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黒田鉄男(伯父)
第7話 ドス黒い想い
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俺の名前は黒田鉄男。
俺はしがない街の中華店を営む家に生まれた。
子供の頃から親父に似てでっぷりとした小太り体型で、顔も良くない俺は女には全くモテなかった。
かといって勉強が出来るわけでもなく、どの道店を継がなきゃならない俺は素行も悪くて、まともに勉強などした事が無かった。
母親は俺が小さい頃に病気で死んでしまっていたが、俺が高校生になった頃に小学生の連れ子がいる二番目の母親が出来た。
何でも亭主にDVされてこの町に逃げてきた人らしい。
親父は容姿は悪いが気は優しくて力持ちのタイプだから、相談に乗っているうちに絆されたんだろう。
連れ子は女の子で細身で顔立ちも良く、将来は凄い美人になりそうな感じだったが、歳もかなり離れていたので俺が気にする事は無かった。
俺は高校を卒業すると店に入り、親父に中華料理を教えてもらいながら修行する毎日だった。
ーーーーー
俺がようやく一人前になった21歳、義理妹の由香が15歳の頃、二番目の母親がこの世を去った。
遂にこの街まで追いかけて来た元亭主に駅前で刺されたらしい。
親父が駆け付けた時にはもう息が無かったそうだ。
もちろん相手は現行犯で捕まえられて刑務所に入れられた。
相手も若くは無いので、もうシャバに出て来る事は無いそうだ。
扱いは小さいが全国的なニュースにもなる程だった。
それから母親が居なくなった負い目からなのか由香が店を手伝うようになった。
反対に親父は母親を守れなかった責任を感じてか徐々に衰弱し、一年後に流行したウィルスに感染してこの世を去ってしまった。
なんの因果か俺達義理の兄妹二人だけが残ってしまったんだ。
ーーーーー
それから俺は義理妹の由香を女として意識する様になった。
女っ気の全く無かった俺は店を手伝う由香とこのまま所帯を持って、店を続けて行くのも悪くないかと夢想する毎日だった。
それからしばらくして俺達の前に一人の男が現れた。
その男は若く洗練された出で立ちで、背も高いイケメンだった。
うちの店の味を気に入ってくれたらしく度々店を訪れるが、その度に由香が張り切って接客しているのがわかった。
由香は男をずっと目で追っていて、少しでも水が減ると直ぐに注ぎに行き、男への笑顔は他の客への愛想笑いと違って輝いていた。
そして会計の時にも男の手をやんわりと握っている様だ。
そのうちに男は由香と長い会話をする様になり、休日にはデートをする仲になっていった。
俺はその様子を見て歯噛みした。
ーーーーー
そして由香が18歳になって高校を卒業する時、二人に結婚の挨拶をされた。
今日これから結婚して男の家に住むと。
寝耳に水だった俺は渋々と了承したが、心の中はドス黒い想いが渦巻いていた。
畜生! 由香は俺の嫁にしようと思っていたのに! 何でだよ!
それから一人で店を切り盛りする様になった俺は求人の募集を出した。
どうせなら妙齢の女性にして、あわよくば仲良くなって俺の嫁になってくれないかという思いもあった。
もしうまい事そうなれば由香を忘れられるだろう。
だが応募してきたのは俺の一回りも年齢が高い女性だった。
落胆した俺だったが、なる早で決めて仕事を回さなければならない。
俺は結局はその女性を雇い入れた。
そしてその二年後、俺はその一回りも歳上の女性と結婚する事になった。
凄く酔っていた時に、つい手を出してしまったからだ。
自分のせいで逃げられなくなった俺だが、由香と吉井浩二と名乗る男へのドス黒い想いは消えることが無かった。
俺はしがない街の中華店を営む家に生まれた。
子供の頃から親父に似てでっぷりとした小太り体型で、顔も良くない俺は女には全くモテなかった。
かといって勉強が出来るわけでもなく、どの道店を継がなきゃならない俺は素行も悪くて、まともに勉強などした事が無かった。
母親は俺が小さい頃に病気で死んでしまっていたが、俺が高校生になった頃に小学生の連れ子がいる二番目の母親が出来た。
何でも亭主にDVされてこの町に逃げてきた人らしい。
親父は容姿は悪いが気は優しくて力持ちのタイプだから、相談に乗っているうちに絆されたんだろう。
連れ子は女の子で細身で顔立ちも良く、将来は凄い美人になりそうな感じだったが、歳もかなり離れていたので俺が気にする事は無かった。
俺は高校を卒業すると店に入り、親父に中華料理を教えてもらいながら修行する毎日だった。
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俺がようやく一人前になった21歳、義理妹の由香が15歳の頃、二番目の母親がこの世を去った。
遂にこの街まで追いかけて来た元亭主に駅前で刺されたらしい。
親父が駆け付けた時にはもう息が無かったそうだ。
もちろん相手は現行犯で捕まえられて刑務所に入れられた。
相手も若くは無いので、もうシャバに出て来る事は無いそうだ。
扱いは小さいが全国的なニュースにもなる程だった。
それから母親が居なくなった負い目からなのか由香が店を手伝うようになった。
反対に親父は母親を守れなかった責任を感じてか徐々に衰弱し、一年後に流行したウィルスに感染してこの世を去ってしまった。
なんの因果か俺達義理の兄妹二人だけが残ってしまったんだ。
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それから俺は義理妹の由香を女として意識する様になった。
女っ気の全く無かった俺は店を手伝う由香とこのまま所帯を持って、店を続けて行くのも悪くないかと夢想する毎日だった。
それからしばらくして俺達の前に一人の男が現れた。
その男は若く洗練された出で立ちで、背も高いイケメンだった。
うちの店の味を気に入ってくれたらしく度々店を訪れるが、その度に由香が張り切って接客しているのがわかった。
由香は男をずっと目で追っていて、少しでも水が減ると直ぐに注ぎに行き、男への笑顔は他の客への愛想笑いと違って輝いていた。
そして会計の時にも男の手をやんわりと握っている様だ。
そのうちに男は由香と長い会話をする様になり、休日にはデートをする仲になっていった。
俺はその様子を見て歯噛みした。
ーーーーー
そして由香が18歳になって高校を卒業する時、二人に結婚の挨拶をされた。
今日これから結婚して男の家に住むと。
寝耳に水だった俺は渋々と了承したが、心の中はドス黒い想いが渦巻いていた。
畜生! 由香は俺の嫁にしようと思っていたのに! 何でだよ!
それから一人で店を切り盛りする様になった俺は求人の募集を出した。
どうせなら妙齢の女性にして、あわよくば仲良くなって俺の嫁になってくれないかという思いもあった。
もしうまい事そうなれば由香を忘れられるだろう。
だが応募してきたのは俺の一回りも年齢が高い女性だった。
落胆した俺だったが、なる早で決めて仕事を回さなければならない。
俺は結局はその女性を雇い入れた。
そしてその二年後、俺はその一回りも歳上の女性と結婚する事になった。
凄く酔っていた時に、つい手を出してしまったからだ。
自分のせいで逃げられなくなった俺だが、由香と吉井浩二と名乗る男へのドス黒い想いは消えることが無かった。
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