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バウワー近衛総司令の油断
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バウワー近衛総司令は本陣で高価な酒杯を傾けていた。指をバチンと鳴らすと横にいる奴隷女が酒を注いでくれる。目の前には彼が近衛総司令であることを示すマントが飾られていた。それを見て悦に浸るのが、専ら彼の日課であった。
大隊長の時には得られなかったすべてがこの天幕の中にあった。
「レーム侯爵は愚かだな。このような地位を捨ててまで、あの女に味方するとは」
前任の近衛総司令を思い起こして彼は鼻で笑った。謹厳実直を絵に描いたような人だったが、バウワーはまったく認めていなかった。相応の地位に就いたら、それに伴う贅沢をしなければ下のものに示しがつかないとさえ思っていた。
「まあペルセウス侯爵の下ではレーム侯爵も復職することはあるまい。あの性格では彼の人ととそりが合うわけないしな。国家に飼い殺しにされて終わりだろう」
自分の地位が盤石であることに安心しつつ、隣の奴隷女を好色な目線で見た。
「レーム侯爵は奴隷も嫌っていたが俺は違う。もらえるものはすべてもらってやろう」
バウワー近衛総司令は今にも涎を流しそうな様子であった。
夜のことを夢想しながら、バウワー近衛総司令はさらに酒を進めていると、伝令が入ってきた。
「近衛総司令! カイエン公爵及びミントレア子爵より使者が参上しました」
「ほう? なんの要件だ?」
バウワー近衛総司令は精一杯威厳を保ちながら、椅子にゆったりと座って尋ねた。
「は! 両人よりの手紙を持参したとのことです。手紙はこちらに!」
確かに使者の手には手紙が握られていた。バウワー近衛総司令は先を促した。
「読んでみろ」
「では失礼します......」
伝令がいざ手紙を読もうとすると段々と顔が蒼白になってきていた。どうやら相当にまずいことが書いてあるらしい。
「どうした? 早くしろ」
「は......その......我々はドイエベルンの最も高貴な身分のものである。ゆえに陛下やペルセウス本人が来るならば話くらい聞いてやろうという気にもなるというものだが、来たのは意地汚くその地位を簒奪した豚であった。生憎だが我々は誇りと共に人語を解するものとしか話し合いができないため......もっとましな......その......家畜以外のものを寄越されよ......とかなんとか......」
伝令がこれ以上手紙の内容を読み続けることを難しく感じ、ちらっとバウワー近衛総司令の顔を見ると、彼は怒りでこめかみに青筋を浮き上がらせていた。鬼のような形相に伝令も「ひっ!」と悲鳴を上げた。
「くっくっくっ。言ってくれるじゃないか老いぼれぇ......」
あまりの殺気---いや怒気に伝令も傍らにいた奴隷も後じさった。
「たかだか20年前に武功を挙げただけの老人がこの俺を豚と呼ぶかよ。とっくに自分の時代は終わったと気づきもせずになぁ」
ぎょろりととした目つきでバウワー近衛総司令は伝令をにらんだ。
「おい......」
「は......はい!」
伝令はピンと緊張した様子で気を付けの状態で直立した。
「ゲルパとマルカネンを呼べ」
「はい! 今すぐに!」
伝令は慌てて敬礼をして天幕から出て行った。
数刻ほどして入ってきたのは二人の男だった。片方は禿頭の冷たい目をしており、もう片方は長髪で常ににやにやと笑っていた。
「ゲルパ」
「はっ!」
「マルカネン」
「あいよ」
バウワー近衛総司令に呼ばれて禿頭の男---ゲルパが、次いで長髪の男---マルカネンが返事をした。彼らは北部のカイエン公爵の支配外の有力軍閥の長であった。
「お前たちに兵を五千ずつ任せる。今から俺と共に出陣してカイエン公爵とミントレア子爵を討ち、殿下を捕らえるぞ」
「ほう? 公爵も子爵も討っていいんで?」
マルカネンがにやつきながら聞いた。
「ああ。構わん。陛下には従わなければいいと許可も取ってある。存分に暴れてこい」
「へへ」
「何が可笑しい?」
「いやなに。伝説の『雷鳴戦鬼』とやれる機会なんてくると思わないじゃないですか? 楽しみで仕方ないですよ」
「相変わらずの戦闘狂だな。足元をすくわれるなよ?」
「任せてくださいよ。それよりご褒美を聞かせてほしいですな」
「何?」
「俺ら傭兵国家の一員ですからね。目の前に人参ぶら下がってた方が張り切るってもんでさ。ゲルパの旦那もそうだろ?」
マルカネンが横にいて黙っているゲルパに話を振るも、ゲルパは静かに首を横に振った。
「私は自分の仕事をするだけだ。仕事に見合った報酬をもらえればそれでいい」
「欲がないね。ま、でも相手はこの国で一番の剛のものたちだ。相応の報酬ってのも期待してしまうね」
「なるほど......」
バウワー近衛総司令は考えた。領土などの恩賞は自分の権限外のもので勝手に約束していいものでもない。近衛軍団の地位なら与えられるが、中央の軍に入るのを嫌って、軍閥なぞやっている目の前の男たちにはあまり意味がなさそうであった。
バウワー近衛総司令が迷っていると、マルカネンが手を挙げた。
「もし叶うなら北部におけるルーシア帝国との交易権をいただけないですかね?」
ルーシア帝国はドイエベルンの北部に広がる大帝国だ。基本的に国家間の交流はほとんどないのだが、たまに鉱石など一部の商品を物々交換するなど交流のある地域もあった。
「ほう? そんなもの欲しがるのか?」
「ええ。軍隊を養うにも金が要るんでね。全部とは言わないまでも一部商品の独占交易権をもらえるとこっちも仕事がしやすくなるってもんですよ。ゲルパの旦那もどうだい?」
マルカネンの提案にゲルパも頷いた。文句はないようであった。
「なるほど。俺の一存では決められんが陛下に打診してみよう」
「よっしゃ!」
マルカネンは提案が通って喜んでいた。負けることを微塵も考えていないようであった。3倍の軍勢に優秀な将。バウワー近衛総司令は負けるわけがないと高をくくっていた。
大隊長の時には得られなかったすべてがこの天幕の中にあった。
「レーム侯爵は愚かだな。このような地位を捨ててまで、あの女に味方するとは」
前任の近衛総司令を思い起こして彼は鼻で笑った。謹厳実直を絵に描いたような人だったが、バウワーはまったく認めていなかった。相応の地位に就いたら、それに伴う贅沢をしなければ下のものに示しがつかないとさえ思っていた。
「まあペルセウス侯爵の下ではレーム侯爵も復職することはあるまい。あの性格では彼の人ととそりが合うわけないしな。国家に飼い殺しにされて終わりだろう」
自分の地位が盤石であることに安心しつつ、隣の奴隷女を好色な目線で見た。
「レーム侯爵は奴隷も嫌っていたが俺は違う。もらえるものはすべてもらってやろう」
バウワー近衛総司令は今にも涎を流しそうな様子であった。
夜のことを夢想しながら、バウワー近衛総司令はさらに酒を進めていると、伝令が入ってきた。
「近衛総司令! カイエン公爵及びミントレア子爵より使者が参上しました」
「ほう? なんの要件だ?」
バウワー近衛総司令は精一杯威厳を保ちながら、椅子にゆったりと座って尋ねた。
「は! 両人よりの手紙を持参したとのことです。手紙はこちらに!」
確かに使者の手には手紙が握られていた。バウワー近衛総司令は先を促した。
「読んでみろ」
「では失礼します......」
伝令がいざ手紙を読もうとすると段々と顔が蒼白になってきていた。どうやら相当にまずいことが書いてあるらしい。
「どうした? 早くしろ」
「は......その......我々はドイエベルンの最も高貴な身分のものである。ゆえに陛下やペルセウス本人が来るならば話くらい聞いてやろうという気にもなるというものだが、来たのは意地汚くその地位を簒奪した豚であった。生憎だが我々は誇りと共に人語を解するものとしか話し合いができないため......もっとましな......その......家畜以外のものを寄越されよ......とかなんとか......」
伝令がこれ以上手紙の内容を読み続けることを難しく感じ、ちらっとバウワー近衛総司令の顔を見ると、彼は怒りでこめかみに青筋を浮き上がらせていた。鬼のような形相に伝令も「ひっ!」と悲鳴を上げた。
「くっくっくっ。言ってくれるじゃないか老いぼれぇ......」
あまりの殺気---いや怒気に伝令も傍らにいた奴隷も後じさった。
「たかだか20年前に武功を挙げただけの老人がこの俺を豚と呼ぶかよ。とっくに自分の時代は終わったと気づきもせずになぁ」
ぎょろりととした目つきでバウワー近衛総司令は伝令をにらんだ。
「おい......」
「は......はい!」
伝令はピンと緊張した様子で気を付けの状態で直立した。
「ゲルパとマルカネンを呼べ」
「はい! 今すぐに!」
伝令は慌てて敬礼をして天幕から出て行った。
数刻ほどして入ってきたのは二人の男だった。片方は禿頭の冷たい目をしており、もう片方は長髪で常ににやにやと笑っていた。
「ゲルパ」
「はっ!」
「マルカネン」
「あいよ」
バウワー近衛総司令に呼ばれて禿頭の男---ゲルパが、次いで長髪の男---マルカネンが返事をした。彼らは北部のカイエン公爵の支配外の有力軍閥の長であった。
「お前たちに兵を五千ずつ任せる。今から俺と共に出陣してカイエン公爵とミントレア子爵を討ち、殿下を捕らえるぞ」
「ほう? 公爵も子爵も討っていいんで?」
マルカネンがにやつきながら聞いた。
「ああ。構わん。陛下には従わなければいいと許可も取ってある。存分に暴れてこい」
「へへ」
「何が可笑しい?」
「いやなに。伝説の『雷鳴戦鬼』とやれる機会なんてくると思わないじゃないですか? 楽しみで仕方ないですよ」
「相変わらずの戦闘狂だな。足元をすくわれるなよ?」
「任せてくださいよ。それよりご褒美を聞かせてほしいですな」
「何?」
「俺ら傭兵国家の一員ですからね。目の前に人参ぶら下がってた方が張り切るってもんでさ。ゲルパの旦那もそうだろ?」
マルカネンが横にいて黙っているゲルパに話を振るも、ゲルパは静かに首を横に振った。
「私は自分の仕事をするだけだ。仕事に見合った報酬をもらえればそれでいい」
「欲がないね。ま、でも相手はこの国で一番の剛のものたちだ。相応の報酬ってのも期待してしまうね」
「なるほど......」
バウワー近衛総司令は考えた。領土などの恩賞は自分の権限外のもので勝手に約束していいものでもない。近衛軍団の地位なら与えられるが、中央の軍に入るのを嫌って、軍閥なぞやっている目の前の男たちにはあまり意味がなさそうであった。
バウワー近衛総司令が迷っていると、マルカネンが手を挙げた。
「もし叶うなら北部におけるルーシア帝国との交易権をいただけないですかね?」
ルーシア帝国はドイエベルンの北部に広がる大帝国だ。基本的に国家間の交流はほとんどないのだが、たまに鉱石など一部の商品を物々交換するなど交流のある地域もあった。
「ほう? そんなもの欲しがるのか?」
「ええ。軍隊を養うにも金が要るんでね。全部とは言わないまでも一部商品の独占交易権をもらえるとこっちも仕事がしやすくなるってもんですよ。ゲルパの旦那もどうだい?」
マルカネンの提案にゲルパも頷いた。文句はないようであった。
「なるほど。俺の一存では決められんが陛下に打診してみよう」
「よっしゃ!」
マルカネンは提案が通って喜んでいた。負けることを微塵も考えていないようであった。3倍の軍勢に優秀な将。バウワー近衛総司令は負けるわけがないと高をくくっていた。
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