新作に対する意見をまとめることにした。
エントランスを出入りする人は意外と多くて、目当ての原石ちゃんたちの実際の姿を確認するのに中々良い場所だと思う。
と、早速書記候補の西野 敬史が歩いている。
中等部までは弓道部に所属していて、地区大会で優勝している。多分高等部でも弓道部に入るだろう。
凄く良い姿勢で、歩き方にも品がある。
ワンコ属性ではないけど、クール系で中々の逸材!
放っておいても生徒会に入ってただろうな。
他には…
「おぉ、いたいた!斎賀、ちょっといいか」
原石くんの観察をしていると後ろから声を掛けられた。振り向けば金に近い茶色の髪を緩くセットした、精悍な顔つきで、思わず見惚れてしまう、抱かれたい男No.1に君臨する生徒会長、後藤 稔先輩がいた。
薄らと弧を描く口元、嬉しそうに細められた瞳、半袖のシャツから見える筋肉のしなやかさ。
全身からフェロモン垂れ流ししてる。
182cmという高身長で、後藤グループの会長の御子息、加えて頭もすこぶる良い。
欠点なんて欠片も無いようなパーフェクト超人。
「はい、ゴトー先輩ですよね?」
「あぁ、こうして話すのは初めてだな。後藤 稔だ。さっそくだが、斎賀に生徒会に入らないかと勧誘に来たんだが」
「入ります」
「だよなぁ、田口からも勧誘されてるみたいだし、無理にとは…って、え?入るって言った?」
「はい、ただし『会計』としてですけど」
「会計?なんで会計なんだ?副会長をお願いしようかと思ってたんだが」
「会計じゃなかったら、入りません」
「会計?うーん、まぁ、それでもいいか。でもそうなると…」
「副会長は海堂先輩で良いんじゃないですか?」
「海堂?まぁ、別に役名なんて何でもいいか」
丁度その時、支給員がカフェオレとスコーンを届けに来てくれた。
後藤会長は自然な仕草で隣の席に腰掛けて、支給員に『同じものを』と、注文している。
てっきり話が終わったらすぐに帰ると思っていたのに、隣に座られるとは思わなかった。
「ところで、斎賀はこんな所で何やってるんだ?」
「え?そうですねぇ、お茶をしながら片手間に趣味兼手伝い?あとは~、好みの子が居ないかチェックですかねぇ」
「へぇ、来るもの拒まずじゃないんだ?」
「そりゃあ俺にだって好みはありますよー?」
「どんな子がタイプなの?」
「うーん、綺麗系より可愛い系?でも頼られっぱなしは無理だから引っ張ってくれる子で、ちょっと意地悪で、男らしさも欲しいかなぁ」
「そんな奴いねぇって、それとももう心に決めた人でもいるの?」
「あっははぁー、まさか!」
「じゃあ、俺が狙っても良いってことだよな」
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