見知らぬ世界で開拓者

久々にブチ切れます-10

「まずは動けんようにしてやろう」


マントが地中から潜り出ると同時に足が完全に地面に固定されてしまった。


だがこんな近距離なら魔法を外すことはねえ！！




「この......！フレア.....！！」



「させん！！」



強化魔法の入ったただの蹴り。

だが自分で爆発させた足には、効きすぎた。




「ガアアァァァ！」




くそ...意識が飛びそうだ......



「先ほどの魔法を撃たれては敵わんからな...こうさせてもらおう。」



スッとマントが手を掲げると、俺たちを囲んでいた壁が上へ伸びていき...

完全に上空を閉鎖してしまった。



「これで先ほどの降り注ぐ魔法は使えまい。つまり、足を固定されて動けないお前は......フンッ！！」



「ィギッ...！！」



単純強化された殴打がわき腹に刺さる。

クソ...嬲るつもりかよ




「く...そ！！フレアショット！！」



俺の手から炎が放たれる。

だが、マントに向かうどころか地面に吸い込まれていってしまった。



「ハ、ハハハハハ！こいつは面白い。もはや真っ直ぐ魔法を飛ばすことすらできんか！！オラァ！！」




蹴り、殴打、初級魔法など意識が飛ぶ限界ギリギリの連打。


く...そ......もう少し...もう少しだけ...




「フレア...ショット！」




ボシュッと音をたて明後日の方向へ消えていく魔法。

もう少し、もう少しだけでいい！！！




「.......つまらんな。」




唐突にマントが声を発する。




「もはや大した反応もできず、出来る事は初級魔法を闇雲に放つだけ......そろそろ潮時か」



あぁ...

確かにもう何処が痛いのかよくわかんねえな...




「最後に、何か言い残す事はないか？お前が人として言える最後の言葉だ」




もはや立っていられず足を固定されたまま地に突っ伏している俺に言い放つマント野郎。


くそムカつくなぁ...こんちくしょう......！




「......くたばれ糞ファッション野郎」




「そうか......なら、消え失せろ！！！！アース・ブラスト！！！！！」




今までに無い大きさと速度で迫る大岩。

あぁこりゃ死んだかな......



「フレア...」




ドゴォォォ



まともに喰らった...
駄目だ意識が持たない......

最後に、もう一度だけ......



「ショ......ット！」



俺が魔法を打つ、と同時に壁を突き破って外にぶっ飛ばされた。



コハル......ごめんな......



ヒュッ





なんだ...誰かに抱えられているような......



誰かは俺を空中で捕まえるとそのまま着地。

そのままスッと地面に優しく置かれた。


誰が...


だが......

俺の意識はそこで途切れた。















「サンキューじいさん」



「なに、容易いよ。お前さんもお嬢ちゃん降ろしていっちょやってこい」



「あぁ......！！コハルはムサシを！！」



「う、うん！！......お兄ちゃん！！お兄ちゃん！！！」



ムサシの元へ駆けるコハル。

今は少しでもコハルの回復魔法にかけよう...。



そして俺はマント野郎に向かって歩きだした。


正直、ブチ切れてるぜ！





「待っていたぞ......ミスミィ！！！！！」



「嬉しくねぇんだよ！くそマントォ！！！」




ムサシ、ちょっと待ってろよ。