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客取り
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しおりを挟む雄に抱き上げられ分娩室を出る。寝室に向かう道すがら、優輝は先刻のお産を思い返していた。無事に産まれた赤ん坊。取り上げた助産師が「凄く可愛いよ」と顔を見せてくれたその子は、客が望んでいた女の子だった。傍に付いていた真柴も、赤子に頬擦りして満面に笑みを浮かべる。そこには駆け引きも裏も無く、本当に嬉しく思っているのだと感じた。
彼の言葉通り、初めての客として理想的な包容力を持っていた城崎。種付けを終えた後、真柴と祝杯を交わしながら「『世界一』の謳い文句に間違いはなかった」と零したらしい。「中のうねり具合やイった時の締め付け、感じ方に啼き声まで、優輝くんは何もかも最高だよ」と心酔した面持ちで語っていたそうだ。分娩室の控えスペースで出産の様子を見守っていた彼も、女の子の誕生に喜びを隠せないようだった。優しく微笑んで赤ん坊を抱き締めていた城崎の横顔を思い出す。優輝は雄の胸に寄り掛かり、ホウ…と溜息をついた。
「――どうした、疲れたか?」
心地好い低音。運んでくれている雄は、種付け前の『準備』と移動も担った男だ。寝室に入りベッドに下ろされながら緩くかぶりを振った優輝は、改めて雄の顔を見て漸くあることに気が付いた。
「…あ…」
彼は、聖堂で自分に調教を施し妊娠能力を開花させた人物――自分を一番最初に孕ませた雄だった。今までの性交の中で最も長い時間犯された相手だったが、客との初子作りを控え緊張状態にあった優輝には、『準備』に訪れた雄の面まではっきりと認識する余裕が無かったのだ。
「やっと思い出したようだな」
ニヤリと嗤って雄が白衣を脱ぎ捨てる。ギシッと音を立てて上に乗ってきた筋骨逞しい身体に、ひと月近く前の記憶が鮮明に蘇ってきた。薬で眠らされ、半日で五十人もの雄に犯された自分。目を覚ます少し前から彼の肉棒を咥え込み、夢うつつの中でさえ無意識に悦がり声を上げ続けた。真深を貫かれたまま、聞くに堪えないほど恥ずかしい誓約の言葉を口にした己の恥態を思い出してしまう。
赤らめた顔を必死に背けようとする優輝の横髪に口付ける雄。
「あの時の子供は元気に育ってる。あんたに似て可愛いぞ」
耳元に落とされた声が意外なほど温かくて、優輝は逸らしていた目線を彼に向ける。自分に注がれる雄の眼差しには、見下すような嘲弄の色も蔑みの冷たさも感じられなかった。
「受け取った母乳を飲ませた時の勢いが凄くてな。将来はかなりの食いしん坊になりそうだ」
軽く息をついて言ったセリフは紛れも無く幼子を持つ父親のそれだ。しかし、直後に続いた雄らしい物言いが、優輝の身体の奥を熱くした。
「あんたも相当な食いしん坊だったな。――だが、何時間犯しても飽きることがなかった。こう見えても、また抱けるのを心待ちにしてたんだぜ」
雄は優輝の耳朶を舐め、首筋へと下りつつコリコリに尖った両乳首を指で捻る。仰け反り肩を捩って喘ぐ優輝。そのまま他の雄達と同じく母乳の摂取から始めるのかと思いきや、雄の舌は一度彼の肌から離れた。体勢を変え白い尻を抱えるように己の正面に捉えると、蕾に顔を近付けてその表面を舐る。
「ひあっっ」
窄まりを這っていた舌が徐々に奥へと挿し込まれる。押し付けられた唇にじゅるじゅると中を吸われ、優輝の腰が弓なりに反った。
「っはあぁっっ、や…ん…っっ」
――男子達の食事は朝夕の二回。毎回用意されるそれは栄養が強化された例の特殊な飲み物で、これを飲んでいれば他に何も食べる必要は無く、空腹を感じることも無い。しかも成分は余さず体内に吸収される為、飲まされ始めてすぐ排泄が尿のみで事足りるようになる。男子の秘所は性交・妊娠・出産の為にだけ存在する器官となり、まさしく性器となるのだ。当番に当たる度、女性の陰部を舐めるように、奥まで存分に男子の尻穴を味わう雄達も多かった。
ピチャピチャと響く水音。卑猥なそれに耳を塞ぎたくなるが、その欲求以上の強さで芯を突き抜けてくる官能の波が優輝の全身を支配し、指先一つ思うように動かせない。今の己の身体は髪の毛一本に至るまで自分の意思とは繋がっていないのだと、甘く啜り啼きながら思い知った気がした。
散々恥部を吸い、内壁を蹂躙していた舌の動きが漸く止まる。後孔から抜かれたそれは艶やかに濡れ、一筋の銀糸を引いていた。
「突っ込んだ時の美味さも抜群だが、こうして直に舌で味わってみても、あんたのココは本当に甘くて美味いんだな。他の男子どもの尻とはまったく違う。かといって女のマンコとも違うんだ。熟した桃の果肉のように柔らかくて瑞々しくて……、ずっと舐めていたくなる――」
ひくつく孔をチロチロと舌先でくすぐられ、もどかしさに優輝の尻が揺れる。
「ああぁっ、…もっと……もっと舐めて……っ」
本能から発されたセリフが勝手に口を衝いて出てしまい、ついと顔を上げた雄と目が合った優輝は頬を真っ赤に紅潮させた。快楽を貪り求める己の本性を目の当たりにするのが堪らなく辛い。
一瞬驚いたらしい雄が、薄く笑って希望を叶えてくれる。再び蕾に口を付けられ、優輝の腰が嬉しげに戦慄いた。今まで何人もの雄が後孔に舌を挿れてきたけれど、舌戯だけでこの雄ほどの快感をもたらした者は他にいない。深部まで届く長さも要因の一つなのかも知れないが、何よりそのテクニックの巧みさが群を抜いていた。蕾から内壁まで余す所なくじっくり舐めしゃぶられると、全身がジンジンと痺れほとんど動かなくなる。そのまま体表だけが別の生き物のように痙攣し、高まる悦びを訴えるのだ。蠢く舌に「あんんっっ」と感じ入って、優輝は見る間に追い上げられていった。
「やぁっ、も…イくっ、イくっっ、あああぁぁっっ!!」
中を舐められてイってしまった優輝の下腹から口を離し、身体を寄せた雄は唾液で濡れ光る後孔に己の一物を押し当てる。ズヌヌと潜り込んでくる巨大な熱の塊。じわじわと柔肉を浸食するように収められていく剛直が最奥に到達し、優輝はその長大さに啼いた。
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