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第48話 離反と露見
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朝になり、早起きしたロッドは日課である精神統一を行なった。
それから〔瞬間移動〕で辺境伯城に行き、アイリス、ピーちゃん、マリー、ジョアンナ、ローモンド、侍女2名を連れて、砦の司令室に行く。
ジュリアンとリーンステア、ミーアは既に司令室にいたようであった。
リーンステアに、朝はミーアを起こして司令室に一緒に来るようにあらかじめ頼んでいたからである。
ロッドは全員揃ったところでミーアを紹介する。
「皆、おはよう。初顔合わせとなる者がいるので紹介したい。こちらは獣人の里、猫獣人の族長家のミーア姫だ。今後は神の巫女として、俺達と行動を共にする事になった」
ミーアが丁寧にお辞儀する。
「ミーアと申します。これからは我が命を掛けてロッド様にお仕えする覚悟です。皆様、よろしくお願いします」
「良い覚悟です。私はロッド様の最初の従者であるアイリスです。この世界のため、共にロッド様のお役に立てるよう精一杯努めましょう」
アイリスが笑顔でミーアを歓迎する。
その後、ロッドはハム美やピーちゃんを含めた全員を紹介し終え、朝食の準備を始めた。
たしかトーストした食パンとゆで卵がまだ余っていたはずなのでそれを出す。
ジャムなどは使い残りだとちょっとアレなので、同じ物を新しく取り寄せた。
〈朝食メニュー〉
・トーストした食パン34枚
・各種ジャム(オレンジマーマレードジャム、イチゴジャム、ブルーベリージャム、マーガリン、ピーナツバター)
・スライスチーズ25枚
・ゆで卵15個(および味塩)
・ドリンクバー(オレンジジュース、ウーロン茶、レモンティ)
ハム美とピーちゃんは水と餌、それ以外の者には空の皿とスプーン、空のコップを配膳し、ロッドは説明する。
「初めての人もいるので説明しよう。この焼けているパンの片面に、こうやってスプーンを使って自分の好きなジャムを塗って食べてくれ。各ジャ厶に差してあるスプーンはそのジャム専用スプーンだから、必要な量を取ったらジャムに戻して欲しい。その後は自分のスプーンで塗り拡げてくれ。飲み物も各自で入れるように」
ロッドは実際にパンにオレンジマーマレードジャムを塗って実演して見せ、そのパンはマリーの皿に置き、オレンジジュースも入れてあげる。
「あと、これはただのゆで卵だ。お好みで塩を振って食べてくれ。それとこの薄い食べ物はスライスチーズと言う。これだけは薄皮を剥がして食べて欲しい」
ロッドは追加の説明を終えると、塩を少し振ったゆで卵をマリーの皿に置いた。
ジュリアン達は2回目なので慣れた感じでパンにジャムを塗り、ドリンクバーで好きな飲み物を入れる。
ミーアは初めての事でオロオロしていたので、ロッドが助け舟を出す。
「ミーアは甘い味が良いならこのオレンジのジャムか、イチゴジャムがお勧めだ。飲み物は同じくこの甘いオレンジジュースか、ほんのり甘いレモンティかな」
「ありがとうございます。ではイチゴジャムとオレンジジュースにしてみます」
ミーアがロッドに笑顔で礼を言った。
「ローモンド子爵はマーガリンを塗って、上にスライスチーズを乗せて食べてみて欲しい。俺はこれが王道だと思う」
ロッドがローモンドにもアドバイスする。
「ロッド様、ありがとうございます」
ローモンドも礼を言い、会釈を返した。
ーー
「こんなに柔らかくて甘くて美味しいパンは初めて! とても美味しいです!」
「ふうむ。ここまで高品質なパンがあるとは、上に乗せたスライスチーズという物も美味です!」
初めて食べたミーアとローモンドにも食パンバイキングは高評のようだ。
戦時中ではあるが、笑顔で美味しい朝食をとるロッド達であった。
〈それぞれが食べた物〉
ロッド マーガリン2、ピーナツバター計3枚とチーズ2枚、ゆで卵1個、ウーロン茶2杯
アイリス オレンジマーマレード、ブルーベリー計2枚、ゆで卵1個、レモンティ2杯
マリー オレンジマーマレード2枚、ゆで卵2個、オレンジジュース3杯
ミーア オレンジマーマレード、ブルーベリー計2枚、ゆで卵2個、オレンジジュース3杯
ジュリアン ブルーベリー、ピーナツバター、マーガリン計3枚、チーズ1枚、ゆで卵2個、レモンティ2杯
ジョアンナ イチゴジャム、ブルーベリー計2枚、ゆで卵1個、レモンティ2杯
リーンステア 全種類計5枚、チーズ1枚、ゆで卵3個、ウーロン茶2杯、レモンティ2杯
侍女2名 オレンジマーマレード2、イチゴジャム2計4枚、ゆで卵2個、レモンティ2杯、オレンジジュース2杯
ローモンド ピーナツバター2、マーガリン計3枚、チーズ1枚、ゆで卵1個、ウーロン茶2杯
ーー
朝食を終えた皆にロッドが話す。
「皆知っていると思うが、ジョアンナと獣人の族長達の間で王国に移住する話が纏まった。それを受けて、昨夜のうちに獣人の里に魔法で次元の門を開いた。その門をくぐると瞬時に移住先に移動できる。獣人達はそれを使用して2日間で移住を終える予定だ」
皆が頷き、ロッドが続きを話す。
「既に帝国の首都である帝都やその他の全ての街を回って、奴隷とされていた獣人も回収し、隷属の首輪からも開放してある。後は、この戦地にいる獣人を戦争から開放すれば獣人の開放は終わりとなるだろう」
「向こうの獣人がこちら側に寝返るという事でしょうか?」
リーンステアがロッドに質問する。
「その通りだ。昨夜のうちに狼獣人ドルフを密かに帝国軍に送り返してある。ドルフが夜のうちに獣人達のネットワークで状況を共有しているから、こちら側からの合図で全ての獣人が砦側に付くはずだ」
ロッドがリーンステアと皆に答えた。
「ロッドさん、その合図とは何でしょうか?」
ジュリアンが疑問を口にする。
「砦から空に向けて炸裂する火球を3発打ち上げてくれ。それで獣人は全員が砦に向かって来るはずだ。落ち着いたら、俺がその獣人達をここから移住先に送る事にしよう。獣人達の救済がイクティス様の望みらしいからな」
ロッドが合図とその後の見通しを話した。
そして続けて今後の具体的な話をする。
「今後の動きなんだが、ジョアンナとローモンド子爵は獣人達との協定を文書に纏めてほしい。それと悪いがもう少しマリーを辺境伯城で預かってくれ。マリーも良い子にするんだぞ。アイリスも辺境伯城にいて、残った者や領都を護ってほしい。ハム美とピーちゃんは出番があるかもしれないから俺と一緒に砦にいてくれ。ミーアは……」
ミーアがロッドの話に割り込む。
「私はこの砦に残りたいです! 族長の後継として、全ての獣人を見守る責任がありますので」
「分かった。だが君は神の巫女なんだ。あまり危険な事はしないようにな。ハム美、付いて護ってやってくれ」
(『はいデチュ! ミーアを護るデチュ!』)
ハム美はロッドの頼みを受け、ミーアの肩に乗った。
「まあ。聖獣ハム美様。ありがとうございます!」
ミーアが肩に乗ったハム美に、嬉しそうに微笑む。
その時、(コンコン)とドアがノックされた。
「入れ!」
緊急案件かもしれないので、司令官であるリーンステアが入室を許可した。
「報告します! 帝国軍内で戦闘が発生しているようです! そして飛龍が相当数見えるとの報告も入っています!」
連絡兵が部屋に入り、慌てた様子で報告した。
「「「!」」」
皆があまりの事態に驚く。
「了解した! 戦闘配置に着くよう各所に連絡せよ!」
リーンステアがとりあえず連絡兵に指示した。
「ロッド様! これは?」
ミーアが慌てた様子でロッドに問う。
ロッドはミーアを手で制すると、超能力の応用技である〔自在の瞳〕で帝国軍内で発生していると思われる戦闘を視る。
(これは……獣人部隊が攻撃を受けている)
「どうやら帝国軍に獣人の離反が露見したようだ。獣人部隊が攻撃を受けている。恐らく帝国から飛来した飛龍部隊が情報をもたらしたのだろう」
ロッドが苦い顔で見た事と推測を交えて説明した。
皆の顔が青くなる。
「こうなったら仕方ない、俺が直接出よう! ピーちゃん、俺を乗せて帝国軍の頭上まで飛んでくれ! アイリス、悪いが次元の門で辺境伯城に戻っていてくれ」
ロッドがアイリスに自力で戻るよう伝え、獣人の救出に出ると宣言した。
「私も連れて行って下さい! 窮地にいる獣人の皆を鼓舞したいのです!」
ミーアが救出に向かおうとしたロッドに懇願する。
ロッドは困惑し一瞬考えた後、ミーアに頷いて承諾するのであった。
それから〔瞬間移動〕で辺境伯城に行き、アイリス、ピーちゃん、マリー、ジョアンナ、ローモンド、侍女2名を連れて、砦の司令室に行く。
ジュリアンとリーンステア、ミーアは既に司令室にいたようであった。
リーンステアに、朝はミーアを起こして司令室に一緒に来るようにあらかじめ頼んでいたからである。
ロッドは全員揃ったところでミーアを紹介する。
「皆、おはよう。初顔合わせとなる者がいるので紹介したい。こちらは獣人の里、猫獣人の族長家のミーア姫だ。今後は神の巫女として、俺達と行動を共にする事になった」
ミーアが丁寧にお辞儀する。
「ミーアと申します。これからは我が命を掛けてロッド様にお仕えする覚悟です。皆様、よろしくお願いします」
「良い覚悟です。私はロッド様の最初の従者であるアイリスです。この世界のため、共にロッド様のお役に立てるよう精一杯努めましょう」
アイリスが笑顔でミーアを歓迎する。
その後、ロッドはハム美やピーちゃんを含めた全員を紹介し終え、朝食の準備を始めた。
たしかトーストした食パンとゆで卵がまだ余っていたはずなのでそれを出す。
ジャムなどは使い残りだとちょっとアレなので、同じ物を新しく取り寄せた。
〈朝食メニュー〉
・トーストした食パン34枚
・各種ジャム(オレンジマーマレードジャム、イチゴジャム、ブルーベリージャム、マーガリン、ピーナツバター)
・スライスチーズ25枚
・ゆで卵15個(および味塩)
・ドリンクバー(オレンジジュース、ウーロン茶、レモンティ)
ハム美とピーちゃんは水と餌、それ以外の者には空の皿とスプーン、空のコップを配膳し、ロッドは説明する。
「初めての人もいるので説明しよう。この焼けているパンの片面に、こうやってスプーンを使って自分の好きなジャムを塗って食べてくれ。各ジャ厶に差してあるスプーンはそのジャム専用スプーンだから、必要な量を取ったらジャムに戻して欲しい。その後は自分のスプーンで塗り拡げてくれ。飲み物も各自で入れるように」
ロッドは実際にパンにオレンジマーマレードジャムを塗って実演して見せ、そのパンはマリーの皿に置き、オレンジジュースも入れてあげる。
「あと、これはただのゆで卵だ。お好みで塩を振って食べてくれ。それとこの薄い食べ物はスライスチーズと言う。これだけは薄皮を剥がして食べて欲しい」
ロッドは追加の説明を終えると、塩を少し振ったゆで卵をマリーの皿に置いた。
ジュリアン達は2回目なので慣れた感じでパンにジャムを塗り、ドリンクバーで好きな飲み物を入れる。
ミーアは初めての事でオロオロしていたので、ロッドが助け舟を出す。
「ミーアは甘い味が良いならこのオレンジのジャムか、イチゴジャムがお勧めだ。飲み物は同じくこの甘いオレンジジュースか、ほんのり甘いレモンティかな」
「ありがとうございます。ではイチゴジャムとオレンジジュースにしてみます」
ミーアがロッドに笑顔で礼を言った。
「ローモンド子爵はマーガリンを塗って、上にスライスチーズを乗せて食べてみて欲しい。俺はこれが王道だと思う」
ロッドがローモンドにもアドバイスする。
「ロッド様、ありがとうございます」
ローモンドも礼を言い、会釈を返した。
ーー
「こんなに柔らかくて甘くて美味しいパンは初めて! とても美味しいです!」
「ふうむ。ここまで高品質なパンがあるとは、上に乗せたスライスチーズという物も美味です!」
初めて食べたミーアとローモンドにも食パンバイキングは高評のようだ。
戦時中ではあるが、笑顔で美味しい朝食をとるロッド達であった。
〈それぞれが食べた物〉
ロッド マーガリン2、ピーナツバター計3枚とチーズ2枚、ゆで卵1個、ウーロン茶2杯
アイリス オレンジマーマレード、ブルーベリー計2枚、ゆで卵1個、レモンティ2杯
マリー オレンジマーマレード2枚、ゆで卵2個、オレンジジュース3杯
ミーア オレンジマーマレード、ブルーベリー計2枚、ゆで卵2個、オレンジジュース3杯
ジュリアン ブルーベリー、ピーナツバター、マーガリン計3枚、チーズ1枚、ゆで卵2個、レモンティ2杯
ジョアンナ イチゴジャム、ブルーベリー計2枚、ゆで卵1個、レモンティ2杯
リーンステア 全種類計5枚、チーズ1枚、ゆで卵3個、ウーロン茶2杯、レモンティ2杯
侍女2名 オレンジマーマレード2、イチゴジャム2計4枚、ゆで卵2個、レモンティ2杯、オレンジジュース2杯
ローモンド ピーナツバター2、マーガリン計3枚、チーズ1枚、ゆで卵1個、ウーロン茶2杯
ーー
朝食を終えた皆にロッドが話す。
「皆知っていると思うが、ジョアンナと獣人の族長達の間で王国に移住する話が纏まった。それを受けて、昨夜のうちに獣人の里に魔法で次元の門を開いた。その門をくぐると瞬時に移住先に移動できる。獣人達はそれを使用して2日間で移住を終える予定だ」
皆が頷き、ロッドが続きを話す。
「既に帝国の首都である帝都やその他の全ての街を回って、奴隷とされていた獣人も回収し、隷属の首輪からも開放してある。後は、この戦地にいる獣人を戦争から開放すれば獣人の開放は終わりとなるだろう」
「向こうの獣人がこちら側に寝返るという事でしょうか?」
リーンステアがロッドに質問する。
「その通りだ。昨夜のうちに狼獣人ドルフを密かに帝国軍に送り返してある。ドルフが夜のうちに獣人達のネットワークで状況を共有しているから、こちら側からの合図で全ての獣人が砦側に付くはずだ」
ロッドがリーンステアと皆に答えた。
「ロッドさん、その合図とは何でしょうか?」
ジュリアンが疑問を口にする。
「砦から空に向けて炸裂する火球を3発打ち上げてくれ。それで獣人は全員が砦に向かって来るはずだ。落ち着いたら、俺がその獣人達をここから移住先に送る事にしよう。獣人達の救済がイクティス様の望みらしいからな」
ロッドが合図とその後の見通しを話した。
そして続けて今後の具体的な話をする。
「今後の動きなんだが、ジョアンナとローモンド子爵は獣人達との協定を文書に纏めてほしい。それと悪いがもう少しマリーを辺境伯城で預かってくれ。マリーも良い子にするんだぞ。アイリスも辺境伯城にいて、残った者や領都を護ってほしい。ハム美とピーちゃんは出番があるかもしれないから俺と一緒に砦にいてくれ。ミーアは……」
ミーアがロッドの話に割り込む。
「私はこの砦に残りたいです! 族長の後継として、全ての獣人を見守る責任がありますので」
「分かった。だが君は神の巫女なんだ。あまり危険な事はしないようにな。ハム美、付いて護ってやってくれ」
(『はいデチュ! ミーアを護るデチュ!』)
ハム美はロッドの頼みを受け、ミーアの肩に乗った。
「まあ。聖獣ハム美様。ありがとうございます!」
ミーアが肩に乗ったハム美に、嬉しそうに微笑む。
その時、(コンコン)とドアがノックされた。
「入れ!」
緊急案件かもしれないので、司令官であるリーンステアが入室を許可した。
「報告します! 帝国軍内で戦闘が発生しているようです! そして飛龍が相当数見えるとの報告も入っています!」
連絡兵が部屋に入り、慌てた様子で報告した。
「「「!」」」
皆があまりの事態に驚く。
「了解した! 戦闘配置に着くよう各所に連絡せよ!」
リーンステアがとりあえず連絡兵に指示した。
「ロッド様! これは?」
ミーアが慌てた様子でロッドに問う。
ロッドはミーアを手で制すると、超能力の応用技である〔自在の瞳〕で帝国軍内で発生していると思われる戦闘を視る。
(これは……獣人部隊が攻撃を受けている)
「どうやら帝国軍に獣人の離反が露見したようだ。獣人部隊が攻撃を受けている。恐らく帝国から飛来した飛龍部隊が情報をもたらしたのだろう」
ロッドが苦い顔で見た事と推測を交えて説明した。
皆の顔が青くなる。
「こうなったら仕方ない、俺が直接出よう! ピーちゃん、俺を乗せて帝国軍の頭上まで飛んでくれ! アイリス、悪いが次元の門で辺境伯城に戻っていてくれ」
ロッドがアイリスに自力で戻るよう伝え、獣人の救出に出ると宣言した。
「私も連れて行って下さい! 窮地にいる獣人の皆を鼓舞したいのです!」
ミーアが救出に向かおうとしたロッドに懇願する。
ロッドは困惑し一瞬考えた後、ミーアに頷いて承諾するのであった。
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